「魚を与えるのではなく魚の釣り方を教える」というのは最近初めて知りました。いや、意味は分りますが、「食糧を与えるのではなく食糧の生産方法を教える」みたいなえらく直截的な表現で理解していたので。
しかし、「魚の釣り方を教える」でも十分ではないと思う。それはサステナブルではあるけれど、低いレベルで持続可能ということではないだろうか。発展がない。何かというと、より上の生活レベルを目指すための余裕を生まないということだ。
余裕を生むためには「魚の売り方を教える」だろう。自分たちが生きるため以上の生産を促し、余裕となる現金を生むようなモチベーションを持ってもらう。
そこで生まれた余裕はただ消費してしまうものではなく、次のレベルにいくための投資に使ってもらう。具体的にいえば子供への投資 = 教育だ。医療や科学技術の知識を習得するために、親が稼ぎ、子は学びに専念できることが望ましい。
日本はそういうところに力を注ぐべき。それは相手のためだけではない。「情けはひとのためならず」を、日本が生き延びて行くための戦略とするのだ。
もう少し具体的にすると、援助することによって日本の食糧、資源を確保することを戦略に据えるのだ。
今農水省では、食糧自給率が低いことを問題にしている。
Food Action Nippon 日本の食料自給率問題とは
これ自身を見ると間違ったことは言っていないように見える。
しかし、ここで言っている自給率とはカロリーベースでの計算なのだ。野菜を生産しても自給率は上がらない。牧畜を行うのに輸入した飼料は自給率をマイナスにする方向に働く。
お分かりだろう。自給率を上げるには、お金になる作物を作るのではなく、穀物や芋類など単価は安いがカロリーになるものを作る必要があるのだ。これって農家に自分たちの利益を上げるよりも、国家のいざという時のために食いつなぐ食糧となる作物を作れと言っているようなものだろう。また、国民にも国産の作物を食えと言っているだけでなく、飼料を外国に依存する肉を食うなと言っているようなものだろう。
さて、もとの論旨に戻る。日本がとるべき戦略とは、
貧困国に食糧増産のノウハウを教えインフラを整備するだけでなく、
余剰の生産を行うことで豊かになる道を教え、
余剰生産を日本が優先的に得られる関係、仕組みを作る
ことだと思う。農水省の問題は日本がいきなり孤立してしまうことを前提としている点だ。そのときに食糧だけあって食いつなげても仕方がないと思う。エネルギーはどうするの、工業製品生産に必要な材料部品はどうするの?ということだ。
日本は他の国から孤立しては生きられない。ここで提示した枠組みは、途上国を豊かにする一方で、日本の仲間を増やし、いざという時に孤立しない、いやそれ以前に孤立する状況にならないことを狙うものだ。いわばWIN-WINの関係を築くということだろう。
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2011/10/17
2011/10/16
ヨコハマトリエンナーレ キッズアートガイド
ヨコハマトリエンナーレでは、小中学生が大人に作品の紹介をするキッズアートガイドという企画があります。
これまで 9/11, 9/25, 10/2 の3回行われ、あと2回 10/16, 10/30 に行われます。毎回
11:10-12:00/横浜美術館
14:00-15:00/日本郵船海岸通倉庫(BankART Studio NYK)
というスケジュールで行われているようです。
9/25 横浜美術館と、10/2 日本郵船海岸通倉庫に参加して来ました。
9/25 横浜美術館は、キッズも観客も多いため、2班に分かれ、A班は展示ルートの前半、B班は後半を回ります。最後に美術館の前のウーゴ・ロンディノーネで合流します。私はB班で行くことにしました。開場から間もない時間帯で後半に行くため、ほとんど貸し切り状態になるというのに惹かれて。
作品の解説というより、キッズが作品ごとに分担して、自分が感じたことを観客の皆さんの前でプレゼンします。一生懸命説明してくれるのが可愛いですね。
聞いているだけで良いのかと思ったら、最初の作品のところでいきなりあてられて焦りました。負けないように一所懸命話しました。それぞれの作品でこういうふうに聞かれるのかと思っていたら、ここだけでした。
最後に集まったところで、誰か感想を話してくださいとのことで、今度は自分から手を挙げて全体の感想を話しました。「今後もずっとアートに親しんでください」みたいなことを話しました。
これは日本郵船海岸通倉庫のほうも参加したいと思ったのですが、その日の午後は有志ボランティア アートバードの人たちの「トーキング&ウォーキング ~ヨコハマトリエンナーレをしゃべろう~」に参加することになっていたので、それはまた次回。ということで10/2にしました。
この日は、キッズの数が少なく、一人で複数作品の説明をしていました。王節子先生に聞くと、子ども達にもそれぞれ都合があって午前で帰った子もいるとのこと。観客のほうは9/25 横浜美術館の1班と同じくらいの人数でした。
ただ日本郵船海岸通倉庫は作品と作品の間隔が狭く、観客を前に説明するのは厳しいような感じがしました。午後で他のお客さんも増えている時間帯ですし。また、こちらのほうはフラジャイルな作品が多くはらはらしました。ケンピナスの作品は、作品に沿って歩いて見てくださいなんていうもんだから、磁気テープに当たって揺らす人が続出。みんな気がつかないのかな。サポーターで来た訳ではないのに思わず離れてくださいと声出しちゃいました。
ブログ「美術検定」の記事「ヨコトリ:キッズ・アートガイド2011」で、
ノイエンシュワンダーのProsopopeia <プロソポピーア>では3種類の参加型作品を全部触らせていましたが、卵のは抜いても良かったんじゃないかな。ただでさえ壊れやすいので、スタッフの皆さんはいつも神経尖らせているのに、大勢で押し寄せると対処に困っている様子でした。
ここも最後は感想を聞かれるので、やはり皆さんの前で話して来ました。基本的に同じような感想ですけど。
あと2回ですので、それにあわせて行くようにすると良いと思います。
これまで 9/11, 9/25, 10/2 の3回行われ、あと2回 10/16, 10/30 に行われます。毎回
11:10-12:00/横浜美術館
14:00-15:00/日本郵船海岸通倉庫(BankART Studio NYK)
というスケジュールで行われているようです。
9/25 横浜美術館と、10/2 日本郵船海岸通倉庫に参加して来ました。
9/25 横浜美術館は、キッズも観客も多いため、2班に分かれ、A班は展示ルートの前半、B班は後半を回ります。最後に美術館の前のウーゴ・ロンディノーネで合流します。私はB班で行くことにしました。開場から間もない時間帯で後半に行くため、ほとんど貸し切り状態になるというのに惹かれて。
作品の解説というより、キッズが作品ごとに分担して、自分が感じたことを観客の皆さんの前でプレゼンします。一生懸命説明してくれるのが可愛いですね。
聞いているだけで良いのかと思ったら、最初の作品のところでいきなりあてられて焦りました。負けないように一所懸命話しました。それぞれの作品でこういうふうに聞かれるのかと思っていたら、ここだけでした。
最後に集まったところで、誰か感想を話してくださいとのことで、今度は自分から手を挙げて全体の感想を話しました。「今後もずっとアートに親しんでください」みたいなことを話しました。
これは日本郵船海岸通倉庫のほうも参加したいと思ったのですが、その日の午後は有志ボランティア アートバードの人たちの「トーキング&ウォーキング ~ヨコハマトリエンナーレをしゃべろう~」に参加することになっていたので、それはまた次回。ということで10/2にしました。
この日は、キッズの数が少なく、一人で複数作品の説明をしていました。王節子先生に聞くと、子ども達にもそれぞれ都合があって午前で帰った子もいるとのこと。観客のほうは9/25 横浜美術館の1班と同じくらいの人数でした。
ただ日本郵船海岸通倉庫は作品と作品の間隔が狭く、観客を前に説明するのは厳しいような感じがしました。午後で他のお客さんも増えている時間帯ですし。また、こちらのほうはフラジャイルな作品が多くはらはらしました。ケンピナスの作品は、作品に沿って歩いて見てくださいなんていうもんだから、磁気テープに当たって揺らす人が続出。みんな気がつかないのかな。サポーターで来た訳ではないのに思わず離れてくださいと声出しちゃいました。
ブログ「美術検定」の記事「ヨコトリ:キッズ・アートガイド2011」で、
キッズ・ガイドは、ビデオテープのインスタレーション作品でも、「ここから作品に沿って歩いて行くと景色が違うものに見えてきます。そこが僕は面白いと思います」という紹介をしてくれました。という記事は読んでいたのですが、別にすれすれのところを歩かなくていいのにね。
ノイエンシュワンダーのProsopopeia <プロソポピーア>では3種類の参加型作品を全部触らせていましたが、卵のは抜いても良かったんじゃないかな。ただでさえ壊れやすいので、スタッフの皆さんはいつも神経尖らせているのに、大勢で押し寄せると対処に困っている様子でした。
ここも最後は感想を聞かれるので、やはり皆さんの前で話して来ました。基本的に同じような感想ですけど。
あと2回ですので、それにあわせて行くようにすると良いと思います。
2011/10/10
聞き耳ワールド
Smart Illuminationの日、集合時間が16:00だったので少し早めに行って、聞き耳ワールドを体験して来ました。
参加したコースはこれ。
H:関内周辺おすすめランチ紹介ツアー
港町で味わう“異国料理”を大特集
象の鼻テラスへ向かうので、関内からBankART Studio NYK へ向かうコースを選択しました。1時間はつきあえないけど。
歩くペースが同じなので、そろそろ見えてくるとか、いまそばにあるビルが震災のときは ... なんて本当に二人がそばで会話している感じ。
収録日は横浜スタジアムで横浜阪神戦が行われていて、阪神の応援団がすごいみたいなことを話していたのですが、私が歩いた日もちょうど横浜阪神戦やってたみたい。シーズンも終盤で盛り上がりには欠けたかも。
タイカレー、トルコ料理など、一度は行ってみたいところばかりです。
参加したコースはこれ。
H:関内周辺おすすめランチ紹介ツアー
港町で味わう“異国料理”を大特集
象の鼻テラスへ向かうので、関内からBankART Studio NYK へ向かうコースを選択しました。1時間はつきあえないけど。
歩くペースが同じなので、そろそろ見えてくるとか、いまそばにあるビルが震災のときは ... なんて本当に二人がそばで会話している感じ。
収録日は横浜スタジアムで横浜阪神戦が行われていて、阪神の応援団がすごいみたいなことを話していたのですが、私が歩いた日もちょうど横浜阪神戦やってたみたい。シーズンも終盤で盛り上がりには欠けたかも。
タイカレー、トルコ料理など、一度は行ってみたいところばかりです。
2011/10/09
スマートイルミネーション横浜
ヨコハマトリエンナーレのサポーターへのお知らせメールの中に運営ボランティア募集の案内があったので、これは面白そうととって参加して来ました。
スマートイルミネーション横浜 省エネ技術とアートでつくる「もう一つの横浜夜景」
山下公園、元町など各地で色々な取り組みがあったのですが、仕事は象の鼻パークの周辺だけだったので、ボランティア参加ではなく一般客として行った方が良かったかもしれません。
それでもいろいろなイルミネーションを見て来ました。
ひかりの実: 紙袋 (果実栽培用らしい) に各人思い思いのスマイルを描きます。その中にLEDの光を入れて木に飾ります。
参加には500円必要で、このひかりの実は持って帰れませんが、LEDで光るバッジをくれます。18:00までに行くと光るバッジはもらえませんが無料で参加できます。私もそれで参加して来ました。
横浜三塔のひとつ、クイーンのライトアップ。《The Organic Nucleus/有機中芯的「象の鼻」》というタイトルがついているんですね。
光る男。これは、「〈光のアーティスト日下淳一と巡る〉 イルミ・アート・ツアー」というイベントなんですね。日下さんが戻られた時に休憩中の写真を撮らせていただきました (これは公開しません)。
その他の写真は、MobileMeのギャラリーにおきました。
MobileMe ギャラリー: Smart Illuminations
→ 移転 Google フォトアルバム スマートイルミネーション横浜
MobileMeのギャラリーはiPhotoからアップロードするのですが、アップロードした後もiPhotoと連携しているんですね。写真のキャプションを変えるのにはWebで出来なくてiPhotoを使う必要があるようです。編集する場所が決まってしまうと面倒のように思うのですが。これiCloudになった時にどういう扱いになるんでしょうか。
追記: アップロードして編集するのは、ギャラリーからはできないけれどもMobileMe サイトから出来るんですね。その編集結果もiPhotoに反映されるようです。
追記 (2017/1/7): MobileMeと写真を同期していると容量制限を超えてしまうので、容量を気にしなくて良いGoogle フォトアルバムに移転しました。→ スマートイルミネーション横浜
なお、このイベントは10月9日までです。
スマートイルミネーション横浜 省エネ技術とアートでつくる「もう一つの横浜夜景」
山下公園、元町など各地で色々な取り組みがあったのですが、仕事は象の鼻パークの周辺だけだったので、ボランティア参加ではなく一般客として行った方が良かったかもしれません。
それでもいろいろなイルミネーションを見て来ました。
ひかりの実: 紙袋 (果実栽培用らしい) に各人思い思いのスマイルを描きます。その中にLEDの光を入れて木に飾ります。
参加には500円必要で、このひかりの実は持って帰れませんが、LEDで光るバッジをくれます。18:00までに行くと光るバッジはもらえませんが無料で参加できます。私もそれで参加して来ました。
横浜三塔のひとつ、クイーンのライトアップ。《The Organic Nucleus/有機中芯的「象の鼻」》というタイトルがついているんですね。
光る男。これは、「〈光のアーティスト日下淳一と巡る〉 イルミ・アート・ツアー」というイベントなんですね。日下さんが戻られた時に休憩中の写真を撮らせていただきました (これは公開しません)。
その他の写真は、MobileMeのギャラリーにおきました。
MobileMe ギャラリー: Smart Illuminations
→ 移転 Google フォトアルバム スマートイルミネーション横浜
MobileMeのギャラリーはiPhotoからアップロードするのですが、アップロードした後もiPhotoと連携しているんですね。写真のキャプションを変えるのにはWebで出来なくてiPhotoを使う必要があるようです。編集する場所が決まってしまうと面倒のように思うのですが。これiCloudになった時にどういう扱いになるんでしょうか。
追記: アップロードして編集するのは、ギャラリーからはできないけれどもMobileMe サイトから出来るんですね。その編集結果もiPhotoに反映されるようです。
追記 (2017/1/7): MobileMeと写真を同期していると容量制限を超えてしまうので、容量を気にしなくて良いGoogle フォトアルバムに移転しました。→ スマートイルミネーション横浜
なお、このイベントは10月9日までです。
2011/10/07
Never Be The Same
ジョブズがいない世界。朝訃報を聞いた時にはついにその日が来たかと思っただけなのだが、じわじわと感慨が湧き上がって来る。ジョブズのいない世界は、今までと同じではあり得ない。
しかし ...
「スティーブ・ジョブズ-驚異のイノベーション」のポイントとなるメッセージは、
これからはそれを僕らが考える番だ。ぶれないキャラクターを心の中に描き、自らの行動をそれに照らし合わせてみる。そこで自分の生き方もぶれないものになるのだろう。
独特の文化をもった企業には、そういうキャラクターがいる。本田宗一郎だったらどう言うだろうか。盛田昭夫はどう判断するだろうか。皆がそのように考えることで、それは共通の価値観となり、文化として定着する。
アップルもジョブズ亡き後もそんな企業になると思う。
しかしジョブズの遺伝子はアップルだけに残すのはもったいない。
皆が「ジョブズならどうするだろうか。」と考え行動することにより、その遺伝子は共有できる。
ジョブズのいない世界は、今までと同じではあり得ない。
しかし、小さなジョブズがたくさんいる世界は作れると思うのだ。
しかし ...
「スティーブ・ジョブズ-驚異のイノベーション」のポイントとなるメッセージは、
ジョブズならどうするだろうか。
これからはそれを僕らが考える番だ。ぶれないキャラクターを心の中に描き、自らの行動をそれに照らし合わせてみる。そこで自分の生き方もぶれないものになるのだろう。
独特の文化をもった企業には、そういうキャラクターがいる。本田宗一郎だったらどう言うだろうか。盛田昭夫はどう判断するだろうか。皆がそのように考えることで、それは共通の価値観となり、文化として定着する。
アップルもジョブズ亡き後もそんな企業になると思う。
しかしジョブズの遺伝子はアップルだけに残すのはもったいない。
皆が「ジョブズならどうするだろうか。」と考え行動することにより、その遺伝子は共有できる。
ジョブズのいない世界は、今までと同じではあり得ない。
しかし、小さなジョブズがたくさんいる世界は作れると思うのだ。
2011/10/02
"The Clock" が面白い
ヨコハマトリエンナーレで展示されている作品の一つに、クリスチャン・マークレーの "The Clock" という映像作品があります。以前の記事に簡単に紹介しました。
今日は中に入って映像を見ていました。何回かに分けましたが、合計すると1時間近く見ていたと思います。じっくり見ていると、スムーズに繋がっていることを再認識させられます。ストーリーは個々の断片にはあるのでしょうが、全体としてはもちろんストーリーはなく、次の展開も予想がつきません。それでも次を見たくなる、見続けたくなるのです。うまく繋がっている以上の何かがあると感じます。
今回気づいた点を列挙します。
これらはもしかして、もともと映画で使われているテクニック、いわば「映画の文法」の一部なのかもしれません。"The Clock" の特徴がそのそのようなものだと仮定すると、それで金獅子賞というのは微妙なところかもしれません。
追記: クリスチャンマークレーのインタビューがありました。制作過程が興味深いです。
ART iT クリスチャン・マークレー インタビュー
やっぱり音は重要な要素だったんですね。
追記:クリスチャン・マークレー「The Clock」24時間上映決定 (ヨコハマトリエンナーレ2011)
2011年10月26日(水)20:00~10月27日(木)20:00
定員 60名だけどソファは24名分しかないので、トイレに立ったら交替!
今年ベネチアビエンナーレで金獅子賞をとったので、注目の作品です。色々な映画から時計など時間が表示されている部分を繋いで、その時刻にその場面が現れるようにした24時間の映像作品です。入口の前にいたので内容は見れなかったのですが、音を聞いているかぎりでは、ぶちぶち切れた映像ではなくスムーズに繋がっているもののように思います。
今日は中に入って映像を見ていました。何回かに分けましたが、合計すると1時間近く見ていたと思います。じっくり見ていると、スムーズに繋がっていることを再認識させられます。ストーリーは個々の断片にはあるのでしょうが、全体としてはもちろんストーリーはなく、次の展開も予想がつきません。それでも次を見たくなる、見続けたくなるのです。うまく繋がっている以上の何かがあると感じます。
今回気づいた点を列挙します。
- 音と映像の切れ目は同じではない。
例えば、室内のシーンから (別のシーンの) 戸外に移る際、戸外の喧噪を室内の シーンに入れているようです。こうすると客は、室内のシーンの途中で、次のシーンへの準備が出来ていることになります。 - 視線の移動に配慮する
同様に次のシーンへの予告になるものとして「視線の移動」が考えられます。前のシーンでは登場人物が視線を動かすと、次のシーンではその視線の先にある対象物があると期待します。"The Clock"では、この場合は実際は別の映画から持って来るものになるでしょうが、 こういう場合には見ている対象として違和感のないものが選ばれていると思います。 - 雰囲気のにたものをつなげる
例えば電話。電話をかけているシーンがあったら、次はその相手が映っていると期待するだろう。"The Clock"では、(場合によっては別の映画の) 電話をかけているシーンになっているようです。
これらはもしかして、もともと映画で使われているテクニック、いわば「映画の文法」の一部なのかもしれません。"The Clock" の特徴がそのそのようなものだと仮定すると、それで金獅子賞というのは微妙なところかもしれません。
追記: クリスチャンマークレーのインタビューがありました。制作過程が興味深いです。
ART iT クリスチャン・マークレー インタビュー
やっぱり音は重要な要素だったんですね。
追記:クリスチャン・マークレー「The Clock」24時間上映決定 (ヨコハマトリエンナーレ2011)
2011年10月26日(水)20:00~10月27日(木)20:00
定員 60名だけどソファは24名分しかないので、トイレに立ったら交替!
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