こんばんは。松坂世代です(ウソ)。
私の知っている団塊の世代の人達には、尊敬できる人も多いのですが。
とまず逃げを打っておこう。
先日NHK教育TVで面白い番組をやっていたそうですね。見逃しちゃったよー。
ETVワイド ともに生きる「団塊が日本を変える!?」で、この番組を見たレポートがこちら
ロリコンファル - 団塊の世代 −絶対的自信の世代−
まず番組の冒頭に、団塊世代は団塊世代のことをどう考えているかと
いうアンケートの結果を公開したのですが、これが驚くべきもの…。
アンケートのうち60%をとった一位の答えが
「団塊の世代は高度経済成長を支えてきた世代」
だそうで。で、司会者の対応が面白い。
…なんといいますか…団塊の世代は凄い自信家というか、うぬぼれ…
ごほごほ…彼等は自信家な訳ですが、橋爪大三郎先生はどう思いますか?
橋爪先生、一刀両断です。
団塊の世代が抱いている自己イメージは、全くの錯覚です。
高度経済成長は1955年から1970年までの経済の成長であり、70年に一度
終わっています。団塊の世代が働き始めたのは1970年後以降であり、
彼等はそれまでの先人が作った経済システムにただのりしたに過ぎない
のに、それをまるで自分が作ったかのように錯覚しているのです………
その根拠のない自信は錯覚から来ているのだろうか。確かに一所懸命働いたんだろうな、なんていうの? スポコン的な懸命さ。一所懸命だから悩まない、悩まないから一所懸命になれる。
東大安田講堂事件は1969年なので私はまだ小学生か。このころ、私は「こんな大人にはなるまい」と思っていて、ずっとそれを心に抱いて大きくなった。きっと私の世代に共通するものがあるんじゃないのかあ。
ずっと後になって、研究者の集まるパーティで学生運動の話題が出たので、私はその思いを口にしたことがある。そのとき、その世代の人(女性)は、自信たっぷりにこう言っていた。
私達は正しかった。なぜ自分達が正しいか確信したかというと、交渉した大学側の言い分があまりにも間違っていたから。
いや、両方間違っているということだってあるんですけど。と思ったのだが、あまりにも自信たっぷりで、はあそうですかとしか言えない状態。ふつう自分に自信がなければ、亀田興毅みたいにムキになって反論したり押さえつけようとするものだが、そんな様子は全然なく、その論理を本気で信じているんだなと感じた。
実はそれまで、反体制を掲げて学生運動を行っていた人達、"Don't Trust Over Thirties"といっていた人達は、就職する時には相当の自己矛盾に悩んで大人になっていたのだろうと思っていた。でもそうではなかったようで。
でもね、「こんな大人にはなるまい」と思っていたけど、それに代わるものにはなってないんだよね。彼等は何も残しはしなかったけど、我々は何も作ろうとはしなかった。私は、今もそのことには負い目を感じている。悩み続けている。
だから、悩まずに自信をもっている人は幸せでいいなあと思う。
「歴史の証言者(マンガ編)」で、夏目房之介(1950年生まれ)と渋谷陽一(1951年生まれ)の世代のことをうらやましいと書いたが、それはこんな思いも背景にあるのだ。
でも、羨ましいといってばかりではだめだ。我々は悩みながらも生きていかなくちゃ行けないし、社会を支えていかなければならないと思うのだ。
ところで、最初の番組にかえって、団塊キャスターのブログがあるので、リンクを示しておきます。
団塊世代の実感を語り合おう。