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2023/12/31

2023年に行った美術展

今年行った美術展と美術関連イベント。コメントは後で。

2023/02/21

2023/03/18
2023/03/29
2023/03/31

2023/05/13
2023/09/15
2023/09/22
2023/09/27
  • Gender @ Good Design Marunochi
2023/10/07
2023/10/17
2023/10/20
2023/10/22
2023/10/23
2023/10/28
  • 『やどかりプログラム』ファイナルトーク ―『横浜美術館』を振り返る @ 横浜美術館仮事務所 PLOT 48
2023/11/24
2023/11/27
2023/12/06
  • 「Digital Happiness いとおしいデジタルの時代。」展ギャラリーツアー@ 21_21 DESIGN SIGHT ギャラリー3
2023/12/22
  • 『シュルレアリスム宣言』100年 シュルレアリスムと日本 @ 京都文化博物館 https://www.bunpaku.or.jp/exhi_sogo_post/20231216-20240204/
  • 異界へのまなざし あやかしと魔よけの世界 @ 京都文化博物館  https://www.bunpaku.or.jp/exhi_sogo_post/20231125-20240108/

2023/09/03

アートとAI その2 - 人工知能美学芸術展2023

 9月2日、人工知能美学芸術展2023「AI芸術の先駆と拡張」 に行ってきた。

旧東京音楽学校奏楽堂
人工知能美学芸術展2023 @ 旧東京音楽学校奏楽堂
「AI芸術の先駆と拡張」
〜自動ピアノ・四分音・生成AI〜
https://www.aibigeiken.com/exhibition2023/index.html

以下のような実験的な試みが含まれている (上記より)。

  • 人工知能 (AI) 以前の技術である自動ピアノのための作曲を、「AI芸術の先駆」と位置づける。
  • 人間には耳慣れない四分音による作曲を、「人間美学の拡張」と位置づける。
  • 今日の生成AIによる作曲や作画を、「AI芸術の拡張」と位置づける。
  • これら三者の交わりから、未知の機械美学が立ち現れるということはないだろうか。

自動ピアノも四分音もAIとは直接関係がないが、人間の美学と異なる / 超えた「未知の機械美学」を追求するものであると理解した。

第一部は、自動ピアノのための作曲。コンロン・ナンカロウ (1912-97 メキシコの作曲家) が作曲した「自動ピアノのための習作」11曲が演奏された。

自動ピアノは基本的には人間の演奏をロール紙にパンチすることで記録し再生することを目的とした機械。しかしナンカロウは直接手動でロール紙にパンチすることで「作曲」する。このようにして作られた曲は、指が10本しかないというピアニストの制約を受けずにすむ。さらにナンカロウはリズムや拍子からも自由になった作品を作曲していく。

例えば≪自動ピアノのための習作第37番≫では、12対のカノンの組み合わせになっている。


上記YouTubeではスコアが可視化されているのでどのような組み合わせになっているか理解できると思う。私も当日の生演奏を聴いてリズムやメロディーが把握できないのでただ聴いていたに過ぎなかったが、この動画で初めてなんとなく理解した。

第一部の最後には、Meta社が開発した音楽生成AI MusicGenで作曲された音楽が自動ピアノにより演奏された。今回が初演だったそうだ。どのような指示 (プロンプト) を与えたか分からないが、ナンカロウよりさらに難解 (なんか駄洒落を言いたい気分)。

第二部は、シンポジウム (主宰の中ザワヒデキさんと草刈ミカさん、音楽学者の柿沼敏江さんの鼎談) と、四分音を使った演奏。

四分音を使った演奏は、自動ピアノと、1/4音ずつずらして調律したピアノを人間のピアニスト (大瀧拓哉さん) が演奏する形で行われた。前半はピアノ教則本ハノンから、後半はやはりMusicGenで索居した作品。


上記写真、向かって左が自動ピアノ、右が1/4音ずつずらして調律したピアノ。背面のスクリーン右が自動ピアノの鍵盤 (とロール紙)、左が自動演奏中に回転するホイール。

四分音を使うということで、それに耐えられるのか戦々恐々としていた。しかしそれはなんともなかった。よく考えたら音階を聞き分ける耳をもっていないのであった。むしろリズムやメロディーが把握できないところでそれ以上は何を聴いても同じだったのだろう。

さて、主宰者側の「未知の機械美学」を追求するという意図に戻って考える。私は以前、「アートとAI」で、

  • アーティストに一般人にできない発想を提示することに存在意義があるなら、AIもそのようなことができるだろう
  • AIが提示する「新しい発想」の中から意味のあるもの、価値のあるものをふるい分けるのは人間、アーティストであろう
  • アーティストがその価値をAIの評価関数として与えることができるかもしれない

と書いた。

私がもつ大前提として、「価値のあるもの = 美学というのは、人間にとって価値があるもの」という価値観があったと言えよう。

しかし、彼らはそう思っていないようだ。

毎日新聞 2023/8/30 美術家も見届けたい AIが自らの意志で芸術を生み出す瞬間

 疑問がわいた。たとえ、AIが自発的な創作を始めたとしても、人間がその営みを評価しない限り芸術にはなり得ないのでは、と。すると「いつまでも人間が評価する側にいられると思わない方がいいですよ」と中ザワさんから返ってきた。さらに「AIが創作もするし、鑑賞もするようになれば、『これを良いと思わない人間はだめだ』と言いだすかもしれません。いずれ、AIの方が賢いかもしれないという負い目が人間には生まれます。そんな時、新たな芸術の価値観をAIが打ち出したらどうでしょう」と。

これは感性におけるグラウンディング = 実際の知との接続が不要だということだろう。いや人間側からAIの感性と接続する必要があるということか。

音楽においては、最初は単純なリズムが生まれ、音階からメロディーが生まれ、和音、ハーモニーが生まれてきた。だんだん新しい概念を取り入れ消化して行った歴史があるのだろう。そういう意味では今後受け入れられる可能性はあるとは言える。

音楽と美術、文芸との違いも大きいだろう。美術は見えるもの=具象とつながってそこから抽象絵画に派生してきた。文芸・文学は一部の詩を除いて常に具体的な単語を通じて日常とつながっている。それに対して音楽は最初から抽象と言える。具体的なものとの接続がないので、どこまでも遠く行ける可能性がある。

しかしやはりまだリズムに心動かされる部分は大きいのではないか。テンポ、リズムから自由になるのは今までもできたはずで、ナンカロウ以外にも取り組みがあったそうだが、まだポピュラーになっていないというのは、やはり人間の限界と言えるのではないか。

と、いろいろなことを考えたのでした。答えはありません。

2022/12/31

2022年にいった展覧会

今年定年再雇用が終了して、週2日の仕事だけになったので、時間に余裕ができて昨年よりも多く展覧会に行けたように思います。

2022/02/06 
2022/03/15 
2022/03/27 
2022/04/12 
  • M+バーチャルツアー @ オンライン
2022/05/09 
2022/05/11 
2022/05/21 
  • 東京ミッドタウン・デザインハブ 企画展「Gマークの住まいデザイン」ギャラリーツアー @ 東京ミッドタウン・デザインハブ https://designhub.jp/events/7540/
2022/05/23 
2022/05/28 
流麻二果
2022/06/11 
  • SSFF & ASIA 2022 @表参道ヒルズ スペース オー
  • Rashid Johnson “Plateaus” @ エスパス Louis Vuitton https://www.espacelouisvuittontokyo.com/ja/detail
  • 上映会+レクチャー「80年代サブカルチャーと芸術」@ Art Lab Tokyo
2022/06/13 
  • SSFF & ASIA 2022 BRANDED SHORTS @ 赤坂インターシティAIR
2022/06/23 
2022/07/01 
2022/07/02 
2022/07/09 
2022/07/25 
2022/08/06 
2022/08/26 
2022/09/03 
2022/09/26 
2022/10/02 
  • アーティストトーク「ヴォルフガング・ライプ:花粉から宇宙まで」 @ アカデミーヒルズ
2022/1010 
2022/10/23 
  • 第33回高松宮殿下記念世界文化賞 受賞記念 アイ・ウェイウェイ(艾未未)講演会 @ アカデミーヒルズ https://www.mori.art.museum/jp/learning/6041/
  • あおいうに個展「窓ぎわのグミ」@ ART Lab Tokyo
2022/10/31 
2022/11/26 
2022/12/02 
  • 蓮水展『紡ぐ』→ 作品購入
2022/12/05 
2022/12/12 
  • 愛~いきとしいけるもの~展 @ サイト青山
2022/12/13
  • クリエイターと「TOTOギャラリー・間 企画展 How is Life? ――地球と生きるためのデザイン」を回ろう! @ TOTOギャラリー・間 https://jp.toto.com/gallerma/ex221021/
2022/12/17
今年は気に入った作品 (しかも手頃な価格) に出会い、購入してしまいました。左が岩月ユキノ «HOUSE»、右が蓮水 «春夏秋冬»です。

  

もう一つ。開発好明 «191/147801»です。


「開発再考 Vol.2, 3」のイベントとして、開発さんの作品が500円〜で売られていました。開発さんが、ピカソの作品数147800を超えることを目標に粗製濫造制作した作品群で、観客はそれを購入し、自宅などに飾り、その写真を開発さんに送ることで作品が完成し、作品のシリアルナンバーが送られ、その番号を «xxxxxx/147801» の中に埋めることによって作品名が決まるという、参加型の作品です。私の番号が191ですからまだまだ遠い先ですね。

2022/03/19

見て! ミロ展

3月15日に、現在Bunkamura ザ・ミュージアムで行われているミロ展のブロガー内覧会が行われ、参加させてもらいました。

ミロ展 - 日本を夢見て - https://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/22_miro/ 

開催期間:2022/2/11(金・祝)~4/17(日)※2/15(火)、3/22(火)は休館
開館時間:10:00-18:00(入館は17:30まで)
     毎週金・土曜日は21:00まで(入館は20:30まで)
会場:Bunkamura ザ・ミュージアム 〒150-8507 東京都渋谷区道玄坂2-24-1

入館料(消費税込) 当日 前売
一 般 1,800円 1,600円
大学・高校生 1,000円 800円
中学・小学生 700円 500円

解説は学芸員の吉川貴子さん
今回の展覧会の視点は「日本」。ミロと日本の関係にフォーカスをあてます。

ミロは1893年バルセロナ生まれ。そのころバルセロナは、1988年万博から続くジャポニスム・ブームにあったそうで、日本美術を扱うお店もあり、その中でミロも日本にあこがれや興味を持ったと言われています。

このためこれまでも日本文化の影響は言及されてきたそうですが、日本文化に詳しくない美術評論家の解説は、どうしても印象論で語られがち。今回は、様々な角度からミロと日本の関係を明らかにしています。

最初の絵は、ジャポニズムに感化された友人に囲まれて影響を受けたことを示すため、浮世絵を背景にした友人の肖像画から始まります。

《絵画 (カタツムリ、女、花、星)》は絵の中にテキストが書かれています。ミロは絵と文字を区別せず一つの作品に中に入れます。これは、日本の絵巻物など書画に通底する表現ということです。

《絵画 (カタツムリ、女、花、星)》

ミロの初期の作品には細い線が入るものが多いですが、《ゴシック聖堂でオルガン演奏を聞いている踊り子》には、その細い線と書のような太い線が混在しています。

《ゴシック聖堂でオルガン演奏を聞いている踊り子》

この黒背景も日本の影響だそうです。西洋では黒は影くらいにしか使われないということです。

その後も、禅の影響や民芸との関係を示す展示が並びます。《花瓶》は花瓶にしては巨大な作品です。これにもミロらしい模様が施されています。

《花瓶》

これは絵巻物。作品名も《マキモノ》です。左の木箱もかわいい。

《マキモノ》

3点全て《絵画》
このあたりの作品は禅の影響なのでしょうか。黒と白の対比。これまで知っていたミロとは大きく異なります。

このように今まで知らなかったミロをたくさん見ることができます。

日本とミロということで、ミロが日本に来た時のエピソードも書かれていました。最初の日本での展示会で来日したときは、日本文化に触れるために日本中を回っています。大阪万博のガスパビリオンに壁画を展示した時には、新たに壁画を描くことを自分から提案して描いています。残念ながら保存はされていないそうです。

ミロのアトリエを再現したコーナーも楽しいです。

グッズもいろいろあって楽しそう。内覧会では時間がなくてカタログだけ買って帰りました。

最後にネスレのミロをもらいました。ダジャレかよ! (人のことは言えないですけど)。

2021/12/31

2021年に行った展覧会、アートイベント

今年もCOVID-19が猛威を奮い、なかなか展覧会に行けない年でした。後半はワクチンが行き渡ってきたのですが、今度は自分自身の体力・気力が落ちてきたように感じます。

2021/01/25
  • 『世界のビックリ建築を追え。』発刊記念イベント 筆者・白井良邦さんに聞く 「建築の楽しみ方」@ オンライン
2021/02/07 
  • 映像とともにあること——未来へのアーカイヴ @ オンライン
2021/02/09
2021/02/12 
  • バスキアはなぜすごいのか~グラフィティがアートになった理由~ @ オンライン
2021/02/27
2021/03/22
2021/03/24 
2021/06/01 @ 東京都現代美術館
2021/06/06
2021/07/08
2021/07/19
2021/07/24
2021/08/03 
2021/08/07
  • パビリオントウキョウ https://paviliontokyo.jp/: 藤原徹平、平田晃久、草間彌生、藤森照信
  • 水の波紋展2021 消えゆく風景から ー 新たなランドスケープ ヨタの青空カラオケ → 中止
  • 水の波紋展2021 消えゆく風景から ー 新たなランドスケープ @ ワタリウム美術館 http://www.watarium.co.jp/jp/exhibition/202108/
2021/09/26
2021/10/26 
2021/11/15
2021/11/20
2021/11/27
2021/12/25

今年は東京オリンピックの年、競技は見に行けませんでしたが、パビリオントウキョウの藤森照信の茶室から国立競技場を眺め雰囲気だけ感じてきました。

来年はもっと安心して東京に出られるといいですね。あと東京横浜以外にも遠出したいです。

2021/03/28

Constable

Cons table というとcons cell の拡張かな?と思うよね、フツー。いやいやここはConstableですから。

ジョン・コンスタブルは19世紀はじめに活躍した英国の風景画家です。ターナー (→ 過去の投稿「ターナーとサブライム」) と同時期の人なんですね。

三菱一号館美術館で開かれているコンスタブル展のブロガー内覧会に参加させてもらいました。

この頃風景画は「ピクチャレスク」(絵になる) 題材が好まれていましたが、コンスタブルは自分の生家がある農村地帯の絵を中心に描いています。題材が平凡なのと、風景画自体もは歴史画などより低くみられていたため、生計のために人物画も描いていました。

彼は、光を感じ、表現するため、屋外での絵画制作を重要視していました。油絵の制作、特に大型のものには道具が水彩に比べてかさ張りますが、父親の製粉工場に道具をおくことができたり、父親がアトリエを郊外に借りてくれていたり、その点では恵まれた環境だったと思います。のちには船で川を移動しながら描くこともやっていたそうです。

右は展示の様子。絵と共に絵を拡大した布がアクセントになっていて、単調な展示になるのが避けられています。写真は特別の許可を得て撮影しています。

同時代の作家の作品も併せて展示されています。下はターナーの作品群。

評価が高くなってくると、展覧会に出展して評判を得るための大型の作品を制作する一方、購入しやすく一般の家庭でも飾りやすい小型の作品 (「キャビネ・サイズ」) も描いていたというのは、微笑ましいお話ですね。結婚して子供もできて、養う必要が出てきたので、人物画もコンスタントに描いていたということです。右は《ジェイムズ・アンドリュー卿》と《ジェイムズ・アンドリュー夫人》。

またピクチャレスクな題材も制作するようになりました。ブライトンはリゾート地で以前は俗っぽいと避けていましたが、《チェーン桟橋、ブライトン》(写真右) で取り上げた時には、以前からそこに住んでいて仕事をしている漁民も併せて描いています。その点は他の作家と一線を画すところだと思います。

1932年のロイヤル・アカデミー展で、コンスタブルの《ウォータールー橋の開通式(ホワイトホール階段からの眺め、1817年6月18日)》(右) は、ターナーの《ヘレヴーツリュイスから出航するユトレヒトシティ64号》(左) と並べて展示されました。その頃展示会直前に「ヴァーニシング・デイ」という最後の手直しをする期間が設けられていたのですが、ターナーは、コンスタブルの作品に比べて地味だった自作の右下の方に赤いブイを描き加えました。コンスタブルの「ターナーはここへやってきて、銃をぶっ放していったよ」というコンスタブルの発言が勝者の余裕を感じます。

以下展覧会の情報です。

テート美術館所蔵 コンスタブル展
https://mimt.jp/constable/

場所: 三菱一号館美術館〒100-0005 東京都千代田区丸の内2-6-2
会期: 2021年2月20日(土)~5月30日(日)
開館時間: 10:00〜18:00 (金曜日の夜間開館は3月中は中止中)
休館日:月曜日 (※但し、祝日・振替休日の場合、会期最終週と2月22日、3月29日、4月26日は開館)
⼊館料・当日券: 一般1,900円、高校・大学生 1,000円、小・中学生 無料

2021/03/26

モンドリアン展

Composition with Red, Blue and Yellow
(WikiArtより)
モンドリアンというと右のような絵を思い出すよね。私もブログで「柴崎コウがモンドリアン柄の服を着ている」と書いたように、そんなイメージしか持っていませんでした。

2021年3月23日からSOMPO美術館で、「モンドリアン展 純粋な絵画をもとめて」が始まります。そこではモンドリアンの別の姿を見ることができます。前日に行われたプレス内覧会にブロガー枠で参加させてもらいました。

モンドリアン展 純粋な絵画をもとめて (LINK)
場所: SOMPO美術館
会期: 2021.03.23(火)- 06.06(日)
開館時間: 10:00 - 18:00
休館日: 月曜日※/展示替期間/年末年始
※ ただし5月3日は開館
入場料:
オンラインチケット当日窓口チケット
一般1,500円1,700円
大学生1,100円1,300円
小中高校生無料無料
障がい者手帳をお持ちの方無料無料

SOMPO美術館は以前はビルの高層階にあったのですが、昨年5月、その隣に新しく独立した美術館として建てられました。私は新しくなって初めて行きました。

前はオフィスビルのフロアを改修しましたーという感じのレイアウトだったのですが、新しい美術館は美術館らしく一つの広い部屋を自在に区切れるようになっているようです。ただ面積が小さいので、5階から3階まで3つのフロアを使った展示になっています。

2階はショップになっていて、これは以前より明るくて広く、休憩もできるスペースになっています。売っているものもバラエティが増えています。今回私はモンドリアン柄のエコバッグと箸置きに惹かれました。結局買いませんでしたが ...。

さて展覧会のほうに戻ります。モンドリアンも最初の頃は風景画などを描いています。風景画の中にも、後に続く構成的な要素が見られ、セザンヌっぽい作品もありました。キュビズムの要素を取り入れ、「新造形主義」理論を立ち上げます。点描の作品もありますが、粒が大きく、スーラなどの筆触分割とは異なり複数の異なった色を組み合わせて一つの色を感じさせるというものではありません (会場内の写真は特別の許可を得て撮影しています)。

このように、多くの人の影響も受けつつ自分の世界を作っているわけですが、影響を与えた人の一人にヤン・トーロップがありました。ヤン・トーロップといえば私も図録をもっていました。改めてみかえしてみると、1988年に大阪のナビオ美術館で開かれた展覧会で買ったもののようです。図録の中身をみると点描に類似点が見られます。ヤン・トーロップの「象徴主義」に傾倒したとのことですが、私にはそこまで深いところは理解できていません。


壁が青く採色されている作品群があって、一体何でくくっているのかと思いましたが、その右の壁がピンクになっていて、展示場自体もコンポジションを表しているのがわかりました。

モンドリアンは1917年、モンドリアンはデオ・ファン・ドゥースブルフらと「デ・ステイル」を結成し、絵画以外にも影響を与えます。それらのアーティストの作品も展示されています。多くは絵画ですが、その中にヘリット・トーマス・リートフェルトのアームチェアシリーズがあります。左は「ベルリン・チェア」。モンドリアンの影響がよくわかると思います。

展示の最後に、これもヘリット・トーマス・リートフェルトのシュレーダー邸の映像があります (houzz.jp に記事があります)。天井から吊るされた引き戸で部屋が分割されるようになっており、平面を直線で区切る、まさにモンドリアンの世界です。オランダのユトレヒトにあり、予約すれば見学可能ということですので、一度行ってみたいです。

SOMPO美術館では毎回入場前のスペースに写真を撮影できるコーナーがありましたが、今回は展示の最後に撮影スペースがあります。シュレーダー邸をバックにヘリット・トーマス・リートフェルトのジグザグ・チェアに座って撮影ができます。隣にはモンドリアン柄のワンピースが飾ってありますが、これは頼めば着れるのかな (たぶんできません)。


Courrier.jp にモンドリアンに関する記事がありました。

2021/01/30

2020年に行った展覧会とアートイベント

2020年はたいへんな年でした。おかげであまり展覧会やアートイベントにいけていませんし、この投稿も遅くなってしまいました。

  • 2020/01/11
    • 開かれた可能性——ノンリニアな未来の想像と創造 @ NTTインターカルチャーセンター (LINK)
    • アーティスト・トーク《ガムラン・オブ・飲むニケーション》から見える過去・現在・未来——かわっていくおなじもの @ NTTインターカルチャーセンター (LINK)
  • 2020/01/14
    • 動きの中の思索―カール・ゲルストナー @ ギンザ・グラフィック・ギャラリー (LINK)
  • 2020/01/21
    • Digital × 北斎【序章】@ NTTインターカルチャーセンター (LINK)
    • 「開かれた可能性——ノンリニアな未来の想像と創造」上映プログラム [アニミスティック・アパラタス(精霊信仰装置)——Cosmos] @ NTTインターカルチャーセンター (LINK)
    • 特別上映 ダムタイプ《memorandum》@ NTTインターカルチャーセンター (LINK)
  • 2020/01/24
    • 感情を伝える形と音 - thatgamecompanyがゲームというメディアに夢見る世界 @ D-Lounge (LINK)
  • 2020/02/01
    • 第31回東京国際映画祭・国際交流基金アジアセンター特別賞受賞 『武術の孤児』上映&ホアン・ホアン監督トーク @  アテネ・フランセ文化センター (LINK)
      → ブログ  武術の孤児 
  • 2020/02/04
    • 近松素子「あとかた」@ Oギャラリー
    • 込宮空芯菜展 @ Oギャラリー
    • 「無形にふれる」展 @ ポーラ ミュージアム アネックス(LINK)
    • ヤコポ バボーニ スキリンジ 「Bodyscore-the soul signature」 @ シャネル・ネクサス・ホール (LINK)
    • 「“all the women. in me. are tired.“ -すべての、女性は、誰もが、みな、疲れている、そう、思う。―」展 @ THE CLUB (LINK)
    • 岡田杏里個展「El yo y el Yo」@ 蔦屋書店 GINZA ATRIUM (LINK)
    • 河口洋一郎 生命のインテリジェンス THE INTELLIGENCE OF LIFE | ギンザ・グラフィック・ギャラリー (LINK)
    • 記憶の珍味 諏訪綾子展 @ 資生堂ギャラリー (LINK)
    • 世界のクリエイティブがやってきた ! 2019」展 @ アドミュージアム東京 (LINK)
  • 2020/02/15
    • ミナ ペルホネン/皆川明 つづく @ 東京都現代美術館 (LINK)
    • ダムタイプ|アクション+リフレクション @ 東京都現代美術館 (LINK)
    • DOMANI・明日2020 傷ついた風景の向こうに @ 国立新美術館 (LINK)
    • ダムタイプ|ラウンドテーブルトーク @ 東京都現代美術館 (LINK)
    • MOTコレクション 第3期 いまーかつて 複数のパースペクティブ@ 東京都現代美術館
    • COMING OF AGE @ エスパス ルイ・ヴィトン東京
  • 2020/02/19 
    • FACE展2020  @ 東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館 (LINK)
  • 2020/02/20
    • 『未来の学校祭 2020』脱皮パフォーマンス|DAPPI MUSIC PERFORMANCE @ 東京ミッドタウン・ホール (LINK)
  • 2020/02/21 
    • 『未来の学校祭 2020』脱皮トーク|Media Art in Tokyo:メディアアートはTOKYOをどう脱皮させられるか? @ インターナショナル・デザイン・リエゾンセンター (LINK)
  • 2020/02/22
    • 第4回メディアアート国際シンポジウム「メディア文化のオープンネス――協働,ネットワーキング,文化交流に向けて」@ オンライン (LINK)
  • 2020/02/23 
    • 大竹英洋写真展「ノースウッズ-生命を与える大地-」@ フジフイルム スクエア(LINK
    • 高橋康資写真展「東京ジャンクション」@ フジフイルム スクエア (LINK)
    • TOKYO MIDTOWN × ARS ELECTRONICA『未来の学校祭 2020』“脱皮ツアー” @ 東京ミッドタウン
    • 『未来の学校祭 2020』脱皮トーク|Out of the Box 2:イノベーションのための脱皮 @ インターナショナル・デザイン・リエゾンセンター(LINK)
    • 矢後直規展「婆娑羅」トークイベント ゲスト:菅付雅信 @ ラフォーレミュージアム原宿 (LINK)
    • 『未来の学校祭 2020』脱皮トーク|STARTS – Innovation at the Nexus of Science, Technology, and the ARTS:アートシンキングが触発する脱皮 @ インターナショナル・デザイン・リエゾンセンター (LINK)
  • 2020/02/26 
この後中止になったイベントが増えた。
  • 2020/03/06 MAMプロジェクト027:タラ・マダニ アーティストトーク
  • 2020/03/07 矢後直規展「婆娑羅」トークイベント ゲスト:太田莉菜(モデル・女優)
そしてオンラインのイベントがほとんどになってくる。
  • 2020/05/11
    • 2020年度グッドデザイン賞 審査の視点セミナー [プロダクト分野]
久しぶりにリアルのイベントはヨコハマトリエンナーレ。
  • 2020/07/17 
  • 2020/07/19
  • 2020/07/26
    • ヨコハマトリエンナーレ2020 参加型アクション「エピソード06 岩井優《彗星たち》」オンライン・ディスカッション (LINK)
  • 2020/08/09
  • 2020/08/15
    • 『GOOD DESIGN FILE 愛されつづけるデザインの秘密』発刊記念・著者 高橋 克典氏が語る「ロングライフデザインの秘密」@ オンライン
  • 2020/08/24 
    • STARS展 @ 森美術館 (LINK) → ブログ STARS展
    • ㊙展 めったに見られないデザイナー達の原画 @ 21_21 Design Sight (LINK)
    • 東京ミッドタウン・デザイン部 ONLINE「日本のグラフィックデザイン2020」ギャラリーツアー @ オンライン
  • 2020/09/02
    • 社会課題を解決するデザインを考える ~「ソーシャルデザイン」思考〈村田智明氏による DESIGN THINKING 連続セミナー③〉@ オンライン
  • 2020/09/08
    • オラファー・エリアソン ときに川は橋となる @ 東京都現代美術館 (LINK)
    • 鴻池朋子 ちゅうがえり @ アーティゾン美術館 (LINK)
    • Takahiro Matsuo 「INTENSITY」@ ポーラミュージアム・アネックス (LINK)
    • ACC2019展 - 真っ赤なクリエイティビティ- @ アドミュージアム東京
    • 和巧絶佳展 @ パナソニック汐留美術館 (LINK)
  • 2020/09/09
    • 日産アートアワード2020 @ ニッサン パビリオン (LINK)
  • 2020/09/25
    • ヨコハマトリエンナーレ2020 エピソード07 サウンド・リーズン @ 横浜美術館 (LINK)
  • 2020/10/08 
    • ヨコハマトリエンナーレ2020 エピソード08 田村友一郎《舎密/The Story of C》@ 横浜美術館 (LINK)
  • 2020/10/11
    • ヨコハマトリエンナーレ2020 参加型アクション「エピソード06 岩井優《彗星たち》」カンバセーション @ オンライン
  • 2020/11/01「GOOD DESIGN SHOW 2020」3DAYS スペシャルオンライントークライブ @ オンライン (LINK)
    • フォーカスイシュー・セッション「5つのテーマで読み解く、社会課題にデザインができること」
    • アジアの最新デザイン事情 〜タイ・シンガポール・トルコ・インドネシアより〜
    • ロングライフデザイン展 見どころ紹介
    • 山水郷チャンネル GOOD DESIGN SHOW 2020 Ver.
    • LOCAL! 地域のデザインを展望する
  • 2020/11/18
    • 「ベゾアール(結石)」シャルロット・デュマ展 アーティストによるトークセッション @ オンライン (LINK)
オンラインのイベントはデザイン系もいろいろ参加しましたが、ビジネスよりのものが多く、ここにはあまりあげていません。

個人的によかった展覧会 (ヨコハマトリエンナーレ以外で)
  • ミナ ペルホネン/皆川明 つづく: アパレル分野は興味の範囲外でしたが、意外と楽しめました。特に実際に着た人のエピソードと合わせての展示が良かった。
  • オラファー・エリアソン: レアンドロ・エルリッヒみたいにみんなで行けば良かったな。
  • 鴻池朋子: 会場内に山を模した構造物が作られ、上から俯瞰できるようになっている展示も良かった。

2020/08/27

STARS展

森美術館で行われている STARS展:現代美術のスターたち―日本から世界へ に行ってきました。

ヨコハマトリエンナーレ2020と同様、ここも日時指定の鑑賞券が必要です。私は年間パスを持っているので、月曜日のお昼ごろは枠がたくさん空いていることだけ確認して、当日枠で入れるだろうという予測のもとに予約をせずに行きました。

年間パスを持っているといっても、6月に切れているので、今回の新型コロナウイルス対策で閉館していた期間の延長をしてもらいます。閉館は3か月程度だったと思いますが、5か月延長してもらえます。11月まで有効期限が伸びましたが、このSTARS展は来年1月まであるので、次の展示会も行ける、という訳ではありません。

今回 Stars という訳で、現代日本美術を代表する6名のアーティストのグループ展になっています。

  • 草間彌生
  • 李禹煥
  • 宮島達男
  • 村上 隆
  • 奈良美智
  • 杉本博司
草間彌生、村上隆、奈良美智はポピュラーですが、李禹煥、宮島達男、杉本博司はちょっと渋い選択と言えるかもしれません。「日本から世界へ」というサブタイトルがつけられていることと、作品展示だけでなく「アーカイブ展示」として、 「アーティストの活動歴」と、「海外で開催された日本の現代美術展『50展』」のコーナーがあるように、海外での発信という意味が重視されているのだと思われます。

村上隆

村上隆《Ko²ちゃん(プロジェクトKo²)》

この《Ko²ちゃん(プロジェクトKo²)》から始まって、ポップアップフラワーなどいつもの村上ワールドな訳ですが、阿吽像は初めて見ました。
 
村上隆《阿像》 村上隆《吽像》

新作で出ていた《原発を見にいくよ》は、2011年原発事故をテーマにしながら、ほんわかとした雰囲気に仕上がった作品です。男女二人 (猫型の被り物をしている) が、電車とレンタカーで原発事故後の福島に行くのですが、「SFの世界滅亡後みたいに美しい」というような歌詞 (すみません正確ではないです) でも美しいメロディーの歌が背景に流れます。今どこまで立ち入り禁止が解除されているのか分からないのですが、「立入禁止」と書かれた朽ち気味の看板があるところも通るし、放射性物質汚染水をためた大きな黒い袋がいくつも並ぶ風景も映し出されます。

最初は大騒ぎしたけれど、我々は今はもう意識していない。でも何も終わっていない。除染作業で戻れる土地は増えてきたけれど、日々汚染水は溜まっていくし、自分の自宅に戻れていない人もいる。そういう意味で続いているのだ。この作品はそれを思い出させてくれる。

この作品に関しては、みぽりんさんのnote 「Star展と東日本大震災@森美術館」にもっと詳しい説明、感想が書かれています。

李禹煥

李禹煥はこれまでグループ展の中で何回か見ていました。特に2016年に横浜美術館で行われた村上隆のスーパーフラット・コレクションに出ていた作品が印象に残っています。「もの派」ということで、作品には製作マニュアルがあって、展示会ごとに再構成される形をとります。

白い小石が敷き詰められたように見える床が印象的です。これも含めて製作マニュアルに入っているのか、それとも今回特別なのかはわかりませんでした。

李禹煥《関係項—不協和音》

直島に行った時に李禹煥美術館に行く時間が取れなかったのが残念。

草間彌生

草間彌生のセクションは、彼女の長いキャリアと作品の幅広さからグループ展は難しいと思うのですが、それでもなるべくバラエティーを出そうとする意図が感じられました。その意味ではよく考えられた選択だと思いますが、やっぱり大規模個展でないと物足りない気がします。

草間彌生《ピンクボート》《無題 (金色の椅子のオブジェ)》《トラヴェリン・ライフ》

宮島達男

宮島達男は、7セグLEDカウンターを使った作品で有名で、2011年東日本大震災以降は震災がその中心テーマになっています。

宮島達男《「時の海—東北」プロジェクト(2020東京)》

写真でぼやけている光は1桁の7セグLEDカウンターで、それぞれ異なったサイクルで数字が変わります。市民参加型の作品で、参加者「コラボレーション・アーティスト」がそれぞれ更新時間間隔を決めます。この参加者は現在も継続して募集しています。→ 「時の海-東北」プロジェクトのサイト

奈良美智

奈良美智のコーナーに入ると、奈良美智ワールドが展開します。

奈良美智《玉葱王子》など

次の部屋にあるのは、《Voyage of the Moon (Resting Moon)》。小さなデフォルメされた家の中は、原美術館にある奈良美智の部屋みたいな感じです。製作協力として graf の名前があげられていますが、そういれば横浜トリエンナーレ2005の出展作品もgrafの名前が入っていました。


杉本博司

杉本博司は、《シロクマ》など写真作品もありますが、何と言っても大画面の映像作品《時間の庭のひとりごと》が圧巻です。小田原にできた「江の浦測候所」を中心に据え、日本の歴史に思いを馳せます。江の浦測候所は気にはなっているのですが、まだ行けていません。今は完全予約制ということで、ちょっと心理的なハードルが高くなっています。

追記: 杉本博司は平成29年 (2017年) に文化功労者に選出された時のコメントの中でこう述べている (美術手帖 2017/10/24)。
文化功労者として、これからも国威発揚を文化を通じて行っていく所存でございます

私はこのコメントを読んで「幻の東京オリンピック前夜のようだ」と感じました。

MAMプロジェクト028:シオン

同時開催のMAMプロジェクト028:シオンもインパクトがあります。古着の波が襲ってくる感じ。裏に回ると十字架が刺さっています。古着は大量消費社会のメタファーだということですが、宗教的なテーストを加えることで、普段気が付かず参加している大量消費という行為の背徳性に気付かせてくれるものだと思います。
 


なお、ここにあげた写真は全て「クリエイティブ・コモンズ表示 - 非営利 - 改変禁止 4.0 国際」ライセンスの下で許諾されています。

2020/03/03

画家が見たこども展

3月15日から三菱一号館美術館で始まった「画家が見たこども展」、現在は新型コロナウイルス感染症の感染予防・拡散防止のため臨時休館になっているのですが、その直前の2月26日にブロガー内覧会が行われ、参加してきました。ギリギリのタイミングでしたね。

ブロガー内覧会自体も感染予防のため、高橋明也館長 (左) とTakさん (右) によるギャラリートークは取りやめということになっていたのですが、館長の挨拶だけは行うことになり、最初の部屋モーリス・ブーテ・ド・モンジェル《ブレのベルナールとロジェ》の前でお話がありました。

挨拶だけではなく、この展覧会の位置づけなどもお話いただきました。

三菱一号館美術館では、これまでもナビ派の展覧会を行ってきて、ナビ派をプッシュしてきたと言っても良いでしょう。19世紀頃から聖母子像など以外も子どもは題材として扱われるようになりましたが、特に日常の生活、家族を扱うナビ派では、子どもは重要な対象になります。そこで、ナビ派を中心として子ども

そして今回は南フランス ル・カネにあるボナール美術館の協力を得て、ボナール作品が多く集まっています。三菱一号館美術館所有もヴァロットンも多く出展されていました。

ただちょっと可愛い子どもの絵を期待している人にとっては物足りないかもしれません。以前森アーツセンターで行われた「こども展 名画にみるこどもと画家の絆」(→ ブログ記事「こども展」) では、「難しいことを考えず、かわいいと楽しんでもらえば良い」ということだったので、その点に主催者側のこだわりの差が出ているものと思います。

その中から、可愛い子どもの絵を選ぶと、左のドニ《サクランボを持つノエルの肖像》 があります。ドニはポスターに使われている《赤いエプロンドレスを着た子ども》も可愛いです。

ほとんどが絵画作品でしたが、彫刻作品もあります。左はジョルジュ・ラコンプの《シルヴィの胸像》、右の絵画作品は同じくラコンプの《立つシルヴィの肖像》です。

最後の部屋にはボナールの晩年の作品がありました。ナビ派がそれぞれの道を歩む中ボナールは風景画を中心に描くようになっていたのですが、最後にまた子どもという題材に回帰したということです。

美術館は密集した場所でとどまる訳でもないし、手で触るものもないので、ウイルス感染のリスクは少ないと思うので、休館するというのは過剰反応のように思います。山場の期間を過ぎた3月中旬以降は美術館あたりから徐々に活動を活発化させた方が良いのではないでしょうか。

なお、写真は特別の許可を得て撮影しています。

開催概要
画家が見たこども展 ゴッホ、ボナール、ヴュイヤール、ドニ、ヴァロットン
https://mimt.jp/kodomo/
場所:三菱一号館美術館 (東京都千代田区丸の内2-6-2 (Google Map))
会期: 2020年2月15日(土)~ 6月7日(日)
開館時間: 10:00〜18:00 ※入館は閉館の30分前まで
    (祝日を除く金曜、第2水曜、4月6日と会期最終週平日は21:00まで)
休館日: 月曜休館
    (但し、祝日・振替休日の場合、開館記念日4月6日、
     会期最終週6月1日と、トークフリーデーの3月30日、
     4月27日、5月25日は開館)
    ただし、2月28日から3月16日の期間臨時休館

2020/02/16

ダムタイプ

昨日、東京都現代美術館で、ダムタイプのアクション+リフレクション を見て、ラウンドテーブルトーク も聞いてきた。

もともと、2月16日に会期終了になる3つの展覧会を見る予定で出かけた。
東京都現代美術館が10:00 オープンで、この順番で行くのが効率的かなと判断した。

開館前に着いたが、チケット売り場にすでに行列ができていてびっくり。そこで3つの有料展覧会があって、セット割引に惹かれ、ダムタイプもあわせて見ることにした。ダムタイプは、NTT-ICCのダムタイプ特別上映で《memorandum》を見て難解だったのでちょっと心配だったのだれど、インスタレーションもあるだろうしまあいいかと判断。

実際に見たら、展示自体は数が少ないものの、やっぱり選択して良かったと思った。

右は《Playback》。16台のターンテーブルがそれぞれ異なった音源から採られ、針が上がったり降りたりして同期再生される。

《MEMORANDUM OR VOYAGE》は、《memorandum》(上記)、《OR》、《Voyage》という3つの作品の映像を組み合わせて作った映像インスタレーション。大画面で迫力がある。

ディスプレイはソニーの協力のようだ。横浜みなとみらいの資生堂グローバルイノベーションセンターS/PARKにある大画面LEDディスプレイと同じものかもしれない。

最後の部屋には《pH》と《LOVE/SEX/DEATH/MONEY/LIFE》が組み合わせて展示してある。



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一つの作品だと思っていたが、手前の移動しているのが《pH》で、奥が見ての通りの《LOVE/SEX/DEATH/MONEY/LIFE》。《pH》は移動している領域に入ってもいいけど、奥まで行き着くと戻ってくるので慌ててみんな戻ることになる。

出口近くに「テーブルトーク」という名前のトークイベントの案内がある。本日15:00からで、それまでまだずいぶん時間がある。失敗したな。午後にこっちにすれば良かった。と言っても仕方がないので、一旦六本木まで戻って国立新美術館でDOMANI・明日2020を見てからもう一度来ることにした。

戻ってきてみたらチケットを買う列が外まで伸びていたので、やっぱりこの順で正解だったと思った。

テーブルトークはケーキとお茶で壇上で語り合う形式。ダムタイプの高谷史郎さん、砂山典子さん、濱哲史さんに、モデレータの長谷川祐子さんが質問して話を進める形式だった。砂山典子さんといえば、「スカートの中、はいってみる?」の作品「むせかえる世界」のアーティストだった。ダムタイプのメンバーだったんですね。

トークのテーマは「パフォーマンスをどのように展示にするか」。ダムタイプは基本的にパフォーマンス集団で、それを人がいなくても見ることができる形式 (インスタレーション) にするかということになる。通常このよーなトークは最初に作品の映像を見せながら解説するのだが、今回はそういう映像は常にスライドショーで切り替わっているだけで解説はなく、ダムタイプの作品を知っている人でないと付いていくのは難しい。というか、私は全然付いて行けず、正直苦しかった。

その中で興味を惹かれたのは、ダムタイプはスーパースターがいるグループではなく、「みんなで考えて作っていくシステム」のことを「ダムタイプ」と考えているというところ。 常に話し合いで決めていて、以前は毎晩そうしていたが、周1回にしたらとたんに時間がかかるようになったという。新しいメンバーとして加わりたいというの拒否しないが、参加の条件は明確ではないということだ。

NTT-ICCのダムタイプ特別上映の《memorandum》以外の作品も見てみるかな。

トークが終わった後、MOTコレクション展も見てきた。オノサト・シノブ、末松正樹など、これまで知らなかったアーティストを知ることができた。岡本信治郎はあいちトリエンナーレ2013で見たはずだが、すっかり忘れていた。今回は右の《ころがるさくら・東京大空襲》など印象に残る大作が出ていた。