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2015/07/20

ザハ・ハディッドのデザイン

今話題ですよね、ザハ・ハディッドのデザイン。2014年になりますが、21_21 DESIGN SIGHTのトーク「現場からみる、デザインミュージアムの可能性」 の話題の一つでした。

トークの話者の一人は、ソウルデザイン財団 東大門 (トンデムン) デザイン・プラザ (DDP) 総監督の鄭 國鉉(チョン・クッキョン)氏。この時はまだオープン前でしたが、2014年3月のオープン後は館長になることが決まっています。

このDDPが、ザハ・ハディッドのデザインで、Wikimediaの画像によればこんな感じ。

640px-Dongdaemun_Design_Plaza_on_April_2014

"Dongdaemun Design Plaza on April 2014" by Massyparcer - Own work. Licensed under CC BY-SA 3.0 via Wikimedia Commons.

面白かった点を箇条書きにまとめます。
  • ザハ・ハディッドの設計はこれまでまともな建物ができていない。中国で作られたものなど雨漏りしている。

  • 外壁のパネルは一枚一枚違う。個々にプレスで制作している。

  • 当初の予算をかなりオーバーしてしまった。

  • 建物が曲線的で、距離感がつかめない。まっすぐ歩いていて頭を天井にぶつけてしまう。

  • また屋根も低いところがあって、そこから登れてしまう。(宣伝用のパンフレットに実際に女性モデルが屋根に座っている写真が使われている。)

  • このため、安全面で対策を考えている。(誘導のためのポストとか置いていくとせっかくのデザインが台無しになるのが懸念だが仕方がない。)
ハディッド・デザインの悪いところを挙げていて、困ったというような内容ではあるのですが、困難な仕事をやり遂げた自負を感じました。

後の質問の答えで、「マスコミの批判が強い。他の失敗したプロジェクトと一緒に語られてしまう」とおっしゃっていました。日本も同じですね。日本は結局ハディッド・デザインはできないということになったのですが、新しいデザインがどういうものになるか今の段階では分からないので。これが吉と出るか凶と出るかわかりません。少なくとも韓国では、「日本も結局できなかったザハ・ハディッドを我々は作って運営している」という自負が強化されるのではないでしょうか。

日本との違いに、日本がザハ・ハディッドのデザインのみを使うのに対して、韓国DDPではザハ・ハディド事務所が設計・監理を全部担当し、全過程を主導したということだそうです (中央日報 2014年04月11日 「ソウルのアイコンになった2つの建物、建設過程は両極端」)。
DDPプロジェクトで建築家ザハ・ハディドに全体過程を統制する権限を与えたことは意味のある事例として残るだろう
一方日本の国立競技場では、ザハ・ハディドの知らないところでデザインが変更されています。キールアーチが本来の役に立たない構造に変更されているそうです。この変更された設計で価格が上がってもそれは責任持てないだろうと思います。

2014/01/12

ソウル東大門デザインプラザ

現在21_21デザインサイトで、企画展「日本のデザインミュージアム実現にむけて展」が行われており、関連イベントがいろいろ行われています。1月11日、トーク「現場からみる、デザインミュージアムの可能性」を聴きにいってきました。

今回は実際のデザイン関係のミュージアムの関係者によるお話。
  • 東京国立近代美術館の工芸館: 工芸品だけでなくデザイン作品を所蔵している。
  • 竹中大工道具館(神戸市)
  • 東大門(トンデムン)デザインプラザ(DDP)2014年3月開館予定
「デザインミュージアム」という展覧会のコンセプトに近いということもあり、また、韓国から来ていただいたということもあるだろう。話題の中心は東大門デザインプラザにあったように思う。

鄭國鉉氏はここでは総監督という肩書きになっているが、オープン後は館長 (名称は違うかもしれない) 就任が予定されている。もともとサムスンのデザイン部門出身と言うこともあってか、単なる公式発表だけでなく、ざっくばらんに話をしていただき、面白かった。

さて、東大門デザインプラザ (DDP) ですが、ティーザー映像がありました。


このフォルムは! そう、話題のザハ・ハディッドです。

鄭國鉉氏によると、中国にもザハ・ハディッド建築があるが、雨漏りがあったりして、まともに建ったものは少ないという。韓国メディアからもさんざん叩かれているとのこと。しかし、鄭國鉉自身は、その点に関しては心配していないようだ。

外側を構成するパネルは一枚一枚違う。個々にプレスで制作しているとのこと。建築費がかさみそう。

内部も曲線で構成され、遠近感を狂わせる。下を向いて歩いていると頭をぶつけたりするそうだ。また、ポスターには屋根に座っている女性の写真が使われているのだが、なだらかな屋根で比較的容易に登れたりする場所もあるとのこと。開館前には安全対策をするらしいが、そのため無粋な立て看板だらけになるのではなかろうか (笑)。

韓国には一度も行ったことはないのですが、ここには一度行ってみたいです。

「ザハ・ハディッドを見に行こう!」

2006/11/16

こんな結婚式場

こんばんは。藤原紀香さん、結婚だそうですね。

先日紹介したアストリッド・クラインさんの話題をもうひとつ。

小淵沢のリゾナーレと言うリゾートホテルにあるチャペルも彼女の会社クライン・ダイサム・アーキテクツによるものの一つです(→ ガーデンチャペル)。

下の写真(上記サイトから)の左側。2枚の葉が、やわらかく重なりあう様子をデザインしたものだそうです。ベールをイメージしており、ベールをあげるように開閉します。草の模様はスチールに穴をあけたもの。夜は月明かりが射し込みます。


デザイン言語2.0”We Love What We Do"には、その設計方針や工夫などが書かれているのですが、そのなかで面白かったエピソードを引用しますね。
私は完成までわからなかったのですが、現場担当の男性と、コンピュータで現場の三次元モデルを制作する女性とが実は婚約者で、ここでファーストウェディングを行うことになっていました。作業が間に合わないと、自分達のウェディングを工事現場で行わなくてはいけなかったかもしれないので、彼らは本当に一生懸命がんばっていました。もちろん工事は無事に完成し、二人のウェディングもめでたくあげられました。
なかなか得られないシチュエーションですね。ふたりの初めての共同作業が、ケーキ入刀の前に行われていたという。

産まれてくる子供にもこの話はつたえていくんだろうな。ちょっと羨ましい話でしょ。