前回、「今日は報道に関係して、ちょっと気になる話題がありました。」と書きました。それがこの検察のリークの問題。
最初に見たのがこの記事。
誰も通らない裏道 (2010/01/16) 朝日新聞東京本社編集局、謎の取材源
「どうやって確かめたんですか?」という問いに、朝日新聞側は「取材で確認しました。取材源は言えませんが。」と応えたもの。それに対して、
現状、取り調べの内容を知り得るのは検事だけですね。今日は弁護士は接見できないはずです。であるとすれば検事が誰かに漏らしているということになります。それは違法ではないですか?またそういう情報を一方的に流すメディアの在り方がいま問われているのではないですか?という発言が出て以降は音沙汰がないという。
この中のコメント (一番に下にある最初のもの) で、NHKに情報源を問い合せたら、直接取材下人じゃないが「検察のリークだと思う」と答え、
「リークはありますよ。表向きは違法なことだが情報は漏洩している。じゃなかったら記事ができない。検察に取材すれば情報はくれる。しかしその情報が本当か嘘かは我々報道側は知らない。と言ったというのには驚いた。
しかし、検察からリークした情報に脚色することはない。リークした情報そのままそっくり情報を流しているだけだ。そしてその報道の真偽の判断は視聴者に委ねる。あくまでわれわれはリークした情報をそのまま伝えている。」
この問題に関してはジャーナリストの上杉隆氏がとりあげている。彼は以前からずっと記者クラブの問題を取り上げている。
ダイヤモンド・オンライン 週刊・上杉隆 (2010年01月21日) 小沢問題で検察リークに踊らされるメディアへの危惧
彼の主張に、これは「大本営発表」であるということがある。発表を無批判に流すマスコミ。そこには権力をチェックする本来のミッション、職業倫理が全くない。しかも「大本営発表」と言っていない分、戦前の報道よりもたちが悪い。
しかしこの中で上杉氏が、「情報リークをする検事の実名を出すタブー」と言っているのはどうだろうか。
検索のリークは守秘義務違反だと言うけど、マスコミがそれを問題視しないのは合理的だと思う。その問題を指摘すると今後情報が得にくくなるんだから当然だ。たとえそれが犯罪者からのタレコミ情報であっても、情報源の情報ソースを秘匿するというのがマスコミの職業倫理にもあっている。検事の守秘義務違反を犯罪というのは適切ではないかもしれないけれど (道路交通法違反を犯罪と普通言わないのと同じ意味で)。
リークの問題は検察 = 行政側にあるのだから、行政のトップ = 政府が問題の解決を図るべき。別に法律を作ったりしなくとも今の規定で処分できるでしょ。
しかし、原口大臣は問題にしてないんだよな。もちろん小沢の問題に介入すると取られるからだろうけど、現在の捜査対象に関係なくプロセスをきちんとしておくことは今後のために重要だと思う。「転び公防」の問題も同じだ。
自民党政権ではない今が、これまでたまったいろいろな問題を是正するチャンスなのだと思う。今まで間違ってました、ごめんなさい、って言いやすいと思うのだ。
追記: 原口大臣の記者会見 (下記) をみると、原口大臣はリークの違法性よりも国民の知る権利を重要視しているのか。そうすると対処が変わってくるな。
Business Media 誠:ほぼ)完全収録:Twitterから検察報道、クロスオーナーシップまで——原口総務相記者会見 (2/4)