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2022/07/06

若者の投票率が低いというけれど ...

 ... じゃあ若者が歳をとると投票率が上がるのであろうか? それとも選挙に行かないまま歳だけとっちゃうの?

と言うわけで調べてみました。

総務省に「国政選挙の年代別投票率の推移について」という資料がありました。

70歳代以上になると落ちてきますが、ほぼ一貫して20歳代から60歳代まで年齢層が高くなるほど投票率は高くなっています。

では今の60代は30年前は30代 ... というのを重ねてみました。

ちょっとは上がっているんだけど、そんなに変わっていない印象。特に今の60歳代は、2019年前回の参議院選挙で63.58、一方30年前の30歳代は65.29 (1989年第15回参議院選挙) だったので、むしろ下がっています。

衆議院を見てみると、参議院よりも昔のデータがあるため、今の60歳代の40年前20歳代の時から出せます。


今の60歳代と40歳代は、20歳代から30歳代で投票率が上がったことがわかります。この期間 (1980年代と2000年代) は全体に投票率が上がっているので、年齢の問題ではなさそうです。

歳をとると投票率が上がるというのは思ったほどではなく、最初から選挙に期待していない人はずっと期待していないのではないかと思いました。

2017/09/29

こんなシナリオ

安倍首相の対抗が、同じく改憲/ナショナリズム/民族差別ではどう投票してよいかわからない。よりましな選択肢はないものか。

という訳で次のようなシナリオ (期待) を考えた。

・民進党のリベラルは希望の党の公認を申請せず (ここ大事)、共産党との選挙協力を取り付けた上で、無所属で出る。
・希望の党は大幅に伸ばすものの過半数には届かない。
・与党も過半数に届かず、安倍首相は辞任。
・民進党リベラルはそこそこの議席を確保する。
・無所属リベラルと共産党は、自民党の新しいリーダーと協議し、首班指名では自民党側に回る。入閣は求めず、今後もキャスティングボートを握り続ける。

二番め以降は選挙結果次第だけれど、まずは一番めの動きを期待します。

追記:
  • 過半数に届かなかったら責任をとる、は安倍首相本人が設定した低い目標ですが、ギリギリ過半数を超えたとしてもこれまで2/3を維持していた訳ですから大敗北です。辞任せざるを得ないでしょうね。
  • 10/2 枝野氏が民進党リベラルを結集した新党「立憲民主党」を立ち上げることになり、ここで「無所属で出る」とした人たちの受け皿ができました。「そこそこの議席」と言わず全員当選の勢いを期待します。
  • 10/3 希望の党の第一次公認候補が発表になりました。民進出身は110名。「希望の党の公認を申請せず」と書きましたが、残りは立憲民主党に帰って来れば良いと思います。また、公認を得た人も蹴って立憲民主党に戻った方が良いと思います。
さらに追記 (選挙後):
  • 大外れですね。
  • 与党は再び 2/3 を確保。今のやりたい放題がまだ続く。
  • 希望の党は伸びるどころか改選議席割れ。この点は良かったかな。
  • 立憲民主党が大幅に伸びたことは良かったと思います。「まっとうな」がポイント。

2016/07/17

リベラルは辛いよ

他者を批判するものは自らも身綺麗にしておかなければならない。特に政治の場では。そう思ってきた。

政治資金の問題、公職選挙法違反、国民に対するウソ、国会での暴言 ... 数々の批難の対象があっても、与党ならば次の問題がでるまでやりすごすことができるし、たとえ辞めざるを得なくなっても次の選挙で通れば「禊は済んだ」とみなされる。一方、追求する側は、小さな瑕疵が自らの追求の武器を鈍らせてしまう。

これは政治家に限らず、SEALDs のような民間の団体でもそう。頑張っているし戦略的にも考えているし、責められる材料となりうる過激派との距離を置いているように見えたが、それでも批難する人たちがいた (何を責めているのか理解できなかったが)。在特会のカウンター団体「しばき隊」も、そのような批判を受けないように意識しているようにみえたが、徹底していなかったのかもしれない。

しかし、身綺麗であること、主張に一貫性があることを求めるのも程度があるように思う。政治において大きな目的のための戦略において、部分的に異なる政策の他党との協働も必要になるだろう。政策立案においても党員内での民主的な合意プロセスが必ずしも通せるわけではない。党員として立候補して通った以上、議会において自由な投票が許されない場合が大部分だ。

こんな記事があった。

web掲示板談話 斎藤美奈子・森達也 第五十二回
件名:都知事選について
投稿者:斎藤美奈子

都知事選で鳥越候補と宇都宮候補を一本化する際に、都知事選に出るという宇都宮氏の自由と権利を、「勝てる」ことを優先し潰したという。
 「Uさん、下りてくれてありがとう。あなたの政策はTさんが受け継ぎます」とかいってる人たちは、「英霊のみなさん、お国のために死んでくれてありがとう。あなたの遺志は私たちが引き継ぎます」といってるのと同じだってことを胸に刻んでほしいよ。
痛烈だ。
 個人の権利をつぶしておいて、都知事選に勝ったところで、何もいいことはない。もうこの人たちに、自民党を攻める資格はない。「民主主義をふみにじるのか」「言論を弾圧するのか」って、もう言えないもんね。自分たちが個人の被選挙権をつぶし、彼に投票する機会を奪い、この経緯に疑問を呈する声にも「黙れ」って、民主主義をふみにじってるのはどっちなの? 自民党の改憲草案だって批判できないじゃん。憲法13条の「個人として尊重される」の文言にもとることをやったんだからさ、自分たちで。
確かにリベラル勢力としては「民主主義をふみにじってる」と言われれば反論し難いかもしれない。

しかし、目的は「勝つ」ことではなく、都民にとってベストである (と思う) 都知事*を選ぶことではないか。その思いは宇都宮氏も同じであろう。たとえ自分がベストだと思っても勝てなければ仕方がない。その次善のために身を引くという決断だったであろう。そこまで含めて自由意志を考えよう。

リベラルは、綱領とかに縛られ保守的になる傾向があるが、国民のために、現実的、戦略的になって良いと思う。

* 鳥越さんがベストかどうかはここでは保留。

2016/07/10

国会で改憲勢力が2/3を超えても国民投票があるじゃないかと言うけど ...

... 私はそれが怖い。その前に改憲が議題にあがることから怖い。

改憲が国会で議題にあがるというのは、まずどの条文を変えていくか議論するということだ。

毎日新聞 2016/07/20 憲法改正: ネット党首討論 次期国会で議論 首相、参院選争点にせず  (魚拓)
首相は憲法改正について「選挙の結果を受け、どの条文を変えていくか議論を進めていきたい。次の国会から憲法審査会を動かしていきたい」と述べ、秋の臨時国会を念頭に、与野党の具体的議論に入りたいとの考えを示した。
なにが「選挙の結果を受け」だ。「どの条文を変えていくか」が選挙の結果から分かる訳ではない。ただ改憲の発議ができる2/3を超えるか否かしか気にしていない。

「どの条文を変えていくか」も、その必要性で議論されるのではなく、焦点は「どれが進めやすいか」になるだろう。改憲勢力がどこで折り合いをつけられるか、そしてその後国民投票で通せるかどうかが考慮に入れられるだけ。

「改憲勢力がどこで折り合いをつけられるか」は、結局党利党略だろう。公明党が改憲に賛成しないだろうという見方があるが  (憲法は改正できるの? – アゴラ 2016/07/08、佐々木俊尚氏「参院選の投票先が悩ましいが......とりあえずの結論」)、最後は自民党の言いなりになると思う。今回自民党が単独過半数をとる見込みがあって、そうすると公明党と協力する必要は無くなる。公明党は内閣に入れなくてもいいということだ。改憲に協力することだけが公明党にとって内閣に残る手段。

おおさか維新も、自民党案には賛成しないということだが、同様に大臣の椅子をちらつかせられたら抗い難いのではないか。

改憲の議論をすることは、本来ならば民主主義だから大いにやってよというところだが、こんな党利党略で決まる姿なんか見たくないんだよ。

「国民投票で通せるかどうか」も、「国民に受けれられやすい  = 騙しやすい」という観点になるだろうということが容易に想像でき、腹立たしい。「緊急事態条項」は、一見必要そうに見えるが、本当に必要なのか、そして緊急事態の時に国民の権利がどこまで制限されるのかを考えると、最も危ない条項だと言える。
SEALDs POST の記事から引用する。
旧憲法から日本国憲法への改正を議論していた1946年の帝国議会において、金森国務大臣は、
  1. 国民の権利擁護のためには非常事態に政府の一存で行う措置は極力防止すべきこと、
  2. 非常時に乗じて政府の自由判断が可能な仕組みを残しておくとどれほど精緻な憲法でも破壊される可能性があること、
  3. 憲法上準備されている臨時国会や参議院の緊急 集会(衆議院の解散中に緊急で開催する)で十分であること、
  4. 特殊な事態に対しては平常時から立法等によって対応を定めておくべきこと、
という4つの理由から、明確に緊急事態条項を導入しないことを答弁しています。
特に2 「非常時に乗じて政府の自由判断が可能な仕組みを残しておくとどれほど精緻な憲法でも破壊される可能性があること」は注目に値する。これに対する納得のできる答えが必要だ。「どれほど精緻な憲法でも」と言っているのに対して「この改憲案にはあたらない」と言えるのか。

「緊急事態条項が通ってしまった未来からの伝言」のような事態がただのシミュレーションであって起こり得ないと言えるのか。私は、2013年の麻生副総理の発言を忘れていない。
 「静かにやろうや」ということで、ワイマール憲法はいつの間にか変わっていた。誰も気がつかない間に変わった。あの手口を学んだらどうか。
後に発言自体は撤回したものの、自民党はこの手口 (ナチスの全権委任法) をしっかり学んでいると思われる。

もちろん国民にはそんなことは伝えないだろう。緊急事態が発令されて、いつの間にか色々なものが変わって初めて気付くだろう。

先に「緊急事態条項が入ったら」の予想を書いたが、まだ検討していたのは「どの条文を変えていくか」の提案だ。それが出されて国会の審議が始まる。

この国会の審議も怖いものの一つだ。何が怖いって、また嘘やはぐらかしの答弁を聞かされるということだ。安保法制の時、安倍首相は「しっかり説明する」と言っていたが、説明の内容は個別自衛権で対応できるものであったりして、議論はかみ合わず強行採決に至ってしまったではないか。そんな国会は見たくない。

その間国会のリソースが改憲に集中投入され、経済問題などがないがしろにされることを懸念する声もあるが、私は改憲の議論はあってもいいとは思うが、今の安倍内閣には真摯な議論を求めるのは難しいと思う。

最後の関門は国民投票だ。

国民投票が始まると、国民の中でまっとうな議論ができるのかということだ。改憲に反対する意見は、自民党の別働隊J-NSC  *が全力で叩きに来るのではないか。国民は自分の声をあげにくい状況が出来てくるのではないか。その空気が怖い。民主主義先進国のイギリスでさえ、EU離脱では死者まで出たではないか。

お食事会で飼いならされたマスコミも期待できない。特に停波を盾にしたテレビ局への圧力・恫喝が日常的に起こっているという  (dot.ドット 朝日新聞出版 2016/07/05 この「街の声」を削れ! 放送現場を萎縮させる安倍政権の「行きすぎた口出し」)。

そして投票結果が最も怖い。何が怖いというと国民が考えていないことが白日に晒されないかということだ。下記は高知県の記事だが、高知県民だけが考えていないとはとても言えないだろう。

【参院選 土佐から】改憲への「3分の2」 高知で83%意味知らず|高知新聞

という訳で、国民投票も怖いし、その前の国の空気が変わっていくことも怖いのだ。だから皆さんも、改憲反対勢力への投票をお願いします。

注* J-NSCのメンバーは例えばこんな人  (閲覧注意、吐き気がします)。
愛国を考えるブログ 2016/07/09 「石田純一は都知事選に出るならば自分の子どもを死なせてからにせよ」

2016/07/09

18歳選挙権

期待したいけど、期待しすぎちゃいけない。

期待としては、未来を生きる若者だから、未来に向けた選択をするに違いないということがある。私もそれを期待している。そしてTVでインタビューされている若者たちを見ていると、その意識が高いことがわかる。

でもね、20歳だって若者だ。18歳19歳と大きく違うはずがないだろう。20代の投票率は低く、ただでさえ人口が低いのに、これでは老人向けの政策が中心になるのも仕方がないと思える。

syu-nenreisuii
年代別投票率の推移 | 公益財団法人 明るい選挙推進協会 http://www.akaruisenkyo.or.jp/070various/071syugi/693/ より

今は話題になっているし高い投票率が期待できるかもしれないが、2年後はこの20代に吸収されていくのではないか。そして2年後に18歳になる人たちは、今ほど注目されない。

なお、日本政治.com は同じグラフを引用しているが、一方で「世界青年意識調査」から、「若者の政治関心は高まっている」といっている  (2013年07月24日)。関心は高く安保法制デモに参加する人と投票に行かない人の二分化が進んでいるのかもしれない。

彼らの政治的な選択はどうだろう。同じ記事をみると、若い世代で自民党の支持率が高いことがわかる。保育所の待機児童など長年少子化対策が何も進んでいないことや、格差が広がっている実態をみると、決して自民党が若者に向けた政策を進めているとは思えないが、その他の要因が大きいということだろう。投票率33%の53%が自民党支持で、棄権した67%とわせると、実に85%の支持 (消極的支持を含む) を得ていることになる。

私がリベラルな傾向をもつのは、民主主義、基本的人権の重視がいいものだという教育を受けているからという理由が大きい。教育基本法の成立は2006年だ。今年で10年目、当時8歳だった子が、「愛国」を教えられ、今選挙権を得ている。その人たちがどういう投票行動をとるだろうか。

追記: ちょうど関連する記事が出ていた。新有権者を集めてインタビュー。
ダイヤモンド・オンライン 2016/07/09
明日、若者たちは選挙に行くのか?(上)若者たちは一体どのくらい関心があるのか
明日、若者たちは選挙に行くのか?(下)若者が一票を投じたいと思う政策・政党とは「愛国」教育は影響していないみたいですね。

2015/09/19

忘れてはいけない

Facebookのコメントに書いたのだけど、自分で忘れてはいけないのでブログに書いておく。

毎日新聞2015年09月17日 安保法案:合言葉は「賛成議員を落選させよう」(魚拓)
安全保障関連法案に反対する人々が集まる国会前で、各地の街頭で、ネット上で、一つの合言葉が野火のように広がっている。「(法案)賛成議員を落選させよう」。来年の参院選をにらみ、抗議のうねりが「落選運動」へと発展する可能性が出てきた。

今、有権者が持っている最大の武器は参政権というか選挙権だ。選挙時以外にも投書やデモで政治を動かすことができるというが、今はその力はあまりない。「デモをやっても次の選挙ではどうせ忘れている」と政治家がたかをくくっているからだ。

有権者がやらなければいけないのは、「これは今だけ熱くなっている訳ではない」というメッセージを投票を通じて伝えることだ。「デモは有権者の声であって、それにたがうことをすれば次の選挙につながる」ということを理解させることだ。次の参院選はその始まりにしなければならない。

しかし、
シールズに刺激され60〜70代で結成した「OLDs(オールズ)」のメンバーで、建築作業員の枚田繁さん(66)だ。「法案が通っても来年の参院選まで声を上げようと話し合っています」
「来年の参院選まで」ではダメなのだ。1年後だけでなく、次の総選挙、そしてその次4年後の参院選 ... と続けていかなければならない。OLDsのみなさんもずっとボケないようにしてもらいたい。

投書やデモなど選挙期間外の有権者の声と選挙が密接につながっていることを何回も示してやっと、今後も有権者の声を尊重していかなければならないということが理解される。そう持っていかなければならない。

ただし、私を含めた日本人の問題点として、すぐに忘れちゃうというのがある。新しい話題があればすぐそちらに飛びついてしまう。目の前に提示されたイシューに引きずられ、他の論点をないがしろにしてしまう。

その問題を加速しているのがマスコミだ。マスコミ自体も誰かが設定した争点というか「今回のテーマ」に騙されて、それに乗った報道をする。その争点が出された意味についての批判はほとんどない。消費税増税を先送りすることを争点にした昨年の選挙だって、もともと5%から8%にあげた時に次は状況を見てからと決めていたのだから、総選挙の必要は何もなかったはず。

安倍首相は覚えていたのだ。郵政選挙のことを。

小泉元首相は、郵政民営化を参議院で否決されたら衆議院を解散した。そこで設定されたシングルイシュー「郵政民営化」に乗って、刺客を立てた選挙区を面白おかしくとりあげた。結果はごらんの通りで、大成功だった。1ヶ月で「郵政民営化」は成立してしまった。そしてその遺産は第一次安倍内閣に引き渡され、教育基本法の改正など今につながる法案が次々と通された。このことを私は忘れていない。(2005/10/16"「お釣りはお駄賃」は許しません")。

「ねじれ国会」がいけないことのようにテーマを設定したのも忘れない。逆に「マドンナ旋風」や民主党の「政権交代」も、中身は空っぽの日本新党を「殿様」と言って持ち上げていた時も同じ。

一番最初にそのことを思ったのは、大平元首相が亡くなった時の選挙だ (1980年なんですね → Wikipedia 大平正芳)。自民党内の抗争のため、内閣不信任決議が成立し、衆議院が解散になった。その中で大平元首相は急死した。心労がたたったと思われる、いわば、自民党が殺したようなもの。それなのにあろうことか「弔い合戦」を掲げて大勝したのだ。

もううんざり。

こんなのに騙される国民であってはいけない。だから、SEALDsの若者だけでなく、彼らを応援した大人たちも忘れないでいかなければならない。

2015年9月19日 志葉玲 安保法制可決「悲壮感ない」「これからが始まり」―SEALDs、総がかり行動、野党が「打倒安倍」で結束

そう、これからが大事なところですよ。

2014/12/14

選挙つまらん

毎回投票しよう!と呼びかけてはいるのだけど、すみません、私自身も教条主義的に言っているだけです。国民の権利だから、そして民主主義を守っていくのは市民の義務だから、言っているに過ぎない。投票しても変わらない無力感を自分でも薄々気づいてはいるが、気がつかないふりをしている。

やっぱり結果が見えている試合はつまらないよね。

小選挙区でどっちが勝つかは大概見えている。選挙区で落としても比例区で上がってくる。

候補者だって同じだろう。公認は最初から大抵決まっている。特に現職なら。選挙期間中は、文化祭の前みたいなもので、何を出すかよりもハイになってわーわー言っているのが楽しい。

昔、中選挙区だった時は自民党の中の候補者選びから頭を使ったことだろう。4人選挙区で二人たてるのか3人立てるのか、じゃあ誰などいろいろ考えることがあった。選挙になれば同じ自民党内で票の取り合いだ。

小選挙区だと派閥争いがなくなるのがメリットとしてあったが、今になってそれ自民党の活力だったと評価されている。いま総裁にストップをかける人はいないようだし。

小選挙区導入のとき、いろいろ議論があった。その中で面白いと思ったのが、マイナス票 (以前「投票率アップを考える(2)」で書きました)。ブラスの一票に加えマイナスの一票ある。しかもマイナス票は他の選挙区にも使える。こうなると、誰を落とすかで盛り上がると思う。

選挙のエンターテインメント性を高めるようなものになるのではないか。投票率も高くなると思う。

2010/06/30

選挙期間中のブログ更新の自粛はするな

おはようございます。日本チーム頑張りましたね。

選挙期間中、ブログで政治的な発言、特に特定政党や特定候補者の主張にあった発言や、逆に批判する発言を控える人が多いように思う。また、そう公言している人もいる。特に今回は「ネット選挙解禁」が国会に出されていて、結局流れちゃったので、ダメという認識が広がっているように思う。また改正案でもTwitterはやっぱりダメということになっていたので、Twitterにも広がっているような気がする。

以前も書いたけど (「これは歓迎すべきことかも」)、これは困った傾向だと思う。特に控えると発言している人は、他の人の発言まで抑える効果をもつことを認識すべきだ。

ちゃんと「自粛すべきでない」と主張するために、公職選挙法 "第13章 選挙運動"を読んでみた。

まず、大きな枠組みとして、第13章は選挙運動でやっていいことと悪いことを規定していることだ。そしてその選挙運動に関しては、第129条で、
選挙運動は、各選挙につき、
...
公職の候補者の届出のあつた日から当該選挙の期日の前日まででなければ、することができない。

と書かれている。

すなわち、ここで「選挙運動としてできないこと」と規定されていれば、選挙期間外であってもやっちゃいけないことになる。「選挙期間中だから自粛していること」が、通年でやっちゃいけないことかどうかで判断してみれば、自ずと分るだろう。

それから、なぜ立候補している訳でなく選挙事務所で働いている訳でもない一般人が自粛しているのかということも考える必要があるな。これは法律の中に書かれている「何人も」という表現がキーになるだろう。これは一般人も含んでいる。以下では主に「何人も」という表現を使っているところを見て行く。

第138条:戸別訪問禁止「投票を得若しくは得しめ又は得しめない目的をもつて戸別訪問をすることができない」だから、選挙期間中は友だちの家へ行ってもいいけど「投票して」とか「するな」とか発言しちゃダメ。

138条の表現「投票を得若しくは得しめ又は得しめない目的をもつて」だと、特定の候補者や政党に無関係な場合でも、例えば「棄権しないよう」に呼びかけるのもダメになるな。

138条の2では、 「演説会の告知を戸別に行ってはならない」というだけでなく、「特定の候補者の氏名若しくは政党その他の政治団体の名称を言いあるく行為」もダメっていうことになるな。係り受けの範囲は難しいけど、演説の告知に限定しないようだ。

要は、一般人も含めて連呼はダメだってことか。いや待てよ、これじゃあ選挙事務所も連呼しちゃいけないってことになるな。実は連呼に関しては、後の方第140条の2 「連呼行為の禁止」で出てくるので、この「言いあるく行為」というのはそれとは別になるということになる。歩いている最中のつぶやきも含まれそうな表現だ。かといって止まったときはOKというのもなさそうだし。これはこの法律の文言だけでは私は判断できない。

第138条の3 人気投票の公表の禁止:これも「何人も」って書いてあるんだけど、マスコミの結果予想もダメだってことだよな。しかし、Wikipedia 「選挙違反」を見ると、
人気投票の公表
人気投票の方法が必ずしも公平とは言えず、その結果によって有権者が影響されたりすることを防ぐため、禁止されている。新聞社等が行う世論調査は調査員が被調査員に面接して調査をした場合に該当し、人気投票には当たらないとされている。
とある。

第140条 気勢を張る行為の禁止:デモとかパレードとか珍走団禁止ってことだな。日本選手団の応援は ... これは選挙じゃないからいいけど、どさくさに紛れて「たちあがれ日本!」なんて言っていたやつまさかいないよな。

第145条 ポスターの掲示箇所等:「ポスター」は常識的に考えて「投稿者」じゃなくて紙のポスターのことだろう。

第146条 文書図画の頒布又は掲示につき禁止を免れる行為の制限:やっと「文書図画」に来た。なるほどブログやツイッターは「第142条(文書図画の頒布)又は第143条(文書図画の掲示)の禁止を免れる行為」と見なされる可能性があるのか。

書いちゃ行けない範囲は、候補者、政党だけじゃなくて、「候補者を推薦し、支持し若しくは反対する者の名」も入っている。「たちあがれ日本」を支持する「石原慎太郎」とかも含まれるな。って、あ、この投稿もそうか。「自民党」とか「民主党」とかの文言が入っていてもいけないことになってしまう。

だからブログ投稿は「第142条(文書図画の頒布)又は第143条(文書図画の掲示)の禁止を免れる行為」でないことを言わないといけないのか。

で、第142条(文書図画の頒布)を見ると「選挙運動のために使用する文書図画は ... 頒布できない」とある。「文書図画」にWebが入るとしても「選挙運動のために」でなければOKじゃないかな。

政治的な発言や、候補者や政党に対する批判が「選挙運動」ととられる可能性があるという懸念もあるかもしれないけど、最初に書いたようにそれが「選挙運動」なら、常にダメってことになる。

私の結論は、特定の候補者への支持を訴えたりするのでなければ、ブログ更新、ツイッター投稿OKです。自分が誰を支持するとか言って構わない。

何か誤解があればご指摘下さい。

■ おまけ

今回のテーマに関係ないんだけど、「飲食物の提供の禁止」のところで、事務所で出る弁当の数まで細かく規定していて面白かった。

第140条の2に「前項ただし書の規定により」って書いてあって、「書」って何?「下記」のかな漢字変換ミス?って思ったのだけど、悩んだ末「ただし書き」のことと判明。

2009/08/31

開票速報

テレビ朝日がぶっちぎりで速いね。

きっと投票箱にWebカメラ仕掛けているに違いない。

2009/08/30

総選挙で気になること

おはようございます。皆さん今日は投票に行きましょう、って投票を促したりしたら公職選挙法にひっかかるのかな (笑)。

今回政権交代は決まったようなものだけど、結果によってはいくつか気になることがあります。

民主党議員の増長がこわい

勝っても敵失みたいなもんだと思うんだけど、実力と勘違いする人が大勢いそうだ。きっとタイゾーみたいなのが出てくる。特に官僚を敵に回すような発言をすると、国民には受けが良いかもしれないけど、官僚の反発が心配だ (「公務員改革よりも」)。一議員だけの問題だったらまだいいかもしれないけど、幹部もやりそう。

それからもしかしたら2/3以上占めるなんてことになったら、次の参議院選挙で過半数をとれなくても衆議院での再議決が可能になる。自民党と同じように、4年先まで手放したくないだろう。

自民党の劣化が激しい

もう既に、「何でも反対」野党化しているような気がする。二大政党制って、次はひっくり返されるかもと言う緊張感が大事だと思うのだけれど。

ただ民主党はきっとしばらくは慣れないので、自民党がまともだったら、次は必ずひっくり返るという期待感が生じることになるだろう。「公務員改革よりも」で書いたように、そうすると官僚はその時を待つようになると思う。むしろ4年後も期待できないと思われるくらいの方が、官僚もあきらめて民主党政権のいうことを聞いて良いかもしれない。

幸福実現党大川隆法って当選するかも

最初はせいぜいがんばってください、供託金よろしくお願いします、くらいに思ってた。でも、よくみると大川隆法が出ている近畿比例区って定員が29もある。幸福の科学の信者が人口の3%もいるとは思えないけれど、好戦的な主張が、ネットのいさましい人々や、いちびりのみなさんに受けたりしないか心配。

一方で、国会議員にしておけば下手なことはできないなとも思う。松本智津夫も国会議員にしておけばテロは起こさなかっただろうとも思ったりする。

いやいや、やっぱり当選して言いたいことを言わせておくのは耐えられないか。

「仏陀の生まれ変わり」って経歴詐称じゃないの?

城内実って当選しそうなの?

国籍法改正で「合法的な人身売買・児童売春が可能と」なる (リンク - 注意!へどがでます) ってどんな法律認識なんだよ。でもこの人種差別的「信念」が人気だったりして鬱。眞鍋かをりポスター無断使用事件にしても、写真使用が無断かどうかじゃなくて、眞鍋かをりさんがひとつの人格であり思想信条の自由があることを忘れた (というよりそんなこと考えたことないんだろう) 人権意識の欠如が招いた結果だ。そしてその事に関してはいまだに反省がない。

2009/08/25

これは歓迎すべきことかも

こんばんは。昼間会社に行っているせいか、あんまり選挙運動が盛り上がっている気がしないんだけど。

この市長のやってることは、選挙と関係なく民主主義の根本である議論の姿勢がなってないと思うし、今回もただ支持候補を書くだけでなく対立候補への中傷も入っているようだ。

しかし、今回作った「前例」は歓迎すべきことかもしれない。

支持候補をブログ書き込み「シロ」の理由 ブログ市長が投げかけた波紋 - ITmedia News
 公選法上は、ブログなどで特定候補者を支持する書き込みは認められていない。ただ、選挙運動との関係で言えば、『よろしくお願いします』といった表現は書き込みの中にはなく、当選を目的とした選挙運動には当たらない−という。
結論としては、今回の市長の書き込みは「単なる個人の意思表明にすぎず、問題はない」(市選管)というのだ。
裏を返せば、選挙運動に当たらなければ、特定候補者や政党への支持表明を行うことは可能ということになるのか。
こうした市選管の判断について、総務省選挙課は「一理はある」としながらも「選挙運動か否かは書き込み内容などを総合的に判断する必要がある」と、あくまでも慎重な姿勢を崩さない。
まとめると...
・『よろしくお願いします』といった表現がなければよい。
・特定候補者や政党への支持表明を行うことは可能。

前回の参議院選挙あたりから、選挙期間中の個人ブロガーの活動が低調になっていたように思う。それは特定政党や特定候補者の支持だけでなく、特定の政策に対する支持や反対意見、政策は特定されないけれども政治的な意見も自粛しているようで、ちょっと違うんじゃない?ここは中国かと思っていた。

しかし今回の暴走、いや勇気ある行動で、一地方の選管だけでなく、総務省のお墨付きも得られた訳だ。まさかこの政党だからとか、竹原市長だからOKという恣意的なものじゃないよね。

さらに、

自民、民主が公示後もサイト更新 「政治活動なら問題なし」 候補者サイトは沈黙 - ITmedia News
公職選挙法は、Webサイトを使った選挙運動を禁じていると解釈されているが、両党ともサイト更新を「政治活動」と位置付け、特定候補者を取り上げたり、投票を促したりしなければ選挙運動に当たらないとしており、総務省も更新について「問題ない」とみている。
ネット選挙解禁を公約にしなくても、このまま自動的にOKになるんじゃない。

候補者は更新を避けている様だけど、ツイッターで「秋葉原なう」とかも問題ないんじゃないかと思う。

なんかヘアヌード解禁のときを思い出す。違うか。

法律を改正せずに恣意的な解釈によって変えるというのは許せないが、この政治家ブログの更新禁止や個人ブログの過剰自粛が、もともと現在の公選法に書かれていないことの解釈に過ぎない。日本人は、法律に書かれいることだけがやっていいことという意識が強いけれども、法律に書かれていないことはやって良いという意識をもつことが必要だと思う。

2008/11/08

日本でもやってくれないかな

投票に行ったらスターバックストールサイズ無料。

Ideas In Action Blog Free Starbucks Coffee on Election Day!

ロイヤルティの高いスターバックスファンのアイデアなのかな? 賛同者が多く実現されたようだ。



2008/02/10

岩国市長選って...

... 明日だったんだね。ヤップからの情報で知りました。

ミクロネシアの小さな島・ヤップより: 岩国にはジュゴンもクジラもいないけど、素晴らしいニンゲンがいる!

かぜひいたり、iMacのHDD壊れたりで、すっかり遠ざかっていましたが、生きてます。
で、岩国のことですよ。上記からもリンクされている下記記事に賛同して、寄付金を送ってきていたのでした。

情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊) - 「岩国市新市庁舎建設を勝手に支援する会」の口座番号決定〜「基地誘致交付金」に抗議する寄付募集開始!
一口350円で1000万人で35億円、この数字は岩国市が空母艦載機の岩国基地受け入れに反対しているため、国が支払を停止した市新市庁舎建設のための助成金と同じ額です。国は、この新市庁舎建設助成金を岩国市が米軍空中給油部隊を受け入れることを条件に3年間支払うことを約束していました。ところが、岩国市が、急発進しなければならないがゆえに爆音をたてる空母艦載機の岩国基地受け入れを拒否したところ、国は一方的に3年目の新市庁舎助成金35億円をカットしたのです。
新聞などでは国との元の約束のことはほとんど書かれていない。米軍の受け入れか助成金かのトレードオフが争点みたいな書き方なんだよな。

で、これ協力しなきゃと思っているうちに、市長選始まってました。寄付金は送ったのですが、送るだけでなくて、「ホームページやブログを持っている方は、ぜひ、この試みについてご紹介下さい。」というのにも協力しないといけないな。という訳でこの記事を書いているのですが、市長選の投票は明日だったとは。

橋下新大阪府知事が、地方がお上にたてつくとは何事だ、って言ったそうですね (正確な発言内容はこちらを参照おねがいします → デザイン夜話「ハメルンの笛吹に従うな。」)。大阪の人達は独立心というか反骨精神は強いと思うのですが、どうなんだろ。橋下さんがそういう考えの人だと分かっていたのだろうか。で、大阪は政府の指令を聞いて助成金にすがってでも財政を立て直そうと思っているのかな。

マスコミも橋下氏を東国原宮崎県知事に続く新しいヒーローのように扱っていますね。こっちについた方が得だと判断したようだ。

散漫な文章になってしまい申し訳ありません。

追記 (2/11): 残念な結果に終ってしまいましたね。これで国が約束を反古にしても思うようになったら困るな。岩国市の投票は終りましたが、こちらはまだうけつけています。→ CurioCity

2007/08/01

今回最も大きな敗北を喫したのは...

... 公明党じゃない?

事前の予測では揃って13議席だった。ということは組織票で計算が可能だったということ。

計算が狂ったのは、「組織」から見放されたのか、「組織」自体が弱体化しているからなのか。

ただ政権与党内にいることが目的になって、自民党のためだけの存在になっているとしたら、「組織」の期待に反しているといえるだろう。といって「組織」の期待に応える政治をされては困るのだけれど。

民主党はこれから正念場

こんばんは。民主党の候補はだれになるんでしょうね? オバマ氏ってなかなかいいんじゃない?

前の記事で、自民党への提案として、民主党を「やっぱり反対するしか能のない政党だというイメージを焼き付ける」と書いた。いやわざわざ提案しなくてもそうなりそうで不安なのだ。

以下は、2年前の総選挙後に書いた記事(「衆院選'05雑感(1) がんばれ民主党」)からの引用
マドンナブームで参議院選挙で大勝した後の総選挙で「政権を下さい」と絶叫していたおたかさんを思い出して不安な気分になりました。
その記憶が頭から離れない。

参議院過半数をとっているので、反対するものは何でも否決することができる (もちろん与党が衆議院で三分の二以上占めているので再可決もできるが)。しかしこればかりを使うと「やっぱり反対するしか能のない」という印象を国民に与えてしまう。

その前兆は「安倍首相に退陣要求を出す」というところから既に始まっていると思う。首相を替えさせて何になる。別の人が出てきて、首相退陣で責任をとりました。これからは新しい自民党です、って言うだけだろう。

それよりも、安倍首相に手を差し伸べ、一緒に法案を成立させて行ったほうが良い。もちろん政府案は事前協議で民主党案を大幅に入れたものにしておく。同時にそのことを大きくアピールし、政権を任せるだけの政策立案能力、交渉力をもっていることをアピールするのだ。

鳩山さんが代表のときに、政府案でも良いものは支持するという姿勢を出していたが、いかんせん両院で過半数を占めていたため、自民党は野党の支持がなくとも法案を成立させることができた。結局民主党のプレゼンスは高いものにならなかった。

また、これも (「衆院選'05雑感(1) がんばれ民主党」) の繰り返しになるが、影の内閣ではどうするかを常に発信し、いつでも替わりが出来ることを国民にアピールする必要があると思うのだ。

その意味で正念場が続く。敵失を生かしきれないままだとそれが失策になり、イメージダウンにつながる。くれぐれも緊張感をもって対峙して頂きたいと思う。

2007/07/29

改憲か解釈か

こんにちは。選挙行く前というか投票日前に書いておくべき話題だったと思いますが...

クーリエ・ジャポンに、森巣博氏による「越境者的ニッポン」という連載があります。森巣博は、ギャンブラーで作家。連載の第1回ではそのことについて書いていました。自分のことを「チューサン階級」(中学3年生程度の知識の持ち主) と称していますが、博学で種々の経験もあって文章も論理的で面白い。

3回目 (8月号) 「正論といふもの」では「憲法改正」に関して書いています。

・「国民投票法」は「憲法改正手続き法」であるはずが政府もメディアもちゃんと伝えていない。
・自民党が出した新憲法草案は「新憲法制定」というべきもので、「改正」という言葉を使うのもおかしい。
・言葉の置き換えによる言論誘導が行われており、全てがなし崩しに進んでいる。
・「戦争犠牲者」も本来は「戦争被害者」であり、「犠牲者」への言い換えは「加害者」の存在を不問にする。
・森巣自身は「改憲」派という立場をとる。条件付き改憲派。
・今までの憲法は、政府 (法の執行機関) によって解釈を曲げられてきた。
・これにより「現実が憲法にあわない状態になっている。
・現実を認め、憲法を政府が守れるものにしてあげましょう。
・しかし、そうやって決めた新しい憲法は絶対に守らせることが必要だ。
・守らせるための担保が必要となる。憲法とは別に罰則規定を定めた法律が必要だ。
・これこそが正論だ。

私も、『「お釣りはお駄賃」は許しません』 (2005年 10月 16日)では、
第9条改正は、前原さんと同様、条文の矛盾をなくす意味では必要と思っています。ただ、現在検討されているのは、憲法の位置付けを、「国家権力を抑制する」ものから、「国民のあり方を規定する」ものにすることを主眼としているらしい。
と書きました。ごまかしが嫌いなのです。

一方で、私の立場は護憲にあることは読み取れると思います。憲法改正でさらに憲法を改正しやすくなったり、国民のあり方が規定されることで、ただでさえ同調圧力に弱い (「空気読め」に抗いきれない) 日本人から自由な議論が奪われることを恐れています。

また、解釈憲法によっても、今まで平和が維持され、繁栄を享受出来ている面もある。今のままで良いのでは? 矛盾を包含したものも世の中じゃない?という思いも前よりも強くなってきたと思います。

そういう考え方に影響を与えたものの一つに内田樹さんの憲法論があります。「憲法の話」 (2007年05月03日) があります。
二つの対立する能力や資質を葛藤を通じて同時的に向上させることを武道では「術」と言う。

「平和の継続」と「自衛力の向上」を同時に達成しようと思ったら、その二つを「葛藤させる」のがベストの選択なのである。
九条と自衛隊が矛盾的に対立・葛藤しているという考え方は、『九条どうでしょう』でも詳述したように、戦後の日本人がすすんで選んだ「病態」である。

...

本来は存在しない九条と自衛隊の葛藤を苦しむという不思議な病態を演じることを通じて、日本人はその「疾病利得」として、世界史上例外的な平和と繁栄を手に入れたのである。

この「演じる」ということはキーワードかもしれませんね。

さて、もとの森巣博氏の主張に戻ります。私はこれは全面的に「正論」だと思います。括弧付きの「正論」は、「そうは言っても」という諦観を含みます。そこは「絶対に守らせる」というところが共有認識になっていないところにあります。まずそこが共有認識になるまで、私は「護憲」の立場をとるでしょう。

追記: 藤代裕之@ガ島通信さんが、「[ニュース・時事ネタ]投票完了」で、「投票完了」のトラックバックもお待ちしています、ということですのでトラックバック送ります。

2007/07/28

投票に行かない権利?

こんにちは。暑いですね。明日はどうなのかな。投票率が気になります。

選挙が近くなると、3年前に「投票率アップを考える」(1), (2), (3)というのを書いたのを思い出します。それはそれまでにずっと考えていたことをまとめたものなので、それ以降新しい考えは浮かんでいません。このため、投票率に関しては書いてきていなかったのでした。

それから、「投票に行かない権利」を主張していた人のことも思い出します。

誰も入れる人がいないから、何も変わらないから、というのではなく、棄権することに積極的な意味を見いだしているようでした。

・ 投票に行かないことは「選挙権の行使」と言える
・ 誰にも投票しない = 「誰も選ばれるべきではない」の意思表明
→ 棄権が多い = 誰も選ばれないとなるべき
・ 選挙で選ばれた人が暴走する → その人に投票した人は責任がある(これは一理ある)。誰も選んでいない人は責任がない。

「投票しないということは、他の有権者の票で選挙結果が決まる」という事実がどうしても理解出来ないようでした。コメント欄では、私を含め多くの人が間違いを指摘したのですが、結局誰も納得させることは出来なかったようです。

あ、コメント欄でひとつ面白いのがありました。
いままでの選挙では、投票行動のときに選べる選択肢を見るにつけ、効果的でフィージブルなシナリオが描けませんでした。ぼくは、そういう場合は、機が見えるまで、動かないで、待つことにしています。剣道と同じです。つけ込む隙が見えたとき、一気に攻めるべきで、機の見えないときに、やみくもに剣を振り回すと、逆に相手につけ込まれるだけですから。(Posted by ゆたか* at 2004年08月30日 16:09)
つけ込む隙が見えたとき、一気に一票を投じるんでしょうね。

* Livedoorはもしかしたらブログやめた人のURLを使い回ししているかもしれません。この「ゆたか」さんは、以前見たときと別人のように思います。

今回の選挙に際して、投票することの意義をちゃんと認識しようとよびかけている皆さんがいます。

瀬戸智子さん: 「棄権は危険」
-- 選挙はずっと続く。前回の衆議院選挙でだまされたと思った人も諦めるな。

デザイン夜話(sivaprodさん): 「それをやらないやつは、人間のカスです。」
-- 橋本治の高校生向けエッセイの紹介なんですが、「いざという時、関わりを持たなきゃいけないような事態がやって来た時、関わりの持ち方を忘れちゃうから。」という部分は特に良いですね。

ガ島通信 (藤代裕之さん): [ニュース・時事ネタ]参院選の投票に行こう

私も書くことがないなんて書いたけれど、毎回言い続けることが大事なんだろうなと思います。

2007/07/13

最大の争点が「年金」だって

選挙:参院選公示 安倍政権を問う 「年金」最大の争点−−29日投開票 (毎日新聞 2007年7月12日 東京夕刊 → 魚拓)

直近の問題を争点と位置づけるのは、何も学習していない証拠。

前回の衆院選は、「郵政民営化」が争点と位置づけられ、マスコミも他の争点もあるとしながらもほとんどの時間を「造反組」、「刺客」などの話題で費やした。選挙の結果をうけ、郵政民営化はすぐに成立し、任期4年の残りは「お釣りはお駄賃」状態になってしまった。私も「ゆるしません」とは書いたものの、半分諦めムードだったと思う。議論もまともになされないまま強行採決の嵐。教育基本法、国民投票法なども採決までマスコミで問題点が報道されることもほとんどなく、成立して初めて問題点が示されるような状態だった。

今度の選挙は任期6年で、解散もない。任期中には憲法改正も日程にあがる。民主党の中にも憲法改正論者は多いので、政党で見るのではなく、個人別にどのような態度をとっているのか見て行く必要がある。憲法改正反対の立場の有権者だけでなく、賛成の立場の有権者も同様です。

憲法改正が日程にあがるような状態でなくても、過半数を握りフリーハンドをもったら議論せず強行採決を繰り返す、民主主義をないがしろにするような人間にこの国をまかせる訳にはいかないと思うのだ。マスコミも直近の争点だけでなくこの国を託すという意味があるのだということをちゃんと伝えてもらいたいものだ。

補足: 「きまぐれな日々」さんが、「参院選民主党候補の憲法問題に対する認識」で、民主党候補(執筆当時予定者)の憲法改正に対する態度を整理されています。トラックバックを送りますが、「第21回参議院選挙公示に伴うお知らせ」では、
特定の党派または候補者への応援の要素が含まれていると管理人が判断したコメントやトラックバックは、たとえその内容に管理人が賛同できるものであっても、承認はいたしませんので、ご理解とご了承のほどよろしくお願い申し上げます。
と書かれています。私の文中には「特定の党派または候補者への応援の要素」は含まれていないと考えていますが、どうかな?

それから、エクソダス2005《脱米救国》国民運動さんが、「護憲派候補者リストの見直し:社民党推薦候補は必ずしも全員9条堅持ではないのではないか?」で、「純護憲」派候補推奨リスト (試案) を書かれています。えーと、これは私の「特定の党派または候補者への応援」ではありません、と逃げを打っておきます。それから、このリストは、「勝てそうな党・候補者」という戦術的な要素が含まれているので、私としてもそのまま賛同できるものではありません。

2005/10/16

「お釣りはお駄賃」は許しません

こんばんは。

郵政民営化法案が参議院を通過しました。審議するメンバーも法案の中身も変わっていないのに審議結果が変わるのはなぜ? って、いや分かってるんですけどね。

この前衆議院を通過したときにも書いたんですが、

「郵政民営化」だけを訴えて、当選した。
1ヶ月でこの公約、すなわち全ての約束は果たした。
後の3年11ヶ月の「お釣り」は「お駄賃」として自由に使っていい。

なんてことを許す訳には行きませんよね。皆さんも、「お釣りはお駄賃」は許しません、って言ってください。

さてこのお駄賃が何に使われようとしているかというと...

・共謀罪
-- たまごの距離さんが詳しいです。「国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約」を批准するのに必要との位置付けで、この国際条約が求めているもの以外にも適用可能にしている。

・人権保護法
-- これも適用範囲がはっきりしない。便利に使える可能性をはらんでいます。その前に鳥取人権条例が成立したそうですね。=社説は語る=さんが問題点を指摘されています。

・憲法改正
-- 第9条改正は、前原さんと同様、条文の矛盾をなくす意味では必要と思っています。ただ、現在検討されているのは、憲法の位置付けを、「国家権力を抑制する」ものから、「国民のあり方を規定する」ものにすることを主眼としているらしい。

・憲法改正のための国民投票法案
-- これも本来必要なはずなんですが... シバレイさんの警告 > 報道規制、一般市民も集会などの言論規制が行われる。

これらに共通する点は、現在憲法で保障されている様々な自由の制約に使えるところだと思います。「自由を制約します」とは書いていない。それだけに恣意的に使えて危険と思います。

問題が大きければマスコミで大きく取り上げられるでしょ、そうなってないってことは杞憂なんですよ、って言われるかもしれません。

でもね、マスコミで取り上げられるっていうのは、問題が大きくなってから、被害が大きくなってから。エイズもアスベストもリフォーム詐欺もそうだったよね。

「争点は郵政民営化だけじゃない」ってちゃんと言っていても、他の話題を大きく取り上げていたら国民に届いていない。

だからみんなで声をあげないといけないのだ。

私も「お釣りはお駄賃」は許しません、という方は → 今日もクリック!

コメント
 Commented by sivain155 at 2005-10-17 18:16 x
勝手にトラックバックしました。
書いてある事柄が僕の思っている事と似ていたので。
やっぱり一人一人が声をあげないといけませんよね。^^
では、失礼致します。

 Commented by ko-bar-ber at 2005-10-17 19:39 x
TBありがとうございました。
最近の流れなんでしょうかねぇ。
個人よりも国家が重視される世の中になってきたみたいです。
人権擁護法案も、共謀罪も・・・。
近代憲法の原理は、「国家は個人の領域に踏み込まない」ことを旨としていますが、憲法改正も「公の秩序を理由に人権制限」を良しとする傾向がありますね。
我々は国家の奴隷にならなければいけないのでしょうか・・・?

 Commented by yoshihiroueda at 2005-10-17 22:49 x
★sivain155さん、
声をあげる、それを続けることが大事なんだと思います。忘れちゃったり、なんとなく許しちゃったりするのがいけないんでしょうね。
ただ、声をあげていると、いつまで続けてるんだ、空気読め、というような風潮もあって、そういう雰囲気にも抗っていかないといけないと思います。

 Commented by yoshihiroueda at 2005-10-17 22:54 x
★ko-bar-berさん、
もう奴隷みたいなもの、何をやっても次の選挙で許してくれる、と思っているのではないでしょうか。政治家自体も、官僚に騙されている、利用されているような気がします。
といいながら、いやいや、まだ悲観的になってはいけない、とも思うのですが。

2005/10/12

衆院選’05雑感 (4) タイゾー君を育てよう

こんばんは。投票からちょうど1か月、いまごろ衆院選'05雑感ですか、って自分でつっこんでみる。

衆議院本会議で、郵政民営化法案が通ったそうですね。通るのは「民意の反映」(カギ括弧つき) で既定路線なんでしょうけど、改良もなしなの? って感じです。

なんか14日には参議院も通る予定だそうで。これで民意の反映は義務を果たしたことになります。あとの残り4年の任期は、「お釣りはお駄賃」って感じでしょうか。

って許す訳にはいきませんよね。

予告では、「今後の国民の責務: 忘れっぽい日本人であってはだめ。監視がさらに重要になる。」と書いていました。でも、小泉首相に何を言っても無駄なような気がしてしまいます。

むしろ真っ白な人たちに、「これからのあなたの生きる道」を教えてあげた方が良いのではないかと思うようになりました。例えば、タイゾー君。

・あなた4年後もまた当選したくないですか。
・小泉総裁のいない自民党で比例代表下位で選挙に勝ち残るのは困難。
・といって比例代表上位のエリートにもなれる訳ではないでしょう。
・飼いならされちゃったら、今の「話題の議員」って地位なくなりますよ。
・みんな今の普通の若者の感覚を持った君に親近感もっていますよ。
・郵政民営化に賛成を投じたので、自民党への義務、有権者への義務は果たしましたよね。
・自民党から除名されても議員は除名されません。
・だったら4年間大暴れしてもいいんじゃない。
・我々が、かっこいい暴れ方を教えてあげましょう。

タイゾー君だけでなく、それぞれ新人議員の皆さんには、今後生き残るため、埋もれないための方法を考えてあげましょう! (あ、片山さつきさんを除く)

追記: タイゾー君も「トラックバック下さい」って言っています。

タイゾー君は育て甲斐がありそう、という方は → 今日もクリック!