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2016/03/27

9次元からきた男

日本科学未来館が、4月20日にリニューアルされるという。それと同時に、3Dドームシアターで新しいプログラム「9次元からきた男」が始まる。3月26日にその先行試写会とレクチャーがあったので参加してきた。

『9次元からきた男」 4月20日、日本科学未来館で公開!
日本科学未来館
「9次元からきた男」特設サイト

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©  Miraikan

予告編

この日のイベントは、2つのグループに分けられていて、第1グループは先に試写を見てその後レクチャーを聴く、第2グループは同じレクチャーを一緒に聴いた後に試写を見る形式だった。私は第1グループだったので、予備知識なく試写を見ることになった。

映画の内容は、物理学の教授とその弟子2名が「万物の理論」を追う物語。「万物の理論」とは相対性理論と量子力学を統一する究極の目標で、この映画ではその理論が "T.o.E." (Theory of Everything) / トーエという名前の擬人化されたキャラクターで出てくる。これが「9次元から来た男」で、次元を超えていることを示すためだろう、博士たちと同じところにいたのを自分だけ画面の外に出て行ったり、2次元の本の中に博士と一緒に動いていたのに本から3次元に出て本を閉じて閉じ込めちゃうというシーンが出てくる。

擬人化されたT.o.E.を教授たちが追ってかわされる部分と、物理学の説明の部分が交互に現れる。物理学パートの中で、素粒子の説明がある。物質が分子、原子からできていて、原子はさらに電子と原子核からなり、原子核を構成する陽子・中性子はさらに小さい素粒子 (クオークなど) などからできているのだが、まだ終わりではない。それらを説明する理論として「ひも」が出てくる。「ひも」は9次元の空間にあって、その振動の違いが3次元世界では素粒子の違いになってでているということだ。残りの6次元は折りたたまれていて、これを「カラビヤウ空間」ということらしいのだが、映画を見ているときは「絡み合う空間?」と思っていた。折りたたまれているということだし。

私の理解は、3次元のものを写真に撮ると2次元になる際に、対象物の向いている向きで違った側面になるみたいなことかと思った。ただ、こういう風に簡単に理解してはいけない (= 理解した気になってはいけない)、理解していないことを残しておくのが発展の原動力だという  (あれ?どこで聴いた話だっけ)。

レクチャーは、この映画を監修した大栗博司先生 (カリフォルニア工科大学 教授 かつ 理論物理学研究所 所長. 東京大学 カブリ数物連携宇宙研究機構 主任研究員) (ブログ、Twitter @planckscale) によるもの。難しい話のはずなのだが、分かりやすい (いや分かった気になってはいけないのだが)。アインシュタインの失敗のエピソードを入れたり、時々冗談として著書の宣伝を入れたりして、お話が上手な人でした。

背景の物理学の説明だけでなく、映像に関しても言及があった。出てくる宇宙の映像は、天体物理学の可視化プロジェクト・イラストリス (名前が可愛い) によるシミュレーションで、科学的にしっかりしたものであるという。


監修として、清水崇監督、山本信一ビジュアルディレクターには、いろいろ要求を出したようで、彼らはそれに答えてくれたとのこと。ニュートリノが、飛んでいる途中で種類が変わるのを色の変化で示す、「0.00 ...  (11個ならぶ) ...1 秒後」など時間を示すカウンターが表示されてるなどの工夫が随所に見られるそうだが、そういうお話を聞かないと見逃すよね。大栗教授は「また別の日に見に来てください」と言っていた。

R. Yoshihiro Uedaさん(@ryokan)が投稿した写真 -

特に感心したのは裏付がとれた事実と仮説をちゃんと分けること。超弦理論は有力な仮説ではあるけれども、まだ仮説であるので、「真理を追求している科学者」を描くようにしたということだ。NHKや民放も見習ってほしい。

T.o.E_sub3_10%
©  Miraikan

そういう映画ですのでオススメです。対極にある「ジョギング渡り鳥」同様に、頭脳が強制的に働かされます。

2014/04/30

統計学ちゃんと勉強しなきゃ

ビッグデータとか統計学とか最近ブームなのでいろいろ見ているけど、どうもつまみ食いの範囲を越えていない。

購入した本
講演会など
「統計的思考の養い方」は、半期毎に行っている院生向け統計4日間シンポジウムに関して、その経験などの内容。教える内容は分野依存にしない一方で、対象学生が精通している分野を材料にすることでリアルに実感できるようにする。何を課題として、そのためにどんなデータを集めるところから計画を立てること、分ったことをまとめるところも重要とのこと。

逐次通訳はついていたけれど英語の講演で、統計学の用語を辞書をひきながら聞いていた。
  • R-sq = 決定係数
  • ANOVA = Analysis of Variance 分散分析
  • chisq = カイ2乗検定
SASのツールもそうだけど、こういう技法がある、こういう機能があるということは説明があるのだけれど、それで何がわかるか、あることを知りたいためにはどの技法を使えば良いか、どのようなデータが必要なのかが分っていないというのが正直なところ。以前「Excelで学ぶ統計」みたいな本は読んで、重回帰分析とかは思い出しながらできるようになったが、網羅的な知識が必要だなと感じている。まさに「統計的思考の養い方」で紹介されたような集中的コースはそのニーズにあっているのだろうなと思う。

2012/09/25

IOS6 Apple製Mapで「独島」を検索したら...

... こんなのが出て来たよ!



多分「独島」で検索 → 正しくは「竹島」→ 「竹島」で検索

その前に「竹島」で検索したのだ (どうも検索結果が履歴に影響されるようだ)。


引いてみると ...


Apple独自のマップ非難する人多いけど、というか私も面白がっていたけど、この例で帳消し。私はアップルを全面的に支持します!

2012/02/20

政策決定に対する科学の役割と課題

昨日 (2月18日) 下記ワークショップ (シンポジウム) に行って来ました。

「ファンディングプログラムの運営に資する科学計量学」第2回ワークショップ

主旨引用します。
科学者が政策の現場からエビデンスを求められても、それをシンプルな科学的合意事項として提供することには様々な困難がつきまとうと考えられます。現代の科学技術自体や科学技術を巡る社会・自然の状況を考えれば、エビデンスそのものが複雑になり、すなわち、専門家以外にはなかなか理解しがたいものとなることも避けがたいといえます。このような状況において、政策の現場では、科学的なエビデンス、とりわけ定量的なエビデンスへのニーズは益々高まっており、一連の「科学技術イノベーション政策のための科学」プログラムに脚光があたっております。
複雑な状況の中で作られつつある科学的知見を提供する第一線の研究者が見た科学的エビデンスについて学び、さらに議論を進め、政策のためのエビデンスについての理解と対話を共有することを目的とし、本ワークショップを企画いたしました。
これはもともと政府の補助金をどのプロジェクトに出すか決定し、理由を示せるようにする、という文脈で始まったものと思っていて、またそれは企業においてどのプロジェクトを進めるかを感ゲル上でも役立つだろうと思って参加のですが、そういうプロジェクトの定量的評価までは至っていなくて計量学という感じにはなっていませんでした。でもそれがかえっておもしろかったと思います。

むしろ、放射線量の基準妥当なの? とか、地震発生の確率って何? とか、可能性は限りなく低いがゼロとはいえないという科学者よりも、スパッと指針を出してくれるトンデモさんのほうが受けるとか、そういう昨今の話題にマッチしていたように思います。

最初の、江守正多氏による「地球温暖化政策とエビデンス」は、IPCC (気候変動に関する政府間パネル) の役割に関して。そう、二酸化炭素が温暖化を引き起こしている、とか、それは陰謀だ、とかいう話につながる話です。

IPCCは政策を決めるところではなく、政策決定のためのエビデンス (証拠というか科学的裏付け) を提供する役割を担っているところということでした。政策決定はCOPが行います。

恣意性を避け、透明性を上げるために、一次草稿のレビュー、二次草稿のレビュー、最終草稿のレビューを行います。一文単位で合意を決めて行きます。レビューコメントひとつひとつに回答を行ってそれも公開するそうです。

IPCCの報告書にはエビデンスだけということで、「気温上昇を2度以下に抑えるためには、CO2排出量を1990年比25%~40%減にしなければならない、4度以下に抑えるためには ...」というような書き方になります。そう書いても、IPCCの報告書が「CO2排出量を1990年比25%~40%減にしなければならない」と書いたようにCOP合意で記載されそうになったので、前提を記載するよう文言修正を要求し変えてもらったと言うことでした。報告書出しただけでは終らないんですね。

牧野淳一郎の「スパコン開発とエビデンス」もちょっと前に話題になった「京」に関することです。「京」は世界一にはなった訳ですが、プロジェクトとしての成功はまだ終っていません。世界一をとることが目標ではなく、そのコンピュータを役に立てることが本来の目標であるべきですから。「べき」と書いたのはそのプロジェクトの目的目標も明確ではないらしい、それは失敗プロジェクトの共通の特徴、ということで牧野氏は「失敗」という断定を避けながらも、このプロジェクトの問題点を語ります。私が特に気になったのは、官僚主導ということでした。官僚が専門家委員会を選ぶが選ぶ専門家によって結論はだいたい見えてくる。官僚は中身には詳しくなく、また2-3年で異動するため専門的知識をつける前にその部門を去ってしまう ...

藤垣裕子さんのコメント "「数量化、政策のための定量化」の陥穽~ポーターの「数値への信頼」より" も興味深い内容でした。現在ポーターの「数値への信頼」という本を翻訳しているそうですが、そこからの教訓を話していただきました。民主主義の世界になって、何かが問題であり替えなければならないと言うためには、裏付けとなるデータが必要になるが、データを集めるためにも権力が必要になる (インターネットの時代になって変わって来たところではあるだろうけど)、データを収集するだけで人の行動を変容させる、そのデータ自体が権力を持ち始める (例えばデータにより正常と異常に分ける言葉が定義される)。一方でそれでもデータによる定量化は、距離を越える技術になる (グローバルに適用できる指標になる) というところがポイントのようです。

という訳で、期待とは違っていたけれど、期待とは違う収穫が得られた半日でした。

追記: 資料はここで公開されています (しのはらさんサンキュー)。→ 第二回ワークショップ報告

2011/08/05

アップルとディーター・ラムス

スティーブ・ジョブズ 驚異のイノベーション」の法則5 デザイン「1000ものことにノーという」は、デザインを極限までシンプルにすること。そうすることで、必要なもののみがうきあがる機能美が現れるということだろう。

これは以前府中市美術館で見たディーター・ラムスにつながるものだ (ブログ書いてなかった)。

府中史美術館 2009/5/23 - 7/20 純粋なる形象 ディーター・ラムスの時代―機能主義デザイン再考

関連記事
この時点で、アップル製品のラムスデザインに対する類似性は指摘されていた。最初のインタビュー記事から引用する。
―現在、多くの人々がアップル社の「iPod」や「iPhone」などで音楽や映像を外に持ち出して楽しんでいるわけですが、この「iPod」や「iPhone」のデザインに、ラムスさんが影響を与えたと言えるのではないでしょうか? たとえばこの「TP1」のように、「縦型」というデザインのポイントなど。それについてはいかがでしょう。

 私の持っている基本的意見と、よく似た考えで作られているということは、確かに感じます。私の知り合いのジャーナリストや友人によっては「あれはコピーだ」という意見を私に言ってくることもありますね。でも、そう言われることは、逆に私にとっては褒め言葉だと思います。デザイナーの持つ宿命と言いますか、私自身は模倣ではないと思います。私にとっての最大級の褒め言葉だと感じていますよ。
それはそれ以前から指摘されてきていることだし、その後もみかける。

らばQ 2008/1/18 Appleがあのブラウンからパクったグッドデザイン10の原則
(元ネタ GIZMODO 2008/1/14 1960s Braun Products Hold the Secrets to Apple’s Future)
Wired.jp 2011/5/16 Appleデザインに影響を与えた古いガジェットたち「パクった」と「影響を与えた」って言葉の選び方で、そのサイトのテーストが現れていますね。

増加する機能を、いかに整理して提示するかは今後も続く課題だろう。

2011/06/13

この国の新しい風景

こういう記事があった。

地熱発電:国立公園の外から「斜め掘り」 十和田八幡平 - 毎日jp(毎日新聞)
 三菱マテリアルと東北電力が地中を斜めに掘る技術を利用して、国立公園の直下にある地熱エネルギーを使う発電を計画していることが11日、分かった。日本は地熱資源の約8割が国立公園など自然公園に存在するとされるが、開発が厳しく制限されていた。しかし、政府は10年6月、景観に配慮した開発を認めるよう規制を緩和した。実現すれば斜め掘りを利用した日本初の地熱発電となり、他地域の地熱活用にもはずみがつきそうだ。
景観に関しては、以前、「東電の国有化に関して」で、
再生可能エネルギーでは主に太陽光発電と風力発電を想定していたが、地熱発電のコストは従来の発電とほぼ同等らしいので日本だと特に期待できるところだろう。火山というと国立公園内という場合も多いだろうが、今の状況だと多少風景を犠牲にしてもエネルギー自立を図るべきだと思う。
と書いた。

今はもう少し進んで、「風景を犠牲にしても」というネガティブな理由ではなく、積極的に地熱発電所があることを新しい日本の風景として取り入れても良いのではないかと思う。

地熱発電所を、日本の復興のシンボルにする。

先日、「横浜トリエンナーレのプロジェクトに参加してきた」で、高台から見える工場地帯の風景の写真をあげた。コンビナートってワクワクするよね。高速道路も、ダムも、橋も。戦争からの荒廃から立ち直る際に、これらの風景は日本人の心を奮い立たせたと思うのだ。

震災からの復興は、そんなワクワク感とはちょっと違うかもしれないが、国立公園に観光へ行った際に地熱発電所の施設を見る度に、復興への意志を新たにすることができるのではないか。そして将来、こうやって日本はまた復活したのだよと誇りにすることができると思う。

それは地熱発電だけではない。各家庭の屋根や、ビルの外壁、高速道路の防音壁を覆い尽くす太陽電池パネルも新しい風景になる。風力発電は日本では設置する場所は少ないが、海上に設置するという構想もあるようだし、それも新しい風景だ。休耕田は、メガソーラーにするよりも食糧増産に使うべきだと思うが、休耕田のままにしておくよりはメガソーラーの方がましだと思う。

電力のことばかり書いたが、東北を地震・津波に強い地域にするための開発も新しい日本の風景になると思う。高台に散在する住宅地、そこを繋ぐ交通機関。低地の使い方は議論が必要だろうが、できるだけ災害時の復旧が容易な利用方法を考えていく必要があると思う。大規模経営の農地や牧場など、今の土地の価格では成立しないかもしれないが、高台の価値が上がることによる相対的な価格低下、大規模化効率化によるコストダウンでなんとか出来ないかと思う。

2011/05/08

トリウム原発のしくみを調べてみたけれど

昨日の記事「トリウム原発って何だろう」で、「この記事には方式に関しては書かれていない」と書いた。日経ビジネスオンラインの元記事 "中国が独占意欲「トリウム原発」とは" には、方式自体は「溶融塩炉」として書かれていて、
 この方式は、核燃料(トリウム-232)をフッ化物にして、フッ化物塩からできている溶融塩に溶解した状態で燃やす。地殻の中のマグマに少し似ていて、“ストーブ”の中で燃え続け、絶えず巨大なエネルギーを出す。液体燃料の原子炉ということがほかの原子炉と違うところだ。
という説明はあるのだが、そこでどういう核反応があってどういう副産物ができるかか分らないと、クリーンかどうか判断できないと思うのだ。特に、「既存の核廃棄物を含むさまざまな種類の核燃料を消費できる」という部分は、今の原発廃棄物の問題もあわせて解決できることになり期待できる特性だと思うが、これにしてもどういう仕組みでそうなるのか納得したい。

最初に検索で調べた結果得たのがこれ。→ トリウムの放射性壊変系列
このサイトには「地面からの放射線」というページもあり、さらにそのひとつであるトリウムに関する説明がある。

ただこの「トリウムの放射性壊変系列」をみると、自然に崩壊するプロセスに関して記載してあるようだ。原子炉として使うには別のプロセスがあるはず。

調べたらやはりWikipediaに到達した。→  Wikipedia トリウム燃料サイクル
\mathrm{n}+{}_{\ 90}^{232}\mathrm{Th}\rightarrow {}_{\ 90}^{233} \mathrm{Th} \xrightarrow{\beta^-} {}_{\ 91}^{233}\mathrm{Pa} \xrightarrow{\beta^-} {}_{\ 92}^{233}\mathrm{U}

中性子をあてることでトリウム233になり、その後ウラン233になる。ウラン233 は原発で使われるウラン235と同様に核分裂を起こし、その生成物はトリウム229となっている (Wikipedia ウラン233)。トリウム239は最初に調べた「トリウムの放射性壊変系列」に入ってて、ここでこのラインの追跡は終わってしまう。

これ以外の系列もWikipedia トリウム燃料サイクル にはあるのだけれど、確率的な反応なので分裂せずに別の同位体として残ったり、それが別の核種に崩壊したりするようだ。たくさんあって、自分の手に負えないように思う。ここで一旦断念したい。

ただ確率的な過程の中でさまざまな核種が存在する状態になっており、そのため
崩壊を繰り返して237Np、238Pu、239Pu、240Pu、241Pu、241Am、242Puと、有害なプルトニウムの同位体を生成する。 237Npは半減期214万年と比較的安定で、再処理で除去(違う元素なので分離可能)できる。アメリシウムやキュリウムについても同様で、廃棄するほか原子炉に戻して核変換によるリサイクルを図ることも可能。
というようななんでもOKという状況なのかもと思う。

それは一方では、
トリウム燃料サイクルは、原子炉内の核種変化や使用済み核燃料の再処理によるリサイクルについて様々な期待がもたれている。しかし実現には課題も多く、当面は同様に使い捨て状態で運用されて行く見込みが強い。
と書かれている部分につながっているのかと思う。やはり最終的にどうなるのか、事故が起こったときどうなるかは、気になるところだ。

まだまだ理想にはいかないのだろうけれども、研究だけは国家レベルで進めていただきたいと思う。今のように、御用学者でないと生きて行くのが難しいという態勢にするのでなく (参考: 現代ビジネス  2011年04月30日「迫害され続けた京都大学の原発研究者(熊取6人組)たち」)。

トリウム原発って何だろう

これは原発事故の前の話なのだが、こんな記事があった。

中国が独占意欲「トリウム原発」とは:日経ビジネスオンライン

中国科学院の発表に関して書かれた解説なのだが、その中国科学院の発表内容はびっくりする内容で、これは気になっていた。発表内容を一部抜粋する。
1トンのトリウムは200トンのウランあるいは350万トンの石炭と同じエネルギーを発生させる。

わが国はトリウム資源大国。1000年にわたって枯渇の心配がない。

その特徴は構造が簡単で、長期連続運転が可能で、燃料の“雑食性”が強いなどの利点がある。しかも、小型かつ精巧に作ることができ、一定量の核燃料を装入すれば数十年の安定運転ができる。さらに、理論的に、核廃棄物は現在の技術による原子炉の1000分の1しか発生しない。次世代原子炉は世界で研究開発中であるが、我が国がトリウム溶融塩炉の研究を今始めれば、おそらくすべての知的所有権を獲得することになる。
トリウムという元素自体が今まで認識していないものだったので、ここでみるかぎり天然に存在するものだということも全然知らなかった。この記事を読み進めると、レアアースと一緒に産出されるもののようだ。ということはこれまで廃棄されていたということか (あとでまた記事にするが実際被害が出ているようだ)。

また、この記事をみると、米国も積極的に推進しようとしているし、日本を除く全世界で研究が進められているという。オバマの推進理由として、クリーンエネルギー (ここでは基本的には二酸化炭素削減) だけではなく、核兵器廃絶も狙いにある。

この人の前の記事『「友愛」は通用しない資源外交――“核ルネッサンス”に乗り遅れるな』では、
2.米オークリッジ国立研究所が中心になって開発した、原子燃料としてトリウムを利用する溶融塩炉とよばれる原子炉が、技術的にも経済的にも実用化の可能性が出てきた。もともと核の平和利用には最適でむしろ本命であったと言われる
と書かれている。核兵器の材料となるプルトニウムが生成されないことがネックだったというような書き方だ。

という訳で、もしこの方式の安全度が高いのなら、日本こそが推進すべきと言う著者谷口氏の主張に同意する。

ただこの記事には方式に関しては書かれていない。方式に関しては別の記事を探して調べたのですが、まだ理解できておらず、今の所は保留にしたいと思います。[補足: 少し調べました。→ トリウム原発のしくみを調べてみたけれど ]

2011/05/07

夢の原発?

以前日経エレクトロニクスでこんな記事があった。

夢の原発「TWR」,実現への道 (日経エレクトロニクス2010年8月23日号)

ビル・ゲイツが進めているということで話題ではあったのだけれど、原発自体に興味も基礎知識もなかったので、そのときには読まず積んだままにしてあった。

原発事故があって、もんじゅもヤバい状況だという話も聞こえて来る中、もしこれがより安全な方式なら検討する必要もあるのじゃないかと思って読んでみた。

今核燃料としては使えない劣化ウランに対して中性子をあて、プルトニウムに変換する。そのプルトニウムが核分裂する。そこで発生する中性子で劣化ウランをプルトニウムに変え ... という基本的に高速増殖炉と同じ原理のようだ。しかも同様に冷却剤にNaを使う。

日経エレクトロニクスの記事には、TWR (Traveling Wave Reactor) という名前しか書かれていないが、日本語では「進行波炉」というようだ。→ Wikipedia 進行波炉

Wikipediaの記述に
燃料である劣化ウランに点火された後、その反応の波が、60年以上かけてゆっくりと進行する炉であることから、進行波炉と呼ばれている。
とあって「高速」のつかない「増殖炉」なのかと思ったのだが、あとで教えていただいたところによるとそれは間違い。「増殖」のつかない「高速炉」だそうだ。

Wikipedia 高速増殖炉 には
高速増殖炉(こうそくぞうしょくろ、Fast Breeder Reactor、FBR)とは、高速中性子による核分裂連鎖反応を用いた増殖炉のことをいう。

高速中性子を利用しながら核燃料の増殖を行わない原子炉の形式は、単に高速炉 (Fast Reactor : FR) と呼ばれる。
とある。「高速増殖炉」の「高速」は「高速中性子」のことだった。中性子には「高速中性子」と「熱中性子」があって ... この説明も外部に頼ろう。
高速中性子と熱中性子

高速増殖炉の冷却剤 (熱運搬剤といったほうがいいように思うが) が水ではなく金属ナトリウムなのは、水は減速剤でもあるから。同じ意味でTWRも金属ナトリウムを使う。

一方、「高速増殖炉」の「増殖」は、「転換比」(→ Wikipedia ) が1以上あるという意味だと言うが、これはちょっとまだ理解できていない。この転換比というのは何を投入燃料とし、何を生成物として比較するかによって決まると思うのだが、TWRの場合は生成物はないことになるのでその場合どうなのだろう。内部では最初に投入したプルトニウム以上のプルトニウムが一旦生成されているはずなので「増殖」と言ってもいいような気がする。

「夢の原発」TWRに関しては、まだ技術課題があるようだ。特に燃料封止用の被覆管の耐久性がネックとのこと。TWRの寿命である60年〜100年までもつものがない。

私としては金属ナトリウムを使う点も気にかかる。何か事故があった時に、基本的に収束方向に進むという反応でないと不安は拭えないと思う。

トリウム原発に関してもあわせて書きたかったが、出掛ける時間になったので、それはまた別稿で。[追記: 書きました。→ 「トリウム原発って何だろう」]

2011/04/13

原発が夢の技術だなんて思ったこと一度もない

この一ヶ月に何度か見かけた発言。
原発は夢の新技術だと思っていた。
自分が一度もそう思ったことがないので、こういう発言には驚いた。例えば中島聡さん

Life is beautiful 2011.04.01 「エンジニアから見た原発」
典型的な「理科系少年」として育った私にとっては、原子力発電は宇宙旅行や人工知能とならぶ「人類の英知を集めた科学技術の結晶」であり、あこがれでもあった。ブルーバックスの相対性理論に関する本はすべて読んだし、アインシュタインの書いた e=mc2 という式は私にとってはまさに「人類の英知」を象徴するシンボルであった。
私は原発の仕組みは今回ようやくだいぶ理解してきたが、これまでは「原爆のエネルギーをゆっくり取り出すこと」くらいの認識しか持っていなかった。制御棒で抑制するけど、もしそれが故障したら制御が効かなくなるもの。確かに、制御棒での制御は、壊れたら炉に落ちて反応をストップさせる方にしか進まないということは知っていたが、それでも落とせなくなったりする可能性もあるんじゃないのと思っていた。

安全ではないから、敦賀湾のように都会からはなれたところにつくる。以前読んだ記事に、その土地の老人が、「周辺に住んでいる人にまでお金をくれるということは、何かあったらあきらめろという意味だろう。自分は老い先短いのでもうあきらめている」という主旨の発言をしていた。

もう一つは廃棄物の問題だ。処理ができず、子孫までずっと保管する、そしてそれはずっと増え続ける。こんな無責任な話はないだろう。それは自分達の世代で石油を枯渇させるよりもひどい話だと思う。

原発のプラスの面は、日本には資源がないから仕方ない、というもので、とてもプラスには思えないもの。それだって、ウランも輸入しなければならないと聞くとなんじゃそりゃと思う。技術的にすばらしいと思える点はひとつもない。

もっとも、私が長崎で生まれ育ったというところが大きいかもしれない。ただ大きな爆弾という訳ではない原爆のことを知っていれば、原発は安全なものだと言う教育はできなかっただろうし、受入れられなかっただろう。よその地域では、原発推進のポスターを子どもに書かせていたところもあったんだね。

核アレルギーという言われ方もあることは知っているけれど、それは原発から遠く離れたところの人間の勝手な言い分だと思っていた。

今話題になっている記事

福島には原発が必要だった - 夢の中ではうまく歌える
を読んで、40年前はそれでも受入れざるを得ないところがあったんだな、そしてそれはある程度豊かになっても、いやそれで豊かになったからこそ、捨てられなかったんだなと思う。

さて全国の残る原発の周辺の皆さんはどのように考えられているのだろうか。

2011/02/13

みんなソニーが大好き2

週刊ダイヤモンド 2月12日号の第2特集は「SONYを去ったエース社員たちからの提言 ヤメソニーに訊け!!」。これは技術者としては考えさせられた特集だったな。元ソニー社員のソニーに対する愛が伝わってくる。

以前書いた「みんなソニーが大好き」は、ソニー部外者からの愛を感じて書いたものだったけれど、もちろん社内の人の方が愛は強いだろう。そしてここに集まって来ている人たちは、ソニーを愛しながらも、もしかしたらその愛の強さ故に去らざるを得なかった人たちとえるのではなかろうか。いわばソニーに片思いし続けた人たち。

この特集の中に、1969年のソニーの求人広告 "「出るクイ」を求む! 英語でタンカの切れる日本人を求む" が出ている。そういう人たちが集まってできた会社。しかしソニーは次第に変わってくる。

「みんなソニーが大好き」 で書いた中に、クリステンセンの「マーケティング部門が市場分析を重視するようになったため、ソニーは破壊的技術を創り出せなくなったのである」というのがあった。私は、"市場調査で分かるのは、「今よりちょっとだけいいもの」なのです。"と書いた。そのときは知らなかったけど、ヘンリー・フォードが「もし私が顧客に彼らの望むものを聞いていたら、彼らはもっと速い馬が欲しいと答えていただろう」と言っていたんだね。

週刊ダイヤモンドでも本社機構の肥大を問題にしている。ハルトムット・エスリンガー 「デザインイノベーション デザイン戦略の次の一手」 にもソニーのことが書いてあった。出井さんは巨大企業に必要なビジョンを出せなかったという評価。
しかし今のソニーは、1945年に東京通信研究所を立ち上げた井深大が、盛田昭夫とともに会社を興したころとは、大きく異なっている。井深と盛田が第一線を退いて、老い、やがてこの世を去ったとき、ソニーが失ったものは創業者だけではなかった。そのときに会社の魂も失われた。
私は外から見ていて、出井さんは、ハードとソフトとネットの統合というビジョンを出しているんだなと感じたけど、きっと整合を持った形でビジョンをインプリメントできなかったんだと思う。どこで読んだかわすれたけれど、ソニーの技術者は、彼のような技術出身でない経営層を「文官」と呼んでいるそうだ。自分達は「武官」。出井さんは武官の心をつかめなかったのだろうね。土井利忠さんがソニーの技術者から愛されていると感じた (以前の記事) が、それと対照的なのではないかな。いやここはあくまで外部からの見方ですが。

'グーグルで必要なことは、みんなソニーが教えてくれた' の著者 辻野晃一郎さんも出てくる。辻野さんへのインタビューの中で、同じくソニーを辞めた知人の言葉を紹介している。
「辻野さん、ソニーって会社の名前じゃなくて、生き方ですよね」
こういう言葉には心動かされる。

他にもソニーの生き方を志した人の話が出てくる。2005年にソニーの若手社員だった三根さんは、Googleを訪問して「ここは21世紀のソニーだ」と思ったそうだ。三根さんの入社は2001年以降で、その時代にはソニーは変わって行っているころだと思うけど、ソニースピリッツというものは残っていたんだろう。

この記事の中には希望も見いだせる。今でもソニーには、出る杭や、出る杭を目指す人材が集まって来ることだそうだ。大事にして欲しいと思う。

他にもソニーに関して書いた記事があります。

ソニー製品しか買わない (2005年3月21日)
Tokyo Designer's Weekに行って来た (2005年11月10日)

2011/02/06

知の構造化センター シンポジウム

2月5日、東京大学知の構造化センターのシンポジウムを聴きに行きました。

東京大学・知の構造化センターシンポジウム

Ustream 中継がありました。アーカイブは以下。
会場の東大福武ホールは、各席に電源があり、今回は無線LANも提供されて、ハッシュタグ #cks11 も宣言されたので、多くの人がTwitterで発信していました。Togetterまとめ ができています。発言者数が 1月の"Japan Innovation Leaders Summit" のときほど多くなかったので、まとめもまだ見やすいと思います。

長尾先生は、精力的にさまざまところで講演されていて、私もできるだけ聴きに行っています。今回はこれまで話があった国立国会図書館のデジタル化、著作権法改正の話が中心だったのですが、1994年の日本初の電子図書館となった京大図書館の話は私は初めてて でした(って勉強が足りんということなんですが)。ただ全文検索が出来るというのではなく、書籍を目次の構造で構造化しており、部品単位に得ることができます。これはGoogle Booksでも実現されていない機能です。コピペ論文は一般によくないとされているが、この図書館で部品単位でばらばらにされたものを再構築した論文は必ずしも悪いと思わないという発言が印象的でした。

12月の暮れの東京芸大シンポで「芸術・文化のアーカイブの検索」に関してはなされたそうで、その話も今回のお話にも入れたかったが時間が足りないということで軽く言及されただけだったのが残念でした。東京芸大のシンポジウムはあらかじめ知っていたら参加したのにと思います。

セッション1 「思想」の構造化は、今回の目玉だと思います。岩波の雑誌「思想」の90年分をデジタル化し、MIMAサーチで検索、分類、分析可能にしたということです。検索結果をコンテキストで分類されるので、果物のアップルと、IT企業のアップルを分けて得ることができます。文書の類似性でリンクが貼られ、思想界が俯瞰でき、また年代別にトピックの変遷を知ることができます。「これは研究のツールとして使える」と、文科系の先生が興奮されていたという話が印象に残りました。

その文科系の研究にとっての価値は、ビデオレターとして登場したコロンビア大学キャロル・グラック先生の話で裏付けられます。
知の構造化は、知の「脱」構造化にも繋がる。私たちの思考を制約している既存の枠組みから私たちを解放する可能性も持っている。
既存の研究も「〜派」という枠組みに囚われずに見直すことにより、新たな発見、新たなものの考え方が生まれるとすると素晴らしいことだと思います。会場の意見などを聞いていると、既存の枠組みだけで考えるだけではダメで、枠を超えた思考が人文系研究者に求められるようになるだろうという観測でした。学会の大御所の抵抗もあると思うのですぐには変わらないかもしれませんが、ITが社会を変革することの現場に居合わせたような気がしました。エジプトのデモの前夜のような感覚と似ているのかもしれません。

午後は技術が中心であまり新鮮な話もなかったのですが、Wikipediaの分類、マップ化のデモは興味深かったです。この分類技術も昔からあるものではあるのですが、Ajaxを使ったズーミングと画像でWikiページを表現することを組み合わせたインターフェースが魅力的です。→ Wikipedia SOM Visualization

パネルディスカッションでは、いろいろな側面から議論が行われ、その点ではテーマが絞られていなかったと思います。その中で、東大辻井先生の『人類史上初めて「知識」を客観的な研究の対象としてみることができるようになったのではないか。』という発言が印象に残りました。

2010/05/09

ソフトバンクモバイルのWebサイト

おはようございます。

先日、ソフトバンクモバイルのWebサイトMySoftBank で、iPhoneのメールの設定を変更しようとしてはまりました。それについては後述しますが、そのWebサイトももうすぐ改善されるのですね。

My SoftBankの登録方法、ログイン方法が変わります (2010年5月8日)

今まで複数あったログインID / パスワードが一つに統一される。(【2】ログイン方法について )
私がはまったのの一つは、ログインを求めているところで、どのログインIDを使えばいいのか、何がログインIDになるのか (IDといいながら電話番号をいれなければいけないところがある) ということ。また、パスワードはログインID以上にあって、という言い方もへんだけど複数のパスワードをいれなければ行けない場面が出てくるし、変更できないパスワードもあって、この場面でどういうパスワードを入れれば良いか分からなくなる。

というか、「【2】ログイン方法について」の図の左側をもっと早く出していて欲しかった。

新規サイトはこれで問題の一つが改善されることにはなると思うけれど、改善点は複数あるのでそれらもあわせて改善されることを期待したい。

改善すべき点をまずあげて、その後に、順を追って私がはまった道をたどりたいと思う。

改善すべき点

・複数のID / パスワードのどれを使えば良いのかわかるようにする
・ID / パスワードが分からない時に問い合せする方法をその場に示す
・iPhoneからでないとたどれないページがある。

私がはまったストーリー

やりたかったことは、iPhoneのメールアドレス (電話番号を使うSMSを含めると3つある) のうち、iPhoneの「メール」アプリで使うEメール(i) (xxx@i.softbank.jp の形式のもの) の設定変更。



PCから My SoftBank へいくとこんなメニュー。 この「メール設定」は、xxx@softbank.ne.jp 形式のメールの変更に行くけど、xxx@i.softbank.jp 形式のメール変更には行けない。



一方、iPhone の Safari で My SoftBank を開くとこうなる。 もとの URL から http://mb.softbank.jp/iphone/にリダイレクトされる。ここではEメール(i) の変更メニューがある。

http://mb.softbank.jp/iphone/の作りはiPhone向けだが、PCからでもアクセスはできる。そしてそこからメニュー選択するとでるログイン画面 (下の画面) もやはりPCからアクセスできる。
基本的には iPhone でのみアクセスすることを前提にした設計、すなわちPCからは変更させない設計になっている。PC向けサイトからでもここにリンクしてくれれば良いのだが。



この画面でログインIDと出ているのは複数あるログインIDのどれか分からないようになっている。実際はここは、メール xxx@i.softbank.jp の"@" の前の部分 (xxx) になるので、そう書くだけでもずいぶん違う。

ここでのより大きな問題は、このログインID やパスワードが分からなくなった場合のナビゲーションがないこと。ここでいれるログインIDが何か分からない場合にはここで途方に暮れることになる。

実際はここで本当に分からなくなった場合は、ソフトバンクに電話して、リセットを依頼しないといけないのだ。通常だとメールでリセットのための専用URLを送ってくれるのだけど。

この部分はソフトバンクのサポート窓口を使って投稿して初めて分かった。結局Webどこにもそういうことは書いていなかったことになる。

アップルはこういうことを認識していてiPadの独占販売をソフトバンクに与えているのかな。アップル自体にもマイナスになると思うのだけど。

2010/04/24

メモ: Google App Engine 開発に Python 対話モードを用いる

こんにちは。

Google App Engine でプログラム作る時に、これまではインタープリタとしての Python を活用していませんでした。これでは効率悪いなー、と言ってもまあそれ以上に毎回思い出したり調べたりするのに時間がかかっていたのですが。

今回 Python を対話モードで使ってみました。あまり試行錯誤は書かず、うまくいく方法のメモだけ残したいと思います。

必要なモジュールをインポートする


ここは対話モードでなくても行っているのでわざわざ書くこともないけれども。
>>> date = datetime.datetime.now()
Traceback (most recent call last):
File "", line 1, in
NameError: name 'datetime' is not defined

>>> import datetime
>>> datetime.datetime.now()
datetime.datetime(2010, 4, 24, 11, 13, 23, 621482)

Googleのモジュールはこれでは見つからないので、利用可能にしなければならない。

モジュールのありかをPYTHONPATHで指定する


参考: A-LIAISON BLOG Mac OS X LeopardでPYTHONPATHとPYTHONSTARTUPを設定してみました

import する場所を PYTHONPATH 環境変数で教える。ターミナルで、Pythonに入る前に行う。
export PYTHONPATH=${PYTHONPATH}:
/usr/local/google_appengine:/usr/local/google_appengine/lib/antlr3:
/usr/local/google_appengine/lib/django:/usr/local/google_appengine/lib/webob:
/usr/local/google_appengine/lib/yaml/lib
(改行なし)

ところが今回行うAPI結果取得ではこれでは十分でなかった。

APIを用いた検索結果取得


APIを用いた検索結果取得
>>> import urllib
>>> from google.appengine.api import urlfetch
>>> url = "http://search.twitter.com/search.atom?q=" + urllib.quote(keyword) + "&locale=ja&rpp=30"
>>> urlfetch(url)
Traceback (most recent call last):
File "", line 1, in
File "/usr/local/google_appengine/google/appengine/api/urlfetch.py", line 238, in fetch
rpc = create_rpc(deadline=deadline)
File "/usr/local/google_appengine/google/appengine/api/urlfetch.py", line 200, in create_rpc
return apiproxy_stub_map.UserRPC('urlfetch', deadline, callback)
File "/usr/local/google_appengine/google/appengine/api/apiproxy_stub_map.py", line 345, in __init__
self.__rpc = CreateRPC(service)
File "/usr/local/google_appengine/google/appengine/api/apiproxy_stub_map.py", line 54, in CreateRPC
assert stub, 'No api proxy found for service "%s"' % service
AssertionError: No api proxy found for service "urlfetch"

解決策は下記に書いてありました。

メモなのですよGoogle App Engine の urlfetch を試してみた
>>> from google.appengine.api import apiproxy_stub_map
>>> from google.appengine.api import urlfetch_stub
>>> apiproxy_stub_map.apiproxy = apiproxy_stub_map.APIProxyStubMap()
>>> apiproxy_stub_map.apiproxy.RegisterStub('urlfetch', urlfetch_stub.URLFetchServiceStub())
>>> urlfetch.fetch(url)

後はDOMの操作。

DOMの操作


まずは検索結果をパースして要素を得る。
>>> import xml.dom.minidom
>>> result = urlfetch.fetch(url)
>>> top = xml.dom.minidom.parseString(result.content)
>>> entries = top.getElementsByTagName('entry')
>>> entry = entries[0]
>>> name = entry.getElementsByTagName('name')[0].firstChild.data

今回知りたかったことは、属性の取得方法。

参考: Dive Into Python 9.6. Accessing element attributes
>>> link = entry.getElementsByTagName('link')[0]
>>> attributes = link.attributes
>>> attributes

>>> attributes.keys()
[u'href', u'type', u'rel']
>>> link=attributes["href"]
>>> link.name
u'href'
>>> link.value
u'http://twitter.com/username/statuses/nnnnnn'
以上、できました。

2010/03/27

Windows on Mac 続き

おはようございます。

メモリはMacBook Proが 4GB * 2で 8GBまで対応しており、4GB一枚刺しでも大丈夫だと分ったので、4GBを発注。Windows は 32bit 版だと4GBまでしか対応していないけれど互換性などを考えたらこちらのほうが安心かと思い32bit 版にしました。

ところが買いに行ったらMacBook Proの在庫がなくて、MacBook のほうが1万5千円安かった。CPUパワーは変わらないし、HDDはMacBook のほうが大きい。

しかし、MacBookは、2GB * 2 = 4GBまでしか対応していない。

うーん、そこで悩む。

悩んだ結果、iMac の2GB * 2 = 4GB を MacBook に刺し、買った4GB を iMac に刺すことにして、MacBook を買いました。メモリは同じものということは調べていたのですが、4GB 1枚に対応しているかは調べておらず、まあ対応してなかったらもう1枚 4GB を買えばいいかと思って。

実際やってみたら動きました。で、知らなかったんですが、iMacってスロット 4つあったんですね。さらに MacBook から出て来た 1GB メモリ2枚も刺してみました。結果、6GB メモリ で動いています。

2010/03/13

Windows on Mac 検討ちう

こんばんは。

大学生になったら個人用のPCもいるだろということで購入を検討しているのだけど、やっぱMacだろ、でもWindowsもないとな、ということでBootcampを使ってWindows on Macにすることを検討中。

しかーし、Windowsのことは良く知らないんですよね。会社では使っているのだけどメールは秘書に印刷させて読んでるし (大ウソ)。

今だとWindows 7なんだろうけど、どれなん?

価格.com マイクロソフト(Microsoft)のOSソフト 製品一覧
PC本体構成部品 (CPUとかメモリとか) と一緒に購入する場合に使えるDSP版というのがまだ用意されているのだけど、製品版になかった 32 bit / 64 bit の分類がある。

act2.com 製品情報 / Windows 7 DSP版
なんか64bitのほうが強そうだけど、そもそもMacに使えないなんてことがありそうだ。

それからVMware Fusionというのも合わせて買っておくといいかも。

みなさん、アドバイスお願いしま〜す。

2010/02/23

誰もが最終着地点を目指す

こんばんは。スキージャンプもフィギュアスケートも着地は大事だよね〜。

FriendFeedには、ブログやFlickr, Picasaへの写真の投稿、FacebookやTwitterの投稿、はてななどブックマークの登録を集める機能がある。みんながFriendFeedを使ってくれるのなら、いろいろ巡回しなくてもここだけ見てれば大丈夫。

だけどFriend FeedからTwitterに投稿を流す機能もある。それぞれがTwitterに流してくれるのなら、Twitterだけ見てればいいか。Twitterだけ使っている人もいるし。Foursquareなど、Twitterと連携して投稿をTwitterに流せるものもある。

ユーザが集まるところだからそこにFeedを集めるのか、そこにFeedが集まってくるからユーザが集まるのか。

さてそこにGoogle Buzzの登場ですよ。Twitterの投稿をGoogle Buzzに流すことはできる。逆方向はFeedTweetというサービスがベータテストを行っているけれど、そんなにメジャーになっていない。

そうするとGoogle Buzzが最終地になるのかな。そのポテンシャルはあると思う。Gmailユーザは何もしなくても使うことができるので、最初からユーザが揃っているといえる。

しかしまだ実際にはGoogle メールを使っている人でもBuzzに投稿している人はあまりいないような感じ。私もBuzzに書き込みはしたけれども自分でもたまにしか見ないしな。最初はTwitterからBuzzに流す設定をしていて、私の投稿が最後に集まるところをBuzzにしたこともあったのだけど、自分でも見に行かないところを最終集約知にしてもあまり意味がないしな。で、結局それはやめちゃった。

Google Buzzのようにコメントが続くかぎり最初の投稿が何度も上がってくるものよりも、どんどん流れて見えなくなっちゃうTwitterのほうが心地いいように思える。

2010/02/14

Google Buzz は Google Wave の布石か

おはようございます。バズー!とかみんなで言ってもTwitterは落ちないから大丈夫! (「バルス!」とそんなに似てなかったか ...)

先日Google Buzzが公開されて、早速使って見ている。

地図情報との連携があるのでfourspace対抗かと思ったんですが、一般的にはTwitter対抗と見られていますね。

ユーザーを探すのが苦労するね。アドレスを知ってないといけない。いやもちろんTwitterだって同じなんだけど、メールアドレス公開することになるからみんなそこで躊躇してるんだろう。またメールを公開するということは、一緒に記述されている姓、名も公開されることになる。これは盲点で、私も以前エキブロ仲間のイベント用Googleカレンダーを共有するという時に初めて気付いた (→ Exbloggers カレンダー - 昨年9月以来新規投入イベントはありませんが)。

そんななか、フォロー数を一気に80まで増やしてみた。フォローされると、相互フォローを促すような表示が出るんだもの。なんかmixiのマイミク申請みたいで、相互フォローしないといけないような気になる。

で、その結果、カオスです。興味のない情報が並んで、その中に興味を引かれるものがあるのだけど探すのに一苦労。

また、投稿にコメントができるという点も、一つの投稿がとる縦幅を広げていて、一覧性を悪くしている。コメントは閉じられていれば良いのだけど、前回見た以降にコメントがあるとそれらは展開されて表示される。そして新しいコメントが加わると元記事の並びがまた上の方に上がって来て、何度も同じ記事を見ることになる。

これは鬱陶しいと思ってたが、それを評価する意見もある。

Yuuka Lingさんの"twitterでは「1200人も」フォロワーがいるのに、つぶやいても何の反応もない件。 "へのコメント
高橋伸行 - twitterの場合は@で返すと、どの発言に対する返事か分からないことがあるし、
時間が経過すればするほどこの問題は拡大していく。
だけどbuzzの場合はどんなに古い話題でも的確に繋がるから返事がしやすい。
投稿ごとにミュートすればいいみたいではあるが、ミュートすると新しいコメントがあったことが分らなくてミュートした効果が分らないかも?

確かにツイートは何に対するリプライか分りにくいけど、分らないもので特に興味が持てなければスルーすれば良い。こちらは元の投稿に興味がなくとも見せられるからなあ。フォローしていない人のコメントも入るというところも違いが生じるところ。

同じ発言でも、フォローしている人の発言とそうでない人の発言では、重みが異なるし意味が異なる。と思っていたら、ちょうど昨日やってた津田大介と坂本龍一の対談ライブストリームでたまたま聴いた部分で同じことを言っていた。

Twitterではフォローしている人のリプライ発言が、自分のフォローしていない人に対するものだった場合にはタイムラインに上がって来ないという仕様も、今考えてみるとなかなか良い。自分で、このリプライはみんなに見て欲しいと思ったら、@マーク付きIDが先頭にならないように、さらに他の人も話題が分るようにキーワードを含めた形で文章を書いて、投稿すればよい。コミュニケーションを意識しつつそれなりのコントロールができる。

Twitterではタイムラインでは上がって来ないけど、その人の場所へ行けばその日との発言は全部見ることが出来て、その人が誰と対話しているかを知ることができる。その人の考え方を知ることができる。一方、Google Buzzではその人がどこにコメントしているか分らない。それは旧来のブログやSNSでも同じだけど。

こういうと、やはりTwitterは、人に視点をおいて、人と人をつなぐメディアなんだと分る。
一方、Google Buzz は? 先程のYuuka Lingさんのコメントにこんなのがあった。
KOZO HIRATA - 今はTwitterよりBuzzのほうが、ゆるくていいし、古い話題でも過去の経緯が分かりやすいです。
フォロワーが多ければ多いほどTwitterでは、発言に気を使いますが、こちらは、テーマが決まっている分、発言はスレッドの中身のみを考えればいいので楽です。

掲示板のスレッドなんだね。人よりも「話題」に視点をおいている。

2チャンネルの掲示板のスレッドは誰でも立てられるけど、それは誰でも見られる場に課題提起をすることだ。一方 Google Buzz なら自分をフォローしてくれている人しか見ていないだろうから、話題を切り出すハードルが低い。そういう意味では、その話題もその人にリンクした側面が強くなるため、旧来の掲示板よりは「人」に重心を移しているとは言えるのだけど。

で、ようやく表題に書いた話題にたどり着く。

このような半分閉じて半分開いたような話題空間は、今までなかったんじゃないかな。いやもちろん掲示板を作るサービスはいくつもあって、それを使って参加したい人にだけ知らせるという方法はあったのだけど、参加したい人に知らせるのも強制しているようで気が引ける。自分の周りで、参加したい人にだけ参加してもらいたい、そういうニーズにぴったりあったものはなかった。

本来そこは Google Wave が狙っていたところではないかと思う。でも Google Wave は、招待制をとったことで参加者が少ないし、誰が参加しているかも分りにくい状況が続いている。また、どこで話題が立ち上がっているかも把握できない。私もいろいろ試してみたが、最近放置状態だ。

そこで GMail のアカウントを持っている人なら誰でも使えて、GMail でのつながりのある人は自動的にフォロー関係を持つように設定して始めたのではないかと思う。機能面でもGoogle Waveのような多機能からおとしているのではないかと思う。今はGoogle Waveのような履歴は残らないが、自分が書いたコメントは書き換えできる。きっと今後は、議論が荒れるような事態が起こるようになって、履歴が必要になる。そうしたら満を持してGoogle Waveのお出ましだ。

というストーリー。穿ち過ぎ?

2009/12/29

地球時代の未来を設計する

おはようございます。

土曜日は、ヴェルナー・パントン展の後、早稲田大学で行われた公開シンポジウム「地球時代の未来を設計する:場の論理の展開」へ行って来ました。

最初の「場」の理論の創始者清水博氏による「場の設計原理と日本のこころ」は、私にとって哲学的な内容 (= よう分らんもの、という意) で、よく分らない部分もあった (って同語反復か)。

「場の理論」は、多様性の中で秩序がつながって行くという「二重生命論」だという。これでだけではさっぱり分らないが、自己と他者の認識において、自己の確立を前提とし自己と他者が独立したものと考える「自他分離」という立場と、その正反対の「自他非分離」(= ホリスティックな生命) という立場があるのに対して、「二重生命論」ではこれらが共存していると考える。

これでもまだ分りにくいが、「卵モデル」だと分った気になる。ボウルに複数の卵を割っていれた時、卵の黄身は自他分離の自己、白身は自他非分離の状態と考える。ボウルの中で自己の描くである黄身は白身を介して他者とつながっている。そしてボウルが、「場」ということなる。ということかな。

最初に「近代文明の限界」として「経済危機の繰り返し」と「COP15の失敗」という話から始まって、「子ども手当は結局子どもからの借金」という話も交えて「二重生命論」につながって行ったのだけど、その論理展開はフォローできていない。しかしその後に出てきた「贈与循環」というのがキーワードなんだろうと思う。

三番目の井出祥子氏の「場の言語学:社会インフラとしての言語コミュニケーション」は、この清水氏の理論を言語学に適用したもの。

同じ事象を示すのに、
英語:「太郎がボールを投げて、窓ガラスを割った」
日本語:「太郎がボールを投げて、窓ガラスが割れた」
というような違いがある。

英語は主体を必要とする他動詞を多用する対格言語、日本語は自動詞を多用する「能格言語」という。

これで何を言っているかというと、日本語は、場を共有している人には分る主体を省略する、自他融合性の強い言語と言うことだ。日本語を話すと言うことは、二重生命を意識することを意味する。日本語は場の研究に資する、という話であった。

批判する訳ではないが、こういう比較文化論は結構日本人には受けるものだ。

2番目の出井さんの話は、日本の戦略、政策に関わる話で、「場」とのつながりは理解できなかったけど、私には最も興味深い話だった」。特に、「日本はリスペクトされる国を目指すべきで、それも経済や軍事力など量ではなく、精神的な面でリーダシップをとれる国だ」というところはおおいに共感できる。出井君よく分ってるな、ってすみませんすみません。

全ての感想をまとめきれていないが、これらの講演で断片的な部分で他の考え方とつながる部分も出てきている。少しずつまとめて行きたい。

2009/12/19

新型iMac買いました

こんにちは。ご無沙汰しております。

先週日曜日、新型iMac買いました。一番下のグレードなんですが、102,800円でめちゃ安だったので即決です。

4年前に買ったiMac G5は、処理速度的には特に問題はなかったものの、今年の夏頃から液晶にデフェクトが出て来ていました。縦に表示されないラインが発生して来ていて、それが10本以上になっていたのですが、まだまだがんばるつもりでした。

しかし前日 (12日) 突然立ち上がらなくなったのです。マニュアルを出して来て、トラブルシュートの方法を試してみました。立ち上げる時にPRリセット起動しようとしても起動音にも行き着かない。電源コードもはずしてみたけどダメ。しばらく電源を落としておくと、少しは進むのですが、途中でマウスカーソルが動かなくなるんです。

その日は遅いので、朝から背面開けたまま起動してみたりしたんですが、やっぱり途中で固まるので諦めました。

液晶のデフェクトも256本くらいまでは頑張るつもりでしたが、そのうち買わないといけないと思っていたので、潮時だったんだろうと思います。

まず価格を調べるつもりでお店に行ったら、この価格。おもわずこれ最新型ですよねえとお店の人に聞いてしまいましたよ。光回線への加入が条件と言うのでもなかったので、そのまま買って帰ってきました。



もとのが17インチで新型が21インチです。見た目ははあまり大きくなっていません。



とはいえ、大きな存在感です。もっと全体像を出せばよいのでしょうけど、机の周囲があまりきれいでないので ...

TimeMachineバックアップから転送中。前回も書きましたがらくちんですね。

Intel Macでないと使えないソフトも多くなってたし、iLifeも新しくしてなかったので、これからいろいろ使ってみます。