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2018/02/17

持続可能な開発

2月14日、東京大学政策ビジョン研究センターの10周年記念国際会議「サステナビリティと国際関係- 持続可能な開発の実現に向けて-」を聴講してきました。

中心のテーマは国連 (UNDP: 国連開発計画) の「持続可能な開発目標」(Sustainable Development Goals: SDGs) です。貧困問題、飢餓、教育、エネルギー、環境など、17の目標を設定し、どれか一つではなく、バランスを持った開発を目指しています。

外務省ホームページより

まず東京大学総長の五神真氏より基調報告として、東京大学の取り組みについてお話がありました。東大では未来社会協創推進本部 (FSI) を創設しています。大学というと研究までで、成果を具現化していくことはミッション外となりがちですが、その名にあるように「協創」を目指しています。多くのプロジェクトがありますが、それぞれ何らかの形で、SDGsと繋がっています。それぞれのプロジェクトがどの目標に繋がっているかを示されていました。

国際連合大学学長 デヴィッド・マローン氏の基調報告では、SDGsまでの歴史の話からスタートします。前身のミレニアム開発目標  (2000~) では、SDGsに含まれる平和に関する目標は除外されていました。平和、公正 (justice) は、持続性に大きな影響があります。今回SDGsには、「目標16: 平和と公正をすべての人に」が含まれています。

日本についても言及がありました。福島の原発事故で、日本の取り組みは後退した。しかし、長い間には停滞することもある。長い目で見ていく必要があるということでした。

パネルでは、プリンストン大学 ジョン・アイケンベリー教授、ジャーナリストの国谷 裕子氏、国際連合大学副学長の沖 大幹氏がそれぞれ短いプレゼンを行ないました。

アイケンベリー教授は、気温上昇2℃以内に抑えることが重要で、その影響を4つの項目 (自然災害、海面上昇、農業への影響、移民・難民) で語ります。問題があっても豊かな国は生き残ることができるが、紛争や難民で結局ヨーロッパにも影響が波及するので、全世界的な協調が重要だということを訴えます。

元NHK「クローズアップ現代」のキャスターを長く務めた国谷裕子さんは、その後も社会問題に関して活動を続けられています。その経験から「ある問題の解決が別の問題を生むことを何度も見てきて、悩んでいた。そこにSDGsに出会って、これだと思った」とのこと。SDGsでは、目標間の相互依存性を留意し、バランスをとった解決が求められます。

国谷さんは、SDGsは取り組みの時期に入っていて、企業が取り組みを初めているとのことです。一方日本では、途上国支援の延長という程度の位置付けになっています。今後ビジネスチャンスとして考える必要があると語ります。また、地方自治体での取り組みも始まっています。地方自治体は、人材流出、人口減少、老齢化といった課題が目の前の危機としてあるからです。後で出てきますが、例えば、SDGs Award をとった北海道下川町 では、森林資源を生かした産業、エネルギー自給率の向上などに取り組んでおり、今後はエネルギー外販で13億円の収益を上げることを目指しているそうです。

国谷さんは、「みんなが知って、みんなが取り組む。そうすれば世界は変わる」と語ります。"Imagine" ですね!

沖氏は、水の問題の専門家です。私は以前 BIG ISSUE を読んでこの人のことを知りました。当然、水の問題、環境問題に警鐘を鳴らすのかと思いましたが、意外にも「世界は良くなっている」というメッセージでした。SDGs レポート2017によると、世界の絶対貧困は減っているし、初等教育の普及も進んでいるとのこと。パリ協定では、世界が「化石燃料を使い切らない」と決め、再生可能エネルギーに舵を切っている。

「独り勝ちはない = 一連託生」という考えが広まっており、「グローバル・サウス」を単なる貧困地域としてではなく、労働/消費市場とみなすようになってきた。社会問題、環境問題への配慮は soft law (法律ではないが皆が守る規範) になってきた。

その規範は常に前に動いており、中国ですら変わらざるを得なくなってきている。

このことは大きな希望ですね。これまでは自分の利益のために動いてきた。「ゼロサム」が根底の考え方にあり、自分の利益は誰かの犠牲のもとに成り立っていた。しかしそれは結局「共倒れ」につながる。協力することで自分も相手も利益になるという考え方、そして、無理だと決めてかかるのをやめることがポイントにな流とのこと。

あとはアメリカですね。それから日本も、難民問題や人権、子どもの貧困など大きく遅れているところがあります。

先ほど中国を褒めましたが、南シナ海の支配など、覇権の拡大は世界のためにならないということを早く気が付いて欲しいです。一帯一路も「中国の覇権に従うもの」が参加資格といった側面が感じられます。

最後に会場からの質問を受け付けましたが、取り上げきれないほど多くの方の挙手がありました。最初の人の発言は「日本企業は重要性は理解していても、行動が伴わないことが多い。企業の取り組みをインデックス化して公開したらどうか」というもので、なるほどと思いました。中には「なぜ多くの目標の中でCO2削減が中心になっているのか。日本が80%削減したら鉄鋼セメント以外全産業が壊滅する」というような、これまで「バランスが大事」ということを聞いてなかったのかというような質問もありましたが。

全体的に、希望を感じさせる国際会議だったと思います。

2008/02/12

韓国の日本海への廃棄物投棄

日本の排他的経済水域でなくとも廃棄物の海洋投棄はやめてもらいたい。

南大門の火事はただでさえ歴史的遺産の少ない韓国には打撃だろうな、気の毒だ... と思って朝鮮日報を見ていたらこんな記事があった。

韓国、廃棄物を日本の大陸棚に投棄
廃棄物投棄:日本海域汚染の可能性も
廃棄物投棄:ゴミで病んでいく東海(上)
廃棄物投棄:ゴミで病んでいく東海(下)
韓国のゴミ海洋投棄の実態

以下引用が中心になります。コメントの必要もないような唖然とする内容が続きます。

・韓国政府が東海(日本海)に設定した「廃棄物海洋投棄区域」の一部が日本の管轄下にある大陸棚と排他的経済水域(EEZ)を侵犯していたにもかかわらず、15年間も放置されてきた

・日本政府は2−3年前から在韓日本大使館を通じ、韓国の海洋水産部に異議を提起してきたが、同部は対応を先送りにしてきた。
  -- 日本政府ももっと世界にアピールしろよ。

・投棄されていたのは畜産排水、生ごみ排水、下水汚泥、排水汚泥、ふん尿などで、周辺では水質の著しい悪化が確認されている。

・日本の海域に廃棄物を直接投棄せず、韓国側の海域に投棄したとしても、廃棄物が海流に乗って移動し汚染を広げた可能性がある
  -- 可能性がある、って普通考えれば韓国内にとどまっていると思う方がおかしいだろ。

・海洋投棄海域内にある一部海底付近の水は工業用水に使うこともできないほど汚染されていることが分かった。

・今すぐ廃棄物の海洋投棄を中止しても、同海域が自然に元の状態に戻るには少なくとも100年はかかるだろう

・廃棄物の中に鉛・カドミウム・水銀といった人体や生態系に致命的な影響をもたらす有害重金属が大量に含まれている

・1972年に採択された「ロンドン条約1972」は、海にゴミを投棄することを厳しく規制している。これまでに81カ国がこの条約を批准しており、韓国も93年にようやく批准した。

・ロンドン条約を批准した後、ゴミの海洋投棄が減った欧米諸国とは違い、韓国では条約を批准した後、むしろ海洋投棄が増えている。

・海洋汚染に大きな影響を及ぼす下水汚泥の場合、海洋投棄はロンドン条約批准国のうち、日本・韓国・フィリピンの3カ国のみに認められている。だが、日本では海に捨てているのは下水汚泥全体の0.2%に過ぎないのに対し、韓国では70%に達している。

韓国が廃棄物の海洋投棄を行っていることは知っていたが、まさかこれほどとは思っていなかった。また、沿岸付近に投棄しているのだろうと思っていたのだが、「ゴミで病んでいく東海(上)」の地図をみると、まさに対馬海流が通っているところで、これではゴミを日本に向けて流しているようなものではないか。そうでなくとも、食物連鎖で大型魚介類に重金属が蓄積していくのだ。

日本海を東海と呼ばせることに熱意を傾けるくらいなら、それよりもその海を大事にしてもらいたいものだ。