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2010/06/01

森がある

こんばんは。森英恵です (ウソ)。

昨日、こんなニュースがありました。

ニッポン密着:ヒノキ、中国人が大量買い付け打診 「資源、持って行かれる」 (毎日新聞 2010年5月30日)

ちょうど先週、国立新美術館で行われた「森から始まるリレートーク」の中で速水林業の速水氏の講演を聞いて来たところだったので、気になった。

以下、速水氏の話の中からメモと感想。

間伐など森林のメンテナンスは重要なんだけどコストが割りに合わなくて荒れている森林が多くなっているそうだ。日本の林業が厳しいのは知っていたので、講演ではその対策を期待した。

速水氏の話を聞くと、速水林業では適切な取り組みが出来ていることがわかった。でも、速水林業はなぜそれが出来ているのだろう。

話を聞いていると、ブランド化がうまくいっているように感じた。品質に対する信頼。そこの製品を使うことの誇り。

速水林業では、FSC森林認証というのを取得しているそうだ。
速水林業 FSC森林認証
WWFジャパン FSCについて

FSC認証は正しく伐採された木材であることを保証する仕組み。それ自体は木材自体の品質を保証するものではないけれど、ブランド化を支えているものの一つとしても機能していると思った。
日本に輸入される違法伐採木材は全体の20%*に達し、先進国中で最も高いそうだ。諸外国は国を挙げてそのような木材を排除する取り組みを行っている。皆さんもFSC認証マークのついた製品を選んでほしいとことです。

責任ある林産物の購入 (WWFジャパン ) では日本が輸入する木材の6%〜20%と書いてある。

違法伐採は単なる窃盗や詐欺にとどまらず、人権侵害でもある。森林が根こそぎ伐採されてしまうと、周辺の住民は、燃料、食糧、水も手に入らなくなる。遠くまでそれらを集めに行かなければならない。男は仕事をしないので、多くは女性、女の子。教育は受けられないし、健康も害してしまう。

さて森林を守る話に戻るが、多くの業者は速水林業のような取り組みも出来ないのではないかと思う。日本の森林全体がブランドになれる訳ではなく、コスト競争に晒されるところが多くなるだろう。森林を守るためには、林業の業界全体が繁栄するしくみが必要じゃないかな。

森林の保水力が重要で、水源としてばかりでなく農業や水産業にとっても欠くことができないのなら、応分の受益者負担をすることもできると思う。受益者が国民全体なら国庫負担でも良いんじゃないかと思う。

そういえば水源の権利を外国人に狙われているという話もあったな。それこそ森林のコストを負担しなければいけないところなんじゃないの? 例えば、サントリーは森林保護に力を入れているようだ。

サントリートピックス 2008.10.08サントリー「天然水の森 南アルプス」で、水源涵養活動を拡大します。

しかし、サントリーが保護していると言っても山の一部でしかない。山全体が地下水でつながっているのだから、山の一部だけでは十分じゃない。その意味で一企業の取り組みでは十分じゃない。

国の戦略として、山を森を環境を守っていく必要があるだろう。自然第一というようなセンチメンタルな理由じゃなく、経済戦略として。