先日、「SDGs・ESG×レゴ®ワークショップで、これからのビジネス思考をつかむ!」というワークショップがあり、その基礎編第二部に参加しました。
最初にSDGsの説明があり、その中で「エコロジカルフットプリント」という話がありました。エコロジカルフットプリントは、現在の地球上の人間の生活を支えるために必要な面積。2019年は地球1.7個分だった。2020年はパンデミックのせいで経済活動が停滞したため少し改善したが、地球1.6個分にあたり、持続可能というのは程遠い状況にあります。なお、WWFの資料2019年版 (PDF) を見ると、もし世界中が日本人と同じ生活をすると地球2.8個分が必要だそうです (アメリカ人では5.0個)。
* SDGsの説明:外務省 JAPAN SDGs Action Platform
このワークショップでは学んだことをレゴで表現します。
まずは自己紹介でウォーミングアップ。「今の気分」、「Myヲタク要素」、「私の仕事」をレゴで表現します。最初の2つはブロック1個だけ、最後の「私の仕事」は複数使って組み立てても良いというルールです。私は、
- 今の気分 = 緑のブロック → リラックス
- Myヲタク要素 = 花のブロック → アート (美術鑑賞)
- 私の仕事 = コンピューターに向かっている人 → IT関係
次のワークは、自分の価値観を伝える。「お金」、「友人」、「名誉」をそれぞれ青、赤、緑のブロックで表し、紙の上に配置してそれらの優先順位を伝えます。「伝える」前に、普段はそういうことを考えていないので、自分の価値観を見直すことから始める必要なあると感じました。私の場合、お金は大事だと思っていますが、今は生活に困らない状況なので、低いというより基礎として下におき、その上に友人と名誉を並べておきました。名声は必要ないけれど、友人を失っても守るべき矜恃があると思って、友人と名誉は横並びです。
次のレクチャータイムでは日本のSDGs達成状況について、参加者に問いかけがありました。日本で達成できていない5つのゴールは何か? 多くの人は「目標5 ジェンダー平等」は正しく挙げられていましたが、それ以外は少し正解率が落ちるようでした。その他は、「目標13 気候変動」、「目標14 海の豊かさ」、「目標14 陸の豊かさ」、そして「目標17 パートナーシップ」です。ODAの実績は、総額では世界4位ですが、国民一人当たりにすると18位なんですね (参考:外務省 ODA実績 (令和2年3月27日))。総額も2000年くらいまでは1位だったのですが (参考:外務省 日本のODAについて)。
今日のメインのワークは、現状をレゴで表現するもの。言葉で表現すると抽象化されたきれいごとの表現になってしまって、その後の対話が進まないそうです。作品制作後それぞれが説明するのですが、その時にグループのそれ以外の人から質問を受けます。答える時のルールとして「なんとなく」とかはダメで、必ず理由を答えなければいけません。その時にまた自分がなぜそれを選んだのか考えることになるのです。
私が作成したのは、ゴミの山の中でゴミを拾って生活している少年。
学校にも行けず、ゴミの中から金になるものを見つけて生活費にします。何が捨てられているかわからないので、怪我の危険性もあります。SDGsでいうと、「目標1 貧困をなくそう」、「目標3 健康と福祉」、「目標4 教育」につながります。
この中の旗は希望です。この環境の中でも、ここは自分の場所だという主張です。そしてここから出ていくことを夢見ている、という想定です。花も希望かと問われたのですが、その解釈もいいのですが、どんなに美しいものもゴミ捨て場に捨てられたらゴミになってしまうということを表すために入れました。
最後のレクチャーはビジネスとの関係です。これまで社会貢献は企業の余裕を示す程度の扱いでした。余裕がなくなると真っ先に切られる。しかし、持続可能な社会でないと企業も持続できません。持続可能性に投資することは企業の存続にも意味があるのです。また、持続可能性を重視する消費者が増えれば、ESGを重視する企業の製品・サービスを選ぶでしょう。
投資会社BackRockのCEO ラリー・フィンクがLarry Fink Letterの中で、持続可能性を重視する企業へ投資する方針をあきらかにしました。先日YAMAPのブランドリニューアルのお話を聞きましたが、単なるロゴのリニューアルではなく、企業のビジョンから変えるという話の中で、このラリー・フィンク・レターのことが言及されていました。