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2006/07/24

ロボット三原則はどうなった

こんばんは。ASIMOです(ウソ)。

先日、 NHKで放送された
危機と闘う・テクノクライシス
第2回「軍事転用の戦慄(りつ) ロボット」

今夜0:00から再放送されます。録画してみよう!

いや実は私も7月10日に放送されたのを録画していて昨日ようやく見たのですけどね。

イラクに配備されている米軍の無人飛行機プレデター。遠隔操作でミサイルを発射することもできる。

夜中に道路に穴を掘って何かをしている人たちの姿が見える。
米軍ではこれを爆発物を仕掛けていると判断。
その場から立ち去ろうとする人の近くにプレデターでミサイルを発射し、爆発する。
番組ではそういう場面も映し出しています。

遠隔地からテレビカメラで見て、
犯罪が行われていると判断し、
その場で裁き、
処刑する。

そういうことが行われているわけです。

アシモフが定めたロボット工学三原則。SF作家達はこれを犯してはならないものとして大事に守ってきました。現実にはいとも簡単に無視されています。

ロボット工学では最先端をいく日本。そこにも技術を求める触手が伸びています。番組で紹介されている筑波大学の教授はきっぱり断りました。しかし、知らないうちに軍事転用されれることは防ぎようがないと思います。

対共産圏向けのココム規制は今も生きています (追記: 対テロに形は変わっていますが)。東芝 (子会社だったかな) が誤摩化して軍事転用できる部品を輸出したのは記憶に新しいとおもいます (今回改めて調べたら、濡れ衣だった*そうですね - これも驚きました。しかも記憶に新しいっていいながら結構昔だし)。

しかし現在はココム規制にかからない米国が相手なのです。

番組では、それに対する取り組みが紹介されていました。農業用に使われる無人ヘリの会社が出している特許が紹介されていました。GPSで場所を認識し、予め規定された場所でしか飛ばないようにする。また、一定時間が過ぎると飛ばないようにする。でも、どちらも簡単にハックできそうな気がします。

この番組をみて、暗澹たる気持になりました。

*追記:東芝子会社のココム違反は濡れ衣だったと書きましたが、リンク先のWikipediaにはそういう記載はありません。調べたら、ココム違反=虚偽申請自体は確かにあったということらしいです (出典:迥寞録「東芝機械ココム違反事件」)

関連記事: 禁断の科学

いただいたコメント

Commented by tosh3141 at 2006-07-25 08:51 x
東芝のココム事件では、当時、私もとばっちりをうけて、ヒドイ仕事をさせられたものです。濡れ衣だったとは・・・ はらたつー
先端技術は軍事転用可能というよりも、むしろ、軍事技術からの転用が先端技術の正体です。インターネットも軍の分散ネットワークが端緒ですし、GPSもナビもです。ロボットも、火星探査にもイラクにも、同じ根っこのものが投入され、私たちは前者に喝采し、後者に不安を覚えているわけですね。
日本はメカ技術では先端を走っていますが、アシモフの3原則を実現するためのソフトウェア面では必ずしもそうではありません。アプリケーションやコンテンツのレイヤーでも、世界をリードして、平和利用限定のロボット技術を進めて欲しいものです。

Commented by sprewell8_daisuki at 2006-07-25 12:21 x
> 遠隔地からテレビカメラで見て、
> 犯罪が行われていると判断し、
> その場で裁き、
> 処刑する。
うーーむ。巨大な軍事力を持つと、かくも傲慢な態度に出てしまうものでしょうか。
いやだな・・・。

Commented by yoshihiroueda at 2006-07-25 21:31 x
★tosh3141さん、
東芝の事件のとばっちりってたいへんだったんですね。濡れ衣って私も初めて知ったのですが、ちゃんと伝わってないといつまでも悪いイメージだけ残り、問題ですよね。軍事には大きな予算があるので、アメリカの科学技術は大きな恩恵を受けています。インターネットももとはARPAネットでARPA(米国防総省 高等研究計画局)の名前がついていますし。しかし、今は民間が由来の技術が多くなっていているそうです。特に日本が先端を走っているロボット技術では狙われているようで、懸念です。

Commented by yoshihiroueda at 2006-07-25 21:37 x
★すぷりーさん、
アメリカは世界の警察官を自認し、それを監視監督する力は今はどこにもありません。国連さえも自分に邪魔だと思えば無視していますから。

2005/05/30

物語はメディアだ...

... って松岡正剛が言っていたような気がします。

おはようございます。天馬トビオです (ウソ)。

メッセージを物語にすることで、より印象を強くし、記憶に残す。物語にすることによって、人から人へ伝わっていく。物語にしないと、そもそも振り向いてももらえないかもしれません。

そういうことを、瀬戸智子さんの「作られた美談」を読んでいて、「日露戦争物語」を題材にした記事を書いていて思いました。そこには「作られたもの」も含まれている、ということを意識して、受け取る必要があるでしょうね。

以前、AIBOの開発をリードしたソニーの土井利忠さんの講演を聞く機会がありました。その講演の中で、プロジェクトXの取材を受けた時の話が出ていました。

NHKの取材陣は、予め「鉄腕アトムへの憧れが、AIBOの開発の原動力だ」というストーリーを用意し、土井さんからそのことを引き出そうとする。土井さんは、いや別にそういうわけではないと応える。そんなやり取りの傍ら、スタッフが土井さんの書斎から「鉄腕アトム」全巻揃っているのを発見。取材陣は大喜びでその映像を撮って帰ったとのこと。

「全巻揃ってるって、結局ファンだったんじゃん」と思いましたよ。

ところで、この講演を聴いたのはソニーの研究所の公開デーみたいな時で、外部聴講者だけでなく、ソニーの社員の皆さんもたくさん参加していました。土井さんの話それぞれにソニー社員の皆さん沸いていました。一体感があって、いい会社だと感じました。今は業績は芳しくないですが、きっと復活してくると思います。

2005/03/26

技術が満載!

こんばんは。金田正太郎です (ウソ)。

愛知万博開幕しましたね。今年のはじめくらいは、今年あることもあまり知られていなかったのですが、直前になってからテレビ等でよく取り上げられるようになり、だんだんちょっと行きたいかもという気分になってきました。

今日日経エレクトロニクスの最新号 (2005 3-28) が届いたのですが、その中に
愛知万博から垣間見る 2010年のエレクトロニクス技術
という記事がありました。上記リンクには記事の最初の部分しかないのですが、下記に特集ページがあります。
愛知万博(愛・地球博)スペシャルレポート

つくば科学博では、3Dなど見た目は派手な展示も多かったのですが、「新しい技術」としての展示はあまり印象に残っていません。印象に残っているのは米国館くらいかな。

一方今回は、各社が自社の技術を競って出しているような感じを受けます。トヨタも昨年当たりから展示するロボットをいろいろ発表していますね。「エイリアン」に出てくるローダーみたいなのに乗ってみたい。

接客,掃除,警備など,愛知万博で働く9種類のロボットをNEDOが披露
接客ロボット アクトイド (写真は上記リンクから引用) がフツーにいそうな人をモデルに作っているところが妙にリアル (→ ココロのサイト。動画もある)。身振りを交えながら受け答えるそうだ。きっとナンパしてみる人が出る、に1万ガバス。警備ロボットもいるのでやめといたほうがいいぞ。

ひざ下の軽量化で動作を素早く---愛知万博「トヨタグループ館」のワイヤー駆動ロボット
ワイヤー駆動なので、軽くパンチを出すとびっくりするくらい飛んでいくらしい (ウソ)。

IMTSに試乗,滑らかに加速しながら隊列走行(動画あり)
ハンドルが勝手に回っている動画もあります。専用道路を行くんだったらレールのあるゆりかもめなんかと同じような気もするけど。

行くひまあるかなー。会場までの移動に問題ありとか、お弁当持ち込み禁止で昼食難民が出るらしいとか、そういうのが解決した頃がいいかな。