重要文化財 松に唐鳥図 佐竹曙山筆 一幅 江戸時代 18世紀 個人蔵 【展示期間:11/16~12/12】 |
先日「小田野直武と秋田蘭画」で言及した「世界に挑んだ7年 小田野直武と秋田蘭画」展。明日11月16日からスタートということで、本日内覧会および開会式がありました。
開会式にはやはり法政大学総長の田中優子先生がいらっしゃっていて、乾杯のスピーチをされました。その時に出てきた言葉が、「小田野直武をスターにしたい」。
私は何回か著書の中で小田野直武について書いているけれども、きっと誰かが小田野直武の生涯を小説にしてくれると思っている。そしたら次は大河ドラマのテーマになって ...あまり注目されていなかった小田野直武ですが、今回の展覧会を機に多くの人に知ってもらいたいとのことでした。
ただ小田野直武は、「世界に挑んだ7年」とあるように平賀源内にスカウトされて江戸に行ってから夭逝するまで活動期間は7年。そのため作品はあまり残っていません。展覧会では直武を中心とする秋田蘭画の画家たちの作品、また直武亡き後の司馬江漢らの画家の作品もあわせて展示されており、全体がストーリー構成の展示となっていました。
以下その章立てです。
第1章 蘭画前夜
第2章 解体新書の時代~未知との遭遇~
第3章 大陸からのニューウェーブ~江戸と秋田の南蘋派~
第4章 秋田蘭画の軌跡
第5章 秋田蘭画の行方
「蘭画前夜」では、直武の数え歳12歳のときの作品も展示されているのですが、そこにちゃんと銘が記されていて、その時期から既に才能を認められた画家だったことがわかります。
右に示したのは、「第4章 秋田蘭画の軌跡」から佐竹曙山筆「松に唐鳥図」(画像はサントリー美術館に提供いただきました)。前景に斜めに描かれた松、薄く描かれた遠景、秋田蘭画の典型的な構図です。
「不忍池の図」など小田野直武の画は、「小田野直武と秋田蘭画」からご覧ください。
展覧会情報
「世界に挑んだ7年 小田野直武と秋田蘭画展」
会期: 2016年11月16日(水)~2017年1月9日(月・祝)
会場: サントリー美術館
URL http://www.suntory.co.jp/sma/exhibition/2016_5/
そうそう、会期の途中で展示替えがあります。目玉の一つ「不忍池図」が12月12日までですのでご注意ください。