2010/01/23

検察のリークとか

こんにちは。「検索のリーク」ってつい書いちゃう。職業病か。

前回、「今日は報道に関係して、ちょっと気になる話題がありました。」と書きました。それがこの検察のリークの問題。

最初に見たのがこの記事。

誰も通らない裏道 (2010/01/16) 朝日新聞東京本社編集局、謎の取材源
「どうやって確かめたんですか?」という問いに、朝日新聞側は「取材で確認しました。取材源は言えませんが。」と応えたもの。それに対して、
現状、取り調べの内容を知り得るのは検事だけですね。今日は弁護士は接見できないはずです。であるとすれば検事が誰かに漏らしているということになります。それは違法ではないですか?またそういう情報を一方的に流すメディアの在り方がいま問われているのではないですか?
という発言が出て以降は音沙汰がないという。

この中のコメント (一番に下にある最初のもの) で、NHKに情報源を問い合せたら、直接取材下人じゃないが「検察のリークだと思う」と答え、
「リークはありますよ。表向きは違法なことだが情報は漏洩している。じゃなかったら記事ができない。検察に取材すれば情報はくれる。しかしその情報が本当か嘘かは我々報道側は知らない。

しかし、検察からリークした情報に脚色することはない。リークした情報そのままそっくり情報を流しているだけだ。そしてその報道の真偽の判断は視聴者に委ねる。あくまでわれわれはリークした情報をそのまま伝えている。」
と言ったというのには驚いた。

この問題に関してはジャーナリストの上杉隆氏がとりあげている。彼は以前からずっと記者クラブの問題を取り上げている。

ダイヤモンド・オンライン 週刊・上杉隆 (2010年01月21日) 小沢問題で検察リークに踊らされるメディアへの危惧

彼の主張に、これは「大本営発表」であるということがある。発表を無批判に流すマスコミ。そこには権力をチェックする本来のミッション、職業倫理が全くない。しかも「大本営発表」と言っていない分、戦前の報道よりもたちが悪い。

しかしこの中で上杉氏が、「情報リークをする検事の実名を出すタブー」と言っているのはどうだろうか。

検索のリークは守秘義務違反だと言うけど、マスコミがそれを問題視しないのは合理的だと思う。その問題を指摘すると今後情報が得にくくなるんだから当然だ。たとえそれが犯罪者からのタレコミ情報であっても、情報源の情報ソースを秘匿するというのがマスコミの職業倫理にもあっている。検事の守秘義務違反を犯罪というのは適切ではないかもしれないけれど (道路交通法違反を犯罪と普通言わないのと同じ意味で)。

リークの問題は検察 = 行政側にあるのだから、行政のトップ = 政府が問題の解決を図るべき。別に法律を作ったりしなくとも今の規定で処分できるでしょ。

しかし、原口大臣は問題にしてないんだよな。もちろん小沢の問題に介入すると取られるからだろうけど、現在の捜査対象に関係なくプロセスをきちんとしておくことは今後のために重要だと思う。「転び公防」の問題も同じだ。

自民党政権ではない今が、これまでたまったいろいろな問題を是正するチャンスなのだと思う。今まで間違ってました、ごめんなさい、って言いやすいと思うのだ。

追記: 原口大臣の記者会見 (下記) をみると、原口大臣はリークの違法性よりも国民の知る権利を重要視しているのか。そうすると対処が変わってくるな。

Business Media 誠:ほぼ)完全収録:Twitterから検察報道、クロスオーナーシップまで——原口総務相記者会見 (2/4)

3 件のコメント:

pacer3 さんのコメント...

この件、どうなるか分かりませんが、職業倫理、守秘義務は、どの世界にもある話で、考えさせられます。私も、いくつかの事業に対して、爆弾を抱えてました。裁判になったら、証人として法廷に立つのかどうか....結局、裁判は棄却され、私は胸をなで下ろしましたが。守秘義務があるにもかかわらず、技術者倫理としては、話さなければならない。自信の身の置き場を考えると、どうしようかと思ってました。さて、検察は、リークで揺さぶりをかけてるのでしょうが、したたかな小沢氏は、なかなかしっぽはつかませないでしょうね。政治家なんて、多かれ少なかれ、爆弾は抱えてますよね。

yoshihiroueda さんのコメント...

★ pacer3さん、守秘義務と言っても、公序良俗に反する契約は無効なので、法律違反に関わることならば公表する必要があるのでしょうが、その後の雇用などを考えると難しいですね。雪印食品の偽装を告発した会社も、正しいことをしたにも関わらず業界から締め出され相当な苦労を重ねて来たという敬意があります。警察や検察の恣意的な法律適用というか利用を正さないと、法治国家と言えるようにならなりません。民主党政権は日々の問題であっちへ行ったりこっちへ行ったりするのではなく、国家のグランドデザインを示してそれにそった政策を進めてもらいたいと思います。

bucmacoto さんのコメント...

小さな領域での正しいこと(ムラ秩序や局所最適)と、より大きく普遍的な正しさ(倫理や公正さ大局の妥当性)とは、相反すると苦しくなり、無理が重なってゆきますね。政治と法治とは、そのあたりの齟齬を回避し合致させてゆく技術(アート)だと思うのですが。。どうせなら、ほんの一点のリークで全てをあるべき姿に戻せるようなマジックを見せてもらいたいと思います < それなら法も倫理も超えて個人的に許容しましょう