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2012/10/28

雨で出現する壁画

雨で濡れると現れる樫の木の壁画。アメリカコネチカット州ハートフォードのダウンタウンに先月公開された。

木の部分以外は防水加工されており、濡れると木の部分だけが色が濃くなって、壁画が出現する。

Photograph by Erika Van Natta

雨で濡れると、と書いたが、スプリンクラーが取り付けられていて、毎日午後3時に作動させている。

モチーフはCharles De Wolf Brownellの "Charter Oak"。Wikipedia記述ではわかりにくいので日本語の説明を探しました。
Link USA アメリカ州辞典 > コネチカット州チャーターとは植民地の勅許状のことで、イギリス人から植民地を守るためこの樫の木のうろに勅許状を隠したことに由来するそうです。コネチカットの歴史に重要な意味を持つモチーフなんですね。
制作風景

制作の様子。アトリエでステンシルシートをカットして壁に貼付けたとあるが、現場でもカットしているようです。

引用元: The Water-Activated Oak Tree Mural in Hartford.

DesignWorksでも取り上げられていました。

2012/10/21

アラブエクスプレス展と関連シンポジウム

Microsoft SkyDrive のオンラインドキュメントを試すつもりでアラブエクスプレス展の写真をまとめていたのだけれど、あわせて関連シンポジウムの感想まで記載しました。

アラブエクスプレス展

追記: 森美術館のFlickrアルバムに写真が載っていました。せっかく真ん中 (卯城氏とサルキシアン氏の間) に写っているのに下向いてiPhone見てました。
休憩時間にも交流するアーティスト達。左から小泉明朗氏、卯城竜太氏、ハラーイル・サルキシアン氏、スプツニ子!氏

追記 (2017/1/7):関連シンポジウムの感想は上記SkyDrive (今はOneDrive) のドキュメントからここにも転記します。

シンポジウム


9月29日には森ビル内の六本木アカデミーヒルズで行われたシンポジウム「ポップアップ・マトハフ@森美術館—マトハフ・アラブ近代美術館共催シンポジウム 遠くて近い、近くて遠い、アラブと日本:アーティストの役割とは何か」 (2日目)にも参加して来ました。このシンポジウムは無料で、展覧会はここでもらったチケットで行って来たのです。実はチケットくれるんじゃないかと思って、それまでは行っていなかったのです。

2日目のセッション2 「歴史をたどって」では、出展アーティストのハラーイル・サルキシアンとアーティスト小泉明郎の対談。

サルキシアン氏はトルコ生まれのアルメニア人で現在はシリアに住んでいます。トルコによる虐殺がありながら、トルコでは逆にアルメニア人がトルコ人を殺したというように教えられているアルメニア人虐殺事件 (Wikipedia)。彼はイスタンブールでひっそりと暮らすアルメニア人家族を撮影した作品を発表しています (今回出展しているものは別)。

小泉明郎氏は、「特攻に行く青年が両親に向けた出征の言葉を発する」という場面を映画撮影しているというシチュエーションの映像作品を紹介されました。監督が「もっとサムライを表現して」と煽り、出征兵士役の青年がそれに応えて撮り直すのを繰り返すうちに、だんだんエキサイトして行くもの。

この二人のトークでは自ずと戦争、平和がテーマになって行きます。その後の質問の回答の中で「日本人にはスイッチがある、いずれ (自爆テロの) テロリストになる (素養を持っている)」という発言がありドッキリしました。

セッション3 「キッチュなものの力」では出展アーティストゼーナ・エル・ハリールさんがスカイプによる出演し、スプツニ子!さんが会場でという変則的なセッションでした。

セッションのテーマは、二人に共通するポップなものの影響だったのですが、やはり女性ということでジェンダーのことも話題になります。アラブ世界の中で女性アーチストは活動しにくいのではないかということを質問しようと思っていたのですが、先に女性から同じ主旨の質問がありました。レバノンの女性は解放されているほうとはいえ、やはり活動には制約があるようです、外国人と結婚しても国籍は変えられないということでした。

最後のセッションは1日目も含めた出席者全員によるディスカッションです。森美術館の南条館長の発言で、現代アートという共通言語があり、アラブ圏というひとくくりにするのは本来は間違っているという旨の発言が印象に残りました。

この「地域でまとめた展覧会を行うことの是非と意義」は、この前のトリエンナーレ学校のテーマ「アジアの近現代アート」との関連もあって考えさせられました。

現代アートという世界共通言語の中で生きているという意味では地域性はないというのもわかるけど、アーチスト個人は、日本なら日本の影響を、イスラム教国ならその影響を受けているだろうし、それが作品にも滲み出てくると思うのです。また、作品を見る人にも受け入れられるものを作るベクトルは働くと思います。アジアの美術の発展の過程で、欧米人がアジアに期待するものを作って来た歴史もあるとのことでしたので、同様の外からの期待もそうですが、アラブ内部の期待と言うか嗜好も影響するのではないかと思います。それらからなにかしらアラブ的なものもやはり出て来るのではないかと思ったのです。

その点を質問してみました。アーチストの皆さんは、受け入れられるかは関係なく、自分の内面から湧き出る衝動を作品にする、と言っていました。でもそれは、もう売れているから、これからも売れるからじゃないのかと思うのです。売れるというと下世話だけど、評価は気になるのじゃないかと思うのです。

その意味で小泉さんの答えは納得がいきました。 オランダに呼ばれた時は、日本人として呼ばれた意味を考えた。しかしいつまでもそれにとらわれていては、自分の作品にならない。成功している人は皆、そういうプロセスを経て、自分なりのものをつかんだとと言えるだろう。 ということでした。

しかしビッグネームも、やはり、売れた作品から売れるものをつかんで売れるものを作るんだろうと思います。村上隆はこの意味での別格として、奈良美智も草間彌生もそうじゃないかと思うのです。売れなきゃ描き続けてない、売れたから描き続けられている、という側面はあるでしょうが。

売れることは関係ない、売りものでない作品を作っている人だって、賞をとるとか、大きな個展を開けるとか目標になるんじゃないでしょうか。

そういうことを考えさせられるシンポジウムでした。

2012/08/20

山下以登さん個展「ふくろとじ」

8月19日、山下以登さん個展「ふくろとじ」へ行って来ました。



HB FILE COMPETITION Vol.22
藤枝リュウジ賞 山下以登個展【ふくろとじ】


2013年8月17日(金)~8月22日(水)
11:00~19:00(最終日のみ17:00まで)
<Opening Party>8/17(金)18:00~20:00

HB Gallery
渋谷区神宮前4-5-4 原宿エノモトビル1F
03-5474-2325
(東京メトロ 表参道駅A2出口より徒歩3分)

受賞おめでとうございます。

山下以登さんの展覧会は、2008年に個展「さよならブルーマンデー!」(ブログ投稿)、2010年「クロムイエロー」、昨年「キップル雑食系」に行っています。その他にもEN博、マッチ箱展などのグループ展でも作品を拝見していますし、昨年は「私の未明展」でのトークも聴かせていただいています。

昨年「キップル雑食系」で、あれ?と思ったのですが、今回の作品はそれよりも大人向けになって来ています。なるほど「ふくろとじ」というのはそういうことでしたか。おじさんとしてはもっとリアルな表現のほうが ... グハ!☆(゜o゚(○=(-_-;パンチ

ギャラリーには山下さんが挿絵や表紙を描かれた書籍、雑誌もおかれているのですが、それも今回はかなり増えていました。

一人の作家さんを続けて見ていると、作品の傾向の変遷や、活躍の場が広がっているのが分って楽しいですね。

その日はこの後、同じく表参道 Espace Louis Vuitton Tokyoでの 『AWAKENING』展、娘の大学美術部の合同展「心展」、NTT インターコミュニケーションセンターで行われている「ひかり*くうかん じっけんしつ」に行って来ました。

2012/08/19

「具体」展

もう1ヶ月前になりますが、国立新美術館で行われている「具体」展に行って来ました。

「具体」-ニッポンの前衛 18年の軌跡
展覧会Facebookページ: http://www.facebook.com/gutai.nact

「具体」というグループの存在自体知らなかったのだけれど、時代を切り開いていった集団だったんですね。彼らの熱気とその変質が感じられる展示でした。

「熱気」というのは、「これまでになかったものを作る」ことを目指していたことが伝わります。様々な素材、動く作品、音の出る作品、美術館から出たインスタレーション、アクションペインティング等制作方法、観客が参加することで成立する作品、朽ちる等変容を受容した作品 ... きっとグループ内でも、誰が最初にやったかで競争になっていたのだと思います。

きっとそこには、作品を「売る」という意識はなかったでしょう。しかしフランス人美術評論家ミシェル・タピエ氏がこのグループを世界に紹介し出したことで「変質」が始まります。彼は画商でもあったため、作品が売買の対象になります。売るためには保存、移動ができないといけません。前衛であることには変わりはなかったでしょうが、活動の中心がタブロー形式の絵画に移って行きます。

これは想像ですが、作家の意識も「新しい」ものよりも「売れる」ものにシフトして行ったのではないかと思います。ある作品が売れたら、同じような傾向の作品が求められるようになる。それは「画風」という意味で非難されることではないですが、グループ内では、また個人としても葛藤があったのではないかと思います。

最初の「新しいもの」というところに戻ります。

展覧会の解説には、これが関西の、しかも、高級住宅街を擁する芦屋を中心する活動だったので、受入れられ育ったとありました。土地全体に進取の気性に富んでいたとのことでした。展覧会もデパートで行われるなど、上流階級だけでなく、一般にも受入れられていたんでしょう。

展覧会の休憩室では、当時のニュース映像が流されていました。「これが新しい芸術というものらしいです」みたいな表現があって、分らないけれども受入れる姿勢が微笑ましく思いました。今だと、私は分ってますよ的なスタンスで伝えるんじゃないでしょうか。



これ知らなかったんですが、作品だったんですね。当時の再現だそうです。ニュース映像の中では、この紙を破るパフォーマンスが「まさに横紙破り」と紹介されていました。



これは外に展示してあって、見逃してしまいました。「水の彫刻」の再現。過去のニュース映像では「前衛芸術を見て頭が痛くなった人は、これで頭を冷やしてください」って言ってて実際に子供が頭にあてていました。当時は触れたんですね。

9月10日までです。

2012/04/22

Bringing colour to life


Canon Pixma: Bringing colour to life from mcgarrybowen London on Vimeo.

インクをスピーカーの上で踊らせて高速撮影した映像作品 (キヤノンのプリンターのCM)。制作過程が語られている。

2012/03/04

原久路の写真作品

Design Your Trust というサイトを見ていたら、レトロな写真があって興味が引かれた。

そのリンク先"Painterly Photography by Hisaji Hara" * には、
これらの写真は見たことがあるような気がするかもしれない。日本の写真家 Hisaji Hara は近代画家バルテュスの絵画の構図を注意深く再現している。バルテュスの描く少女は、少し薄気味が悪くエロチック。オリジナルはゴージャスな部屋でだらけている少女の絵だが、それを新しいメディア (写真)、新しいシチュエーションで再創造した。オリジナルほど脅威的ではないが、危険な香りが残っている。(意訳)
とあった。日本人から見たら、Hisaji Hara (原久路) のほうが危険な香りがするけどね。

* リンク切れ/同じ記事が "My Modern Met" にある。

オリジナルとどう違うか並べてみた。もとのサイズの絵はそれぞれリンク先にあります。

The room

  

Katia Reading

 

Golden Years

 


原久路のサイトのニュースによると、2月24日から3月31日までロンドンのマイケル・ホッペン・ギャラリーで個展が開催されているそうだ (→ リンク)。

原久路公式サイト Exhibitions/Works に他の作品もあります。

2012/02/18

石子順造的世界 美術発・マンガ経由・キッチュ行

行って来ました。

石子順造的世界 美術発・マンガ経由・キッチュ行 府中市美術館



石子順三は評論家です。評論家の視点で展覧会が構成されるのは珍しいとのことで、私の記憶にはありません。

展覧会は三部構成になっています。展覧会のサブタイトルにあるように、美術、マンガ、キッチュです。

美術評論家の時代は、虚と実を評論の視点におき、芸術が現実の生活と乖離していくことに疑問をもち、それを気づかせるものをとりあげています。特に、企画に関わった「トリックス・アンド・ヴィジョン展」(1968年)に多くが割かれていました。全然関係ないですが朝の番組でトリックアートが取り上げられていて、似た作品もあったのでグッドタイミング。

個人的には横尾忠則が自らをスターのように作品に取り上げているのが面白かった。

マンガの時代は、正直言ってあまり興味が持てませんでした。収集したマンガ単行本が十数冊あるので時間のある人は見て行くと良いと思います。

ここのコーナーの目玉は、つげ義春の「ねじ式」の全原画。私は「ねじ式」は文庫版だけど持っているので真面目には見なかったのですが、ちょっと見たかぎりではほとんど覚えてないことに気がつきました。

このコーナーで興味をひいたのは林静一の自主制作アニメ2作品。

最後はキッチュのコーナー。ここだけ写真撮影可だったので撮って来ました。

キッチュコーナー展示

世界堂の広告があることは知っていたのですが、行ってみたら「モナリザグッズコレクション」のひとつとして展示されていました。モナリザがなぜよくモチーフに使われるのか、その興味から集められた作品だそうです。


また、ここには食品サンプルが出展されてて、一般のアート作品と同様に説明にミクストメディアと書かれていました。普通なら「油彩、カンバス」とか「シルクスクリーン」とか書かれる場所ね。「ミクストメディア」というのはそういうジャンルに入らない、という意味以外ないな。

2月26日までです。

2012/02/13

女子美卒業制作展 2011

2月11日、女子美大の卒業修了学年選抜学外展 女子美スタイル2011(→ スペシャルサイト(音が出ます)) へ行って来ました。横浜美術館で松井冬子講演を聴いてから行こうと思っていたのですが、満席で入れないという情報を入手、松井冬子展覧会のほうも激込みということだったので、急遽こちらのみに。

見応えがあって、なかなか楽しかったです。

目的「ブログ掲載」として写真撮影許可とったのでいくつか載せて行きますね。

la pluie / 松本来夢さん
R. Yoshihiro Uedaさん(@ryokan)が投稿した写真 -


cycle. / 木下咲香さん
R. Yoshihiro Uedaさん(@ryokan)が投稿した写真 -


夢子屋 / 三原由貴さん
R. Yoshihiro Uedaさん(@ryokan)が投稿した写真 -


昔の駄菓子屋風の作りで、中には女の子のメンコとか紙袋に入って中が見えないフィギュアを売ってる不思議な世界。

和菓子少女 / 松尾康子さん
R. Yoshihiro Uedaさん(@ryokan)が投稿した写真 -


兵馬俑みたい。

作品名忘れちゃった。ごめんなさい。再生 / 松井靖果さん、だったかな。
R. Yoshihiro Uedaさん(@ryokan)が投稿した写真 -


カオスラウンジを思い出しました。この中では珍しいです。

夢裡 / 小山千晶さん


裏地に彼女の思い出が描かれている布が展示されていて、それの上に制作過程やその布を纏っている姿が投影されています。自分は自分だけで出来ているのではなく、蓄積された記憶とともにあることを表現しています。

Dolce 集い語らう優しい時間 / 田中春奈さん


大きな作品も多かったのですが、これってどう保管されるのかなあ。美術学生というと貧乏というイメージしか持ってないのですが、今はスポンサーをみつける能力ももたないといけないのだろうか。

それから、これって選抜なんだけど、選抜されなかった作品もある訳で。その差はなんだろう。「アートの評価ってなんだろうね」を思い出した。

2011/12/31

2011年アート系イベント

今年も1年に行ったアート系イベント (展覧会、ワークショップ) をまとめてみました。といっても今年はヨコハマトリエンナーレに初めてサポーターとして参加して、まさにヨコハマトリエンナーレの年と言えるでしょう。


数にしたら結構ありました。何か書いておこうと思いながら記事にしていないのもたくさんあるー、うう。

2011/10/16

ヨコハマトリエンナーレ キッズアートガイド

ヨコハマトリエンナーレでは、小中学生が大人に作品の紹介をするキッズアートガイドという企画があります。

これまで 9/11, 9/25, 10/2 の3回行われ、あと2回 10/16, 10/30 に行われます。毎回
11:10-12:00/横浜美術館
14:00-15:00/日本郵船海岸通倉庫(BankART Studio NYK)
というスケジュールで行われているようです。

9/25 横浜美術館と、10/2 日本郵船海岸通倉庫に参加して来ました。

9/25 横浜美術館は、キッズも観客も多いため、2班に分かれ、A班は展示ルートの前半、B班は後半を回ります。最後に美術館の前のウーゴ・ロンディノーネで合流します。私はB班で行くことにしました。開場から間もない時間帯で後半に行くため、ほとんど貸し切り状態になるというのに惹かれて。

作品の解説というより、キッズが作品ごとに分担して、自分が感じたことを観客の皆さんの前でプレゼンします。一生懸命説明してくれるのが可愛いですね。

聞いているだけで良いのかと思ったら、最初の作品のところでいきなりあてられて焦りました。負けないように一所懸命話しました。それぞれの作品でこういうふうに聞かれるのかと思っていたら、ここだけでした。

最後に集まったところで、誰か感想を話してくださいとのことで、今度は自分から手を挙げて全体の感想を話しました。「今後もずっとアートに親しんでください」みたいなことを話しました。

これは日本郵船海岸通倉庫のほうも参加したいと思ったのですが、その日の午後は有志ボランティア アートバードの人たちの「トーキング&ウォーキング ~ヨコハマトリエンナーレをしゃべろう~」に参加することになっていたので、それはまた次回。ということで10/2にしました。


この日は、キッズの数が少なく、一人で複数作品の説明をしていました。王節子先生に聞くと、子ども達にもそれぞれ都合があって午前で帰った子もいるとのこと。観客のほうは9/25 横浜美術館の1班と同じくらいの人数でした。

ただ日本郵船海岸通倉庫は作品と作品の間隔が狭く、観客を前に説明するのは厳しいような感じがしました。午後で他のお客さんも増えている時間帯ですし。また、こちらのほうはフラジャイルな作品が多くはらはらしました。ケンピナスの作品は、作品に沿って歩いて見てくださいなんていうもんだから、磁気テープに当たって揺らす人が続出。みんな気がつかないのかな。サポーターで来た訳ではないのに思わず離れてくださいと声出しちゃいました。

ブログ「美術検定」の記事「ヨコトリ:キッズ・アートガイド2011」で、
キッズ・ガイドは、ビデオテープのインスタレーション作品でも、「ここから作品に沿って歩いて行くと景色が違うものに見えてきます。そこが僕は面白いと思います」という紹介をしてくれました。
という記事は読んでいたのですが、別にすれすれのところを歩かなくていいのにね。

ノイエンシュワンダーのProsopopeia <プロソポピーア>では3種類の参加型作品を全部触らせていましたが、卵のは抜いても良かったんじゃないかな。ただでさえ壊れやすいので、スタッフの皆さんはいつも神経尖らせているのに、大勢で押し寄せると対処に困っている様子でした。

ここも最後は感想を聞かれるので、やはり皆さんの前で話して来ました。基本的に同じような感想ですけど。

あと2回ですので、それにあわせて行くようにすると良いと思います。

2011/09/19

パンプキン・プロジェクト

ヨコハマトリエンナーレ2011、スッシリー・プイオックのパンプキン・プロジェクト (PDF) に参加してきました。今回はサポーターではなく、お客さんとして。

スッシリー・プイオックというアーチストはタイ人の若い女性でした。オレンジの大きな日傘の下、ずっとカボチャに彫刻をしていました。オレンジの帽子と緑のシャツで、カボチャコーディネートですな。

こんな作品です。


つるがついたまま畑に並んでいます。

一つの作品にどれくらい時間がかかるか訊いたのですが、2、3時間ということでした。カボチャの堅さによるそうで、日本のカボチャは堅いそうです。この会場内に複数の品種のカボチャがあるようですね。

カービング体験というのもあって、指導を受けながら挑戦して来ました。



スタッフの方が、他のお客さんの作品と一緒に並べてくれたのでそれを撮影しました。

調子に乗って勝手に作品を作ってみました。



恐竜みたいにみえますが、カラスのかーくろうです。胴体、羽根まで作れる力があればよかったのですが ...

カボチャを使ったお菓子3種、レモングラスとバーベナのハーブティーがふるまわれて、いただいて来ました。



作品を鑑賞して、カービング体験をして、お菓子をいただいて、スッシリー・プイオックさんに質問したりして、約1時間楽しい時間をすごしました。

そのあとバスでいったん横浜美術館へ戻り、カールステン・ニコライの参加型作品 "autoR" で壁にステッカーを貼った後、連携プログラムの「新・港村」へ行って来ました。

2011/08/29

現代美術とキャプションと解説

森美術館で開催されている「フレンチ・ウィンドウ展:デュシャン賞にみるフランス現代美術の最前線」、今日8月28日が最終日なんですが、田口行弘のトークを聞いた時に見ていながら何も書いていませんでした。

「デュシャン賞」という訳で、「レディメイド」という概念を確立した有名なデュシャンの便器、「泉」が出ていた。私には「泉」の芸術的価値は分らないけれど、当時センセーションを巻き起こしたと言うことは、無視されなかったということで、その議論を起こす価値があったということだろう。そしてその概念「レディメイド」は、いわば常識として定着している。

今行われているヨコハマトリエンナーレに、冨井大裕の "belt is standing" と "measure" が展示されている。作品には素材が書いてあるのだが、それぞれ「ベルト」と「メジャー」。 先日ヨコハマトリエンナーレでサポーター活動したときは、音声ガイドの貸し出しと回収の係りで、回収した音声ガイドを貸し出し窓口に運ぶ時にこの横を通るのだが、その際に観客の反応も見ていた。やはりデュシャンに言及している人もいました。

面白かったのは子供が「そのままじゃん」と言っていたことで、共感してしまった。 デュシャンが使った方法がまだそのまま通用するのかという妙な感慨があります。それともデュシャンと違って何か加工がしてあるのかもしれませんし、何か別の意図が込められているのかもしれません。

ちょうどヨコハマトリエンナーレ関連の情報を調べていたら、横浜美術館のキュレーター天野太郎氏の文章があった。

ヨコハマ創造界隈 VIA YOKOHAMA 第13回 説明を要する現代美術 - 「キャプション論」、再び-
近代以前においては、例えば絵画はその主題とした神話、歴史、宗教において、それらの教養を十分に備えた受容者だけが、キャプションを必要としないで鑑賞出来た。

...

近代以降においては、教養を強化するため、キャプションは不可欠のものとなった。キャプションを必要としない「教養」ある人々が受容者であった時代から、「教養」を身につけるために美術を「学ぶ」ためのキャプションを必要とする受容者の出現が、こうした事態を生んだのだ。無論、近代の美術が、「美」の芸術から「概念」の芸術へシフトしてきたこともまた、作品が、キャプション=テキストを強く要請してきた理由の一つに挙げられるだろう。

キャプションがないとどう見ていいか困るというのは、コンテキストは違うものの、先日 名和晃平展で経験したことだ。

さらに、
横浜トリエンナーレに代表されるような現代美術では、キャプションばかりか、作品を巡るテキストはある意味で必須だ。例えば、主会場の一つ横浜美術館で、最初に遭遇する中国のアーティスト、尹秀珍(イン・シウジェン)の作品。まるで映画のフィルム入れのような金属の容器に、布らしきものが詰められた《one sentence》という作品。

会場で、与えられる情報は、このキャプションと、何よりも作品自体。これでは、何のことやら、謎めいたままだ。

と書いている。

実は、言及した音声ガイドはその穴を埋めている。トリエンナーレの総合ディレクター逢坂恵理子横浜美術館館長がそのことを語っている。

ヨコハマ経済新聞【インタビュー】2011-08-07
ヨコハマトリエンナーレ2011・逢坂総合ディレクターに聞く
今回のヨコトリが挑む、新たなステージとは?

音声ガイドの貸し出しもあります。

―それは画期的です。普通、現代美術の展覧会ではあまりしませんよね。現代美術のファンは、説明を嫌う人も多いですから。

そうなんです。でも今回は、現代美術にあまり馴染みない方にも来て頂きたいので。

私自身はまだ音声ガイドの内容は知らないのだが、今度観客として行く時にはぜひ借りてみようと思う。

2011/08/05

名和晃平展

東京都現代美術館で行われている名和晃平展へ行って来ました。昨年から今年の初めにかけて行われた小谷元彦のような、立体作品の新しい表現を期待して。

東京都現代美術館 名和晃平 ─ シンセシス 展 2011年6月11日(土)‒ 8月28日(日)

最初に入った部屋は、偏光パネルを使ったもの*で、アクリルの中にある物体が見えたり見えなかったりするもの。これは他の作品も期待できます。

[* 注: あとで説明を見るとプリズムを使っていて、中に立体物がはいっていると思ったのも実際は平面画像だったようです。]

各作品には、題名や使用した素材などのキャプションがついてないんですよね。しかし作品リストを持って見ている人はいます。美術館のスタッフの人に聞くと、最後にお渡しするとのことでした。

作品をちゃんと見て欲しいという意図なんでしょうね。しかし題名がないと何を意図したものかも分らないし、素材がないとどうやってこの表現が編み出されているのだろうという興味にも答えることができないと思います。どう鑑賞していいか分らず、20分ちょっとで見終わってしまいました。

作品リストを持って見ている人は2ラウンド目を見ていたんですね。

すぐに見終わったというのは鑑賞の仕方が分らないだけではありません。作品自体がつまんないのですよね。ただでかいだけ。

最近みた現代美術は規模の大きいものが多く、国立新美術館で見たArtist FileDOMANI展でみた作品などは、迫力があるなーと思って、作品が大きいことにはむしろ肯定的な印象を持っていたのですが、今回はそれを考え直すきっかけになりました。

作品がでかいと、経済的に恵まれた人でないと作品が作れないと思います。さらに問題は保管場所です。

これは新しいアーチストの門戸を狭めるのではないでしょうか。その場を得られなかった人がすべてカオス・ラウンジのようなところに向かうとは思いませんが、二極化するような気がします。

脱線しましたが、大きいからつまらないという訳ではなく、作品自体が安易に作られているような気がするのです。展示を見終わったあとギャラリーショップで製作風景ビデオを見ましたが、でかいオブジェに樹脂をスプレーしているだけに見えました。それはそれでたいへんだとは思いますが、同じような作品をたくさん作る必要ないんじゃね?と思ってしまうのです。

最後の方にある映像作品は面白かった。床に投影した白い映像の中を観客が歩くと、加減の部分がカラフルに浮き上がる。加色混合で白を作り出していたんですね。

東京都現代美術館のMOT Collection展は、石田尚志の特集をやっていました。今回は次の予定が入っていて、以前写真美術館Artist File 2010で見たのでほとんどパス。時間のある人にはおすすめです。

前回込んでて見れなかったピピロッティ・リストの映像作品をじっくり楽しんできました。

2011/07/20

パウル・クレー展

16日土曜日、パウル・クレー展に行って来ました。その日、特別講演会 (無料) があるというので狙ってその日にしたのですが、予約ではなく入るためには並ばないといけなくて、残念ながら講演会は聴けませんでした。

実はパウル・クレーは、小学校か中学校のときに最初に行った展覧会で、それ以来最も好きな画家の一人です。その後も何回か行っていて、展覧会のカタログが2冊、画集というか解説本が2冊ありました。もう要らないような気もしますが、今回の展覧会は展示の構成が面白かったので、今回も買ってしまいました。

どう面白かったかというと、クレーが使った技法で分類して解説してあったところです。有名作品はないけど、その構成が興味深い。

昔は作品を集めるだけでよかったけど、今は背景知識をあわせて提示しないと満足してもらえないんだろうと思います。何年か前のマティス展でも制作の過程が見えるようになっていたし、最近ではBunkamuraでひらかれたジヴェルニーの画家達も画家の交流を浮かび上がらせる企画が面白かった。

一緒に所蔵品展と工芸館も入れるというので、両方みて来ました。工芸にはあまり興味はないのですが、見たことがないような技法の作品が見られて収穫がありました。

2011/07/18

再び桜ドローイング

先日、横浜トリエンナーレに出品するジュン・グエン=ハツシバの作品《Breathing is Free: JAPAN, Hopes & Recovery》の制作サポートに参加して来た話を書きました (→ 「横浜トリエンナーレのプロジェクトに参加してきた」)。

これって多くの人が参加するためのものと思っていたのですが、Facebookにあがる報告を見ていると複数回参加した人もいるのですね。

その後、ジュン・グエン=ハツシバ氏の来日 (ベトナム) にあわせて、サポーター交流会というのがあり参加してきました。交流会に参加した人の中には5コース分行った人もいました。

交流会の中で、まだいくつかコースが残っているので、参加者のみなさんにはまた参加して欲しい旨のお話がありました。私が1回目に参加した時はなかったのですが、参加には事前レクチャーを行うようになったようです。経験者が参加してくれた方が嬉しいようです。その交流会の場で申し込んできました。

前振りが長くなってしまいましたが、7月10日午後、港南台のコースに参加してきました。

コースはこんなコース。予めデータをもらってGoogle Earthに入れていきました。




コース全長は6.5kmで、前回のコースに比べたら半分ちょっとしかありません。

しかし結構たいへんでした。

暑いのもあって、最初ペットボトルを2本用意していったのですが、途中1本 + アイス調達。

アップダウンは前回ほどではなかったのですが、道なき道というのもあり、結局道が見つからないところもありました。蚊の大群に襲われ、私は長ズボンで長袖も用意していたのでそれほど被害にはあいませんでしたが、サポート役の女性 (前回のときと同じ学生さん) はレギンスの上から刺されたようです。10カ所以上も刺されて可哀想でした。

道が見つからないのと蚊の襲撃で断念したところはこのあたりです。上空から道があるように見えないでしょ。



帰りはバスがあるところで助かりました。行きは元気だったので駅から歩いてコースまで行きましたが、さすがに疲れたので。

今回のコースはちゃんと取れたのでしょうか。確かに断念したところがあるので完全ではないのですが、それ以外にもGPSの電源を入れ忘れてたりとかしないかいまいち不安です。

横浜トリエンナーレは8月6日から。会期が始まったら会場案内などのボランティアで参加しますので、声をかけてくださいね。

2011/02/16

森美術館 MAMCナイト

もうだいぶ前になっちゃいましたが、森美術館で行われた MAMCナイト に参加してきました。これはMAMC メンバー向けのイベントなんですが、メンバー外への無料招待に当選したのです。

現在行われている「小谷元彦展:幽体の知覚」展を解説付きで2回まわります。1回目の解説はキュレーターの荒木夏実さん、2回目はコンサヴァターの相澤邦彦さん。コンサヴァターというのは、美術作品の保存と修復を行うお仕事の人で、現代美術には関係なさそうに見えるのですが、今回は現代美術でコンサヴァターがどう関わるのかを聴かせてもらいました。

小谷元彦展は以前カテジナ・シェダーのアーチストトークがあったときに見たので、3回見たことになります。八面スクリーンに映し出される滝の作品があるのですが、前回は並んでいる人が多くて断念したのを、今回はゆっくり鑑賞できてよかったです。

小谷は彫刻家ですが、動かない作品だけでなく、このような動きのあるものも制作しています。他にも、髪の毛で編んだドレス、狼の毛皮で作ったドレス、映像作品もあります。髪の毛で編んだドレスは、京都のお寺にある髪の毛で結った太い綱にインスピレーションを受けたそうです。

解説によると、コンセプトだけの作家ではなく、彫刻家としての確かな技術をもっているという評価がなされているそうです。能面をモチーフにした作品も面打ち師に師事してから作ったとのこと。

コンサヴァターの相澤邦彦さんのお話では、現代美術での関わりとして「予防保全」という考え方があるとのことでした。巨大な彫刻作品を壊さないようにどのように運び、展示するか。今回は、美術館の壁に穴をあけて支柱を通し、作品の目立たないところにワイヤーを伝わせて固定するといったことも行われています。

保全という意味で、現代美術は現代美術なりの難しさがあるということでした。それは、様々な素材を使うことで、新素材の情報を常に仕入れないといけません。プラスチックという素材は出来てからまだ百年そこそこ。いつまでもつのかまだ分かっていない。だが、アーチストにとって魅力的な素材の一つ。他の素材では表現出来ないものもある。

保全の敵は、湿度、温度、光だけでない。人が入るとほこりが舞うし、虫を連れてくる場合がある。昔は美術館を締め切って燻蒸を行っていたが、人体や環境に悪いので、今は湿度や温度のコントロールを含めた統合的な対処に移って来たということです。前の展覧会では、部屋一杯に生土を使った作品があり、最初に土を焼き、湿度をうんと下げたりしたとのこと。

私は、この前の展覧会にも行ったのですが、実は繋がっているその隣の部屋の展示では、霧が出てくる作品があったのです。その点で難しかったのではないかと質問してきました。湿度を下げた影響で、霧があまり出なかったとのことでした。あらあら。

粉機の展示には写真作品もありました。デジタルで製作された作品は、修復するのではなく再出力すればいいのだが、出力機器がいつ迄あるのかという問題もあるし、保存メディアにも寿命がある。またデジタルデータのフォーマットもいつ迄も使われている保証はないということです。確かに自分が持っているDVDも劣化するんですよね。テープのときと違ってじわじわ劣化するのではなくて、いきなり見れなくなるから厄介です。

MAMCのメンバーになれば、美術館や展望台にいつでも行けるだけでなく、こういうイベントやカクテルパーティーにも参加できるのですが、年間21,000円はちょっと出せないな。私は年間パスポート 5,250円を買うかどうかで悩むレベルです。

そうそう、今3大個展といわれている他の二つ、曽根裕高嶺格も見に行かなくちゃ。

関連記事:
不可能で限界があるから彫刻は面白い―小谷元彦 アーティストトーク (これは行っていませんが)
flickr MAMCナイト 1/25/11

《スケルトン》の形状に、興味津々で見上げます

2010/05/31

ヤン フードン展

こんばんは。

先週土曜日は、原美術館でヤン フードン展を見て、国立新美術館の「森から始まるリレートーク」を聞いて、NANZUKA UNDERGROUND 渋谷の「破滅→再生*ラウンジ」を覗いてきました。

ヤン フードンは中国の現代アーティスト、映像作家です。

ヤン フードン 「将軍的微笑」 (Tokyo Art Beat)
原美術館 プレス用資料 (PDF)

部屋全部を用いた映像インスタレーション「将軍の微笑」は面白かったけど、他のは何が良いのか分りませんでした!

ヤン フードンというアーチストは今回が初めてだと思って行ってみたのだけど、過去の資料見てたら2003年に森美術館で行われた「ハピネス」にも参加していました。だから初めてとは言えないのだけれど、記憶に残っていませんでした。

2010/05/04

アートの評価ってなんだろうね

おはようございます。

美術展にはよくいく方だと思うのですが、特に現代美術などは「わからないところが面白い」というスタンスで行っています。つまり、全然わかってない。「何がいいの?」なんて聞くな。

美術展の中で、素人の作品が入っていても気がつかないでありがたがってみてるだろうと思うんです。

一方公募展などで、一般の作品群が並べてあるようなところだと、数が多くてじっくり見てられないというのもあるけど、ざっと流してみちゃう。その中にプロの作品があっても気付かない。

先週「今日行った展覧会 2010.04.30」で書いた国展もそう。
非常に出品点数が多く、もうひとつ展覧会に行こうと思っていたので、あまり長い時間をかける訳には行きません。申し訳ないけど、本当にざっとしか見ていないんですよね。ちょっと変わった傾向の作品は足を止めてみるのですが、それ以外は見渡す感じでしか見ていません、絵画も抽象画がほとんどで、というと何が良くて何が悪いのか判断できないんですよね。嫌いなものなら傾向はあるのですが、嫌いでないからといって好きといえるかというとそうでもなく、ましてや良い作品を評価できる訳でもない。
権威主義ですな。

「Heart Art in TOKYO 2010」でも同じような感想を書いたのでした。

また、この国展では新人賞とか奨励賞などの賞を出している (リンク)。賞をとったものは作品にその旨の札がついているのですが、その作品はちょっと注目はするけれども、やっぱり良さがわからないのです。どうやって評価しているんでしょうね。

同じようにアートの評価とは何かを考えさせられるできごとがありました。

Togetter - まとめ「黒瀬陽平「芸大不合格者展」について」

「芸大不合格者展」はどんなものかというと ...

kaichoo: 「芸大不合格者展」ですが、各予備校から3〜5名、「こいつなんで落ちたん!?」というハイクオリティな不合格者を選抜し、デッサンと作品と二次試験に提出したファイルを展示したいと思います。芸大の入学式時期にできたらいいなー (Sat Mar 13 16:30:48 +0000 2010)

最初はこのように入試試験官節穴という構図だったのが、美大や予備校の存在意義、「アートの評価」まで含む問題だということが分かります。受験に合格するための「受験絵」とか、その人の「ポテンシャル」だとか。

アート界でも議論になるようなものだったら、私がわからないのは気にしなくて良いことなのだろうと思うことにします。

2010/03/21

長谷川等伯展、平日午前中で40分待ち

おはようございます。夜中の暴風雨がウソのようにすっかり晴れましたね。

18日午後にシンポジウムがあるので休みを取っていたのですが、午前中があいているので、急遽長谷川等伯展へ行って来ました。「平日午前中でも2時間待ち」という情報を得ていたのですが、9時半の開館時間に行けば大丈夫だろうとふんで。でも朝急遽決めたので、結局ついたのは10時前になっちゃいました。



で、こんな感じ。入場制限で40分待ちだそうです。まあまだ容認できるかな。北斎のときは2時間待ちで断念したので。

中に入っても人が多いので作品の全体を一度に見ることができるポジションを得ることはできませんが、人の移動もあるのでそれにあわせてポジションをとっていけばそれなりに楽しめました。

出展作品は以下のように時系列に分かれています。

第1章 能登の絵仏師・長谷川信春
第2章 転機のとき—上洛、等伯の誕生—
第3章 等伯をめぐる人々—肖像画—
第4章 桃山謳歌—金碧画—
第5章 信仰のあかし—本法寺と等伯—
第6章 墨の魔術師—水墨画への傾倒—
第7章 松林図の世界

第1章のあたりは、仏教画として決まった構図の作品ばかりなので面白いものではなかったですが、それに比較する第2章、それから豪華な第4章、水墨画の第6章が興味深い作品が多いです。水墨画に描かれた人物は中国の水墨画の真似で雑な感じがしますが、風景画の構図、墨の濃淡を使った遠近表現が素晴らしい。竹林猿猴図屏風のサルはかわいい。

12時くらいまでいたのですが、そのころ待ち時間は80分になっていました。明日までなので混雑が予想されますが、9時半の開館前に行くようにすればなんとかなるんじゃないでしょうか。

2010/03/01

束芋展に行って来た

こんにちは。

津波警報が出ている中、湾岸の埋め立て地に行って来ました。地下鉄のみ
なとみらい線は避け、横浜駅から歩くことにしました。日産のグローバル
本社の中、吹抜けの二階が一般の人も通れる通路になっていて、新高島の
ジャックモール方面へそのままつながっています。吹抜けの一階が日産の
ショールームになっているので、ついつい衝動買いしたくなるようになっ
ています (しないしない)。

束芋は、線画中心のドローイングと、そのアニメーションをメインとした
アーチスト。アニメーションも部屋の両壁と床に投影する作品や円筒の内
側に投影する作品もあり、むしろビデオインスタレーションですね。

モチーフは、指や足など人体の一部、髪、自動車電車自転車、花、昆虫、
イカやタコ、液体、抱き合う男女など。道だと思っていたものの先が足
だったり、指の付け根にまた指が生えていたり。

こういうとグロテスクなのかと思われるかもしれないけど、そんな感じは
しません。私が鈍感になっているのかもしれないですが。エロチックとい
う感じもほとんどしない。ただ不思議とか面白いという感じでした。

束芋 - 断面の世代 | 横浜美術館 3月3日まで。