この方式は、核燃料(トリウム-232)をフッ化物にして、フッ化物塩からできている溶融塩に溶解した状態で燃やす。地殻の中のマグマに少し似ていて、“ストーブ”の中で燃え続け、絶えず巨大なエネルギーを出す。液体燃料の原子炉ということがほかの原子炉と違うところだ。という説明はあるのだが、そこでどういう核反応があってどういう副産物ができるかか分らないと、クリーンかどうか判断できないと思うのだ。特に、「既存の核廃棄物を含むさまざまな種類の核燃料を消費できる」という部分は、今の原発廃棄物の問題もあわせて解決できることになり期待できる特性だと思うが、これにしてもどういう仕組みでそうなるのか納得したい。
最初に検索で調べた結果得たのがこれ。→ トリウムの放射性壊変系列。
このサイトには「地面からの放射線」というページもあり、さらにそのひとつであるトリウムに関する説明がある。
ただこの「トリウムの放射性壊変系列」をみると、自然に崩壊するプロセスに関して記載してあるようだ。原子炉として使うには別のプロセスがあるはず。
調べたらやはりWikipediaに到達した。→ Wikipedia トリウム燃料サイクル
中性子をあてることでトリウム233になり、その後ウラン233になる。ウラン233 は原発で使われるウラン235と同様に核分裂を起こし、その生成物はトリウム229となっている (Wikipedia ウラン233)。トリウム239は最初に調べた「トリウムの放射性壊変系列」に入ってて、ここでこのラインの追跡は終わってしまう。
これ以外の系列もWikipedia トリウム燃料サイクル にはあるのだけれど、確率的な反応なので分裂せずに別の同位体として残ったり、それが別の核種に崩壊したりするようだ。たくさんあって、自分の手に負えないように思う。ここで一旦断念したい。
ただ確率的な過程の中でさまざまな核種が存在する状態になっており、そのため
崩壊を繰り返して237Np、238Pu、239Pu、240Pu、241Pu、241Am、242Puと、有害なプルトニウムの同位体を生成する。 237Npは半減期214万年と比較的安定で、再処理で除去(違う元素なので分離可能)できる。アメリシウムやキュリウムについても同様で、廃棄するほか原子炉に戻して核変換によるリサイクルを図ることも可能。というようななんでもOKという状況なのかもと思う。
それは一方では、
トリウム燃料サイクルは、原子炉内の核種変化や使用済み核燃料の再処理によるリサイクルについて様々な期待がもたれている。しかし実現には課題も多く、当面は同様に使い捨て状態で運用されて行く見込みが強い。と書かれている部分につながっているのかと思う。やはり最終的にどうなるのか、事故が起こったときどうなるかは、気になるところだ。
まだまだ理想にはいかないのだろうけれども、研究だけは国家レベルで進めていただきたいと思う。今のように、御用学者でないと生きて行くのが難しいという態勢にするのでなく (参考: 現代ビジネス 2011年04月30日「迫害され続けた京都大学の原発研究者(熊取6人組)たち」)。
2 件のコメント:
[...] ただこの記事には方式に関しては書かれていない。方式に関しては別の記事を探して調べたのですが、まだ理解できておらず、今の所は保留にしたいと思います。[補足: 少し調べました。→ トリウム原発のしくみを調べてみたけれど ] [...]
[...] トリウム原発方式自体は「溶融塩炉」として書かれていて、トリウム燃料サイクル(トリウムねんりょうサイクル、Thorium fuel cycle)は、トリウム232からウラン233を得て利用する核燃料サイクルである。 [...]
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