お代はいらないけどトマト缶を持って来てください、ということで持って行きました。一番左のやつです。トマト缶は世界中で使われているので、食糧支援に向いているのだそうです。
最終日にはこうなっていました。キュンチョメのInstagramより引用。
「完璧なドーナツをつくる」は、「アメリカのドーナツは穴が空いているが、そこに沖縄のサーターアンダギーをはめ込んだら完璧なドーナツになるのではないか」という考えをベースにしています。ただ合体させるだけでなく、米軍基地の中で作ったドーナツと、基地の外で作ったドーナツを、フェンスを越えて合体させます。そう、フェンスで分断された両国民の融合の象徴でもある訳です。
作品としては、その計画を沖縄の人に話して、それに対する意見を聞いていくことが続きます。基地反対の運動家、基地建設を請け負う建築会社の社長、米軍軍人相手のバーの女主人... と様々な立場の人の話が含まれます。
以下作品の感想です。
一言でいうととても真面目に作られている。沖縄の皆さんへのインタビューが中心だが、自分に反対の立場の人からも真摯に丁寧に話を聞いている。沖縄にも様々な立場があることが分かって良かった。
その中には、基地建設を請け負う建築会社の社長のように、立場上基地を歓迎せざるを得ない人もいる。彼は自分の意見は言わないと言っていたが (これ自身本音では反対であることを示唆しているが)、後の方で本音もでる。
米軍軍人相手のバーの女主人は、沖縄米兵少女暴行事件以降、米兵が夜間外出禁止になり、お客さんが激減したと語る。それまで仲良くやっていたのに、対立は沖縄の住民の首も締める。
別の人が証言した、以前は日米の壁があまりなかったという話も興味深かった。子供の頃は米軍の戦闘機に基地の外から花火を撃ち込んだりしていて、そんなのは痛くも痒くもないので米兵もそれを挑発していたという。
キュンチョメを知ったのはヨコハマトリエンナーレ2014の初日に、ツイッターアイコン (@kyun_chome) のあの花輪の格好で現れた時。なんだこいつはと思ったのだけど、その後ウェブサイトを知ってみてみたら真面目に社会問題を扱うアーティストだと分かった。イロモノと思っててすみません。
2016年に駒込の倉庫で行われた個展「暗闇でこんにちは」(artscapeレビュー)で初めて実際の作品を見た。特に東日本大震災・福島原発事故を題材にした、写真から立ち入り禁止の場所を消していく作品が印象的だった。その後色々な展覧会に参加していたと思う。
2017年岡本太郎賞アーティストを集めた展覧会の作品も良かった (ブログ「ヨコトリ2017の予習として ...」 )。ヨコハマトリエンナーレ2017にも来てくれるかなと思ったが、その頃Rebornに出していたのですね。次の横浜トリエンナーレにはいるといいなと思っていたが、あいちトリエンナーレに先をこされて残念 (@ryokan tweet)。
そういえば、キュンチョメは二人組ということをウェブサイトで知ったのだけど、女性の方ホンマエリさんしか表に出てこないので、実は今は一人で活動しているのかと思っていた (Superflyみたいに)。今回ナブチさんにもお会い出来て良かった。
今後もキュンチョメの活躍に期待したいと思います。
追記:
Hyperallergic (2019/1/17) An Artist Duo’s Ingenious Movie About US Military Bases in Japan
-- More than anything, Making a Perfect Donut is about contradictions
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