昨年くらいに存在を知り、一度行ってみたいと思っていた静嘉堂文庫美術館。住宅地の中の大きな緑地の中にあります。
Google マップを頼りに成城学園前駅からバスと徒歩で行きました。美術館は緑地の北西にあって、このマップだと西側から入れるようになっていると思うじゃないですか。ところがついてから気が付いたのですが、西側には入口はない! ここで初めて静嘉堂文庫美術館のサイトのアクセスのページをみて、東側にしか入口がないことを知りました。入口まで約10分。入口から美術館までまた10分とだいぶ大回りをして、結局トークショーには遅れて行きました。
今回焦っていたので、敷地内をゆっくりみる余裕はありませんでしたが、庭園としても魅力的で、庭園花木ツアーも行なわれるそうです (→ 展覧会情報)。
さて今回の「ー明治150年記念ー 明治からの贈り物」展ですが、静嘉堂文庫美術館が所蔵する作品が中心の展覧会となっています。岩崎彌太郎の弟で三菱第二代社長の岩﨑彌之助と、その子で三菱第四代社長の岩﨑小彌太によって収集されたものです。今回は出品されていませんが、国宝の曜変天目茶碗が有名です。
今回特別に写真撮影の許可をいただきましたので、拡大写真も撮ってみましたが、その細かさが伝わるでしょうか。
河鍋暁斎「地獄極楽めぐり図」は全40図ある画帖。「日本橋大伝馬町の大店、小間物問屋の勝田五兵衛が、14歳で夭折した娘・田鶴 (たつ) を一周忌で供養したいと、暁斎に制作を依頼したもの」ということです。
そのうち物語部分35図を会期中4期に分けて場面替えして展示するとのこと。全部見たい人のために展示スケジュールをお伝えします。最後の極楽往生あたりが特に有名だそうです。
7/16 (月・祝) - 7/26 (木) ・田鶴の臨終と来迎、羅人宮、三途の川の渡し舟に乗る等
7/27 (金) - 8/9 (木) ・賽の河原、旅館はりやま到着、田鶴の身支度等
8/10 (金) - 8/23 (木) ・家族との再会、芝居小屋、盛り場等
8/24 (金) - 9/2 (日) ・地獄見物、閻魔大王、極楽行きの汽車、極楽往生等
以前東京国立近代美術館で行なわれた「ぬぐ絵画―日本のヌード 1880-1945」で、明治時代に初めてヌード絵画が出展された時に、絵画に腰巻がつけられて展示されたという話を知りました。その作品はここにあったんですね。黒田清輝「裸体婦人像」です。
その後、岩﨑家に購入され、高輪本邸のビリヤード・ルームに展示されていたということです。ビリヤード・ルームは当時紳士の社交場で、岩﨑邸を設計したジョサイア・コンドルが、そこに飾る絵は肖像画でも風景画でもダメで、ヌードでなければならないと指示したそうです。
当時のビリヤード・ルームの写真もあわせて展示されていました。
明治37年 (1904) 米国セントルイス万国博覧会の休憩室に飾ってあった若冲「動植綵絵」を刺繍にした壁飾り、これは消失したのですが、その再現作品があります。元の絵の模写、下絵とともに展示されており、制作過程もわかり興味深いです。
展覧会情報
「ー明治150年記念ー 明治からの贈り物」
http://www.seikado.or.jp/exhibition/index.html
会期: 2018年7月16日 (月・祝) ~ 9月2日 (日)
休館日: 月曜日 (ただし7月16日は開館)
サマータイム開館時間: 午前10時~午後5時 (入館は午後4時30分まで)
入館料: 一般1,000円、大高生700円、中学生以下無料
※ 団体割引は20名以上
※ リピーター割引:2回目以降は200円引き
右は同じ敷地にある静嘉堂文庫で、通常内部は非公開です。
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