2019/12/29

横浜トリエンナーレ「サポーター・イニシアティブ」提案その後

活動上のルール・注意点1の12項 「活動独自のWEBサイトやブログを制作・公開することはできません。」の部分に抵触する「次の横浜トリエンナーレサポーター活動の枠組み」で、自主活動「サポーター・イニシアティブ」の位置付けと、私自身が2つの「サポーター・イニシアティブ」の届け出を出したことを書いた。その後報告をしていなかったが、一応方向性が決まったので報告する。

「この枠組みの範囲で/逆手にとって改善を目指す。諦めるのはチャレンジしてダメだったらでも遅くない」としていましたが、結論から言えば「チャレンジしてダメだったので諦める」ことにしました。

最初の回答

届け出を出してから約2週間後 (9月23日)、回答が来た。内容は

・アーティスト勉強会
 活動独自のWEBサイトやブログを制作・公開することはできない。
 代わりに公式WEBサイトを提供することはできない。
 会場内にロボット等の設置はできない。
・サポーター互助会
 イニシアティブを実施する際に事前にサポーターに相談するか否かは、活動の主宰者(サポーター)の判断となる。

ということで、拒絶判定なのか、文言を修正すれば通るのかわからない。特に互助会に関しては元から「誰かが援助を求めた場合、何らかの力になれる人が自主的に相談に乗り、解決を目指す」と記載しており、相談を強制するものではないため、その点を明確にすれば問題なく通るはずである。

一旦「ご指摘の事項は満たしていると考えます。誤解を招くようでしたら修正して再提出します。」と返したが、事務局を通じてのやりとりだと伝わらないものもあると考え、直接説明する場をいただくよう申し込んだ。

直接説明

10月20日に説明の機会を得たので、11ページのPowerPoint資料を用意して説明に行った。説明では届け出に書いたことに加え、まず2つの提案に共通する上位目的として「サポーター活動の活性化」をあげ、それぞれ背景となる問題意識から活動内容につながるように説明を構成した。互助会での情報交換に使うツールの例としてSlackのスナップショット、勉強会の想定成果としてヨコトリ2017の時に作ったアーティストごとのまとめも持って行った。

組織委員会から2名の方がいらして、また組織委員会との窓口になっている事務局の方も同席された。

組織委員会の基本的なスタンスとして、イニシアティブの活動に関して組織委員会が責任をもつ必要があると考えているようだ。ネットを使うことで炎上することを怖がっているように見える。

互助会はクローズなコミュニケーションであることを事務局の方に補足していただいたが、組織委員会の方はどちらもTwitterもFacebookも見たことがないようで、どこまで理解いただけたか。

勉強会のWeb公開に関しては、新しくサイトを立ち上げるだけでなく、既存サイトを使って成果物を上げるのもダメだという見解であることが新たにわかった。しかしこれは、説明会での「活動報告は公式ブログに書いてもらいたいということで研究成果を公表してはいけないという意味ではない」という回答と矛盾する。ここで議論になったが、ここで話しても押し問答にしかならないのでとりあえず先に進める。

互助会に話を戻すと、相談やマッチングなどは、組織委員会が自分たちでやろうとしているとのこと。どうするのかというと、彼らの話をつなぎ合わせてみると、
・相談する内容があればまず組織委員会に相談会の届けを出す。
・相談会の日程が決まったら、組織委員会からメールニュースでアナウンスする。
・相談会で相談。
ということのようだ。メールニュースに載せるにはまだ十分検討されていないものに対しては心理的障壁が大きいので、そこをカバーするものだということは再三伝えたのだが、納得されていない感じだった。誤解がないように、「障壁が大きい」というのは、組織委員会が障壁だというのではなく、プロセスが障壁なのだということも伝えた。

「それはイニシアティブではなくてウエダさんの仲間内でやってはどうか」とも言われた。これに対しては「それでは私と親しいわけではない人がどうやって助けを求めるのか」ということを伝えた。

また、イニシアティブという形ではなく組織委員会の活動としてやってはどうかという話も出された。これに関しては「同じことができるのなら組織委員会でやってもらっても構わない、その時は協力する」というように答えた。

全体を通じて大事なことは、相互に助け合うことがコミュニティを強くする、そして強いコミュニティが100日前イベントや緑化フェアなどでのプロモーションでの一体感をもった活動につながる、ということを何回か繰り返し伝えた。

結局説明と質疑応答で2時間くらいかかった。伝えるべきことは全部伝えることができたと思う。

その場で結論が出るわけでなく、組織委員会側が持ち帰って検討するということになった。この場で結論が出なかったWebの扱いに関しても、統一見解を出してくれるよう後で依頼した。

最終回答

11月13日になって回答のスケジュール調整をしたいと連絡があり、11月26日に回答が得られることになった。スケジュール調整の中で、一方的にお話を伺うだけなら面会である必要もないので、事前に内容を知らせていただくようお願いした。「提案を実現の方向で行きたいけれども、メールの文章だけだと意見の食い違いや時間差なども心配なので、直接お話しして進めたい」という回答だったので、期待して行くことにした。「イニシアティブという形ではなく組織委員会の活動として行うので協力を要請する」ということと想像した。

当日1時間半以上かけて出かけて行ったが、「提案は受け入れられない」というゼロ回答で10分ちょっとで終わった。ただし組織委員会からは「ウエダさんの知見を皆に伝えるため、互助会を実際の会合形式で行うイニシアティブにしてはどうか」という逆に提案さがあった。持ち帰って検討してほしいということだったが、その場で断った。繰り返し「私がサポートするのではなく誰もがお互いにサポートすること」、「いつでも気軽な相談ができることを目指していること」という主旨を伝えたつもりだったが、何も伝わっていなくて徒労感が大きい。

まあでもやるだけのことはやった。「諦めるのはチャレンジしてダメだったらでも遅くない」という当初の計画通りだ。

Webサイトを新規立ち上げるだけでなく、既存サイトに公開することも許されないということは、サポーターサイトにあるルール (PDF) や FAQ で明確化しアナウンスしてほしいということは伝えた。そうでないと誤解を与える。成果の公開を制限するということは、著作権 (著作者人格権ではなく財産権としての著作権) を制約することになるので、その点も明確にする必要がある、そうでないトラブルの原因になるということも伝えた。

また、互助会に関しては、どのルールに抵触しているのか公式な回答を依頼した。

さて本日12月29日の状況だが、
・Web既存サイトへのアップロード禁止に関してはまだアナウンスは出ておらず、公式サイトのルール、FAQもそのまま
・どのルールに抵触しているのか公式な回答はまだ
となっている。もう仕事納めなので今年中の回答はないだろう。

横浜トリエンナーレのサポーター活動には「ガイドサポーター」がある。2014年、2017年とこちらの活動もしてきたが、次回はもういいかなという気になっていた。リンク先を見ると募集人員が集まり、締め切られたようで、おめでたいことです。組織委員会としてはガイドサポーターさえ集まれば成功なんだろうなと思うと、これまで頑張ってきたのはなんだったんだろうとむなしい限りです。

追記 2020/1/14 

2020/1/9 付けのサポーター向けニュースメールでは他のサポーター・イニシアティブが成果を公開するというアナウンスがあった。Googleドライブでの公開で、これもWeb既存サイトへのアップロードには変わらない。とすれば私の提案も受け入れられる余地があるわけで、先の回答の依頼に、どういう条件で認められるのかという質問を追加した。引き続き回答を待ちたい。

追記 2020/2/2

1月24日、上記質問に回答が来た。
  • 互助会が認められないというのはどのルールに抵触しているのか。
    → サポーター・イニシアティブの活動はオンライン上ではなく、参加メンバーと場を設け、集まっていただき活動して頂くことが必要となります
  • Web既存サイトへのアップロード禁止に関してアナウンス
    → 近日中に実施します (1/24 時点ですでに変更済み)
  • Web公開はどういう条件で認められるのか
    → サポーターブログやメールニュースでお知らせできます。ダウンロード専用Googleドライブでの公開は一般公開でない。
ということで、
  • 互助会 → オフラインの活動があればOK (事前にオンラインで相談の概要を確認し、オフラインで実際の相談に関して議論する)
  • 勉強会 → 成果物 (Word文書など) をGoogleドライブにおき、サポーターブログやメールニュースでお知らせすればOK
ということになるので、この理解があっているか確認を求めており、その結果により再提出を検討したい。なお、元の質問が「サポーター・イニシアティブの活動はオンライン上ではなく、参加メンバーと場を設け、集まっていただき活動して頂くことが必要となります」がどのルールに抵触しているかだったので、再度問い合わせを行った。

追記 2020/2/10

2月10日、再度の問い合わせに回答が来た。

  • オンライン上での活動が認められない根拠
    → 活動上のルール・注意点1の12項 「活動独自のWEBサイトやブログを制作・公開することはできません。」の部分に抵触する。
    # 何の意味かわからないと思いますが、Slackでの書き込みが、「独自のWEBサイト」で、「公開」にあたると考えられているようです。10月20日の直接説明で「クローズなコミュニケーションである」ということは説明したのですが。
  • オンライン上で自主活動を行う上で連絡、質問、相談のために、メンバー内で、オンライン上で連絡を取り合うことも禁止されているか
    → 組織委員会としては禁止していない
2月9日にサポーターの集まりがあったので、これまでの経緯を報告してきた。今後の方針として以下のことを検討中で、皆さんのご意見をいただきたいということを表明した。
  • 互助会 → 相談会を定期的に開く組織委員会提案をベースに再提出
  • 勉強会 → 勉強会成果をWordで作成、PDF化し、Googleドライブでの公開


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