2006/11/13

核武装議論続き

こんばんは。元防衛庁長官の石破さんは、見た目はあやしいけど、ちゃんとした議論ができる人だよなあ。

核武装の議論を行うことの提案の批判は、言論の自由を抑えつけるものという意見があるが、私はそうは思わない。前回書いたことだが、言論の自由はちゃんとある、論文書いて発表しろって。

私は、議論をすることには反対だ。いや、やりたい人だけでやればいいとは思うのだが、ここで議論しようと言っているのは、閣議や国会でやろうということだろう。他の人を巻き込んで時間使ってやることか?

「核武装を行うか」というのは、議論を待たず答は自明だと思うのだが、そのことはちゃんと言われていないように思う。私が自明だと思っているが、それは共有されていないのかもしれないね。

まず、憲法9条では
第9条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。2 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。
と言っている。

確かに自衛隊は存在するが、それは防衛のためであって、「国際紛争を解決する」ことを目的にしていないからというぎりぎりの線で存在を許されているに過ぎない (第2項に対してはどうやっても言い訳できないような気がしますが)。

ではなぜ核兵器はそうでないのか。
・核は「抑止力」と位置付けられている。攻撃したら攻撃し返しますよ、いやでしょ?という訳だ。それって「武力による威嚇」だよね。
・「自衛」という位置付けにできるのか? 侵入した軍隊やミサイルに使うのか? それって国内で核兵器を使うということだが、国民を犠牲にするのか? ミサイルが発射された段階で使うということも防衛のうちにいれるという立場もあるが(私はその立場に与しないが)、それに核兵器を使って敵国の民間人も巻き込むのか?
という訳で、憲法9条のある中で、核兵器は議論の対象のもならないはずなのだ。

そして、「第99条 天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。」がある。

憲法に違反しないでできるということを主張してからにしてもらいたいものだ。
または、憲法を改正するという議論から先にしてもらいたい。

それから、野党もただ批判するだけでなく、ちゃんと理由を示して、ダメといわないといけない。

なお、改憲の議論をすることは、第9章に改憲の方法が規定されているため、この99条に違反することにはならないと考える。

4 件のコメント:

sofia_ss さんのコメント...

議論自体が「抑止力」になるという考えについては、どう思われます?

yoshihiroueda さんのコメント...

★ そふぃあさん、確かに中国はそれを恐れているという見方をする人もいますね。それはある程度あたっているとは思いますが、他の国々との関係では失うもののほうが多いと考えています。そのひとつは「唯一の被爆国として」という立場です。

sofia_ss さんのコメント...

ん〜。「唯一の被爆国」という事実は変わらないのですがその立場では、核保有の議論はできないということでしょうか。核武装と核をめぐる議論は別であるというのは安部総理の苦しい詭弁だと思いますがそれも一理ありと私は思います。

yoshihiroueda さんのコメント...

「唯一の被爆国」という事実は変わらないのはおっしゃるとおり。私が言っているのは「唯一の被爆国として」核兵器廃絶を訴えてきた立場です。核武装と核をめぐる議論は別であるというのも正しいと思いますよ。でも、国民が議論するのはいいのですが、政府が「他国に対する大量殺戮」のは、これまで築いた信頼を無にするものだと言っているのです。そういう認識も持てない外務大臣はその資格がありません。