こんばんは。乙女ちゃんでぃーす (ウソ)。
「腐女子化する世界 - 東池袋のオタク女子たち」 (杉浦 由美子) を読みました。奥さんが勧めるので。
ただの「腐女子 (女性オタク - 補足: 特にBoys' Love = 同性愛男子をテーマにした作品に耽溺する人々)」に関するルポルタージュではなく、格差社会との関連で分析したものになっていて、興味深く読めました。
前半は主に腐女子の生態の紹介になっていて、決めつけも多いのは気になるが、それも一般のイメージとは違っているので、そういう意味で価値があるだろう。男性オタクのイメージから類推されるものと違って、服装も一般人と変わらず、仕事ももっていてライフスタイルもオタクであることを感じさせないものになっている。読書量も多く知的レベルは高い。など。
私も一般にもたれているイメージと同じようなイメージをもっていたので、ふんふんと思いながら読んでいました。
内容は順次社会的な考察に移る。ライフスタイルの類型に縛られるのではなく、趣味嗜好を重視する生き方に移行していることが描かれる。雑誌がターゲットの読者層を絞って編集され、その読者層に向けて広告がうたれる、そういう時代ではなくなっていることを、「Web進化論」やアマゾンのリコメンデーションを引きながら「マーケティングは死んだ」と端的な言葉で表している。
そういう生き方が発生した背景として、女性の生き方、価値観の変遷が描かれる。
・「キャリア vs. 家庭」という構図が崩れ、家庭を持っても (自己実現としてではなく) 仕事を生活の糧を得るという目的のために続けざるを得ない現実
・女性が結婚後も仕事を続ける職場で見せつけられる正社員と派遣社員の格差
・結婚することでも逃れられない競争社会
こういう格差、競争という価値観から独立する知恵として、「オタク化」を位置づけている。
追記: BL (Boys' Love) は、現実に引き戻させないための装置となっている。現実を知っているものが出てくると、現実に引き戻されてしまうため、自分にとってイメージでしか存在しない場所 (全寮制男子校など) が舞台になっている方が良いのだそうだ。
私自身これまで「格差社会」とか「勝ち組/負け組」とか「負け犬の遠吠え」などに興味を持たず関連書籍などを読んでこなかったので、この部分の考察も (奥さんの勧めるとおり) 興味をもって読めました。
ただ上記リンクの読者レビューを見ると、賛否がはっきり分かれています。否定的な意見をみると、最初に書いた「決めつけ」の部分が受け入れられないものと思われます。
4 件のコメント:
♪こんばんは、なかなか興味深い本ですね。リンク先のレビューに書かれていたキーワード「テニスの王子様」や「アニメイト」、「コミケ」、「同人誌」などを見る限りは、どうやらうちのムスメは立派な「腐女子」のようです、笑。そういえば、去年上京したときも「アキバ」でメイドさんと記念撮影していたしなあ、汗;とりあえず、ブックオフで探してみます。
明けましておめでとうございます。今年も宜しくお願い致します。なかなか、興味深い本ですね。読んでみたいと思いました。理解できるような感じもし、でもその決めつけを納得できるかなという感じもしますね。どこかに分類されることは、あまり好きではないですね。明日、本屋に行く予定なので、探してみます。
★ あざらしサラダさん、ひとつ大事なことを忘れていましたので、補足しておきます。この補足をみると、「立派な腐女子」なんて呑気に構えていられなくなるかも。
★ ミーナさん、おめでとうございます。ここで「決めつけ」というのは、「典型例の過度の一般化」なので、典型(知識レベルが高く、普通の身なりで、オタクを意識させない)が納得できればそれほど違和感はないと思います。本屋でパラパラとめくってみると、納得ができるかどうかわかると思いますよ。
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