チキュウノミナサン、オハヨウゴザイマス。
昨日オードリー・カワサキ展 (
LINK) へ行った後、
NTT-ICCへ行って来ました。オープン・スペース (無料常設展示) の
今年度の企画展示が始まるのにあわせ、
シンポジウムが開かれるので、聞きに行ったのです。
テーマは、「ミッション G:地球を知覚せよ!」で、概要を引用する。
地球上のさまざまなデータをセンシングし可視化していくプロジェクトを,アートとサイエンスを横断して紹介するテーマ展示「ミッション G:地球を知覚せよ!」.出品作家たちが取り組んでいる,世界を新たに発見するための観測法,記述法,共有のためのシステムを通して,未来の社会や自然環境に向けたヴィジョンを語っていただきます.
今回はアートの領域よりもテクノロジーにかなり寄ったテーマとなっている。
全体を通じて、
・世界中からセンサでデータを収集し、
・集約/加工し、
・可視化する
取り組みという軸がある。
パクト・システムズのマルコ・ペリハン氏は、今回は
コモンデータ・プロセッシング&ディスプレイ・ユニットを出展していているのだが、話の中ではBlack Cloudというプロジェクトについても語っていた (同じものなのかと思って聞いていたのだがどうやら違うよう)。
BlackCloud.orgCO2、騒音、ライトポリューションなど6種類のデータを世界各地から集める。
グラフのページではそれを同心円のパイチャートで可視化している。折れ線グラフはパイチャートの一部をクリックすることによって現れる過去の履歴。
面白い取り組みだと思ったのは、
pachube。センサーデータのYouTubeだと言っていた。世界中のセンサーデータをアップロードし、共有する。使い方は自由、というよりも、皆さんの新しい発想に期待しているのだと思う。
ICCの展示では、測定データを会場につるしたライトの高さで表現し、また会場からもデータをアップロードしているのだけど、これは正直言ってふーんそれでって感じだ。
さらに、スマートダストの話があった。これまでのものが固定のポイントからデータを集めるものだが、これはそのくらいの大きさなのかは分らなかったが環境にばらまくセンシングデバイス。米軍がイラクで使うと言っていたが、初めて聞く話なので、そういうことも可能だという話だったのかな。これは面白い技術だと思ったのだけど、2001年には既に発表があったようだ。
Wired Vision 2001年05月30日
光と温度を感知する超小型センサー『スマートダスト』CNET 2004年06月07日
スペシャルレポート:「スマートダスト」の普及で世界はどう変わるかCNET 2004年09月22日
初めての「スマートダスト」ネットワーク製品が発売にCNETのスペシャルレポートでは
スマートダストは、今後数年間でアスピリン錠や米粒程度のサイズにまで小型化すると見られており、そうなれば水道に流して汚染物質を検知したり、道路のアスファルトに埋め込んで交通パターンを監視することも可能となるだろう。こうした小型デバイスが建物や橋、工場、広場に大量に散らばって、人間がかつてないほど細かいレベルで世界を見ることができるようになる世の中を想像してみてほしい。
と書いている。水道に流せるまでにはならないと思うけど、食べ物には入れられるかもしれない。
各自動車からの情報を集約して渋滞を把握するのは行われている (例えば
ホンダのインターナビ)し、一方ロンドンには監視カメラがそこら中にある。だんだんこうやって見えないものが見えてくるようになるのだろう。
不安なことも書いたが、そこから得られるものも大きい。蟻塚の個々の蟻はは全体を把握していないが大きな構造を作ることができる。渡り鳥は自分の斜め前の鳥との位置関係だけを維持するようにして飛んでいるが、全体では編隊を構成する。我々人間も個々では知覚できなくても、皆で何かを作り上げることが出来て来るのだろう。
パネリストのセルカン氏がまとめの発言で
20世紀の科学は、宇宙に進出したり、暮しを豊かにしたり、大きな夢を抱かせるものだった。一方21世紀は温暖化、環境破壊など、未来に不安を抱かせるようなものと思われている。しかし僕はそうは思わない。
という主旨のことを言っていた。どちらになるのかは我々自身の選択になるのだと思う。