2004/11/06

命の軽重 (3) 香田君は自分で自分の命を軽視したのではないか

「命の軽重」3回目です。

命の軽重 (2) では、「自己責任」と「命の重さ」の関係に関して考えた。「自己責任=自分でリスクをとって行動を起こした場合、命はそれだけ軽くなるのか」という問いに対して私の提出した答えは、「否。死に値するだけの責任は存在しない。ただし命を救える確率が等しい訳ではない」である。

今日の問いは、
人が社会に提供する価値によって命の重さが変わるのか。
今日は先に答えを提出してしまおう。
原則 No.
「原則 No.」ってあいまいですね。外交官であれ、ボランティアであれ、ジャーナリストであれ、呑気な旅行者であれ、みんな同じ命。法の範囲内でできる最大限の努力を尽くそう。犯罪者だったら? 法治国家としては、法治国家であることを示すためにも、命を救って、裁判にかけて、それで罪をつぐなってもらう (判決によっては死刑ということもありうる)。要人または何かのシンボル的存在 (たとえば報道の自由の象徴など)だったら? 「法律の範囲の中で」を弾力的に解釈する必要があるかも。いわゆる超法規的措置というもの。(日本人にとって)「テロに屈しない」という価値観よりも守るべきものが大きければ、「テロに屈しない」が戒律であったとしてもそれを破らざるを得ないだろう。「人間の命の重さは同じ」というのはきれいごとにすぎない。「人間の命の重さ」の部分は同じだが、その上に付加価値が載っているというべきか。

さて、今日の表題「香田君は自分で自分の命を軽視したのではないか」に関して。「人が社会に提供する価値によって命の重さが変わるのか」は、ちょっと乱暴な言い換えになるかもしれないが、「人が社会に提供する価値によって人間の価値は決まるのか」ということだ。これは何人かのブロガーの皆さんが指摘されていることだが、香田君は自分を価値のない人間だと考えたのかもしれない。さらに、どうせ生きていても仕方がないと思ったのではないだろうか。推測の域を出ないのだが、そうでなければリスクを軽視した、というより無視した理由が思い付かないのだ。

[補足: あらためてブロガーの皆さんの意見を読むと、「みんな若い頃は無茶やるよね」という意見も多かったですね。それもそうかも、いやいや、いくらなんでも無茶を超えたレベルだろ、とも思う。]

香田君がイラクに旅立った理由に思いを馳せるみなさん
designcafe■さん:「自己責任って・・」
田口ランディのアメーバ的日常さん: 「魔法が消えていく」
何でも書き書きエッセイさん: 「脳足リン、餌食に」
Tomorrow's Wayさん: 「香田さんの死に。すべての、無力を思う。」
浮世風呂さん: 「「いのち」を思わずにいられない」
ぼちぼち行こうよさん: 「回り道の人生を」

ところで、命の軽重 (2)で「自己責任」と「命の重さ」の関係を、命の軽重 (3)で「提供する価値」と「命の重さ」の関係を、というように分けて意見を述べた。分けたのには理由があって、そうでないと信念が揺らいでしまうのだ。一緒にすると「忠告を聞かずイラクに入った呑気な旅行者」の命の重さは?となる。もっといえば、「忠告を聞かず、所持金100ドル程度しかもたず、短パンTシャツで、イラクに自分探しの旅に行った呑気な旅行者」だ。これでは、悪魔の囁きが聞こえないようにするのは難しい。

コメント
 Commented by ethnic at 2004-11-07 08:43 x
TB、コメントありがとうございました。正直言って命の重さは生活環境によって変わっていくものだろうと思います。生まれ育ったところ、社会的位置づけ、周辺事情等によるのではないかと思います。生き物という視点で見ると一つの事例ですが、子どもの数が多い国は貧しいし、子どもも病気や栄養不良でドンドン死んでいきます。だからこそ命が続くようたくさん産みます。子孫を残すための本能。こういうところでは命は客観的にも主観的にも軽く見られているし見ているのではないでしょうか。社会環境のなかでの命の重さは、固体としては生まれたときは同じでも変化していくのではないかと思います。本来的ではないかもしれませんが、貨幣価値で見ると、生命保険金も賠償金も環境、そして本人とのかかわりに対する命の価値代金みたいになってもいますし・・・・。難しいですね。(^_^.)

 Commented by yodaway2 at 2004-11-08 12:58 x
さまざまな議論に接しつつも、私にとって香田さんの死は、実は他人事に受け取れないところがあるのです。これがホンネです。命の重さ――について言えば、それは米軍の爆撃に巻き込まれて亡くなっているイラクの人々もいれば、日本では今回の地震で亡くなっている方もいると思います。それゆえ、本人の無謀さが原因となっている香田さんに同情や共感を抱くのは、当然にして疑義の生まれるところだと葉思います。しかし、それをわかっていても、自分の命を軽視した彼に、何か切なさのようなものを払拭できないのです。もう、人々から忘れ去られていくニュースになりつつあるのかもしれませんが、機会があれば、さらに自分でもまとめてみたいと考えています。

 Commented by yoshihiroueda at 2004-11-09 01:20 x
★ethnicさん、世界を見ると人種・民族で命の重さが違うのではないかと考えさせられる面はあります。その人種・民族自体が命を重く見ていないと思われる現象もあります。中国では一人っ子政策の結果男女比が116:100になっているということでしたね。
人種・民族による重さの違いに関しては新しい記事を書きましたが、他の国民が重み付けをするべきものではないと思います。

 Commented by yoshihiroueda at 2004-11-09 01:33 x
★yodaway2さん、彼にシンパシーを抱くのは、これまでの生き方に関する情報が伝わってきていることと(イラクの人や新潟の人たちは自動車ごと崩落に巻き込まれた母子の話等をのぞいて数としてしか伝わってきていない)、その生き方にシンパシーを感じているのだと思います。私は若い時の放浪や冒険にちょっぴり羨ましさを感じています。沢木耕太郎の「深夜特急」って読んでみたくなりました。

 Commented by design-life at 2004-11-11 05:59 x
縛りのある自己責任っていうのか、彼が自分の意志で・・とはいえ
危険を顧みなかったのは恐らく無知からきたものだと思うのです
よ、やっぱり。でも命の価値を軽視する風潮・・そういう意味で
言えばブッシュもイスラム過激派も同じなのですが、おのおのの
価値観で勝手に判断しているように見えますよね。日本政府に対し
て言いたいのは「日本の価値観」「法治国家としての日本の態度」
を明確に示して欲しい。同調するのではなくて。
その中で「国としてはここから先に踏み込んだら皆さんを守れませ
ん」みたいな国としての警告、命を守るための警告がなされれば
少なくても少しは無謀な人たちをくい止められるような気がしま
す。相手が自分たちと同じ生命の価値観を持っているとは限らな
い訳ですからね。残念な事ですが。。

 Commented by yoshihiroueda at 2004-11-11 21:51 x
★design-lifeさん、日本政府に言いたいこと、まさにおっしゃるとおりと思います。現在は同調というかいいなりですよね。
「警告」に関しては、なにかあったときに国として見捨てるよ、というのではなく、国としては最大限の努力をしても救えない場合もあるということを分かってもらうことでしょうか。コメントありがとうございました。

2004/11/04

命の軽重 (2) 自己責任は自分に対しての責任

「命の軽重」続きです。

前回の人質事件で「自己責任論」という概念が提示され、それが正しいものとして定着したかのようだった (今は違ってきている、と信じたい)。 それが受け入れられた背景には、人質の家族の対応に対する反発もあったように思う (これは「覚悟が足りない」で書きました)。香田さんのご両親のように、一番悲しいのは自分達であるのにも関わらず国民の皆さんに謝罪、感謝されている姿があれば違った世論になっていたと考えられる (そんな香田さんのご両親に対して批難の電話をする人も多いそうですが)。

だが、この「自己責任論」って定義された概念なのか。聞いている限りでは、
危険を顧みず、忠告も聞かず出かけたのだから、誰も助けない。また、誰にも助けを求めるな
というように言っているようだ。

ここのタイトルに「自己責任は自分に対しての責任」と書いた。これは、社会に対してまで責任を取れというべきでないといっている。忠告聞かなかったから、
・自分が面倒な状況に追い込まれる。
・恐いめにあう。
・苦しいめ、痛いめにあう。
これらで十分じゃないの? 助けてくれって言っているのに「そのまま死んでしまえ」と言えるほど悪いことをしたの? 国のお金や政府・役人の労力を使うのがそんなにもったいないの? 忠告聞かなかったらそれだけ命が軽くなっちゃうの? などと思う。

・甘い話にのって詐欺にあったら、警察は捜査して犯人を逮捕してくれるんじゃないの? 裁判所は懲役刑を宣告してくれるんじゃないの? お金はあまり戻ってこないかもしれないけど。
・警告を無視して川の中洲でバーベキューしていた人たちに対して、救助隊は罵声を浴びながらも救助しようとしたよね? 全員は助けられなかったけど。
・自殺しようとしているしている人も止めさせようとするよね? 飛び下りちゃったら命は助けることできないかもしれないけど。

もちろん、最善を尽くしても、全てが事件事故がおこらなかったのと同様にはならないかもしれない。国が国民の命や人権や財産を守るということは、あらゆる場合において保証することを意味している訳ではない。ましてや外国では制約も多い。上記3つの例で、「〜けど」とつけたのはそういうこと。そこは本人に自己責任として受けてもらうしかない。
思い出しました。これって、そふぃあさんの受け売りだった (「レベルは違うけど」2004年4月20日)。
「風邪ひいたって、お母さん知らないよ。
自分で薄着がいいって言ったんだからね」
.....
結局、うちの子は薄着で出かけた。
子供の、服を選ぶ自由の権利を
母は認めたのである。
一応、お母さんは知らないよ、とは言ったけどね
風邪ひいたら、しかたない。
看病するのが 親のつとめだもの ね。
ここでは「熱や咳が出て、苦しい」ってとこまでが自己責任ということになるだろうか。

コメント
 Commented by sofia_ss at 2004-11-05 11:41 x
trackbackありがとう^^
私は「自己責任論」というのは、まったく無意味でなんの解決にもならないものだと思っています。自分で最後まで責任とりなさいよ、といったところで本当にそれが実行できるものなのか、できないと最初から見えているのなら、それなりの方策をとるべきだと思っています。
「危険なところに行ったのだから、命をなくす結果になってもこちらは関知しない」というのであれば、勧告ではなくもっと強く姿勢を打ち出せばいい。でも、それは実際にはできないことです。「自己責任」という言葉は、人との関わりを一切断ち切る、方便でしかない。野次馬が使うならまだしも、政治家が使うべき言葉ではないし、それを言ったところで事態が動くのか、と問い詰めたい気持ちになります。
子供が風邪をひく可能性があるのなら、風邪薬を用意するとか、正しい天気予報を把握しておくとか、親の意向に沿わない子供への対処のしかたってもんがある、と思った次第です。

 Commented by yoshihiroueda at 2004-11-06 05:37 x
★そふぃあさん、ありがとうございます。自己責任論が方便だというのはまさしくそのとおりで、政府が批判を避けるために持ち出してきたと思っています。4月は我々国民がそれに乗せられちゃったのが悲しいですよね。今回はあまり大きな声では言われませんでしたが、まだその後遺症が残っているようです。命を軽視する風潮はなんとかしたいですね。

2004/11/03

命の軽重 (1) テロに屈しないということ

「命の軽重」で書きたかったことの一部だけまず書きます。

香田君の事件がおきて、小泉首相はすぐに「自衛隊は撤退しない。テロに屈することはできない」と発言した(毎日新聞 2004年10月27日)。テロに屈しないというのは世界の共通認識といえるだろう。自衛隊を撤退させないというのはこのタイミングでは正しい選択だ。

「ブッシュとケリー: 同じ穴のムジナ」で紹介している記事「大詰めの選択: 米大統領選の焦点/中 小泉首相、過度の“親ブッシュ”」 (毎日新聞 2004年11月2日)に以下のような記述がある。
「人命は地球より重い」と言ってダッカ・ハイジャック事件(77年)で超法規的措置に応じたのは当時の福田赳夫首相だ。その福田氏の書生をしていた小泉純一郎首相が、イラク武装勢力による「自衛隊の撤退要求」を即座にはねつけ、帰結として香田証生さんは無残な姿で発見された。 
この27年間で人の命が軽くなったわけではない。変わったのは、テロリストと取引してはならないという原則が、米同時多発テロ以降、各国の指導者にとっての戒律になったことだ。「テロに屈しない」は、テロとの戦いを最優先とするブッシュ米政権への政治的な同調宣言でもある。
ここでは、「テロリストと取引してはならないという原則が、米同時多発テロ以降、各国の指導者にとっての戒律になった」とあるが、ハイジャック事件の時点で「原則」というものではなくすでに「戒律」になっていたように思う。日本の決定が世界から大きな批判をうけ、はじめて私はそれが世界のルールであることを知った。その後、それで解放された日本赤軍のメンバーが国際テロリストになり犠牲者が多く出たこと、その後発生した事件では他国政府は人質に犠牲が出ても突入するという対応をとったことで、「テロに屈しない」ということが世界の常識であるということを再認識していったと思う。

しかし、「テロに屈しない」ということには2つの意味がある。
・取り引きをしない
・犠牲者が出てもテロリスト=犯罪者を逮捕する (場合によってはその場で射殺する)。

今回、小泉首相は「取り引きをしない」という点では正しい対応をとったといえる。身代金の交渉があったということだが、それは相手の要求が自衛隊撤退ということであれば代案を出したことであって納得のいく対応と言って良いと思う。

だが、香田君の殺害という犯罪に対しての対応はどうか。最悪の結末を迎えたみたいな言われ方をしているが、これでこの事件は終わったと認識してはいまいか。テロと戦う決意を示すと言うならば、犯人の居所をつきとめ犯人を拘束するということまでやってはじめてテロと戦ったといえる。

このためには、イラク政府と協力して行わなければならない。イラク政府が許すならば日本から特殊部隊を投入してもよい (現段階では外国での行動までは法整備と訓練ができてないと思いますのでこれは理想論)。これはアフガン戦争の手法=そこに住む民間人の犠牲を厭わないということをいっている訳ではない。あくまでも犯罪として扱うということだ。

自衛隊の撤退に関しては「覚悟が足りない」で述べたが、別の文脈で行うべきであろう。自衛隊は米軍の支援に行っている訳ではなく、イラクの復興支援に行っているのだから、
・まだ戦争は終わっていないという現実を再確認する
・アメリカの意志でなくイラク政府の求めに応じて行う
・求められる支援を行う (雇用や景気回復が求めていることならば自衛隊でなく民間の力をつかって行う)
ことが必要になる。これらから得られる帰結は、「現段階ではひとまず撤退」ということになる。

これ以上に自衛隊の撤退の意味で重要なことは、「イラク戦争は間違っていたことが分かった」ということだ(もともとそうだったと思うのですが現在言うべきこととして)。これはただの侵略戦争であることが明らかになった。我々は侵略者に与しないというメッセージを発する。

ぶち総研さんの「社説比較。武器輸出三原則見直しへの反応」へのコメントで私は
組んでいる相手が尊敬される存在ならば良いのですが、ギャング団だとしたらその一味とみなされる訳で、直接攻撃を受ける可能性は低くなるかもしれませんが、テロを受ける可能性は格段に大きくなるでしょう。今はまだ発生していませんが、テロによる揺さぶりの効果を考えると、打たれ弱そうな (戦力ではなく覚悟ができていないという意味です) 日本が狙われる可能性は、米国本土よりも高いのではないかと思います。
と書いた。この点は、愛のまぜご飯さんの主張(「妄想」)、冬瓜茶さんの主張(「理解ができれば許せるというものでもあるまい」)と同じと思う。

これで議論が進めば、香田君の死は無駄にならず、ヒーローになりえるのではないか。派兵の意味がこれまで十分に議論されていないといことがなさけないことなのだが。

ただ、小泉首相には「これまで間違っていました」と自らいう勇気はないだろうな。

コメント
 Commented by n_ayada at 2004-11-03 23:58 x
はじめまして、ちょくちょく読ませていただいています。
こんなに冷静で、論理的な文章に感心し、尊敬してしまいます。私なぞ未熟者で、つい感情的に走ってしまうもので。日々反省。
これからも、よろしくお願いします。

ブルース・ブラザーズ、私も大好きです。

 Commented by yoshihiroueda at 2004-11-04 22:16 x
★n_ayadaさん、はじめまして。ブログは、自分の考えを書き留めておきたいということと、人にメッセージを伝える訓練ともとらえていて、論理的だと評価していただいて素直にうれしいです。ただ、もう少し短くまとめたいとも思うこのごろ。「食べる・聴く」拝見しましたが、多彩なジャンルがカバーされていて、それぞれの紹介文で聴いたことのない音楽も聴きたくなりました。こちらこそよろしくお願いします。

2004/11/01

命の軽重

今回の人質事件では、香田君が亡くなったことが判明してから「命の重さ」に関して議論されるようになったと思います。それはそれで良いことだと思いますし、私も命に軽重はないというのは根っこの部分では分かるのですが、ちょっと違和感が残ります。

日本は、アフガニスタン、イラクへの戦争を支持していますが、多くの無辜の人が死んでいくことになることは事前に分かっていましたが、それらの人の命の重さは量られたでしょうか。北朝鮮への制裁でも同様です。

すみません、偽善にみえることは分かっています。ちょっと今日はこれ以上まとめられません。もう少し考えがまとめられたらトラックバック等おこないたいと思います。

2004.11.3追記: 考えたいことは現段階では以下のようなものがあります。
● 命の軽重 (1) テロに屈しないということ
● 命の軽重 (2) 自己責任は自分に対しての責任
● 命の軽重 (3) 香田君は自分で自分の命を軽視したのではないか
● 命の軽重 (4) 人種・民族で重さが違うのか

ブッシュとケリー: 同じ穴のムジナ

こんばんは、ラルフ・ネーダーです (ウソ)。米国大統領選挙は11月2日だそうですね。それまでにこの宿題を片付けないと。

マイケル・ムーアの活動などで、ブッシュよりケリーのほうが世界は平和になると思われているようで、ケリー支持が多いようですね。ニューヨーク・タイムズ紙、ワシントンポスト紙ともにケリー氏を支持しています (毎日新聞 2004年10月18日, 毎日新聞 2004年10月25日)。一方、分析としては、ブッシュやや優勢、どっちに転ぶか分からないという情勢みたいです。

ところで、私はこれまで何回かブッシュとケリーは、同じ穴のムジナではないかと書いてきました。

毎日新聞 2004年7月30日
米大統領選: ケリー氏、同盟国と関係再構築 米民主党の指名受諾演説で表明
ケリー氏は「国民を誤って戦争に導かない米軍最高司令官になる」と宣言。「米国はそうしたいからという理由では戦争をせず、しなければならない時だけ戦争をする伝統を取り戻す」と述べ、ブッシュ政権がイラクの大量破壊兵器疑惑を誇張して開戦の根拠にしたとの認識に立ち、こうしたやり方を非難した。
そのうえで「同盟国を米国側に引き寄せる信頼性を有し、負担を共有させ、米国の納税者コストを減らし、米兵の危険を減らす大統領が必要だ。それが任務を終わらせ、米兵を帰還させる正しい道だ」と述べ、米国がイラクの混迷から抜け出すためにも、国際協調態勢が不可欠と訴えた。
一方、「必要とされる時には武力行使をちゅうちょしない。どんな国や国際機関にも米国の安全保障への拒否権を与えない」と、米国の安全が脅かされる事態には、先制攻撃や単独での武力行使を排除しない考えを示した。また米軍の4万人増員などを主張し、対テロ戦争での勝利を誓った。
「9.11」 (うえぶろぐ 2004.9.11)
ブッシュの代わりはケリーです。同じ穴のムジナです。「戦争をしたいからするのではなく、必要だからする」って、2つの間に違いはありません。
「必要だから」というのはイラク戦争だって同様の理屈が与えられます。先制攻撃や単独での武力行使を排除しないと言うのは、必要に迫られてでも無く、他国がどういおうとアメリカにとって必要ならば戦争するという意味です。

さらに危険なことは、ヨーロッパではそれを恐れていますが、「負担を共有させ、米国の納税者コストを減らし、米兵の危険を減らす」という点。方法が「負担を共有させ」ることですから、同盟国(もちろん日本を含む)のコスト、危険は増えることを意味します。

また、
毎日新聞10月10日
米大統領選: 第2回テレビ討論 ケリー氏、京都議定書の欠陥修正に前向き
民主党候補のケリー上院議員は、ブッシュ政権が離脱した地球温暖化防止のための京都議定書の欠陥を修正することに前向きな考えを示した。
「米国大統領選イメージ戦略」(にぶろぐ 2004.10.11)
さて結果はどうなるのでしょうか。ケリーは京都議定書への取り組みでも積極的なところを見せているようですが、「修正」を口にしており(毎日新聞10月10日)、やっぱり同じ穴のむじなという印象が抜けません。
「欠陥」はアメリカにとっての欠陥です。現在のようにエネルギー使い放題ができなくなるということです(まあ少しは減らしても良いとは思っているのかな)。欠陥を修正したらこの状態にお墨付きを与えることになります。まだ孤立している状態にさせておく方がましでしょう。

結局どちらをとってもアメリカはアメリカ中心主義(帝国主義といういわれかたもしますが)反省しないということです。

ちょうど以下のような記事がでました。

毎日新聞 2004年11月1日
大詰めの選択: 米大統領選の焦点/上 「テロ生む土壌」議論なく (「下」が出たらリンクを追加します)
結局、ブッシュ、ケリー激戦の構図は、単独行動主義と国際協調路線が米国世論を二分していることを意味しない。どちらが当選しても、国際社会への思いやりに欠ける超大国の国益優先姿勢が続くのではないか。そんな懸念が募る。
私の懸念も同様です。ケリーだと違ったことをやりたくなって、次はイランが危ないのではないか、むしろブッシュのままでいてくれたほうが、犠牲があまり拡大しなくてよいかとも思っています。

追記: 「米大統領選の焦点」 シリーズその後
大詰めの選択: 米大統領選の焦点/中 小泉首相、過度の“親ブッシュ” (毎日新聞 2004年11月2日)
「同じ穴のムジナ」ではなく、ケリーが通った場合の日本への影響の懸念でした。
大詰めの選択: 米大統領選の焦点/下 再び増大「双子の赤字」(毎日新聞 2004年11月3日)
「双子の赤字」(にぶろぐ 2004.10.15)に対してどちらも有効な施策がないと言う意味では同じ穴のムジナでしょうか。

コメント
Commented by jinsei1 at 2004-11-01 21:09 x
我利我利が、ますます我利我利亡者になっては欲しくないものですが、末法の世のその儘を、どう楽土に構築出来ますやら---。日くれて道遥かに遠く。

 Commented by yoshihiroueda at 2004-11-01 21:19 x
★jinsei1さん、さっそくのコメントありがとうございます。合衆国の選挙権ないのもどかしいですね。選挙権くれるのならアメリカのひとつの州になるのもいいかも。アメリカ国民の1/3を日本人がしめたら大きなパワーになると思います。

 Commented by jinsei1 at 2004-11-02 06:52 x
なるほど■の懐に入り込む!なるほどなるほど---。
で、国語が英語???

 Commented by yoshihiroueda at 2004-11-02 08:29 x
今でもアメリカにはスペイン語しか話せない人がいます。州全体で公用語日本語にしちゃう。あとイラクもイスラエルも全世界をアメリカの州にして選挙権を与え、パックスアメリカーナを実現する... ってすみません、また妄想が...

2004/10/30

不敬の輩 Part 2

こんばんは、不敬の輩と指摘された石原慎太郎です(ウソ)。でもこちらの彼のほうが狡猾さの度合いが一枚上手ですね。私が選んだだけのことはある。

国旗・国歌「強制でないのが望ましい」天皇陛下が園遊会で (朝日新聞 10月28日)

当初のシナリオ:

新潟中越地震被災地自治体関係者: 「被害は甚大ですが全力をあげて復興に努めます」
天皇陛下: 「大変ですね。寒くなりますから頑張って下さい」
某選手: 「皆様のお陰で、オリンピック3大会連続で金メダルが取れました」
天皇陛下: 「努力の賜物ですね。今後も頑張って下さい」
米長邦雄: 「日本中の学校で国旗を掲げ、国歌を斉唱させることが私の仕事でございます」
天皇陛下: 「大事なことですね。今後も頑張って下さい」
米長邦雄: 「うっしゃー。お墨付きGET!

のはずだったんですが、そうなりませんでした。

天皇陛下: 「やはり、強制になるということでないことが望ましい」

なんと的確なお言葉でしょう。「不敬の輩」で書いた通り、自分の影響力と責任を誰よりも強く認識され、言葉、行動を選ばれておられます。

night_in_tunisiaさんは、「天皇がこういう政治的に問題になっていることについて発言するのは異例のこと。」と書かれていますが、ほかにどういう答えが考えられるでしょうか。私だったら、「おまい、私を利用しようとしてるでしょ」と小1時間問いつめてしまいそうです。

米長邦雄さん、あなたは「東京都教育委員」として園遊会に呼ばれたの? 将棋の世界の重鎮として呼ばれたんじゃないの?
東京都教育委員の仕事って、「学校で国旗を掲げ、国歌を斉唱させること」なの?
それも「日本中の学校」に対して?

瀬戸智子さんは「本当に素晴らしいお言葉」の中でこう書かれています。
それにしても、
有り難いお言葉を頂戴した米長邦雄さん。
今後どうするかなぁ???
目が離せません。
「もちろんそれはそうです」って答えたんですよねえ。

さて、国旗・国歌問題。私もnight_in_tunisiaさん
国旗掲揚・国歌斉唱なんてのを強制しなければならない不幸がこの国にはあるんだが、本当にかなしいこと。そんなの自発的にやるものなはずなんだけどね。
と書かれていることに同意します。そのためには、本当に自発的に国旗掲揚・国歌斉唱できる国旗・国歌である必要があると思うのです。

上記朝日新聞の記事にある関連記事
〈若宮啓文「風考計」〉君が代と皇室 千代に八千代に続くには
には、そういう動きがあったことを伝えています。
読売新聞は社説で「われわれは、この新生日本にふさわしい新しい国歌を要望している」「歌わされるものでなく、歌いたくなるものが作られなければならない」と書いた(1948年1月25日)。
若宮啓文さんの記事には、1999年に国旗・国歌法ができたころ、新しい国歌をつくろうという動きもあったことを伝えています。私も国旗はこれでよいと思いますが、国歌は変えたい。それが、「バックログ」で宿題としていた
「民が代」を国歌に
です。これだけで主張の全容がおわかりですね。国民主権の永続を願う歌です。
というわけでこれで宿題一丁上がりとします。

ところで、以前、
君が代の「君」は、あなたがた国民で、
これは国民主権の永続をうたったものだ
と学校で習ったという人がいました。こう習った人は多いのでしょうか。先生が私達のために歌ってくれる分にはいいのですが、自分達が歌うのに二人称になっているのおかしいですよねえ。みんなが向いている方向におわす誰かにむけて歌っているのですよね。

追記1 (2004.10.31):
不敬の輩1号が「都教委がやっていることは強制ではない。国が決めたこを公務員として、義務として行うかどうかの問題だ」と話しています(毎日新聞 2004年10月29日)。テレビで見ましたが、苦々しげでしたね。2号の作戦が失敗したことが残念だったのでしょうか。それとも、天皇は黙って利用されていればいいのにと思っているのでしょうか。

追記2 (2004.10.31):
night_in_tunisiaさんが「天皇発言問題 その後」で、関連するブログに左派な考え方が多いとした上で、「その左派な人たちがこぞって天皇の権威を笠に着ているのがおかしかったが、右派に対する皮肉でもあるのだろう。」と書かれています。左派/右派の分け方はともかくとして、私もその点が気になりました。天皇がこう発言されているからという論旨は、こちらも天皇を利用しようという姿勢であって避けるべきだと考えます。night_in_tunisiaさんの「天皇はうまくかわしてほしい」という意見は同意します。今まで良く抑えてこられたと思っています(「不敬の輩」参照)。ただ「昭和天皇ならうまくかわしただろう。」と書かれているのに対しては、私には今回の今上天皇の発言以上のかわし方を想像できないので、そうかもしれないしそうでないかもしれないとしか言いようがありません。

追加トラックバック
ば○こう○ちの納得いかないコーナーさん: 「米長元名人、差し手を過つ」
-- 私の記事では米長氏を狡猾な人物として位置づけていますが、ここではマヌケな人物像が描かれていておもしろいぞ。国旗掲揚や国歌斉唱に関するスタンスは私と同じです。
スウィンバーン症候群さん: 「米長東京都教育委員の不敬な行為」
-- 私と同様に米長氏の不敬な行為を問題視しています。
冬瓜茶をどうぞさん: 「象徴」
-- 発言が政治的なものにならないように気を使われていることに対する感銘が述べられています。

2004/10/28

覚悟が足りない

この件に関しては自分の中でいろいろな想いがからみあう。まとまった文章にならず、また、ひとつひとつの文も皮肉っぽい表現だったり反語だったりして読みにくいと思います。申し訳ありません。

「またか」入国なぜ 日本人人質 (産経新聞 2004年10月27日)
イラク邦人人質:「なぜこの時期に…」 (毎日新聞 2004年10月28日)

4月の人質事件では「自己責任論」というのがあった。ビリヤード&サッカー&ニュースコラムさんが「日本人拘束事件 再発」で書かれているように、最初人質の家族の対応に対する反発もあって、人質になった皆さんへの批難も多かった。その後この「自己責任論」は、政府の責任逃れであって、我々がまんまとそれに乗ってしまったという反省がなされるようになってきたと思う。それがぶち壊しになることを怖れる。

Tomorrow's Wayさんが「イラク日本人拘束、アルジャジーラが伝える。」で述べているように、政府は全力を尽くしているように思える。「撤退こそが最善の策」という声もあがるだろうが、テロに屈する姿勢を見せるわけにはいかない (イラク人によるアメリカへの攻撃はレジスタンスと言うべきと思いますが、民間人を人質に取るのはテロ)。私も本音では撤退すべきと思うが別のタイミングで行う必要があるだろう (後述)。

政府はイラクには入らないように呼びかけているが、呼びかけ方が間違っているのではないか。ただ危険だから入るなではなく、日本はアメリカの同盟国であり、最大の支援国のひとつであり、イラク武装組織の敵なのだということを伝えなければならない。国民に対して参戦する (自衛隊が交戦するという意味ではない) 覚悟を求めていない。だから香田君も観光気分で敵対国に入っちゃうのだ。覚悟を求めなかったつけが今回ってきているのだ。

この件で、参戦の覚悟が認識されるようになったら、香田君は身を賭してそれを国民に知らしめたことになり、ヒーローだね (助かったとしても)。だからヒーローらしく毅然としろ。

さて、その後で議論が必要だ。我々は参戦の覚悟があるのか、と。私には (この戦争では) その覚悟はない。あの国の子分になる意志もない。宗教的な寛容さを持っている我々が中東の和平には貢献できるポテンシャルを持っているはずだが、それを捨てたくない。
撤退しよう。我々は間違っていましたと言うんだ。テロとの戦いという言葉に騙されました。復興支援をしてきたつもりでしたが、イラクの人々に望まれてもいないようです (愛のまぜご飯さん「嗚呼、自衛隊」)。

10/29追記 (コメントに書いたことですが、私の心の中の悪魔の囁きは聞こえないようにして書きます):
こんな彼でも (っていっちゃいけないとは思いますが)、助かってもらいたいと思います。命は何ものにも換えられないというメッセージを、政府が行動で伝えてもらいたいと思います。

追加トラックバック
ぷち総研さん: 「クールな世論の覚悟を問う——邦人人質事件」
-- 国民の覚悟に関して書かれています。

コメント
 Commented by yodaway2 at 2004-10-28 08:39 x
女優の岸恵子さんが「やはりイラクに自衛隊は行くべきでなかった」と述懐してしている文章を読みました。かなり前ですが。彼女は国連人口基金大使をしていますし、日本エッセイスト大賞も受賞していて、かなり幅広い活動をしている方です。5年位前に、あることでごいっしょし、それから彼女の言動が気になっていました。それで「やはり……」にひっかかってきています。私も「やはり」――の気持ちなのですが、今は撤退の時期ではないとも考えます。その「今は撤退の時期では……」については、ちょうど同じような言い方を加藤紘一氏がしています。「撤退すれば、国際政治の枠組みを日本が変えてしまうことになる」と。これもかなり前の発言ではあるのですが。みんな迷い、苦しんでいる……、これが今の、この国の姿であるのかもしれません。香田さんは無辜の一旅行者ですし、かくなるうえは救出されるよう祈るばかりですが、彼の行動についても残念に思わざるを得ません。

 Commented by ssnostalgia at 2004-10-28 12:45 x
日本人の男性が捕虜になったことを知りました。危険なエリアに向かった個人の判断と国際社会に生きる日本という国の対応が語られるようですね。中途半端な国際貢献は中途半端な結果しかもたらさないと感じるのが、僕の感想です。人命は尊い、これも付け加えたいです。

 Commented by yoshihiroueda at 2004-10-28 21:40 x
★yodaway2さん、ssnostalgiaさん、コメントありがとうございます。こんな彼でも (っていっちゃいけないとは思いますが)、助かってもらいたいと思います。命は何ものにも換えられないというメッセージを、政府が行動で伝えてもらいたいと思います。

 Commented by priestk at 2004-10-30 02:24 x
政府としては、戦争や占領ではなく、復興支援の為に自衛隊を派兵していると説明している以上、「国民の皆さん、参戦の覚悟を!」なんて口が裂けても言えないのではないですか。この政府にしてこの国民あり。と言ったら言いすぎでしょうか。

 Commented by yoshihiroueda at 2004-10-30 03:44 x
★priestkさん、ちょっと私の論点が整理されていませんでした。参戦は、アメリカのイラク攻撃 (本当は「侵略」なんですが) を支持・支援した段階で始まっています。自衛隊の派遣は復興支援という位置付けで良いと思いますが、まだ戦争は終わっていないので撤退すべきと考えています。戦争が終わってイラクの人から請われた段階で初めていけば良いと思うのです。

2004/10/26

被災地に求められるもの

追記(10/27): 私の記事の主旨は「想像しよう」でしたが、もっと良いことは「ニーズを聞こう」です。ちゃんと新聞に出てましたね。
被災地のためにできることは? (毎日新聞 2004年10月25日)
新潟中越地震: 救援物資を送るとき ニーズ把握して (毎日新聞 2004年10月26日)
常に最新情報になっているここを見た方が良いです(多くの人で情報を寄せあって編集するようなんですが破綻しないのかな)。:
新潟中越地震 被災者救援本部@2ch Wiki


政府の対応を批判する声もあるようですが、これまでに比べて早いように思えます。食糧や水、毛布等足りないようですね。政府よりも自治体の備えが足りなかった、というよりは備えをしていなかったのではないかと疑っています。先の記事「新潟地震」で「全国的にも地震の備えは重要視されるようになってきたと思います」と書きましたが、教訓が生かされていなかったのかも、と思います。

皆さんそれぞれ情報源を整理されていますので、私からはリンクを示すのみでとどめます。
愛のまぜご飯さん新潟県中越地震 関連サイト
kitajan.netさん新潟県中越地震 関連リンク集

さて、先の記事で、「古着はいらないのではないか」と書きましたが、昔北海道かの地震のとき、古着の扱いに困ったという話を聞いたことがあるからです (検索してみつけました)。善意なので捨てるに捨てられないということもあるようです。また、仕分けにも労力がかかるようで、まとめて送るとか、何が入っているか分かるようにすることが求められています (新潟県中越地震災害義援物資の受け付け)。

災害というと、かわいそうな人達に善意で物を送っているのだから、有り難いと思うべきだという意識があるのかもしれません。被災者もこれまで同じ生活をしてきた日本人です。3日くらいしたら温かいお風呂に入りたいとか、ビール飲みたいと思って当然です (まだその前に温かい食事や毛布等、生存に必要なものが求められている段階のようですが)。そのような望みを贅沢だといえるでしょうか。 

阪神大震災の時、田中康夫現長野県知事は、バイクで女性用の下着だったか生理用品だったかを配って回っていました。自治体で対応が忘れられがちな本当に必要なものを送るということが意識されていたのだと思います。

どこかの施設でお金が足りないため、子供たちが広告の裏に絵を描いているというのを知った人が、かわいそうといって裏が印刷されていない広告をたくさん送ってくれたことがあったと聞いたことがあります。きっとよいことをしたと思っているのでしょうね。子供達が本当はなにが必要なのかを想像することが必要だと思います。

とはいえ、想像力には限界がありますので、求められているのが何かを被災地の自治体、ボランティア団体に直接聞くのがよいでしょう。

追記(10/26): トラックバックしていただいてもいますが、KOBECCOさんから阪神淡路大震災の被災者としての経験から、「被災地に求められるもの」の情報が提供されています。また、反米嫌日戦線 LIVE and LET DIEさんからはこれは我々日本人が忘れがちな在日外国人の被災者の問題が提起されています。

トラックバック追加しました。
言ノ葉の泉。さん: 「TVというものは・・・

2004/10/24

新潟地震

昨日の地震、私の住んでいるところでは震度2で気付かない人もいる程度だったのですが、震度6強というのは阪神淡路大震災に次ぐくらいのレベルだったのですね。

新潟地震:中越中心に震度6強 死亡、行方不明が各10人(毎日新聞 2004年10月23日)
テレビの情報だと現在死亡者16名ということでした。だんだん被害の大きさが分かってきています。なくなられた方々のご冥福をおいのりするとともに、2次災害で被災されないことを期待したいと思います。

関東地方ではかなり地震に対する備えが認識されるようになってきました。非常用の食糧などだけでなく、安否確認や帰宅の方法なども身に付けておくことが求められています。新潟はどうだったのでしょうか。阪神淡路大震災までは関西には地震はないと信じられていましたが、その後地震はどこでも起こりうることが分かって、全国的にも地震の備えは重要視されるようになってきたと思います。火事等は起こっていないようですので、効果が現れているのかもしれません。

被災者支援の活動に対しては、自分としては義援金を出すくらいしか貢献できずもどかしいです。よく古着を送ったりする人がいるようですが、被災者も同じ日本人なのでもらってもうれしくないだろうと想像してみることは必要だと思います。

2004/10/23

この実なんの実

こんにちは。ドリアン助川です(ウソ)。
娘がこんな実を拾ってきました。なんの実でしょうか。クイズじゃありません。本当に知らないので、情報提供をお願いします。

大きい方で6cmくらいです。
かたい。
ちょっとくさい、って家族はいうのですが近付いて嗅がないと分からない。

カニ食べたかった...

cosicosi3さんの夜食にトラックバックしています。

温泉カニ旅行、台風のせいで、山の中の露天風呂に予定変更になったそうで、温泉はよいのですが、カニは残念ですね。まあ、松茸もいいですけど。

さて、私が大学のころの話をしたいと思います (投稿日時をその日に設定しようと思ったのですが、2001年からしか設定できないのですね。年は下2桁分しかデータ領域をとっていないらしい)。

3月に自転車で京都から山陰を通って長崎まで帰る計画を立てました。京都でちょっと寄り道して銀行へ行って十分お金を下ろして行けば良かったのですが、途中で下ろせば良いとたかをくくって、所持金15000円くらいでそのまま出発してしまいました。

甘かった。今の太陽神戸三井住友銀行なんて合併で大きくなったところはなかったし、銀行間のネットワークもなかった。どうも鳥取まで行かないとないらしい。鳥取までは途中2泊はしないといけません。でもまあ民宿もビジネスホテルも4000円くらいなのでなんとかなるでしょう。ビールを飲んだりしても大丈夫。

最初の宿泊地は舞鶴。ここではビジネスホテルに泊まりました。で、次の宿泊地は竹野町あたりかな。ちゃんとした旅館も多いものの、民宿もあるので安くすませられるはず。で、宿を決めるのに観光協会へ電話したところ、冬のこの時期、民宿は全て「カニ民宿」になっていて、普通一泊2食付き6500円。今考えるとめちゃくちゃ安いですが、それも払えないくらいになっていました。観光協会にお願いして、普通の食事を出してくれるところを探してもらう。ありましたー。よかった。

よかったーとはいったものの、民宿では、ほんとにカニはいらないのかと念を押されるし、普通の食事 (ビールくらいはなんとか追加できた) をしていると、ほかのカニすきを囲んだお客さんも聞いてくる。うーん、でも背に腹は代えられないのだ。それでも、ゆでたカニの足やサザエやお刺身等いつもより十分立派な食事なんですけどね。

うーん、お金を下ろしたらなんかうまいものを食うべ、と鳥取を目指す (キャッシュカードコーナーがあいている時間につく必要があるのだ)。目的とする国民宿舎のそばをとおり、鳥取市街地にはいる。お金をおろして国民宿舎につくと、ありましたー、追加メニューでカニすきが。なんでももってこい、金ならあるんだってんで、注文しましたよー (1500円だったのですが)。でも昨日隣で食べてたおじさんたちのほうがおいしそうだったぞ。きのせい? 一人で鍋なんか食べるとそうなっちゃうの?

以上、宿題のひとつ、カニにまつわる悲しいお話でした。

この実なんの実

こんにちは。ドリアン助川です(ウソ)。

娘がこんな実を拾ってきました。なんの実でしょうか。クイズじゃありません。本当に知らないので、情報提供をお願いします。


大きい方で6cmくらいです。
かたい。
ちょっとくさい、って家族はいうのですが近付いて嗅がないと分からない。

コメント
 Commented by jinsei1 at 2004-10-23 22:34 x
幸い、明日は日曜日、お嬢さんに現場案内願って、葉っぱや幹を写真に撮られて、追加掲示なさったら如何でしょう。その方がより正確に見立ててもらえるかと。
トゲトゲのある実の中には有毒のものもある様ですので、(多分実の身を守る為に)お気をつけ下さい。
これはお尋ね物ではありませんが「オオオナモミ」これは有毒で、中毒症状は摂取後数時間で現れます.歩様蹌踉,沈鬱,筋収縮,痙攣,横臥,呼吸および心拍数増加し,重症例では12-24時間で死に至ります.とあります。  http://qrl.jp/?u=126232

 Commented by yoshihiroueda at 2004-10-25 05:13 x
★jinsei1さん、アドバイスありがとうございました。残念ながら現場へは行けませんでした。「オオオナモミ」って服について種を広げるやつですよね。こういうのを一般になんというのか知りませんが、うちの近辺では「どろぼう」と呼んでいます (最初引っ越してきたときびっくりしました)。

 Commented by jinsei1 at 2004-10-31 09:16 x
uedaさん、おはようございます。
ロゴのお写真、このお嬢さん?キリッとして利発聡明と言うお顔ですね。(前々から気になっていました)
話変わりますが、香田証生君。気の毒ですが、絶望の様ですね。

 Commented by yoshihiroueda at 2004-11-01 00:00 x
★jinsei1さん、ロゴの写真は。「バックログ」のコメントでのんちゃんへの答えに書きましたが、私です。「利発聡明」っててれるなー。
香田君の命に関しては、助かってほしかった思いと助けようがなかったという思いとで複雑です。
トラックバックは、この記事より「覚悟が足りない」にしていただければよかったと思います。それとも「実」つながりでしょうか。

 Commented by jinsei1 at 2004-11-01 13:49 x
次世代に暮らしやすい世界を残すため---とありましたのでお嬢さんとばかり思っていました。
そうです「実」です。香田君の死が、無駄死にでなく願わくば「平和を生むもう一つの実」になって欲しいとの祈りを込めて---。

 Commented by jinsei1 at 2004-11-22 21:47 x
これじゃなかろうかと思い、トラバに来て、違っているのがわかりました。(まぁ、木に掛けていたのだと、どうぞご容赦。者の形の記憶の曖昧さ思い知らされました。それだけっ、て言われそ~)

 Commented by yoshihiroueda at 2004-11-23 00:42 x
★jinsei1さん、わざわざご連絡頂きありがとうございました。以前検索してみてこれかもと思ったものがあったんですが、そのとき何を検索キーワードにしたかも忘れてしまいました。言葉にしないと検索できないのはちょっと困りものですね。

南野陽子の「楽園のDoor」

こんばんは。花村紅緒です (ウソ)。

こんな歌ご存知? ちょっと引用というには長過ぎるけど、一部歌詞を紹介します。
「楽園のDoor」 作詞: 小倉めぐみ、作曲: 来住たかお

陽だまりの 窓辺から
凍える町並 見下ろすの
寂しさも 憎しみも
ガラスの向こうの物語
そうね 世界中が 他人事なら
傷つかずに 過ごせるけど
心ごと 生きてゆきたくて
楽園のドアから ... ひとり
冷ややかな 階段を
ざわめきの海へ 降りてゆく
あこがれと 哀しみが
ぶつかって もつれる街角
:
新しい靴は少し ぎこちなくて
かすかな痛み ひきずるけど
一歩ずつ 履き慣らしてくわ
あなたに 近くなるために
何も苦労しなくても不自由のない生活、でもそれでは満足できない。この世で生きている実感がほしい。あなたと同じように社会の一員として、社会に貢献していきたい。最初は苦労するだろうけど、それを受け入れる覚悟が私にはある。だから待ってて。見守っていてください。

そんな覚悟、矜持、希望を歌った歌と理解しています。

最初は苦労するでしょう。
でも努力して勉強していきたい。
暖かく見守って下さい。

「寝ずに勉強します」 南野法相、国会答弁で反省の弁(朝日新聞 2004年10月22日)
首相は「初めての大臣だし、質問者は思いやり、いたわりの気持ちを持ったほうがいい」と語った(朝日新聞 2004年10月22日)

そう、あたたかく見守って ... 待ってられるか!!

No! No! このご時世に何年まてというんじゃい。
先に勉強してから大臣になりなさい。その能力がつくまで待ってやるから。
小泉さん、どういう了見? 毎日新聞が指摘するように郵政民営化以外はどうでもよいのか、女性閣僚の数だけそろえば良いのか (それだったらもっと若くて... いかんいかん、脱線しちゃう)、それとも瀬戸さんの指摘のように政治資金問題の追求が出来そうにない人を選んだのか。
ほかの閣僚もどういう意図で選んだの? いきなり反乱を起こされているようですが。

参照リンク
あっぱれ小泉さん (瀬戸智子さん)
何の何の、のおの と。(jinsei1さん)
社説: 法相発言 あまりにもお粗末すぎる (毎日新聞 2004年10月22日)

えーと、ナンノ話題でしたっけ? ああ、楽天のLive Doorでしたね。


2004/10/20

元祖スパム

こんばんは、モンティパイソンです (ウソ)。

Wired Newsにこんな記事が...
2004年10月15日本家『スパム』博物館??迷惑メールと肉の缶詰の関係(上) (下)も出ています。

SPAMメールではなく、缶詰の食品のほうの会社ホーメル社の話です (会社名は初めて知りました)。ここには書いてありませんが、缶詰のSPAMはSpiced Hamの略らしいです。迷惑メールの語源は諸説あってよく分からない (追記: (下)のほうには断定した形で書いてありますね)。

やっぱり気になるのは、迷惑メールが『スパム』と呼ばれることをどう思うかということ。
・最初は困惑した。
・社内で何度も論議した
・静観するのが得策だとの判断に至った
(その理由は「人々は優れた缶詰肉と邪悪な電子メールの区別はつくし、2つを混同しないだろうと考えた」)

大人の対応ですね。ただ「迷惑メールの呼び名には小文字の『spam』を使ってほしい ... すべて大文字の『SPAM』は当社の製品の名称だ」ってところはかわいい (すみません、私全て大文字を使っていました)。

ところで、沖縄にはスパムおにぎりってあると聞いたことがあります。おいしいのかな。イメージするとおいしそうには思えないのですが、食べてみたい気もする。長崎でもバスの中から一瞬看板が見えたような気がしましたが、わざわざバスを降りてまで確かめに行く気がしませんでした。

Wired Newsにはいろいろ変な記事があって楽しめますね。2004年10月13日の「オタクも楽しめる巨大ショッピングモール『MOA』」も、さすがアメリカと感心させられます。特に、体が鮮やかな蛍光色を発する遺伝子組み換え熱帯魚のいる水族館って...

2004/10/17

テキストベース非リアルタイムコミュニケーション

ハリーさんのメール派にトラックバックしています(間違えた。往復書簡4のほうにトラックバック送ってた)。ここで宿題のひとつ「ネットのテキストベースコミュニケーションについて考える」を片付けたいと思います。

ハリーさんと同様、私もメール派です。電話は苦手だと言ってもいい。異常に緊張する。比較の問題ではなくメールがなかったときからそう。

「音声 VS テキスト」と「リアルタイムVS非リアルタイム」の2つの対比軸がありますが、やはり後者が主な理由ですね。考えをまとめられる。見直せる (じゃあ漢字変換間違えたままにするなよってつっこみが)。

さてここからが宿題。この宿題の契機も、ハリーさんの往復書簡4なのですが、テキストベース非リアルタイムコミュニケーションにおける問題について考えます。メール、メーリングリスト、掲示板、ブログ (のコメント) は同じような性質を持ちます。

ハリーさんは、主に「過熱」のことを書かれています。

相手の文章をプリントアウトしてじっくり読む、自分が書いた文章を一晩寝かせてみる、しばらく離れて別の事に熱中してみる等、いずれ時間を置くのが効果あるようです。画面上でリアルタイムのやり取りしているとどうしても冷静さを欠いてしまいますからね。

これはそのとおりだと思いますが、リアルタイム性とはちょっと違った側面として、インタラクティブ性をあげたいと思います。

メール等ではいくら反応が速くてリアルタイムに見えてもひとつのメッセージに割り込みはできませんが、電話やFace-to-faceの対話では、話の途中で割り込んで質問したり、間違いを正したりできます。前提が共有されないまま論旨が進んだりすることを避けたり、最悪この人とは前提が共有できないことが早めにわかり不毛な議論を避けることができます。

また、インタラクティブ性のない (非同期の) コミュニケーションのこういう特質が理解できない人もいるようで、その場合さらに冷静さを欠いたものになります。これは極端な例ですが、昔、次のようなやり取りをみたことがあります。A1~AnとB1~Bnは一つのメッセージの中の部分 (段落と考えて良い) です。

発言者A
A1 (前提) XXXはXXXXです。
A2 (発展) したがってYYYです。
:
An (結論) というわけでZZZです。

発言者B
B1 > A1
それ前提が間違っています。正しくは...
B2 > A2
前提が間違っているので、これも正しくなく、...
:
Bn > An
だーかーらー。

発言者Bは、B1でA1をただしたのにも関わらず、また、ずっと説明したものが理解されずAnの発言が出されたように感じたのですね。

これを避けるためには、一つずつ確認をとりながら進める必要がありますが、それも知識や理解の基盤が共有されている場合でないとうまくいきません。例えば、「梅雨はカビがはえやすい」ということが常識だと思っていれば、これに対して確認を求めようと思いません。その「常識」を知らない人にとっては論理の飛躍にしかみえません。ここでなぜですかと問われるとどこから説明してよいか悩みますよね。これはまだ科学的なので単純な例だと思いますが、信念などが入るとやっかいですね。見えないもの (水蒸気やカビの胞子) は信じないとか。

最初にテキストベース非リアルタイムコミュニケーションの例に「ブログ (のコメント)」をいれましたが、ブログ自体に関してはちょっと違うかとも思っています。それは基本的にはブログは対等なコミュニケーションではないと思っているからで、どちらかといえば本や講演に近いと思います。著者の主張は、受け入れられるかそうでないかであって、他で批判することやコメントで間違いを指摘することは出来ても、ただすことはできないものと思うのです。もちろんトラックバック企画のように、そうでない使い方をしてもかまわないのではありますが。ハリーさんもその点を意識して「往復書簡」というタイトルを使われたのだと思います。

いかがでしょうか。インタラクティブ性以外の対比軸があるとか、インタラクティブ性の中でもこういう側面がある等、ご意見を頂ければ幸いです。

コメント
Commented by HarryBlog at 2004-10-17 23:58 x
面白い。ちょっとゆっくり考えて反応したいと思います。
別の所で180 コメントの議論というかすれ違いを経験しましたが、それぞれ字数制限以上書こうとしたことで、結局何も得られない結果となってしまいました。非インタラクティブ性を意識していなかったのですな。

 Commented by yoshihiroueda at 2004-10-18 00:14 x
★ハリーさん、早速コメントありがとうございます。
> ちょっとゆっくり考えて反応したいと思います。
期待しています。新しい宿題出すなよ。

 Commented by MemenDers at 2004-10-24 11:27 x
はじめまして。ハリーさんの所から来ました。
メールと違い、一般に広く公開している「ブログ」、そのコメント。
いろんな人がいろんな形で利用していますよね。
まったく関係ないのですが、有名人のブログではコメントが入れられないブログも多く見受けられます。
ありゃまさに、対等なコミュニケーションではない事の一例ですかね。
とんちんかんなダーサでした。

 Commented by yoshihiroueda at 2004-10-25 06:14 x
★「ダーサの館」のダーサさんですね、いらっしゃいませ。コメントはさまざまに使えますが、ブログのオーナーがコントロールできないので、有名人のブログだと掲示板化しちゃうのでしょうね。それを避けるためにコメントが入れられないようにするのは仕方ないし、それでよいと思っています。ブログは、トラックバック企画やマグロ祭りなど皆さんいろいろ工夫されて使われており、面白いメディアですね。

2004/10/16

楽天 VS ライブドア: アダルトサイト対決

こんばんは。山本晋也です (ウソ)。ここのスポーツのカテゴリって野球だけですね。

ライブドアと楽天の日本野球機構のヒアリングは、
これ茶番?ですよね!(dragon2011さん)
などと言われていますよね。最初から楽天を勝たせるための出来レース。だいたい、楽天自体がライブドアを入れないようにするために呼ばれたのではないかと。堀江さん、かわいそう。

以前ライブドアは出会い系も運営しているという話 (未確認) があって、私も不利なんじゃないのと書きました。でもその後話を聞かないのでガセネタかもしれません。そんな中出てきたのがアダルトサイトの問題。え? 楽天にアダルトサイトなんてあった? ライブドアはブロガーがエッチ情報載せたらアダルトサイト? とどうも納得がいかないなーと思っていたら、次のような記事がありました。

毎日新聞 2004年10月15日
プロ野球新規参入:
楽天、ライブドア アダルトサイト探検


なんか、一般紙と思えないタイトル。でも「アダルトサイト探検」っていうからには、アダルトサイトあるのね。私の知らない世界が... (っておおげさな)。なつかしいなあトゥナイト。

で中をみてみると、たどり着くのに苦労している話が中心でした。それじゃ我々と同じだっつーの。たどり着いたところは楽天では動画ストリーム販売のサイト。これだったらアダルトと言って良いかもしれません。クレジットカードがないと入れないので、三木谷さんのいうように青少年に見られることはないのは確かではあります。それに内容もテレビの深夜放送でやってるレベルじゃないかなあ。こういうのをアダルトと言っていたら、横浜ベイスターズをもっているTBSは視聴者認証してないのでよけいやばいと思うぞ (エッチな深夜放送をやってるかどうかは知りませんが)。

一方ライブドア。こちらはやっぱり個人ブログのことをさしているようですね。これはどう考えてもアダルトサイトとはいわないでしょう。「児童ポルノ系の非合法サイトへのリンク」って管理者側で調べようもないと思う。堀江さんも、「アダルトサイトはあるが」なんて言う必要は無く、「場所を提供しているだけ。」という説明で十分だと思います。
とうわけでこの勝負引き分け。第3回ヒアリングまでにはちゃんと過激なコンテンツを用意しておくように (ってちょっと違う)。

楽天 VS ライブドアに関する記事を書かれている皆さん(トラックバックを送りました):
浮世風呂(rakurakuonsenさん) 楽天vsライブドア:火花を散らすのはいい、ただしフェアプレーで。
Tomorrow's Way (yodaway2さん) 新球団、2社の闘いが始まった!——さて、どうなる?

野球機構側の問題を提起されている記事(トラックバックを送りました):
小言日記 (hatabow823さん) 公共財にふさわしい企業だってさ

追加関連記事
アマゾンのベゾスCEOがチクリ一言「球団はいらないよ、ハッハッハ」 (日経コンピュータ [2004/10/12])

2004/10/15

アメリカの双子の赤字

こんばんは。借金大王 大川総裁です (ウソ)。宿題の提出でなくて申し訳ありません。

毎日新聞 2004年10月14日
米大統領選:
カギ握る中間層向け政策で舌戦 TV討論


ケリーが言っている「クリントン政権で蓄えた財政黒字が、国民の所得上位1%向けの減税 (の財源) になってしまった」に関して、「国民の所得上位1%向けの減税」というのは正しいのかどうかは分かりませんが、
・財政黒字が赤字に転落
・大幅な減税が赤字の原因
というのはあたっているようですね。プレジデント誌の記事
「第二のプラザ合意」が招く世界経済の混乱
にいろいろ分析が載っています。

この中で気になるのが軍事費。クリントン政権の時は、冷戦が終わって軍事費を削減することができ、それがアメリカの財政赤字消滅の大きな原因だったのだが、現在は対GDP3%あたりで下げ止まりだそうです (これ以上減らせない)。9.11以降でもあまり増えていない。

これは何を意味するかというと、どちらが大統領になっても軍事費の削減で財政赤字を解消することはできないということです。とすると、好況による税収入自然増か、増税のどちらかが必要になります。これまでの減税は景気浮揚策だと思いますが、それで景気がよくなった感じもなく、事実税収は減りつづけています。増税で歳入を増やすのは難しいですね。増税してもそれで景気が悪くなる可能性も高いですし。

[追記: 04会計年度の財政赤字が発表になりました (別に赤字が発表のテーマではないと思いますが)。
毎日新聞 2004年10月15日
米財政赤字:
04会計年度、過去最大の4125億ドル 世界経済に懸念材料
]

双子の赤字のもうひとつのほう、貿易収支も赤字が拡大しています。
毎日新聞 2004年10月14日
米貿易赤字:
過去2番目の540億ドル 原油高で増加


プレジデントに戻ります。貿易収支が赤字ということは、資本が流入し続けている (借りている) ということで、不安定要因としています。ドルは機軸通貨なのですぐに暴落ということにはならないですが、その可能性が高まっていくということですね。

アメリカ大統領選挙のTV討論会では、どちらが減税するか、自分の収入レベルにとってはどちらが減税になるかが争点になっているように見えます。しかし、どちらも経済の破綻を解決するような方策があるように見えません。もっと大きな見地から見たほうが良いのではないでしょうか。でもそれじゃアメリカ国民に受けないのか。

2004/10/11

米国大統領選イメージ戦略

おはようございます。ジョン・F・ケネディです (ウソ)。

大統領選挙にテレビ討論会が行われるようになってから、イメージ戦略は重要になりました。

毎日新聞 2004年10月11日には、次のような記事がありました。
米大統領選:
ブッシュ氏まばたき激減 第2回討論会

また、フジテレビの「とくダネ!」の「ニュース微分積分」というコーナーでもテレビ討論会の裏側をレポートしていました。

討論の内容や今後に関して書きたいことはあるのですが、ちょうど2つ重なる情報がありましたので、今日はそれらのことを考えてみたいと思います。

第1回目の討論会の評価として、ブッシュが劣勢というのがありました。イメージ戦略に失敗していて、次にどのように挽回してくるかが焦点になっていました。

まず、毎日新聞の記事ですが、ここでは「まばたきの回数」を取り上げています。まばたきの多さは落ち着きのなさを示すようにとらえられるので、特訓したと推測されています。「1分間平均109回のまばたきをしたのに比べ、今回は23回に激減」というのですから、単に意識してまばたきしないようにというのじゃ十分じゃなかったんでしょうね。

それにしても、まばたきの回数と選挙の結果を関連づけて分析しているのですね。それも大学教授が。

「とくダネ!」の「ニュース微分積分」はもっと面白かったです。これは見れなかった人も多いと思いますので、さわりをまとめます。

・討論会には30ページくらいもあるルールブックがある。
・それらは両陣営の意向を反映して作られるらしい。
・例えば立ち位置。10フィート以上離すこと。→ ケリーとブッシュの身長差を目立たなくする
・室温。→ 汗っかきのケリーが、汗をかいていると焦っているように見られるのを避ける
・話しているほうだけをテレビにうつす。腕時計をみているところを撮られて、相手方の話をちゃんと聞いていないと判断されたことがあった。

・フォーカスグループという選挙のターゲット層ごとに集めた有権者にグループインタビューを行うが、それをマジックミラーを通して観察し、イメージ戦略を立てるのに活用する。
・第1回目の討論会で、ケリーがブッシュ陣営が立てた戦略とは異なった反応をみせた。その後ブッシュが言葉につまる回数が激増 (その前後で2回から13回に)。
・ブッシュの背中に謎のふくらみ (ブッシュ氏、小型無線機で助言受ける? TV討論で疑惑 (朝日新聞10月10日) )。無言部分は参謀の指示を聞いていたのではないか。

さて結果はどうなるのでしょうか。ケリーは京都議定書への取り組みでも積極的なところを見せているようですが、「修正」を口にしており (毎日新聞10月10日)、やっぱり同じ穴のむじなという印象が抜けません。

Yodaway2さんもテレビ討論会について記事を書かれています(トラックバックを送りました)。いつもながら迫力があります。: これは死闘だ!——米大統領選で第2回のTV討論。(速報)

追記:Google Video Bush Pilot (ブッシュはこの「中の人」に操作されている!)

コメント
 Commented by yodaway2 at 2004-10-11 16:35 x
>討論会には30ページくらいもあるルールブック……見てみたいです!日本でもこうしたテレビ討論が実現できれば、ほんとうにおもしろいと思いますね。米国は外交においては軍事力、国内にいてはディベートと、まるでことなる政治過程を見せてくれる国だと思います。また、イラク戦争の調査結果、大量破壊兵器が存在しなかったことなどを、この選挙のどたん場において、平然と発表するのにも、ちょっと驚きです。日本人が考える以上に、ふところの深さが、まだまだあるのかもしれません。

 Commented by cosicosi3 at 2004-10-12 15:00 x
あの背中の膨らみは、本当に怪しい。
単なる皺じゃないのは分かる。
けど、もっとバレなさそうな所他になかったんでしょうか。

 Commented by yoshihiroueda at 2004-10-13 01:37 x
★yodaway2さん、ルールブックは、行間をあけてタイプしたレポートのような形式でした。これまでは聞いたことなかったので、今回導入されたものかもしれません。検索するといろいろ話題になっているようですね。米国の懐の深さ... おっしゃる通りだと思います。そこが米国の強さの源泉なのかもしれません。

 Commented by yoshihiroueda at 2004-10-13 01:39 x
★cosicosi3さん、そうそう。また、ばれた時の影響の大きさは測り知れないですよね。やっぱり自分では考えるおつむがないのじゃないかという印象を決定付けます。

2004/10/10

台風一過

警部マグロードです(古っ! しかもウソ)。

昨日の台風はすごかったですね。

こういうことだったんですね。
ササキをめぐる冒険(下)
Icedayさん、渋谷、吉祥寺でおおあばれ。
今朝起きてみるとこういうことに。→
神奈川まで影響が...

はっ、台風の名前も...
そういうことだったのか。

以上マグロ祭りからの中継でした。
たったこれだけ? てゆーか全然レスペクトになってないし。

中継を神奈川にもどします。

うちもこんなになってました。
こんな枝が飛んできてるんですものね。
掃除もたいへんでした。
そんなに被害が大きくなかったのがなりよりです。

2004/10/09

楽天さん、使って下さい

こんばんは、ミナトのヨーコです(ウソ)。

山崎絵日和「俺スカジャン」からトラックバックです。

> みなさんも「俺スカジャン」作りましょう。
ということで、yamasakkiさんのところのコメントに
「ライブドアと楽天のを勝手にデザインしちゃろ。」
と宣言しちゃったので、デザインしてみました。使って下さい。
とはいえ、楽天だけ。堀江さん、申し訳ありません。
ほんとうはライブドアのほうにシンパシーを感じているのですが、仙台/宮城の名物を並べていたら、モールで売って収益をあげられる楽天のほうがあってるかと...
これも名物なのでいれろ、というご意見大歓迎。余白は全部埋めちゃいましょう。

絵は描けないので、Web上の写真つかいまくり。著作権、肖像権を侵害されたみなさん、勘弁して。使う時には (ってまだいうか)、yamasakkiさんにイラストを頼んで下さい。
チーム名も勝手に決めました。

仙台楽天Miscanthus sacchariflorus Moons
です。長いな。しかも発音できないし。意味は調べて下さい。
それからヘルメットには三日月をつけます。