2004/10/30

不敬の輩 Part 2

こんばんは、不敬の輩と指摘された石原慎太郎です(ウソ)。でもこちらの彼のほうが狡猾さの度合いが一枚上手ですね。私が選んだだけのことはある。

国旗・国歌「強制でないのが望ましい」天皇陛下が園遊会で (朝日新聞 10月28日)

当初のシナリオ:

新潟中越地震被災地自治体関係者: 「被害は甚大ですが全力をあげて復興に努めます」
天皇陛下: 「大変ですね。寒くなりますから頑張って下さい」
某選手: 「皆様のお陰で、オリンピック3大会連続で金メダルが取れました」
天皇陛下: 「努力の賜物ですね。今後も頑張って下さい」
米長邦雄: 「日本中の学校で国旗を掲げ、国歌を斉唱させることが私の仕事でございます」
天皇陛下: 「大事なことですね。今後も頑張って下さい」
米長邦雄: 「うっしゃー。お墨付きGET!

のはずだったんですが、そうなりませんでした。

天皇陛下: 「やはり、強制になるということでないことが望ましい」

なんと的確なお言葉でしょう。「不敬の輩」で書いた通り、自分の影響力と責任を誰よりも強く認識され、言葉、行動を選ばれておられます。

night_in_tunisiaさんは、「天皇がこういう政治的に問題になっていることについて発言するのは異例のこと。」と書かれていますが、ほかにどういう答えが考えられるでしょうか。私だったら、「おまい、私を利用しようとしてるでしょ」と小1時間問いつめてしまいそうです。

米長邦雄さん、あなたは「東京都教育委員」として園遊会に呼ばれたの? 将棋の世界の重鎮として呼ばれたんじゃないの?
東京都教育委員の仕事って、「学校で国旗を掲げ、国歌を斉唱させること」なの?
それも「日本中の学校」に対して?

瀬戸智子さんは「本当に素晴らしいお言葉」の中でこう書かれています。
それにしても、
有り難いお言葉を頂戴した米長邦雄さん。
今後どうするかなぁ???
目が離せません。
「もちろんそれはそうです」って答えたんですよねえ。

さて、国旗・国歌問題。私もnight_in_tunisiaさん
国旗掲揚・国歌斉唱なんてのを強制しなければならない不幸がこの国にはあるんだが、本当にかなしいこと。そんなの自発的にやるものなはずなんだけどね。
と書かれていることに同意します。そのためには、本当に自発的に国旗掲揚・国歌斉唱できる国旗・国歌である必要があると思うのです。

上記朝日新聞の記事にある関連記事
〈若宮啓文「風考計」〉君が代と皇室 千代に八千代に続くには
には、そういう動きがあったことを伝えています。
読売新聞は社説で「われわれは、この新生日本にふさわしい新しい国歌を要望している」「歌わされるものでなく、歌いたくなるものが作られなければならない」と書いた(1948年1月25日)。
若宮啓文さんの記事には、1999年に国旗・国歌法ができたころ、新しい国歌をつくろうという動きもあったことを伝えています。私も国旗はこれでよいと思いますが、国歌は変えたい。それが、「バックログ」で宿題としていた
「民が代」を国歌に
です。これだけで主張の全容がおわかりですね。国民主権の永続を願う歌です。
というわけでこれで宿題一丁上がりとします。

ところで、以前、
君が代の「君」は、あなたがた国民で、
これは国民主権の永続をうたったものだ
と学校で習ったという人がいました。こう習った人は多いのでしょうか。先生が私達のために歌ってくれる分にはいいのですが、自分達が歌うのに二人称になっているのおかしいですよねえ。みんなが向いている方向におわす誰かにむけて歌っているのですよね。

追記1 (2004.10.31):
不敬の輩1号が「都教委がやっていることは強制ではない。国が決めたこを公務員として、義務として行うかどうかの問題だ」と話しています(毎日新聞 2004年10月29日)。テレビで見ましたが、苦々しげでしたね。2号の作戦が失敗したことが残念だったのでしょうか。それとも、天皇は黙って利用されていればいいのにと思っているのでしょうか。

追記2 (2004.10.31):
night_in_tunisiaさんが「天皇発言問題 その後」で、関連するブログに左派な考え方が多いとした上で、「その左派な人たちがこぞって天皇の権威を笠に着ているのがおかしかったが、右派に対する皮肉でもあるのだろう。」と書かれています。左派/右派の分け方はともかくとして、私もその点が気になりました。天皇がこう発言されているからという論旨は、こちらも天皇を利用しようという姿勢であって避けるべきだと考えます。night_in_tunisiaさんの「天皇はうまくかわしてほしい」という意見は同意します。今まで良く抑えてこられたと思っています(「不敬の輩」参照)。ただ「昭和天皇ならうまくかわしただろう。」と書かれているのに対しては、私には今回の今上天皇の発言以上のかわし方を想像できないので、そうかもしれないしそうでないかもしれないとしか言いようがありません。

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ば○こう○ちの納得いかないコーナーさん: 「米長元名人、差し手を過つ」
-- 私の記事では米長氏を狡猾な人物として位置づけていますが、ここではマヌケな人物像が描かれていておもしろいぞ。国旗掲揚や国歌斉唱に関するスタンスは私と同じです。
スウィンバーン症候群さん: 「米長東京都教育委員の不敬な行為」
-- 私と同様に米長氏の不敬な行為を問題視しています。
冬瓜茶をどうぞさん: 「象徴」
-- 発言が政治的なものにならないように気を使われていることに対する感銘が述べられています。

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