大統領選挙にテレビ討論会が行われるようになってから、イメージ戦略は重要になりました。
毎日新聞 2004年10月11日には、次のような記事がありました。
米大統領選:
ブッシュ氏まばたき激減 第2回討論会
また、フジテレビの「とくダネ!」の「ニュース微分積分」というコーナーでもテレビ討論会の裏側をレポートしていました。
討論の内容や今後に関して書きたいことはあるのですが、ちょうど2つ重なる情報がありましたので、今日はそれらのことを考えてみたいと思います。
第1回目の討論会の評価として、ブッシュが劣勢というのがありました。イメージ戦略に失敗していて、次にどのように挽回してくるかが焦点になっていました。
まず、毎日新聞の記事ですが、ここでは「まばたきの回数」を取り上げています。まばたきの多さは落ち着きのなさを示すようにとらえられるので、特訓したと推測されています。「1分間平均109回のまばたきをしたのに比べ、今回は23回に激減」というのですから、単に意識してまばたきしないようにというのじゃ十分じゃなかったんでしょうね。
それにしても、まばたきの回数と選挙の結果を関連づけて分析しているのですね。それも大学教授が。
「とくダネ!」の「ニュース微分積分」はもっと面白かったです。これは見れなかった人も多いと思いますので、さわりをまとめます。
・討論会には30ページくらいもあるルールブックがある。
・それらは両陣営の意向を反映して作られるらしい。
・例えば立ち位置。10フィート以上離すこと。→ ケリーとブッシュの身長差を目立たなくする
・室温。→ 汗っかきのケリーが、汗をかいていると焦っているように見られるのを避ける
・話しているほうだけをテレビにうつす。腕時計をみているところを撮られて、相手方の話をちゃんと聞いていないと判断されたことがあった。
・フォーカスグループという選挙のターゲット層ごとに集めた有権者にグループインタビューを行うが、それをマジックミラーを通して観察し、イメージ戦略を立てるのに活用する。
・第1回目の討論会で、ケリーがブッシュ陣営が立てた戦略とは異なった反応をみせた。その後ブッシュが言葉につまる回数が激増 (その前後で2回から13回に)。
・ブッシュの背中に謎のふくらみ (ブッシュ氏、小型無線機で助言受ける? TV討論で疑惑 (朝日新聞10月10日) )。無言部分は参謀の指示を聞いていたのではないか。
さて結果はどうなるのでしょうか。ケリーは京都議定書への取り組みでも積極的なところを見せているようですが、「修正」を口にしており (毎日新聞10月10日)、やっぱり同じ穴のむじなという印象が抜けません。
Yodaway2さんもテレビ討論会について記事を書かれています(トラックバックを送りました)。いつもながら迫力があります。: これは死闘だ!——米大統領選で第2回のTV討論。(速報)
追記:Google Video Bush Pilot (ブッシュはこの「中の人」に操作されている!)
コメント
Commented by yodaway2 at 2004-10-11 16:35 x
>討論会には30ページくらいもあるルールブック……見てみたいです!日本でもこうしたテレビ討論が実現できれば、ほんとうにおもしろいと思いますね。米国は外交においては軍事力、国内にいてはディベートと、まるでことなる政治過程を見せてくれる国だと思います。また、イラク戦争の調査結果、大量破壊兵器が存在しなかったことなどを、この選挙のどたん場において、平然と発表するのにも、ちょっと驚きです。日本人が考える以上に、ふところの深さが、まだまだあるのかもしれません。
Commented by cosicosi3 at 2004-10-12 15:00 x
あの背中の膨らみは、本当に怪しい。
単なる皺じゃないのは分かる。
けど、もっとバレなさそうな所他になかったんでしょうか。
Commented by yoshihiroueda at 2004-10-13 01:37 x
★yodaway2さん、ルールブックは、行間をあけてタイプしたレポートのような形式でした。これまでは聞いたことなかったので、今回導入されたものかもしれません。検索するといろいろ話題になっているようですね。米国の懐の深さ... おっしゃる通りだと思います。そこが米国の強さの源泉なのかもしれません。
Commented by yoshihiroueda at 2004-10-13 01:39 x
★cosicosi3さん、そうそう。また、ばれた時の影響の大きさは測り知れないですよね。やっぱり自分では考えるおつむがないのじゃないかという印象を決定付けます。
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