2005/01/15

青色LED特許裁判和解

こんばんは。ドクター中松です (ウソ)。

もう既に多くのブロガーの方が記事に書かれていますが(トラックバックは最後にまとめます)、中村修二氏と日亜化学工業の間で和解が成立しましたね。私もずっと日経エレクトロニクスの記事等読んでいましたが、日経BP社がこれまでの記事をまとめたサイトをオープンしました。双方の立場からの主張が載せてあります。事実関係は明らかにならないところも多いのですが。

スペシャルレポート 中村裁判
(リンク先には会員登録(無料)が必要なところもあります)

いくつか感想を。

・ まず、和解しておいて裁判所に不満をいうのは見苦しい (誰かも言及されていたと思うのですが見つからない...補足: 小言日記さんでした。失礼しました)。

・ サインするときにその意味、もたらす結果を把握していない (僕が会社を訴えたわけ) のは大人の態度じゃない。ソフトウェアをダウンロードしたり何かの会員になるときには、利用規約を読んでAcceptボタンを押すよね(すごいスピードで読むけど)。

・ 6億円 (遅延損害金を加えて8億4000万円) でも、十分技術者に希望を与える額だと思う。

・ ビジネスの成功/失敗が分かった段階での「貢献度」は算出は難しい。本来は価格設定にライセンスのコストが勘案されるべきなので、あらかじめ契約をするもの。契約によってどちらもリスクをとる (安く技術を売っちゃうリスク、ライセンス料が高くてコストにはねかえり結果的に売れず双方が損するリスク等)。

・ とはいえ、発明した後に社員側に譲渡しない選択肢はない。譲渡しなければ特許は出せず双方の損失になる。結局契約は発明前に行われるべき (今度改正される?された?特許法ではそうなる)。

・ 発明を行っている時間も給料を貰っている、発明という業務を行うための報酬は支払っているという「職務発明」という概念はある程度理解できる。

・ しかし、発明で得られた利益を全く発明者に還元しないというのでは、良い技術者は集まらないだろう。また、既に社員になっている人にとっても、良い特許を書くモチベーションにならない。

今後技術者は今まで以上に自分の価値、自分がこれから生み出す価値について客観的な評価が必要になるでしょう。現在は労働市場の流動性はまだ高いとは言えませんが、将来流動性が高くなって行けば、自分を適切に評価してくれるところを探すという傾向が出てくるでしょう。それは逆に価値の低い技術者は会社にいられないということも意味しています。これは自戒でもありますが、常に価値を高めて行く努力が必要になると思います。

トラックバック先
■ dragon2011さん: どっちもどっちかはたまた。青色LED訴訟
■ night_in_tunisiaさん: 青色発光ダイオード訴訟和解の件
■ 瀬戸智子さん: 青色青光
■ 小言日記さん: 怒り

0 件のコメント: