2007/07/07

やっぱり、しょうがない

おはようございます。

先日の「しょうがない」は、私にしては核兵器廃絶に対して消極的な意見のように見えるかもしれませんが、今後が大事ということが私のスタンスです。

らふぃさんの「それでいいのか」で、米国特使の原爆投下正当化発言に対して日本政府が抗議しない、ということを知りました。

米特使、「原爆使用が何百万人もの日本人の命救った」 (asahi.com 2007年07月04日 → 魚拓)
「原爆正当化、抗議せず」と官房長官 米特使発言 (asahi.com 2007年07月06日 → 魚拓 - いつも毎日新聞使ってるのですが載ってないみたい)
塩崎官房長官は5日の記者会見で、米政府のロバート・ジョセフ核不拡散問題特使が広島、長崎への原爆投下を正当化する発言をしたことについて、「発言の性格は個人的に行ったものだと聞いている」と述べ、日本政府として抗議しない考えを示した。
らふぃさんの記事に対する私のコメント。
国内に対しては原爆投下を容認で責任を問う一方で、加害者側の正当化にはスルーですか。こちらのほうこそ強く抗議しなければいけないのに、それは結局「しょうがない」と思っていることを露呈していると言わざるを得ません。
内弁慶にも程がある、ってこった。

政府もマスコミも結局「アメリカじゃあしょうがない」と思っている。それが、前回書いた、
しかし、「しょうがない」は今も続いている。

悲観的なトーンが強かったですね。

関連記事があります。

きっこのブログ 2007.07.05 ジョセフ発言に文句が言えない腰抜け総理
きっこのブログ 2007.07.06 どこまでも卑屈なアベ内閣
-- ジョセフ発言とそれに対する官房長官の発言に関して。久間辞任会見に関しての記事もある。
天木直人のブログ 2007.07.05 ジョセフ核軍縮担当米国特使の発言と日本政府の対応の甘さ
-- きっこのブログでリンクされていたもの。
長崎新聞 2007.07.06 米特使が原爆正当化 「被爆の実相見るべき」と県民
-- 長崎の反応を伝えている。
AFPBB News 2007年07月05日 米高官の原爆発言に日本政府は不快感
-- 安倍首相が「原爆を許すことはできない」との自身の見解を明らかにした。

最後の記事、ここだけ「安倍首相がジョセフ特使の発言に不快感を示した」ってことになってるんですが、一般論を述べただけの感じだなあ。で、記者会見だけですか。やっぱり内弁慶ですか。

さて、らふぃさんの記事はここがメインじゃありません。らいふぃさんの主張は、「日本は世界の平和のリーダーシップをとれ」です。
核をめぐる外交思想・平和哲学の面で国際的なリーダーシップをとることを、何よりもその被爆の経験からかつて期待されていたのは日本だったのではないでしょうか。非核・非武装を国是に掲げながら、被爆による反核思想を感情論として片付け、客観的な外交哲学と政策による理論付けを怠って来た日本の、政府、官僚、メディア、研究者、それらすべての怠慢(或いは無能)のつけが表面化しようとしているように思えます。
私も日本が世界の平和の目標とされるべき考えてきました (「日本良い国 清い国」など -- 世界征服宣言じゃないぞ)。

らふぃさんは、それだけではなく、感情論だけでなく、思想面/哲学面で論理構築を行うべきとおっしゃっている訳です。私もずっと日本の戦略の欠如を憂いてきました (「環境/ビジネス/カルチャー」 -- これは主に地球環境保護のための戦略に関してですが)。らふぃさんのような人が日本のリーダーとなってくれれば、少なくともブレーンに入ってくれればと思うのだ (って心酔し過ぎですか?)。

5 件のコメント:

raphie さんのコメント...

TBありがとうございます。私は外交というのはある程度ドライな駆け引きであると思うし、二つの国の国是の行き先、方法論に相容れないものがある場合があることも互いに理解するべきだとは思います。ただ、原爆について言えば、日本は1945年末時点で25万人もの非戦闘員の国民の命を犠牲とし、60年経った今でも原爆症などの後遺症に苦しむ国民を抱えている国であり、その国が示すべき、原爆に対する国際的な発言への態度というのは然るべきものがあるべきだと思うのです。その抗議は、アメリカの過去の原爆投下を糾弾し、責めること以上に、ヒロさんが仰る通り、将来の世界の共通の利益のために必要なアクションです。日本の国際貢献への一つの道でもあります。

raphie さんのコメント...

きゃぁぁぁぁ…!記事、ほぼ倍に増量されているー!(驚)有用なリンク先ありがとうございます。早速全部読んできました。天木さんのご意見は激しいですが、仰らんとしているところはよく理解できます。元外交官のこの方が仰る意味は大きいと思いますし、またこの方が外務省をあとにした事情を考えると、日本の将来に不安な雲を感じます。私個人は口先だけの野党と同じで、有効な解決策などないのです。それでも、60年間もの間、リアクションとカウンターリアクションの間でだけ国策が揺れ、国是という背骨が骨抜きにされて来たことに対しては、誰にも負けない位怒っています。そんなただのおねーちゃんです^^。あ。自称「タダのオバサン」という素敵なお姉様のぶんさんのぶろぐをご紹介していきますね。http://bunsblog.exblog.jp/

yoshihiroueda さんのコメント...

★ らふぃさん、ちょうど追記している時にらふぃさんがコメントを書かれていたのは認識していたのですが、返信が遅れて申し訳ありません。日本は「平和」で世界に貢献出来る資質、資格をもっているし、経済力を考えるとその能力も持っているはずなんですよね。それを生かさないでいることに世界は失望しているのではないか、それでは「名誉ある地位」って永遠に得られないんじゃないかと思います。私の愛国心は、偏狭なそれではなく、世界に貢献することで誇りを持てるようにすることです。らふぃさんは「愛国心」という言葉は使っていませんが、私の思いはらふぃさんの主張と一致していると思います。

yoshihiroueda さんのコメント...

続き。相手のメッセージに対して自分の考えを使えること、それが礼儀というのはおっしゃるとおりだと思います。日本では口答えをしないというのが礼儀と思われていて、それがベースにあるのかもしれません。しかし口答えをしないというのは親分子分の関係であることを意味しており、その関係が戦後ずっと続いてきたことの証であるように思います。

yoshihiroueda さんのコメント...

さらに続き。天木さんのことを知ったとき、外務省にもこんな人がいたんだと思いました。特に外交官は、相手国のいうことに従って、日本人に対していばりちらすことが仕事だと思っていると思っていましたから。まあ天木さんも脇が甘いところいろいろあるんですけどね。ぶんさんのブログ紹介ありがとうございました。早速RSSリストに入れました。