2009/07/07

こんなところにホメオパシー

これも「万華鏡の視覚」展で展示されていたもの。

Klaus Weber - Public Fountain LSD Hall, 2003

真ん中の噴水の水は、ホメオパシーの手法で、分子が1個も含まれないくらいまで希釈されたLSD溶液。展覧会の解説ではそのことはちゃんと述べていて、また、それゆえ毒性もないことは言及しているのだけど、反対に効果もないことに関しては触れていなかった。

びっくりしたのが、日本ホメオパシー協会 (リンク先は「医学」なんて使っているけどこれ医療関連の法律に違反してないのかな) の由井寅子から証明書をもらって貼り出していたこと。この液がホメオパシーの手法に則っているというだけならまだいいのだけど、しっかり効果がある旨書かれちゃってる。知らない人は信じたりするんじゃないかな。

ホメオパシーも、効果もない代わりに害もない (すくなくとも2世紀前の「近代医療」である瀉血よりは害がない) ので、本人が選択するだけなら勝手なんだけど、他人に強要したり病気の人を不安がらせるのは有害だ。特に子供は拒否ができないから、親権停止してもらいたいくらいだ。ホメオパシーとは直接関係がないのかもしれないけれど、予防接種を受けさせない親が多いのも困りものだ。友だちにはしかなんかかかった人がいると、わざわざ「麻疹パーティー」とか言ってうつしてもらいに行くらしい。

参考資料

Wikipedia - ホメオパシー
-- これはニュートラルな書き方に努めているため、結果的にホメオパシー推進側の主張がそのまま取り入れられているところが多い。
やっぱりニセ科学に対してはきくまこ先生のところを参照した方が良いと思う。

kikulog (2006/11/22) ホメオパシー
-- もうね、「由緒正しいニセ科学」でばっさり。

2 件のコメント:

bucmacoto さんのコメント...

kikulog記事読ませていただきました。すっきり気持ちいいスタンスですね。割り切れないものを割り切ってしまう怖さ割り切れるものを割り切れなく見せかける気持ち悪さどちらもコワイ(恐くて手強い)思考の罠だと思えます。

yoshihiroueda さんのコメント...

★ ばくさん、kikulogはコメント欄もすごいですよね。いやむしろ細かいことはコメント欄にしか書かず、本文は「ニセ科学」と断言してしまう手法は有効だと思います。ばくさんが指摘されるように、ニセ科学信奉者は単純に割り切れるものが正しい、科学はそうあるべきだというナイーブな信仰があって、そこにニセ科学につけ込まれる隙があるので。