2005/03/05

親の呪縛

こんにちは。辻井喬です (ウソ)。

毎日新聞の「余禄」(天声人語みたいなとこ) で決闘の話題が出ていたので、それを題材に書こうとおもったのですが、まだWebに載っていませんでした。

昨日の分はこれです。

余録: 「他国へ商売に行っても…」 (毎日新聞 2005年3月4日)

ここで紹介されている近江商人、中村治兵衛「家訓」
「他国へ商売に行っても……自分の事よりもまずお客のよいように考え、高利を望まずに何事も天道のめぐみ次第と思い、その地の人々を大切に商売をしなさい」
が、近江商人全体の価値観「売り手よし、買い手よし、世間よし」の「三方よし」になっているということです。すばらしいですね。

一方、堤康次郎が作った家憲は、堤家の繁栄しか考えていない。卑しいですね。

しかも株の名義を書き換えて相続税対策。これって「節税」(法律に違反していない) ではなく「脱税」(犯罪) ですよね。「節税」なら今後も真似する人が続出するとおもいます。
こんな人が衆議院議長まで登りつめた政治家というのですから、投票した人もそれを恥じているでしょうね。

堤義明氏逮捕から、いろいろな記録がテレビで流されています。16歳から帝王学を叩き込まれ、その中には「友人は作るな」というのもありました。かわいそうな人生といえるでしょう。

「帝王学」ってなんなんでしょうね。私には無縁の世界の話ではありますが、人の上に立つものの心構え、矜持を学んでいるものだと思っていました。もちろん友達のふりをして近づいてくる人も多く無闇に人を信じてはいけないというもの含まれるでしょう。しかし、信頼関係を構築しなければ大きな組織を動かせないでしょう。

子供、子孫のために良かれと思ってやったことなのかもしれないですが、子孫の幸せにつながっていませんよね。呪縛でしかない。

世の中には、2代目3代目とうまくいっているところもあると思うのですが、そういうところの良い点はあまり出てきません。出てきてもうまくいっている部分だけが出されるので、あまり参考にできません。西武だってこれまではうまくいっている例として扱われていたのですよね。近江商人の家訓は家訓としてではなく共通の価値観として引き継がれて、それはむしろ繁栄や財産を引き継いでいると言うより、繁栄をもたらす考え方を引き継いでおり、繁栄自体は子孫の努力の継続によるものと言えます。やはり、「家」という考え方をする時点、自分の「家」だけの繁栄を考える時点で間違っているのでしょう。

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■ 瀬戸智子さん 「驕れるもの久しからず」

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