こんばんは。オバマの長女マリアは"Maria"じゃなくて"Malia"なんだね。今までみんな発音が間違っているんじゃないかと... ごめんなさいごめんなさい、発音の区別なんかできません。
就任演説は最初はインパクトの強いフレーズはなく、盛り上がりに欠けると感じました。生中継の同時通訳で聴いていたせいもあると思います。
しかし、その後皆さんが書かれているように (最後に列挙します)、再度読むと、言葉を選んで良く考えられていると思います。
現実を直視する一方、アメリカが困難に立ち向かい成し遂げてきたことを踏まえ、今も国民は同じように立ち向かうポテンシャルを持っていることを訴えている。アメリカは強大な国であるという自負をもちつつも、他国と協調して生きて行くというメッセージを世界に伝えている。敵対する国に対しても断固とした姿勢を示しながらも、「その握りこぶしをほどくならば、我々も手を差し伸べる」と伝える。
国民には過剰な期待があったと思うが、それに対して、再建には国民の努力が必要なのだということを繰り返し訴えている。前の記事のコメントでも、また勝利演説の時にも書いたことだが、ケネディの「あなたの国家があなたのために何をしてくれるかではなく、あなたがあなたの国家のために何ができるかを問おう」という言葉を思い出す。
今日はPodcastで20日のABC, CBS, NBCのニュースを見ていました。もちろん編集もあるのだろうけど、民衆はオバマのこのメッセージを受入れた上で希望を感じているように思う。すなわち国民には困難に立ち向かう覚悟があるということだ。この大統領にだったらついて行こうという意志に思える。
ただしそれを維持するのは困難を伴うと思う。国民が等しく困難に立ち向かっていると感じられる状況を維持して行かなければならない。そうでなければ人心ははなれていくだろう。
ちょうど「痛みを伴う改革」を喜んで受入れたはずなのに、結果を見ると「痛み」に耐えたは国民だけであって、官僚組織は相変わらず甘い汁を吸い続けていることがあきらかになった今、自民党の支持が急落している日本のように。
現実を直視しつつ高い理想を語るオバマ。流されずしっかりと進んで行ってもらいたい。そしてアメリカ国民も、その理想主義と勤勉さ (これはだいぶ忘れ去られていると思うが基本は真面目な国民なんだと思う) で、しっかりとついていってもらいたいと思う。
毎日新聞 2009年1月21日
オバマ大統領就任演説:全文(1)恐れでなく希望を選んだ (魚拓)
オバマ大統領就任演説:全文(2)立ち上がり、再建しよう (魚拓)
オバマ大統領就任演説:全文(3)イラク撤退、温暖化防ぐ (魚拓)
オバマ大統領就任演説:全文(4止)新時代への責任を (魚拓)
毎日新聞 2009年1月20日
写真特集 - オバマ新大統領:宣誓し就任 演説で「米国の再生」誓う
写真特集 - 歴代のアメリカ大統領を振り返る
追記: 「英語で聴く オバマ大統領就任演説」という番組が、NHKで、 2009年 1月24日(土)翌日午前0:55〜翌日午前1:20 にありますよ!(→ 番組HP)
■ オバマの就任演説を改めて評価している皆さん
ぶんさん: オバマの言葉の読み方
-- オバマの、現実主義の上に理想を求める姿に期待している。
はりーさん: 選ばれし
-- 演説そのものよりもオバマの覚悟、威厳を評価している。
らふぃさん: 国民統合のための儀式としての就任式
-- オバマの演説に匹敵する、アメリカの現実・矛盾を直視しつつも理想を語る名文。
4 件のコメント:
TB、記事リンク有難うございます。ヒロさんのこの記事のタイトル通り、「あらためて演説の深さを感じ」ています。当日は感涙の涙にくれさせてくれるものを求めていたので、ちょっと肩透かしをくった気がしましたが、読み返せば読み返すほど、その深さに感動します。アメリカも変わらなければいけないのだという国民に責任を求めた意味の深さが本当にアメリカ人に伝わるのは、大分時間が掛かると思いますし、アメリカの中のことしか考えていない層、自分達の繁栄しか考えていない層は、それと引き換えにあきらめなければならないものの大きさに気付いて離れて行くでしょう。そこからが勝負だと思いますが、オバマもそして草の根運動でオバマを支えてきた人々も、そこから真価を発揮して行くだろうと思います。それにしても、あの演説を聴いた感想を聞かれた麻生さんが、自分と全く同じことを考えているというような事を言ったとき、張り倒してやりたくなりました。(笑) 彼には一生この演説の深さを理解出来ないでしょうね。(涙)
若さといえば、新政権のスピーチチームの3人は、27歳(ファヴロー)、27歳(Adam Frankel)、30歳(Ben Rhodes)だそうですよ!慣例通りに携帯メールが手放せず、ブラックベリーならぬ「バラクベリー」が大統領専用に開発されたという報道もありますが、大統領がそこまでメールにこだわる理由が、「現実の社会と繋がり続けていたい」という言葉に象徴的でした。アメリカは若い世代によって完成していく国とも言われています。若い世代ほど、より完全なアメリカ人に近づくとも言われます。新大統領がその担い手たちから決して離れず、彼らの目に光を与え、各々の英知を啓かせる存在であるよう期待してやみません。そして、拙記事への身に余るコメントをありがとうございました。思いがけなくて最初意味がよくわかりませんでした(恥)。
★ ぶんさん、オバマから離れて行く層が限定的であれば、すなわち、多くの大衆層がついて行くならば大丈夫だと思います。そのためには薄く広く負担を求める形にし、アメリカが一つであるということを実感できるようにする必要があるでしょう。日本でも小泉時代は、痛みを主に負担する層から圧倒的な支持を受けた訳ですが、これは郵政事業従事者や「造反組」(カギ括弧つき)という不満のはけ口を作ることで可能になったことなので、常に新しいはけ口を作って行く必要があります (今は派遣村に集まる労働者など)。決してこのような分断政策をとるべきではないと思います。麻生はそんなことを言ったのですか ... トホホ。自分も国民に負担を求めているということだけでしょうかねえ。
★ らふぃさん、なるほどハワイだったらオバマに関係ありますね。語源はちょっとふさわしくないかもと思いますが。演説には "Yes We Can"の分りやすいキャッチフレーズはないものの、中身は、アメリカはこれまで数々の困難を乗り越えてきた、今も力をあわせれば出来る、ということですから、メッセージは今までと変わっていないのですよね。downbeatとupbeat (ただし、力をあわせてはじめて達成できる) という修辞上の構図が効果的に用いられているんですね。若さに関しては、チーム・オバマが若いというだけでなく、アメリカ自体が若い ということを演説で強調していました。だから国民全部が理想を持ち希望があるというメッセージなのだと思います。じわじわ効いてきますね。ブラックベリーに関しては諦めざるを得ないと思っていましたが、どうやら勝ち取ったみたいですね。最初は下記に写真があるようなごつい軍用機なるかと言われていたのですが。http://japanese.engadget.com/2009/01/21/Obama-blackberry/
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