2004/08/12

どうなるUFJ合併問題

毎日新聞より UFJ経営統合:交渉禁止取り消し 東京高裁、抗告認める
地裁で出したUFJ-HDとMTFG (三菱東京フィナンシャルグループ。銀行名は東京三菱銀行でややこしいな)の合併交渉の禁止の仮処分を取り消すということです。

理由が、
当事者が相互に信頼関係を維持して、協働事業化の実現のために誠実に努力することが大前提となっているところ、
1) UFJHDは窮状を乗り切るため、合意を白紙撤回することを決断し、これを対外的に公表したこと、
2) これに対し住友信託は仮処分を申し立てたこと、
3) その後原審及び当審の審理を経たが双方の主張は対立し、信頼関係はますます悪化し、
双方の溝を埋めることは困難な状況にある。(番号は私が振りました)
ということなんですが、これおかしくない?

信頼関係の維持という前提が成り立たなくなったという事実認識はよいとして、その原因が
1) 合意を白紙撤回したのでということだったら、じゃあ合意/契約って何?
2) 仮処分を申し立てたということなんですが、じゃあ裁判所の役割は何?
ということになると思います。

これに関しては毎日新聞の別の面に記事があって、結納を交わしていてもその後嫌いになったら裁判所は結婚を強制できないということらしいです。それ自身は納得がいきますが、たとえかたがおかしい。ここでたとえるなら、結納を交わしているのに別の人と結婚の準備をし始めているのでそれを止めるということなんですが。

現実的な話をすると、ここまで来ると確かに三井住友とUFJの合併はうまくいかないように思います。一方、東京三菱も、住友信託から損害賠償の訴訟を起こされる火種をもった相手との合併となり、懸念材料です。また、PRESIDENT 2004.8.30 高杉良インタビューによると、UFJ統合前の元三和銀行は問題児だったらしいですね。東海とあさひで進んでいた合併に割り込んだ形で、あさひは三和を嫌って離脱したとのこと。商売のしかたも貸し剥がしマニュアルをつくるようなえげつないやり方の旧三和を東京三菱が受け入れられるかを高杉さんは懸念しています。なるほどと思います。

追記: すみません、怒りの矛先が定まらず、まとまりのない感想になってしまいました。

1 件のコメント:

night_in_tunisia さんのコメント...

僕もなんだか納得いかない判決です。毎日新聞の記事で読む限り、理由がホントに理にかなってない。順序が逆でしょ、ってな感じ。