2005/05/10

ドイツも苦悩している

こんばんは。シューマッハです (ウソ)。

浮世風呂さんが、「日中関係を仏独となぞらえる誤謬」という記事を書かれています。

5月8日は第2次世界大戦でドイツが無条件降伏した日から60周年だそうで、5月8日の毎日新聞に4ページにわたって特集が組まれていました。

戦後60年の原点: シリーズ・あの日を今に問う(その1)
戦後60年の原点: シリーズ・あの日を今に問う(その2) 「歴史」苦悩する日本
戦後60年の原点: シリーズ・あの日を今に問う(その3) 「謝罪」背負うドイツ
戦後60年の原点: シリーズ・あの日を今に問う(その4止)
ことば: ホロコースト

様々な側面から書かれていて、色々日本と違うことがわかり、結果として「ドイツを見習え」という主張がナイーブすぎることがわかる。特に、(その3)の外信部長・岸本卓也氏の記事で
ワイツゼッカー元大統領も回顧録で述べている。「過去と向き合うことは日本人にとって重大だが、そのための正しい道を見つけることは日本人自身の問題だ。(中略)どの民族も独自の状況に置かれ、他の民族と比較できない」
と書かれていること、独前首相補佐官、ホルスト・テルチク氏が
日本への助言は難しい。ただ我々の経験から、周辺国との和解を進めるためには、過ちを二度と繰り返さない姿勢を示し続けると同時に、「共に働く機会」を作るため対話を続けることが必要だと思う。
と語っていることが印象に残った。また(その2)では、京都大名誉教授(西欧近代史)・野田宣雄氏による「西独の“理想化”は疑問」という寄稿もある。

さて、ドイツのやりかたをそのまま踏襲するのは適切でないことは理解できた。それでもドイツに学ぶことは大いにあると思う。それは、「したたかさ」と「生き残りのための努力」だと考える。中国、南北朝鮮には筋の通らないことが多いのは確かだ。しかしそれでも今後日本が生きていくためには無視できない隣国である。直接の対話、説得で、どこに「理」があるかを理解してもらう努力、対立の中でも友好を保持するしたたかさが必要なのだと思う。

他の国々とも友好的な関係を保ち、国際社会全体の中で彼等の主張が浮いていることを際立たせることも必要だろう (しかし決して孤立させず手を差しのべることはする)。バンドン会議でアジア全体に対して発信したのはその意味で良かったと思う (あとの日中首脳会談は評価できないけど)。

スラムダンク〜あれから10日後

... って番組がこのあとフジテレビであるらしい。スラムダンク自体は読んだことないけど評判がいいので見てみるか (録画して)。

あ、こんばんは。竹熊健太郎です (ウソ)。

番組の案内によると
必見!!!あのッ!!!幻のイベント……「スラムダンク〜あれから10日後」。
その制作にあたる井上雄彦を完全密着!!!
ファンならずとも待望の独占ドキュメンタリー!!
... 全文引用になってしまいました... これじゃ知っている人しか分かんないって。
もしかしたら以前読んだSIGHT「究極のマンガ200冊!」に載っていたこれかも。
南信長「...去年『スラムダンク』が1億冊突破したときには個人で全国紙6紙に全部違うパターンで全面広告を出して、それに対してすごい反響があったからイベントをやりましょうって、三浦半島の廃校の高校の黒板にチョークでその後の『スラムダンク』を描いたりとかね。」
枡野浩一「それはアートの見せ方としても、チャーミングな感じですよね」
南「すごいですよ。しかも黒板にチョークで描いてある訳だから、ちょっとこすったりしたら消えるし、落書きとかもされかねないんだけど、いっさい絵の前に柵とかは作らなくて、三日間の展示が終わったあとにひとつの落書きも消されたのもなくて、それを見て自分で拍手したっていう......。カッコよすぎですよね(笑)」
これ読んだ時にすごく魅力的に思いました。マンガもここまで敬意を示される文化になったんだという感慨。

きっとこれだな。録画に失敗しないようにしよう。

トラックバック先:
サンドマンがやってきた(ksandmanさん): 永遠のスラムダンク
-- 新聞の全面広告のことが書かれています。

追記:
SWITCHに特集があったので思わず買ってしまいました。

2005/05/08

お金は有効に使おう

こんばんは。松下幸之助です (ウソ)。

国連の常任理事国ってそんなに魅力的ですか。

毎日新聞 2005年5月8日
ODA: 大幅増額めぐり外務省と財務省が綱引き

常任理事国の椅子が、年間約3兆5000億円で、現在9500億円の3.5倍です。外務省が「常任理事国入りが国益にかなう」と言っているということですが、これまでの外務省の行いを見ていると、「外務省が国益を考えてる? ハァ?」と言っても過言でないと思います。

宇宙船地球号のチケット=論説室・玉置和宏 (毎日新聞 2005年4月17日) には、
そのODAが90年代前半にさらに急増したのはガリ国連事務総長(当時)の「日独は安保理常任理事国に」という国連改革案が浮上したことによる。すっかり舞い上がった外務省はバブル崩壊で財政が悪化したにもかかわらず、ODAをアフリカ中心に散布した。 
その結果はもう言うまい。ODAの円借款の大半は99年ケルンの主要国首脳会議(サミット)で決まった「債務免除」で安保理常任理事国の椅子と共に消え去った。
「すっかり舞い上がった」なんて書かれちゃってるところが情けない。そのときの反省はないのでしょうか。

前の記事では、「小泉純一郎首相は先月、ジャカルタで開かれたアジア・アフリカ首脳会議で、アフリカ向けODA(03年実績で約600億円弱)を3年で倍増させる方針を表明した。」とあって、「あ〜あ、小泉さんまた外務省にだまされたんだ」と思いましたが、よく見ると9500億円のうちの600億円ですから、まだ全体にはそう影響のあるレベルではありませんでした。

ODAを出すにしても、ただばらまくのではなく、有効な使い方をしましょうよ。政府の高官の懐に入るのではなく、貧困にあえぐ人々が自活できるようにするために使いたいものです。

自活できるように、といってもそのやり方も考えないといけません。以前、曾野綾子さんが、「東南アジアだと鶏を飼えるようにするだけでよいが、アフリカだとまず鶏を盗まれないようにしないといけない」ということを言っていました。一言でアフリカは...なんて言っちゃいけないのでしょうが、民族同士の抗争、内戦、収奪、レイプ、... 自分達で幸せになるという意志はあるのかと問いたい。まず教育のような地道な活動からはじめないといけないでしょうね。

トラックバック先:
週刊!Tomorrow's Way (yodaway2さん): 「中国、安保理拡大に拒否権、と!——ニッポンに立ちはだかる巨龍。」

コメント
 Commented by yodaway2 at 2005-06-04 12:48 x
そのとおりと思います。外務省は、ほんとうに問題あり――の省庁ですね。私はタナカ・マキコ氏と逆の立場に立っていますが、ただ「伏魔殿」と表現した彼女はさすがだったと思います。(笑) たぶん、いまもその体質は、それほど変わっていないでしょう。何しろ、国民からは見えない世界のことなのですから。ただ、一方で、日本はグローバル国家ですし、そうでないと生きていけない国ですから、文字通り、外交は国家の命運を左右する問題なわけです。あたり前ですけれど。おっしゃるように、ODAなども姿勢を正して、地道に、かつ効率よく運用していただきたいものです。(――それが大丈夫なのかナ、ということなんですけれど。)

 Commented by yoshihiroueda at 2005-06-04 21:21 x
★yodaway2さん、私も田中真紀子にはちょっと期待したんですよ。外務省の改革をやってくれるんだと思って。でもやっていたことは外交官と同じ、地位を利用したり、威張ることが仕事と勘違いしてたり。外交も含めてこの国の進む方向、その手段をトータルデザインして提示してくれる政治家はいないものか。と思います。ないものねだりでしょうかねー。

29日目の恐怖

こんにちは。ゴールデンウィークはどこにも行きませんでした。環境保護に貢献しようと思って (ウソ)。

今日午後4時からテレビ東京で「地球共生」という番組があります(番組HP)。年間6回で今日はその第1回「29日目の恐怖」、総論だそうです。
タイトルの“29日目の恐怖”とは、「ある池のハスの葉が増え、1ヵ月で池のすべてを覆い尽くしてしまいましたが、その前日の29日目、池の景色は特に普段と変わらなかった」というヨーロッパの昔話から引用しました。つまり、倍倍で増えていくものは最終段階を迎える直前まで気づき難いということです。
ということです。

以前、10年くらい前になりますが、環境保護に関する講演を聴きました。その際に講師から会場にといかけがありました。

・地球はまだ大丈夫と思うか。
・それとも、今行動を起こさないとダメだと思うか。

私はそのとき、「もう取り返しがつかないんじゃないか」と思っていて、どちらにも手を上げることができませんでした。それから10年、京都議定書は発効しましたが、一番大きな影響をもつアメリカは参加していませんし、中国は対象外になっています。次の議定書には中国も義務を負うことが求められるはずですが、中国はそのときにはアメリカと同じ行動をとることが懸念されます。

「もったいない」精神を意識して生活していますが、この状況の中でどれだけの貢献になるのかと思うと暗い気持ちにならざるを得ません。それでも自分にできることをやるしかありません。30日目に突入するのを少しでも遅らせ、現状を維持することに貢献していきたいと思うのです。

テレビ東京なので全国では見れない人も多いと思いますが、その場合は知り合いに録画してもらってみましょう。第1回目のゲストは石原慎太郎だそうですが、彼が嫌いな人も我慢して見ましょう。

2005/05/06

日中関係のまとめが...

... 3ページの特集として、5月1日の毎日新聞に載っていました。もっとはやく何か書きたいと思っていましたが、ちょっとすぐに読む気になれず遅くなりました。意見を加えることは余りありませんが、備忘録としてリンクを含め書いておこうと思います (リンクはいつまで生きているか分かりませんが)。

日中関係(その1) 日中、不信の連鎖
日中関係(その2) 中国の軍備増強警戒−−日本側の不信
日中関係(その3止) 日米安保強化に懸念−−中国側の不信

紙面では、「日本側の不信」と「中国側の不信」の年表を見開きページで揃えて示してあったり、これとは別に終戦からの年表が示してあったり、カラーページで地図上に中国各都市の在留邦人の数がピクトグラムで示してあったりして、力が入っています。

以前から断片的な記事でなく背景まで整理された形で知りたいと言っていましたので、こういう特集はありがたいです (5月4日には「ニッポン放送株争奪:検証・ライブドアVSフジテレビ 水面下、激しい攻防」というのもありました)。「基礎知識」も有用だと思います。

ところで、(その1) には、
胡主席は会談で「両国の古い世代の指導者と有識者の長期的な努力に対し、申し訳ない」と関係悪化を嘆いたが、
とあるのですが、「申し訳ない」なんて言ったというのはこれまで報道されていないと思います。見逃しているだけなのでしょうか。それとも中国語で別の言葉を毎日新聞のここでだけ「申し訳ない」と翻訳しているのでしょうか。「嘆いた」なんて書いてあるので、別の語だった可能性も高いですね。

もし「申し訳ない」なんて言ったのなら、画期的な反省の言葉ですね (日本だけに対してではなく、日中の先人達に対してですが)。少なくとも、相手を批難するときにも使ったり、自分の責任じゃないんだよと言うニュアンスの強い「遺憾である」よりずっといい。
しかし反省だったとしたら、もっと大々的に扱われているはずです。やっぱりそんなことないんだろうなあ。

2005/05/04

Tigerが載った

こんばんは。佐山サトルです (ウソ)。

先日、Tigerが載るまで待とうって書いたのですが、

出ましたね。4月29日にTigerが出てからすぐでしたね。

News Release
アップルの新しいiMac G5シリーズ、より高速化しワイヤレス機能内蔵。そしてMac OS X "Tiger"を搭載

いや、確かに先にPowerMac G5が出たんですけどね、私はデザインのプロじゃないので。

ほんとうはmac miniを狙っていたのですが、スペックも向上していて、ちょっと揺らぎます。それに、これがスティーブ・ジョブズCEOのいう「目を見張るような新製品」じゃないよね。

現実的な視点での改憲論議

こんばんは。拳法の達人です (ウソ)。

私自身は、憲法の文言を誤魔化しながら運用している今の状況はあまりほめられたものではないと思っている。しかし、私と立場は違うが、毎日新聞の社説は、「憲法はどうあるべきか」という視点からの議論が多い中で、現実的な指向での議論となっていて、なるほどと思わせる一面があると思う。

社説: 憲法記念日 改憲への原則3点を確認する

・国連憲章前文で謳われている平和主義への返答として憲法9条がある (我々が平和を乱す存在とならないことの決意)。
・国連が認める自衛権、集団的自衛権も封殺してきたのは、旧敵国としての自制。
・常任理事国への立候補は、再び人類に戦争の惨害をもたらさない側の国として認知され信頼されるはずという宣言。
・それが国際的に承認され常任理事国になれるとすれば、日本は名実とも敵国ではなくなり、自衛権を封殺した理由は大きくそがれる。
・このため、集団的自衛権の論争より、常任理事国入りにエネルギーを傾けることははるかに効率的で有効。

ふむふむ。

そして、その前提になっているのが、次の「国柄、国民の義務論争」に関するポイントと思う。
米国などは憲法があって国が成立している歴史がある。日本は違う。憲法は日本の長い歴史の中では最後のほうで国際社会に向けた自らの証明書として作られた。日本の国柄は憲法に書き込まれるいかなる作文より深く広く人々の心と風土に浸透しているものでなければそもそも意味がない。
憲法より先に日本人が育ててきた価値観、文化を前面に出しているといえる。

これはこれで納得のできる議論だと思った。

しかし、日本人の「心と風土に浸透しているもの」というのが安定的にあれば、という前提条件がつくと思う。それが壊れていっていると感じているのは私だけでないと思う。

自然を大事にすること、自然の前に謙虚であること、資源の少なさを勤勉・工夫・誠実さで補ってきたこと...。これらを再確認し書き留めておくことで、今後の我々の行動指針、我が国の運営指針とすることが必要なのではないかと思う(憲法はもともと国を国家権力を縛り付けるものだとことはこの社説にも書かれていることでもあり、理解していますが、国民を含めた国のありかたを積極的に謳うのもありなのではないかと考えて書いています)。そしてこれらの価値観を世界に広めていくことが我々の存在意義であり、誇りとすべきことなのだと思う。

追記: 私自身は常任理事国入りに賛成の立場ではありません(過去記事)。

2005/04/30

レディース&ジェントルメン...

...ノミナサン、コンバンハ。デューク・ウエダデス (イチブウソデス)。

あなたはナニジン?国籍占い、やってみました。
yoshihirouedaさんの国籍は 
レディース&ジェントルメンな
グレートブリテン 
イギリス人
...って何の解説もなしかよっ!

2005/04/29

教科書問題はドイツに学べ

こんにちは。ueda.txtです (なんだそれ)。

先日「事実は事実と」で、教科書問題に関して書きました。毎日新聞にこんな記事がありました。

毎日新聞 2005年4月28日
日本と世界: 同じ?違う? 頭悩ます教科書

みんなさまざま。特に現代史は今を教えることと同じですから、中国、韓国と同様に、現政権が教えたいことに歴史を歪曲するしかないのだろう。

この中で、ドイツの進め方は学ぶべきところが多い。
ドイツは学者による教科書の共同研究委員会を周辺国とともに設置し、偏見や敵視をなくす努力を続けている。また、ユダヤ人の大量虐殺(ホロコースト)や周辺国を侵略した歴史は、教師が独自の教材で教えることも多いのが実情だ。
ここで「努力」とかかれているが、利害関係のある周辺国との調整には、本当に努力が必要だと思う。

反省を行動で示すというのはこういうことを言うのだろう。日本もこのようなことを続けていれば、周辺国につけこまれる隙を作らずに済んだのに、と思う。

一方で、周辺国にも努力が必要だ。周辺国に相手の努力の姿勢も尊重する姿勢がなければうまくいかない。ましてやロジックが通じないならば、「研究」にもならないだろう。その意味ではドイツはラッキーなのだと思う。

本当は、「ドイツはラッキー」で済ますべきことではないのだろう。将来のため、あきらめてしまっては仕方がない。ちゃんというべきことを言いながら、日本はちゃんと言うべきことを言う国という評価を国際的に得ていくことによって、少しずつ変えていくしかないのだと思う。

評価はメッセージ

今回のJR西日本尼崎脱線事故は、規模が大きいだけでなく、電車がぺちゃんこになった衝撃的な映像、鉄道会社の競争の中でおろそかにされたものなど、ショッキングな事故でした。亡くなられた106名の方々のご冥福をお祈りします。

鉄道会社、航空会社などの運輸業だけでなく、工場や工事現場では、「安全第一」が掲げられ、会社の経営者も口を揃えて「うちは安全第一をモットーとしている、従業員にもそう指示している」と言います。しかし、言葉と行動が一致していなければ意味がありません。

毎日新聞 2005年4月27日
安全崩壊: JR西日本惨事/上 同じ失敗許さぬ重圧

何をプラス評価し、何にペナルティを与えるか、そしてその大きさは、経営者側が「こうあって欲しい、こういうことはやって欲しくない」というメッセージです。
ここで書かれている「日勤教育」は「教育」という名前はついているものの、ペナルティ、もっと言えば懲罰と捉えられていることが分かります。「今度やったら運転士を辞める」と「決意書」を書かされるというのであれば、解雇の一つ前くらいの重さです。いや、自殺した人もいるくらいですから、解雇のほうがまだましと言えるくらいの苦痛なのだといえるでしょう。

この記事であげられている自殺した44歳運転士は、@HOMEさん「気になったブログ<尼崎脱線事故」で紹介されているきっこのブログ「1分の重さ」に出てくる服部運転士のことではないかと思います (@HOMEさんのコメントで紹介されているこの記事をみるとそのようですね)。きっこさんのブログには、新聞記事で触れられていないこともいろいろかかれています。一度も事故を起したことのない優良運転士に「過去に起した事故についてレポートを書け」なんて理不尽な命令は、知らないと言っている人に拷問してしゃべらせようとするドラマの中のシーンを思い出させます。

一方、安全に関しては、調査、原因究明をする意志がないのですから、社員に対して安全を守る人を評価し、(事故を起こした人でなく事故につながる) 安全を軽視する姿勢を戒める体制にはなってなかったと思われます。この服部運転士も、やるべきことをやっての懲罰ですから、やるべきこともやるなというメッセージに他なりません。今回の高み運転士も、実際はそういう指示はなくても、遅れたらスピード違反して遅れを取り返せと言われているように感じていたでしょう。

皆さんの職場ではいかがでしょうか。「安全第一」が単なる掛け声や経営者の言い訳になっていないでしょうか。安全を大事にする人と効率を上げる人とどちらが評価されているでしょうか。

きっこさんは、「今回のブログに書いた内容は、知っている報道関係者もたくさんいるのですが、JRと癒着している自民党の某派閥からの強い圧力によって、新聞やテレビなどではあまり報道することができないのです。」と書いています。「報道GOサイン」でも書きましたが、何か大きな事件が起こらないと不正を明らかにできないジャーナリズムの存在意義には疑問を感じます。

追加トラックバック
週刊!Tomorrow's Way: 「JR西にも経営理念があった!——現実との落差はなぜ?」

コメント
Commented by fumi_o at 2005-04-29 13:55 x
トラックバックありがとうございます。
最初、リンク先ー「1分の重さ」のきっこさんの記事を知ったときは、無知が故その内容に驚いてしまい、正直「本当かな?」と疑った部分もあったのですが、ニュースで次々とJR西日本の日勤教育の実態が明らかになるにつれ、真実だったということに改めて驚いてしまいました。
遺族の方々も怒りや無念をどこにぶつけていいのか、そのやるせなさを思うと、言葉もありません。

 Commented by yoshihiroueda at 2005-04-30 04:45 x
★fumi_oさん、
「教育」の名を借りたリンチ、従業員が安全よりもこれを避けることを重視しても批判する気になれません。これまで大きな事故にならなかったのが不思議なくらいです。

冷めたのか、安定したのか、燃料が切れたのか

こんばんは、クールガイです (うぷ)。

はりーさんが、「ブログブーム」について書かれています。1年くらい続けてきた人たちが共通してもつ感覚なのか、更新頻度が落ちている。ブログを書く意欲に変化がみられる、ような気がする。

実ははりーさんが、先月「停滞」という記事を書かれたときにも同じ感想をもっていたのでトラックバックしようと思ったのですが、本人がその後すぐに「停滞? どこが? って感じですな。」なんて書いているので、「ありゃりゃ、やっぱり俺だけ?」と思い直したのでした。

それでもやっぱり、自分の周りでは、いつのまにか書かなくなっちゃってたり、卒業宣言を出したり、ブログ自体を削除しちゃったりする人も出てて、全体が停滞している感は残っていました。自分自身もこれって自分にとって何なの?とレビューし、「ブログを育てる」という感覚なんて記事も書いてみました。3月は年度末にも関わらず書いた記事数は一旦増えたものの (20件あった)、4月になってまた激減 (これで7件め)。いったいこの乱高下はなんなんでしょ。

一方でブログ自体は確実に増えているんですよね。休眠も多いから全体ではどうか分からないのですが、感覚的には確実に増えている。

理由はいろいろあるでしょうね。

・昨年前半くらいまでに始めたフロントランナーとしての自負があった(あるいは使命感かも)。人が増えてきて、自分の使命は終わったように感じているかも。

・一方で、ブロガーのレベルが下がってきているような感じがしているのかも。つまり、有象無象と一緒にされたくない。

・自分は違うというためには、クオリティの高い記事を書く必要がある。結果として下調べや執筆にも時間がかかるようになる。心理的な障壁も高くなる。

・ブロガーのレベルは全体では下がってきているのかもしれないが、そのなかにも能力のある人がいて、全体ではレベルの高いブログも増えている。よけいに自分の才能に限界を感じる。

・人が増えると、ユニークな視点の記事も増えてきて、自分が書くことは誰かがいったことの焼き直しのように見えてくる。自分が発言しなくても誰かが言ってくれるよという感じが増えてくる。

・燃料 (ネタ) も尽きてくる。

・ウソの紹介をしてくれる人も枯渇してくる。ってこれは個人的事情ですが。

など。これだって、はりーさんが書かれたことの焼き直しみたいになりユニークな視点が提供できていないことに気が付いたので、今この瞬間に原稿を焼き捨てようかという気になった。

色々あげてきたけれども、ブログがだんだん衰退してなくなっていくとは思っていません。ハリーさんが
キャズムを超えた今、イノベーターやアーリーアドプターとして目立った人達のような大きなハブではなく、小規模のコミュニティに分散して、いわばロングテール化してきているのかもしれない。
と指摘されていますが、そう、井戸端会議はなくならない。

さて、ブームと言うものの終焉には次のブームがあると思われるのですが(ブームが終わってあいた穴に新しいブームがはいるのか、それとも新しいブームが来てそれまのブームに引導を渡すのかはおいておいて)、それって何なんでしょう。私は気が付いていないところで始まっているのかもしれません。mixiやgreeなどのSNSかな。

追記 (2007.11.15): この記事を書いてから2年半後こんな記事が出ていた。なんか感慨深い。

すちゃらかな日常 松岡美樹 2007年11月10日ブログ祭りが終わり、僕らは日常へ帰った

2005/04/23

小泉首相、久々の合格点

おはようございます。小泉孝太郎です (もちろんウソ。もしかして忘れられた存在かも)。
昨日帰って夕刊の見出しを見ると、

毎日新聞 2005年4月22日 東京夕刊
バンドン会議: アジア植民地支配と侵略、小泉首相「反省、おわび」−−異例の演説
「痛切なる反省と心からのおわびの気持ち」を表明する。
とありました。

「あ〜あ、また泥縄でおわびしても、なんの効果もないのに。」と思いましたが、演説要旨 (同じく毎日新聞)を見ると...
わが国はかつて植民地支配と侵略によって多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えた。
プラスになった面も多く言われていて、実際に評価している国、地域もあり、その点も言及して欲しかったが、ここはあとのつながりから仕方ないかな。
こうした歴史の事実を謙虚に受けとめ、痛切なる反省と心からのおわびの気持ちを常に心に刻みつつ、わが国は第二次世界大戦後、一貫して、経済大国になっても軍事大国にはならず、いかなる問題も武力によらず平和的に解決するとの立場を堅持している。今後とも世界の国々との信頼関係を大切にして、世界の平和と繁栄に貢献していく決意であることを改めて表明する。
今回泥縄で謝罪している訳ではなく、一貫した態度を取ってきたという強烈な主張になっています。中国、韓国の言い分に対して、ただつっぱねているのではなく、きちんとした反論ともなっています。

また、これが、中国、韓国に対しての個別の「おわび外交」ではなく、国際社会全体へのアピールになっているところがすばらしい。

これまで私は小泉首相に対して批判的な意見が多かったのですが、今回の演説は合格です。

このようなきっちりした演説を日本国民の前でもやってほしいなあ。郵政民営化や人権擁護法案でも。

ところで各国の反応ですが、

韓国: 謝罪演説は「口だけの謝罪で意味がない」
-- 何言っても同じ反応をするだろうと思っていたので、こんなもんだろうと思いましたが、中身を見ると、同じ日に政治家が靖国神社を集団参拝したことを問題にしているのでちょっと予想と違います。集団参拝がなかったらどうなんだろうと思いました。

中国: 演説は「歓迎する」中国外務省報道局長
-- 中国側も問題の大きさに自ら困っている様子でもあるので、それに収拾をつけられる契機となる発言が日本から出ることはありがたいだろうなと思いました。しかし、中身を見ると、歴史問題でさらなる譲歩を引き出したい意向とみられる、ということです。あまり欲張らない方がいいと思うぞ。

追記: トラックバックの3番目の「玄倉川の岸辺」さんの記事は、2回にわたってブロガーの皆さんの記事を、批判的、中立的、肯定的の3つに分けて整理されています。皆さんも見てみてください。努力に感服です。1回目はここ

コメント
Commented by rkya at 2005-04-25 12:41 x
自分の気持ちにとても近い演説でした。いろんな意味で敵でなければならない日本なのでしょうが、「いろんな」は隠されて、歴史問題ばかり突きつけられると、いいかげんうんざりしてきます・・・

 Commented by rakurakuonsen at 2005-04-26 00:56 x
uedaさん、こんばんは。
今回の演説、僕も、近い感覚を持ちました。新しい土俵が出来たような・・・ ちょっと甘いかな。トラバさせて頂きましたので、よろしければお立ち寄りください。

 Commented by cosicosi3 at 2005-04-26 10:57 x
日本は歴史を反省した上で経済援助をしてきたと思うのですが
それが中国の市民には伝わってないようですね。
ある評論家が、日本政府のサイトにどれだけの経済援助をしたのか中国語で掲載したらいいのにと言っていました。

 Commented by yoshihiroueda at 2005-04-26 23:40 x
★はるかさん、敵を作らないとやっていけない、というのは悲しいことですね。中国の歴史も自ら汚しているように思います。

 Commented by yoshihiroueda at 2005-04-26 23:44 x
★rakurakuonsenさん、
ええ、誰が原稿を作ったのか知りませんが、芯のとおった内容だったと思います。今後常にこの主張を続け、日本はそういう国と世界中に認識してもらう必要があると思います。

 Commented by yoshihiroueda at 2005-04-27 00:14 x
★cosicosi3さん、
日本大使館のページ(下記)の「对华经济援助」というのがあるらしいです。中国語は読めないけど。日本語のページもあります。
http://www.cn.emb-japan.go.jp/
それから中国のインターネットにはフィルタがかかっており、どこでも見れる訳ではありません。
http://japan.internet.com/busnews/20050418/11.html
http://www.tokyo-np.co.jp/00/tokuho/20050416/mng_____tokuho__000.shtml

2005/04/20

期待はずれって言うけれど...

... それは期待が過大だっただけなんじゃないでしょうか。

こんばんは。白馬の騎士です (ウソ)。

ええ、この件です。

毎日新聞 2005年4月19日
ニッポン放送株争奪: フジ、1033億円で全株取得 ライブドアと和解

ブログを見ていると、「期待はずれ」、「大山鳴動ネズミ一匹」、「いったい何だったのか」などの意見があります。確かに私も最初は何か面白いことになりそうとは思いましたが、堀江社長の既存メディアを軽視する発言や、インターネットとの融合が具体的なアイデアを伴っていないことをみると、これは買収は成功してもその後の事業はうまくいかないかもと思うようになってきました。

北尾氏の登場によって、フジテレビの支配は無理になり、影響力がラジオだけになると、さらに事業の構図が描けない状況になっていました。

この時点でなんらかの和解に持っていかないとライブドアの存続自体も危ういものになっていたでしょう。徹底抗戦を主張する堀江氏に対して、宮内氏、熊谷氏ら役員のみなさんの意見が押し切った形らしいですね。

この一連の騒動を振り返って、何にも残さなかったという意見もあるようですが、私はそうは思っていません。勉強になりましたよね。外資への門戸開放が先延ばしになりましたが、無防備のまま開放されるよりかえってよかったんじゃないでしょうか。

リーマン証券と村上ファンドに高い授業料を払うことになりました (堀江さんも1400億のうちの大部分は転換社債による増資とフジテレビからの増資で、無から得たものですから、この中に入れて良いかもしれません) が、それを支払ったのはライブドアの株主とフジテレビで、新生銀行の時のように我々の税金ではありません。ライブドアの株主は、堀江さんに出資した時点でそういうことは覚悟しておかなければならないことですし、フジテレビも資本関係のねじれを放置していたつけだと言われています。

さて、堀江さんは手にしたお金を何に使うのでしょうか。堀江さんもワクワクすると言っていましたが (業務提携のことのように言っていますが、そっちのほうはあまり期待してないんじゃないでしょうか)、観客席の我々も同様です。そういえば、堀江さんの投資セミナーでは、出資に向いている企業のひとつにTBSをあげていたそうですね。

2005/04/17

Tigerが載るまで

こんにちは。伊達直人です (ウソ)。

4月29日にMac OS X v10.4 “Tiger”が発売されますね (ニュースリリース)。

最初OS 9の時にMacを買って、その後、Mac OS X 10.1と10.2は買ったのですが、10.3はもうそろそろMac本体を買い替える時期だろうということで、買っていませんでした。
そこからももうずいぶんたっています。USB1.1なのとiPod shuffleへの転送が時間がかかるのと、ADSLも8Mから高速版に変えたのにあまり速くなった気がしないので、そろそろMac本体を買い替えるのに、iMac G5にするか、Mac miniにするか、それともノート型にするかで悩んでいたところですが、あわてなくて良かった。Tigerが載るまで待とう。

というか普通OSの発売前には、無料アップグレード権がついてくるのですが、今回ないのでしょうか。

ところでちょっと気になる記事が...
ITMedia 2005/04/14
Appleエンジン全開、iPod好調で530%増益
スティーブ・ジョブズCEOは発表文で「Appleはエンジン全開で稼動している。今月末のMac OS X Tigerを皮切りに、今年は目を見張るような新製品が控えている」と述べている。
その「目を見張るような新製品」を待ってたほうがいいかな。ってそんなこと言ってたらいつまでたっても買えないんですけどね。

2005/04/12

中国を啓蒙する

こんばんは、島崎和歌子です (ウソ)。

以前私はサッカーアジアカップその後で、
このままでは4年後のオリンピックの開催国の資格を疑われる、世界からそっぽを向かれるということを伝える必要があると思います。
日本と韓国は、オリンピックやサッカーワールドカップの先輩として、
・ホスト国の政府および地方自治体に求められること
を啓蒙し、中国政府が、自国民に対して
・ホスト国のマスコミに求められること
・ホスト国の国民に求められること
を啓蒙していく必要を教え、さらにその活動に対して協力していく必要があると思います。いつまでも敵対関係ではなく、我々は中国と友好的な関係を築きたい、中国が国際的に孤立することは我々にとっても望むところではないという姿勢をもち、それを的確に伝えることが大事だと思います。
と書きました。

これはオリンピックの開催国としてどうあるべきかというコンテキストのもとに書いたのですが、今回はもうちょっと広い視野で、国際社会の一員としての認知を得るためには法治国家であることを示すことが必要である、ということを教えていかないといけないと思うのです。中国人に対して、どうしたら今後の儲けにつながるかを考えさせれば、自ずと答えは出せるでしょう。

でもこれはほんとに理想論。中国政府がデモを日本のせいにするような状況では、聞く耳を持たないでしょう。日本だけがそういっている状況では。国際世論を味方につける必要があります。浮世風呂さんは「中国反日デモの暴力行為に抗議する:日本の取るべき戦略」で次のように指摘されています。
いま現在の事実をきっちり指摘し、国際社会に問うていく態度が、今の日本には必要だ。 
政府にはもっともっと、発信していく義務がある。
まったくそのとおりと思います。これまでと同様に二国間の協議であやふやにすますと、今後に禍根を残すと思います。

トラックバック追加:
Tomorrow's Way (yodaway2さん) 日本人は我慢している。だから、気付いてほしい。

コメント
 Commented by rakurakuonsen at 2005-04-13 00:26 x
こんばんは。
今回のデモでの暴力にしても、サッカー・アジアカップでの一件にしても、中国国内での反応というのは極めて狭い範囲で自己を捕らえてしまっている点に根源がある気がします。これはわれわれにとってもそうですが、中国の人々にとっても非常に不幸な現実だと僕は思うのです。
すべて自らの思う通りになるというものではなく、社会の中で折り合いをつけながら、生きていく・・・その術が必要であることに早く気が付いて欲しいものです。
そのためにも、日本は発信する必要がある。事実を事実として、きっちり語っていくことが、今後にとっても大切なのではないかと思っています。

 Commented by yoshihiroueda at 2005-04-15 23:25 x
★ rakurakuonsenさん、コメント返信遅れ申し訳ありません。といいながら、忙しかったんだよー、と申し訳したりして。
日本の言っていることはいつも一本筋が通っていると世界的に認められ、いいがかりをつけても無駄というようになりたいものです。「立派な猫は居るだけで鼠が来ない」

 Commented by yoshihiroueda at 2005-04-21 01:19 x
★鍵さん、コメントありがとうございます。私もいつも訪問しています (コメントできていませんけどね)。おっしゃるとおり、中国に固執するより他の友好国を増やしていくほうが良いと考えています。それらの国とともに発展し、それを見せつけることで、中国も心を入れ替えて仲間に加わりたいと思ってもらいたいと思います。

2005/04/07

事実は事実と

こんばんは。安英学です (ウソ)。

教科書検定結果に対して、韓国や中国が抗議の声をあげています。
これに対して、多くのブログで、内政干渉だという反発がみられます。
しかし、もし事実と違うことを教育しようとしているなら、抗議は当然ではないでしょうか。
もし事実と違うことを教育しようとしているなら、
もし事実と違うことを教育しようとしているなら、
...
そんなことはありませんよね。指摘事項は事実を事実として書くことを要求しているものばかりのように見えます。

事実を捏造やウソであると抗議している国々では、そうすると、
事実とは違うことを「事実」として教えているのではないか、
もしそうなら、むしろそれを批判、抗議すべきではないか (内政干渉と言われようとも) と思っていました。

そういうときに、Tomorrow's Way (yodaway2さん)に
図書館から韓国の歴史教科書を借りてきた。
という記事が投稿されていました。読んでみると、

...

やっぱり抗議しましょう。

こういう教育を受けてきた人たちは、ほかの情報を与えられていなかったので、それを丸ごと信じていると思います。日本からの抗議が (根拠とともに) 伝えられれば、矛盾する2つの「事実」があることを知り、お互いを知る端緒になると思うのです。

喧嘩は友情の始まりと言うか... 甘いかな。

追記 (2005.4.15):
毎日新聞にこんなコラムがありました。
おばさんの逆襲:還暦からの始まり=小林洋子
教科書の記述に問題があるのならお互いの国の教科書を持ち寄って話し合えば良いではないか。教科書見せてよ。そうすれば、昨年のニューヨーク・タイムズの「中国では歴史自体が政治の道具にされている。日本を叩(たた)くことは中国の国民的娯楽だ」という記事の真偽が分かりこちらもすっきりするのだ。
そうだ、そうだ。

毎日新聞の「おばさんの逆襲」はいつも直球で気持ちがいいです。

コメント
Commented by rkya at 2005-04-07 08:51 x
教育って怖いですよね。教育によって思想は作られるわけで、
どんな人間でも作れるわけで。この問題に関しても、もしかしたら
自分も、多少なりとも、日本人に都合のよい教育を受けているのではないか?
という不安があります。世界史の教科書は、万国共通のものにして欲しい!

 Commented by yoshihiroueda at 2005-04-09 12:22 x
★はるかさん、
子どもの頃は学校で得られる知識は絶対だと思っていましたからね。日本の教科書はわりと公平のようです。イギリスの教科書にはアヘン戦争のことも載っていないそうですから。そういう意味で日本に生まれて良かったと思います。

 Commented by ko-bar-ber at 2005-04-16 00:34 x
コメント頂きありがとうございました。
米国で報じられている中国の教科書情報がありますので、TBさせていただきました。
今後とよろしくお願いします。

 Commented by yoshihiroueda at 2005-04-16 12:37 x
★ ko-bar-berさん、コメントありがとうございます。教科書問題にも言及したコラムがありましたので追記しました。

2005/04/04

立花隆 続き

「立花隆の新連載」の続きです。

前回、私がこれから知りたいことの中に「SBIの参入のような事態が、堀江社長のいう「想定内」のなかに入っていたのだろうか」ということを入れました。

ちょうど連載の第6回のタイトルが
「SBI登場で露呈した、ホリエモンの負け戦も「想定内」
でこれはと思って読んだのですが、
堀江社長は平静を装っているかに見えるが、実際は茫然自失というところだろう
とありました。「想定内」って「堀江さんの」想定内じゃなかった訳ね。私の想定内だったなんていっちゃいけませんよ。そんな後だしジャンケンは許されません。

前回私は「立花氏を絶対視している訳ではないのですが」と書きましたし、はりーさん「世祓い」の記事でこの連載にも批判があることも知っていたのですが、こういう書き方はちょっとがっかりですね。

しかしはりーさんの記事へのコメントでも書きましたが、それでもちょっと期待しているのです。誰でも知ることのできる情報からでも、それを整理して構成し直し分かりやすく提示するのは誰でもできる訳ではない。これは切込隊長が指摘していることに通じると理解しています。

特に第7回
フジのお家騒動から浮かび上がる「因縁の構図」
では、朝日新聞のお家騒動とフジテレビのお家騒動を出し、最後に
今回のソフトバンク・インベストメント(SBI)の登場をながめると、実は意外なもう一つの構図が見えてくる。それは、SBIの北尾吉孝・最高経営責任者(CEO)が、クーデタで追われた鹿内宏明氏の長男、鹿内隆一郎氏と以前から非常に親しい関係にあるという事実だ。
とある。

期待させるのもうまいよね。

2005/03/31

いったい何が起こったのか?

こんばんは。岬君です (ウソ)。

サッカーのことは良く分からなくて、特に解説者や新聞記事で「いい試合だった」とか書かれていても「そうか~?」と思うことがしばしばあります。でも今日のバーレーン戦は面白かったですね (これで専門家が凡戦だったなんて言ってたらどうしよ)。特に点を取ってからがはらはらしました。相手がシュートすると、楢崎の正面でもひやっとします。

毎日新聞 2005年3月30日
サッカーW杯: 日本1−0でバーレーンに勝つ B組2位に

1点入ったときは、ひょこっと入ったので、何が起こったのかわかりませんでした。普通、アナウンサーが「シュートオー!」、「ゴオオオル!」と叫んで点が入るもんだと思っていたし、球に勢いもありませんでしたしね。リプレイを見ると、あらあら、自殺点じゃないですか (オウンゴールというらしいですね)。

バーレーンは強そうだし、あまり期待しないようにしていたのですが、こういうラッキーな勝ち方でも、俄然今後に期待しちゃいますね。「私をドイツに連れてって」といいたくなります。

2005/03/29

夢想は夢想でいいんだけど

私も夢想家なので、夢想を夢想といっている限りはいいと思うのですが (ほんとは義に反した夢想を吐露するのは止めて欲しい)...

朝日新聞 2005.3.27 若宮啓文「風考計」
竹島と独島 これを「友情島」に…の夢想
 例えば竹島を日韓の共同管理にできればいいが、韓国が応じるとは思えない。ならば、いっそのこと島を譲ってしまったら、と夢想する。 
見返りに韓国はこの英断をたたえ、島を「友情島」と呼ぶ。周辺の漁業権を将来にわたって日本に認めることを約束、ほかの領土問題では日本を全面的に支持する。FTA交渉も一気にまとめ、日韓連携に弾みをつける——。
の部分は、夢想だといっているので、朝日新聞の読者の人もそれはわかると思うのですが、それ以外の部分で事実であるかのように書いてあるのは、事実だと理解しちゃうんじゃないでしょうか。

前にも書きましたが、これが事実! って書いてくれないので、この分野の専門家でない人は断片的な知識しか持ちえません。私もその一人ですが、それでもこれは違うんじゃないの、と思います。

「今回思い知ったのは島に寄せる彼らの深い情念だった。」
-- もともとこの島に愛着を持っていたのではないと思うのですが。

「韓国が日本に強要されて保護国となり、5年後に併合されてしまう。」
-- 朝鮮からの依頼で併合にしたと理解しています (石原慎太郎がそういったからではなく)。

「日本が独立運動を容赦なく弾圧したように、彼らも「竹島奪還」の動きには過敏に鉄槌(てっつい)を加える。」
-- 等価なものなのでしょうか。「容赦なく弾圧」ってなんでしょう (いやここは本当に知らないので)。まさか暴力による運動を抑えたって意味じゃないですよね (反語)。

追加 ('05.03.30): 一番問題な部分を忘れていました。
「島を取り返せる見込みはない。」
-- 勝手に断定するな。

これらの文章がまるで事実であるかのように書いてあって、注釈も何もなければ、朝日新聞を読んでいる人は事実と思っちゃうか、少なくとも潜在意識に刷り込まれるでしょう。複数の新聞を読み比べればよいという人もいるかもしれませんが、多くの市井の人々は金銭的にも時間的にも余裕はありません。

最近堀江社長のジャーナリズム観に対する異議をよく聞きます。その多くは同意できるのですが、その主張をいうためには、プロのジャーナリストは事実と主張をきっちり分けて伝える姿勢が必要だと思います。

2005/03/27

立花隆の新連載

こんにちは。紹介が遅れました、てゆーかどうにも代理で紹介してくれる人が思い付きません。

nikkeibp.jp 「専門家の眼」で
立花隆の「メディア ソシオ-ポリティクス」

とう連載が始まりました。始まったというのはおかしいですね。「今月の終わり (3月30日) から公開される「立花隆の『メディア ソシオ-ポリティクス』」のページのテスト版である」とありますので。「場合によっては、毎日、あるいは一日に何度も発信することもあるかもしれないし、何日も書きかえられないこともあると思う」とありますが、昨日1日で一連のテーマですが5本の記事が書かれています。

これまで得られた情報(独自に取材したと言うよりは雑誌記事等オープンになっているものの集積)の組み立てによって「ミッシング・リンク」を解明していくのは、他ではみられないところだと思います。切込隊長やそのブログにコメントやトラックバックしている人をみていると、そういう分析は氏でなくともできているのでしょうが、少なくとも整理された形で提示されていません。

今後知りたいのは、
・SBIの参入のような事態が、堀江社長のいう「想定内」のなかに入っていたのだろうか
・それともそれを含めて大きなシナリオがあった (堀江社長は駒に過ぎない) のだろうか。
・SBIはホワイトナイトになり得るのか。フェニックスがハゲタカに変わっただけでは?
・今後の見通し: 今回の行為は堀江社長は告訴等の手段をとると思われるが、それに勝つ可能性はあるのか。また長期戦に耐える体力をもっているのか。
などでしょうか。

立花氏を絶対視している訳ではないのですが、「即物的な最新情報をいっぱいに詰め込んだページとして展開するのではなく、むしろ目の前の現実から一歩引いて、より広い視野からそれを捉え直したときに、何がみえてくるかを中心に書きたい」というところに期待したいと思います。