年末から年始にかけ、新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) に罹患、入院していました。罹患から退院までの経緯を報告します。
2020/12/24
- 朝体温を測ったら37.2°C。会社からは37.5°C以上の場合出勤を見合わせる指示が出ていて、その基準を満たしてはいなかったものの、急遽在宅勤務に切り替えました。結果的に1週間前の木曜日までしか会社には出社していないことになり、濃厚接触者を発生させずにすみました。
- 夕方の体温は38.4℃。明日は病院に行こうと考えました。
- 朝の体温は37.2°C。会社は休みます。
- 病院に行こうかと思って体温を測ったら36℃台で、もしかしたらただの風邪の可能性もあるため病院へ行くのはもう1日待ってみることにしました。
- 夕方の体温は37.9℃。明日は病院に行く。
- 朝の体温は37.0°C。病院 (医院) に連絡する時点ではやはり平熱だったけれど、2日前からの状況を話して、発熱外来を受けることにしました。
- いつもは徒歩で行ける医院ですが、自動車で来ないとみてもらえません。医院の中には入れないため、駐車場から連絡して、事務の人に出てもらって受付。
- 先生が防護服で出てきてPCR検査の検体 (唾液) 採取。2日で結果は出るとのこと。
- 夕方の体温は38.2℃。
- 毎日新聞2020年12月25日 小川淳也議員のコロナ感染体験 「これで軽症なのか」入院11日間
- "病院は宿舎から1キロほどの距離でした。39度の熱がある中で、ヘトヘトになって歩いて行きました。" 後に出てくる羽田議員も含め、皆さんPCR検査がなかなか受けられない状況にある。
- 朝の体温は37.9°C。
- PCR検査の結果が来ました。陽性。医院から保健所に連絡が行き、保健所から電話連絡が来ます。
- 保健所からのヒアリング内容ですが、この一週間の症状 (熱、喉の痛み、咳、鼻水)、立ち寄ったところ、LINEを使っているか、ホテルで自分で洗濯ができるか、自宅療養の場合ケータリングが必要かなど、詳細にわたります。立ち寄ったところは通勤とジムで、ジムではマスクをつけて運動して、運動のたびに器具を消毒するのでここも感染源とは考えにくいです。
- 「神奈川県療養サポート」というLINEアカウントに登録し、ここから毎日2回体温や酸素飽和濃度 (パルスオキシオメーターが送られてくる予定)、各種症状を登録することになります。
- その後連絡があり、入院、ホテル、自宅待機のうち、自宅待機になりました。「自宅・宿泊療養のしおり」のURL をもらい自分で印刷したものを見ながら説明を受けます。
- しおりには番号は載っていませんが「コロナ119番」という緊急電話番号があり、それを口頭で伝えられます。この連絡先にはLINEのメニューから電話をかけることができます。
- でも電話はなかなか通じません。スカイプからその電話番号にかけたら比較的はやくとってもらえました。
- 細は濃厚接触者になりPCR検査を受けてきましたが、まだ感染していない可能性があります。できるだけ感染を防ぐため、二人の動線を分けます。ベッドとトイレを分け、食事も同じ部屋ではありますが別のテーブルでいただきます。
- 夕方の体温は37.0℃。夜になると38.4℃まで上がりました。
- 朝の体温は38.3°C。
- 夕方の体温は39.6°C。ここまで体温が上がることは今までなかったので、以前何かでもらったロキソニンを使いました。これは効果があり、汗を大量にかいて体温は35℃台までさがりました。
- パルスオキシオメーターはまだ届かず、コロナ119番へ連絡。
- 昨日会社へは陽性であったことを報告していましたが、会社からは保健所からヒアリングされた内容をすべて報告するように指示がありました。あわせて感染しそうなところへの行動(旅行や会食)があったのかなかったのか報告が必要です。後者は「ない」で良いのですが、前者の報告は熱がある中で結構時間がかかり、つらい思いをしました。
- 立憲民主党 2020年12月28日 福山幹事長、羽田雄一郎参院議員の逝去について記者会見
- PCR検査が直ぐに行われないことが問題。自民党ならスケジュールを捻じ込むことができただろう。国会議員は所属に関わらず特別枠があって良い。
- 朝の体温は38.0°C。
- 夕方の体温は38.3°C。その後39.5°C。再度ロキソニンを使う。
- 高熱が続くので、コロナ119番に連絡して不安を訴えたら、「今ウイルスと戦っている証拠です」と言われて納得してしまいました。ここで納得していなかったらもう少し軽く済んだかもしれません。
- 朝の体温は38.6°C。
- 夕方の体温は38.9°C。
- パルスオキシオメーターはまだ届きません。忘れているのではないかと伝えてようやく夕方持ってきてきてくれました。測定したところ酸素飽和濃度93%。今日の2回目の報告は行っていたが、再度登録。これでようやく症状の深刻さが伝わったようです。
- 朝の体温は39.6°C。またロキソニンを飲んだところ35.2℃にまでなりました。
- 酸素飽和濃度は「深呼吸して測り直してください」と言われて測り直したところ95%。一応良さそうに見えるが、入院に切り替えるという話になった。
- 入院先の調整ができて、海老名総合病院に入院することになりました。
- 民間委託の救急車 (ワゴン車で運転席と後部座席はポリエチレンシートでシールドが作ってある) で搬送。羽田議員の件もあるので、途中容体が急変しないかとか非常に不安でした。
- 入院したら個室に入り、酸素吸入開始。解熱剤としてカロナールが処方されたのですが、これはほとんど効きません。
- 血栓予防の注射が朝晩行われます。
- ステロイド剤 (副腎皮質ホルモン) がこれから毎朝投与されます。ステロイドは喘息の特効薬でもあり、肺機能回復に効果があるのではないかと期待しています。
- 夕食はあまり食べられませんでした。
- 持ってきた荷物はスマートフォンや歯ブラシなど必要なものを除いてすべてビニール袋に入れて保管されます。汚染物扱いです。通常使っている薬も同様の扱いで、同じ薬が入院先の病院から処方されます。
- 治療は公費負担ですが、パジャマ、フェースタオル、バスタオルなどのレンタルがありこれは1日500円。毎日替えることができます。下着は使い捨てで1回当たり150円。
- 細にはスカイプでテキストメッセージを送っているのですが、この日は熱が下がっていなくて、自分で書いていて支離滅裂な内容になっていました。途中で「すみません自分でもまとまった話ができません」と送ったのですが、後から見ても何を言いたかったのか分からなくなっています。
- 部屋にエアコンのスイッチがなく、一晩寒い思いをしました。次の日にようやくエアコンのリモコンが入手できました。
- NHK 2020/12/31 東京都 新型コロナ 過去最多の1337人の感染確認 初の1000人超
- これクリスマス頃の感染だとすると、年末年始の影響は仕事始めの頃から広く影響が出てくる。
- 今朝の体温は36.3℃。平熱まで下がりました。昨日の晩は39.0℃あって結構苦しかったです。シーツが汗びっしょりで最後のウイルスとの戦いだったんだと思います。早く退院できるのではと思います。
- 細のPCR検査は一旦陰性だったものの、微熱と頭痛が続くため再検査。時間指定で伊勢原まで行ってきたのに、駐車場で1時間以上待たされたそうです。72時間連絡がなかったら陰性とのこと。陽性なら連絡ありだそうです。
- 病院の食事は冷凍食品のセットが納入されています。朝400キロカロリー、昼は牛乳137キロカロリーを含め620キロカロリー前後、夜は500キロカロリー前後です。あまりおいしくはないし、お味噌汁も冷めていますが、しっかり食べて体力回復に努めたいと思います。
- 後で看護師さんに聞いたら、通常は食事の支度は看護師はしないそうです。新型コロナ感染症隔離病棟を少人数で回すため、看護師さんの仕事も増えます。
- 6:30で38.4℃。解熱剤を飲みました。
- 午前中は汗が引くまで待っていたのですが、午後着替えて睡眠をとっていました。ずいぶん楽になりました。
- 会社からは、富士フイルムグループ社員なので、アビガンを使ってもらうよう交渉してはどうかという提案がありました。しかしこの野戦病院のようなところでそんなVIP待遇が可能なのか分かりません。また、承認は見送りになったはずです。会社にはその旨伝えました。後日この提案は撤回になりました。
- 今朝の体温は37.7℃。今日は氷枕を使っています。
- 採血。
- 午後はシャワーを浴びました。一旦呼吸酸素吸入を外してそのシャワーが終わった後もう一度酸素吸入を始めます。この間酸素吸入がないのでしばらくSpO2値が低下していますから、その回復を待ちます。
- CTスキャナーと胸部 X線写真。
- CTスキャナーで肺炎が広がっていることがわかりました。治療自体はこれまでと変わらず、酸素吸入とステロイド剤です。
- アビガン使用の依頼は撤回にはなったのですが、医者に「アビガンはどうなんでしょうか」と聞いてみました。「明確に否定されちゃったからね」と一蹴。それにウイルスの拡大を抑えるもので、既に広がった状態では効果はないそうです。
- 細の再検査はやはり陰性。
- 酸素吸入量を3リットルから2リットルに落としました。
- 午後シャワー。今日は酸素ボンベをもって入りました。
- 酸素吸入量を2リットルから1リットルに落としました。その後ゼロになりました。
- ただ寝てると数値が悪くなるのでちょっと早すぎたかも。起きているときは意識して呼吸しているのに対して、無意識で呼吸出来るようにならないといけないのです。
- 個室から相部屋に移りました。ここには酸素吸入の装置はありません。六人部屋に四人入れる運用のようです。
- 症状が軽くなったら、酸素吸入の装置のある部屋は新しい人に回して、さっさと交代ということだと思います。
- 換気扇のそばのベッドで換気扇から入る風が寒いしうるさい。どうにかしてくれと言ったのですがどうにもならないようで、自分で換気扇の風を遮る対処をしました。
- 午後はシャワー。当然ながら酸素吸入はありません。
- 大学の授業がまだ残ったまま入院になったので、病院で資料を作成します。Wi-FiはないのでiPhoneテザリングです。さすがに授業を録画することはできないので、資料のみアップロードします。来週の授業なんですが、もう既に見て出席をつけている生徒もいます。
- NHK 2021年1月8日 東京都 コロナ検査陽性でも入院先など決まらない人が急増
- 基本的にホテルと自宅待機で病床数を確保する政策だったはずだが、それ以上に陽性患者を抑える施策ができていないことに尽きる
- NHK 01月08日 保健所ひっ迫で接触者調査を縮小 (神奈川県)
- 政策の変更というより事実上不可能になったということだな。抑える施策に政府が消極的だったから仕方ない。
- 今日の回診で明日10日の退院が決まりました。
- 午後はシャワー。
- 退院。病院のロビーは通らず、裏口みたいなところから出ていきます。
- 海老名駅まで10分くらい歩くのですが、体力の衰えを感じます。
- 電車の中で、40代くらいのオジサンが、向かいの席で会話していた男女の近くまで言って文句を言ってた。本人はマスクが鼻にかかってなくてよっぽど怖いよ。殺伐としてる。
- 帰ってお昼はラーメンにしてもらいました。温かい食事が身に染みる。
- 夕食はお造りとお節料理風盛り合わせ (黒豆、なます、かまぼこ、大根、角煮、スナップエンドウなど)。少し日本酒も飲んで幸せを感じます。
- 細の待機も今日で終わりです。
- 会食などおこなっていないし、マスク、手洗いは常に意識していました。結局感染経路は分かりません。
- COCOAアプリは役に立ちませんでした。まず陽性になったときに登録番号が伝えられません。どこに聞けばよいかも分かりません。また、立ち上げてみたら1日目になっていました。一度立ち上げたらそのままずっと立ち上がっているものと思っていたのですが、iPhoneが再起動になったりしたときには再度手動で立ち上げないといけなかったのではないかと思います。
- 毎日新聞2021年1月9日 自粛要請はなぜ響かなかったのか 海原純子さんの読み解く「楽観バイアス」
- とはいえ私にもこの「楽観バイアス」があったのだろうと思います。
- NHK 2021年1月6日 コロナ感染後 自宅で体調急変などして死亡 全国で122人 警察庁
- 自宅待機って結局は患者の申告によって対処を決めるので、我慢強い人ほど危ない。
- 毎日新聞2021年1月6日 クロスロード 人生のとき 見逃した一番の時 作家・沢木耕太郎さん
- 今回の感染で人生観が変わったとまで言う気はないですが、少し今後の人生を大事に生きていこうと思いました。